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音楽と物語に関する文章を書いています。
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タグ:quasimode ( 71 ) タグの人気記事
quasimode – Hi-Tech Jazz
quasimodeがカバーした「Hi-Tech Jazz」が、Flower Recordsというレーベルのコンピレーション・アルバム『Past and Future ~Flower Records 20th Anniversary~』に収録されています。配信(ダウンロードならびにサブスクリプション)でも聴くことができます。
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quasimodeが演奏する「Hi-Tech Jazz」は2種類あります。ひとつは、matzzさんが選曲した『SPUNKY! - mixed by Takahiro “matzz” Matsuoka (quasimode)』に収録されたバージョン。もうひとつが、quasimodeの名義でリリースしたアナログ盤に収録された新録バージョンです。本作に収録されているのは後者の方です。

新録の「Hi-Tech Jazz」は、ライブのオープニングを思わせるドラムとパーカッションの演奏から始まります。ループする心地好いリズムを全身に浴びながら記憶を巻き戻します。照明がメンバーを捉え、「どの曲が始まるんだろう?」と想像を巡らせるときの、あのわくわくした気持ちを思い出します。キックとハイハットとスネアとコンガが疾走し、それらがカット・アウトした直後にベースとピアノが飛び出す展開に心が震えます。今にもmatzzさんの「Yes! quasimode!」という煽りが聞こえてきそうです。
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ピアノ、パーカッション、アコースティック・ベース、ドラムスのカルテットに、ホーン・セクションが加わるという、quasimodeの基本スタイルを味わえる編成です。エレクトリック・ピアノやエレクトリック・ベースの場合もあり、ボーカルやラップが加わることも多いのですが、僕は最初にこのスタイルに魅力を感じて、それから他のパターンをどんどん聴いていきました。僕にとってのquasimodeに関する記憶の出発点が浮かぶ、そういうサウンドです。

アナログ盤の「Hi-Tech Jazz」は2011年のクリスマス頃に購入して聴いていたので、もう5年以上が経っているわけですね。配信はおろかCDにすらなっていない曲は、聴く機会が著しく減少します。こうしてサブスクリプションで聴ける状態になったことは、聴き手としては素直に嬉しい。音楽に出会いなおして新たな気持ちで聴くというのも、そこそこ長く音楽ファンをやっていると訪れる楽しい時間です。

2017.11.06
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by mura-bito | 2017-11-06 21:42 | Music | Comments(0)
Stella.J.C – Stronger Every Day [feat. Wouter Hamel, Yusuke Hirado & Shingo Sekiguchi]
Stella.J.Cというアーティストが「Stronger Every Day」という曲を発表しました。鍵盤奏者でありサウンド・プロデュースも手がける方だそうで、quasimodeの平戸祐介さんがパーソナリティを務めるラジオ番組のアシスタントを担当しています。「Stronger Every Day」はApple MusicやiTunes Storeで聴くことができ、また、SoundCloudにもアップロードされています。

https://soundcloud.com/mono-creation/stronger-every-day/s-QWsMG

この季節に溶け込む音、それが「Stronger Every Day」の第一印象です。少しずつ冷たくなっていく秋の空気が漂いますね。丁寧に編まれた音は心地好く、きれいな空気を吸い込むときのような爽やかさを感じます。それでいて、秋独特のメランコリックな雰囲気もあります。Wouter Hamelが歌い、平戸さんがキーボード、関口シンゴさんがギターを弾いており、爽やかな明るさと憂鬱な冷たさを併せ持つサウンドを作り出すのに貢献しています。
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左→右:Wouter Hamel、Stella.J.C、関口シンゴ、平戸祐介

僕がWouter Hamelの歌声を聴くのは、この曲が初めてではありません。quasimodeが2009年にリリースしたアルバム『daybreak』に、彼が参加した「Happy Few」という曲が収録されています。波を乗りこなすサーフィンのように、ノリのいいサウンドに乗せて彼の歌声が駆け巡ります。ピアノが、ホーンが、ストリングスが歌声と絡みます。音と一体化する歌声の持ち主ですね。その特徴は「Stronger Every Day」でも活きています。

2015.10.26
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by mura-bito | 2015-10-26 21:56 | Music | Comments(0)
quasimode - Soul Delivery Live -Shibuya AX-
Soul Delivery Live -Shibuya AX-

Soul Delivery Live -Shibuya AX-

quasimode


quasimodeの通算2枚目のライブ盤がリリースされました。iTunes Storeのみで配信されているライブ音源集を入れれば3つ目のライブ音源プロダクトですね。2012年11月23日にSHIBUYA-AXで行ったツアー・ファイナルが録音されています。ピアノ、パーカッション、ベース、ドラムスのカルテットに加えて、4人のホーン隊、コーラスとボーカルに2人のシンガー、そしてゲストのキーボード・プレイヤーの音を聴くことができます。最新アルバム『SOUL COOKIN'』の曲を軸にして、旧作からは特に盛り上がるおなじみの曲をピックアップして構成したライブでした。

随所でコーラスを担当し、「Give It Up Turn It Loose」ではリード・ボーカルを披露した奥山みなこさんの歌声は素晴らしかったです。ライブのときにも鳥肌が立ちましたが、ライブ盤で聴くとそのときの感動がよみがえります。会場の空気を自らの声で染め上げる。「Give It Up Turn It Loose」は、音源よりもテンポを落として、ぐっと親密な雰囲気になりました。クールだけど柔らかい演奏と奔放に舞うスキャットに包まれて、このまま終わらなければいいのにと思いながら踊っていたことを思い出しました。

デビュー盤にも収録されている「Ipe Amarelo」は、実に長く演奏されているサンバ調の曲です。幾多の戦いを経て鍛えられた曲という感じがします。演奏されるたびに少しずつアレンジが変わり、ほかの曲と混ぜたり、抑揚のつけ方を変えてみたりと、何度聴いても飽きませんね。このライブでは、サックスのソロがかなりとがっていますし、一度音を絞ってから徐々に音量を上げて盛り上げていく工夫が成されています。ラテンっぽさが薄まったぶん、ロックの魂を注入された感じがします。

「Vertigo」からの「Relight My Fire」は、おなじみの流れ。僕は前者をてっきりU2だと思っていましたが、どちらもダン・ハートマンの有名な曲です。ボーカルは有坂美香さん。音源やリリースされた当初のライブでは部分的にコーラスを入れているだけでしたが、2012年4月のライブからはオリジナルと同じ歌詞が入るようになりました。そうなったら盛り上がりにも拍車がかかろうというもの。ライブのたびに進化して強くなって、聴くたびに心も身体も解き放たれます。

新たなエンディングの曲としてライブ本編を締めた「El Paso Twist」ですが、こうしてラテンの雰囲気が強い曲で終わってくれるのが、僕は好きです。ラテンのフレーズって、とにかく楽しい。最後はベースの須長さんが「まだまだ行けんのかーっ!?」とシャウトして煽り、ラララで歌い始めました。もちろんみんなで歌う。思い返せば、2011年の『Magic Ensemble』リリース・ツアーのファイナルでは、ラテン調の「Lush Life」が本編最後に演奏され、同じように須長さんの歌を聴くことができました。どちらの曲も音源では歌は入っていなくて、ライブだけの特別アレンジです。曲だけでも楽しいのに、みんなで歌って盛り上がれるなんて嬉しいことこの上ない。

音楽のスタイルが変わっても、会場を熱くする、盛り上げることに関してはまったくぶれないですね。ライブ盤に詰め込まれたリアルな熱気の記憶を巻き戻しつつ、この熱を感じたいがためにまたライブに行くのだろうなぁと思うのです。

2013.03.10
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by mura-bito | 2013-03-10 16:09 | Music | Comments(0)
キーボード・マガジン No. 379 平戸祐介・須長和広インタビュー
Keyboard Magazine 2013 WINTER No. 379

Keyboard Magazine 2013 WINTER No. 379

リットーミュージック


SOUL COOKIN'

SOUL COOKIN'

quasimode


弾けないけれど、鍵盤が好きなんです。2012年の12月に出たキーボード・マガジンでは、quasimodeの平戸祐介さんと須長和広さんがインタビューに答えています。平戸さんはピアノとフェンダー・ローズを弾き、須長さんは主にアコースティック・ベースを弾きます。最新作『SOUL COOKIN'』のリリースは10月でしたが、こうして時間を置いてアルバムに関する話を読むのもいいですね。特にキーボード・マガジンはマニアックなことを分かりやすく、時には徹底的にマニアックに伝えてくれるので、そのオリジナリティは何年経っても健在です。素晴らしい。

インタビューでは、最新作を軸にして、曲づくり、楽器、アレンジといった突っ込んだ話が展開されました。アルバムのコンセプトやゲストが参加した曲など、トピックは既出であっても、キーボード・マガジンで初めて読む話題が出てきます。途中で話題はベースにフォーカスし、quasimodeにおけるベースの役割が見えてきます。須長さんのベースについて、平戸さんがいくつも言葉を費やします。柔らかな言葉の中に、説得力のある言葉が存在感を放つ。平戸さんが時折見せる音楽の知識や解釈、音楽に対する姿勢は、強く印象に残りますね。

音1つ1つの動きというよりは曲を推進させる力。ベースにはそれを期待していますね。その部分を押さえてもらってれば、細かくフレーズを弾いていても全然問題ないですし。良いベースがいるバンドって、曲がぐいぐい来るんですよ。やりたい世界観も分かるし、どういう方向に進んでいきたいかも分かる。

平戸祐介
quasimode Interview
Keyboard Magazine 2013 WINTER No. 379

おそらく、平戸さんは音楽を音で説明しない。説明するなら言葉を使うし、その役割に音を用いることはないのでしょう。音を聴いてもらえれば分かる、というスタンスではなく、丁寧に言葉を尽くして説明することを心がけている気がします。ただ、言語化の範囲を越えたプレイもきっとあるし、意図的に話していないこともあるかもしれません。行間から、音から、もっと多くのものを感じ取ることができそうです。

ジャズ・ミーツ・ソウルというコンセプトで作ったアルバムなので、ピアノはパキパキした音ではなく、ちょっと温かみがある、音像が丸い感じにしました。もちろん曲にもよるけど、全体的な質感としてはそういう感じがいいかなと。

平戸祐介
quasimode Interview
Keyboard Magazine 2013 WINTER No. 379

2013.01.18
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by mura-bito | 2013-01-18 22:13 | Music | Comments(0)
quasimode Soul Delivery Tour Final at SHIBUYA-AX
quasimode Soul Delivery Tour Final
2012-11-23 at SHIBUYA-AX

10月から始まったquasimodeのSoul Delivery TourがSHIBUYA-AXで千秋楽を迎えました。新作『SOUL COOKIN'』の曲を中心に構成して、旧曲をわずかに散りばめたライブ。音と歌と光に満ちあふれるステージに心も身体も大満足です。全身全霊でソウルを受け取りました。

総之輔さんが繰り出すキックの音が気持ち良くて、このまま終わらなければいいのにと思うこと数えきれず、でした。大きな会場で浴びるダンス・ミュージックは格別ですよね。エレクトロだろうが生音だろうが、踊らせるパワーを持った音楽はやはり気持ちいい。キックやベースと自分の相性がいいと、もう最高ですね。特にキックが重厚なのは「ALL IS ONE」です。総之輔さんが加入して初めてのアルバムのオープニングを飾る曲です。

もっちこと岩本義雄さんはquasimodeには欠かせないサキソフォニストです。もっちさんのテナーって、ここ1年で様変わりしたと思うんです。かつては控えめな印象だったのですが、ぐっと音が前に出ていると感じます。1年前にmotion blue YOKOHAMAで「THE LAND OF FREEDOM」という曲を聴きましたが、そのテナー・ソロが実にワイルドであり、もっちさんのイメージががらりと変わりました。そのワイルドもっちは今回のライブでも健在。「THE MAN FROM NAGPUR」や「IPE AMARELO」といった初期の曲に新たな命を吹き込んでいました。

ステージが輝いていたのはAXの照明だけのせいではありません。3人の歌姫がそれぞれの声で、色とりどりの華を添えてくれました。まずは、アルバムにも収録されている「GIVE IT UP TURN IT LOOSE」を歌った奥山みなこさん。バンドと歌の混ざり具合が絶妙で、ゆったりと気持ちよく踊れる時間でした。次はアジテーター有坂美香さん。何と言っても「RELIGHT MY FIRE」に合わせる声はこの方でなければならない。奥山さんと有坂さんはリード・ボーカルをとった曲の他にも、随所で息の合ったコーラスを披露してくれました。そしてシークレット・ゲストとして登場したのは土岐麻子さんです。コラボ曲「SLOW MOTION」で唯一無二のすてきな歌声を聴かせてくれました。

セット・リストの大部分を新作の収録曲が占めており、それはかなり挑戦的だなぁと思いました。どうしたって旧曲というものは求められますし、あれも聴きたいこれも聴きたいは世の常、ファンの常です。それでもなお、新作で提示したquasimodeの音楽スタイルをこれでもかと見せつけてくれました。その一端として、「LEAVING TOWN」、「STILL IN THE NIGHT」、「KING OF KINGS」などの新曲ではドラマチックなアレンジが施され、広い会場に合うような壮大さを醸していました。ゲストのエマーソン北村さんが奏でるシンセサイザーの起用も含め、AXという大箱ならではのパフォーマンスを意識していたのかもしれません。

2012.11.24
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by mura-bito | 2012-11-24 11:12 | Music | Comments(0)
Give It Up Turn It Loose - Keep On Steppin' - Closing Time
SOUL COOKIN'

SOUL COOKIN'

quasimode


quasimode - SOUL COOKIN'

Give It Up Turn It Loose
ずしりと響くピアノとアコースティック・ベースの音から始まるこの曲は、アルバムの中で唯一のカバー曲ですね。奥山みなこさんのボーカルを中心に据えた歌ものです。僕の中で「かっこいいジャズ」と言えばこういう曲をまず挙げます。全体はクールで近寄りがたいかもしれないけれど、イントロから垣間見える甘さ、色気、そんなものが同居している。甘さや色気に誘われてその世界に入ってみれば、クールな音にぐっと心をつかまれる。奥山さんの声、そして英語の歌詞がクールさをぐっと高めていますね。もっちさんが奏でるフルートの調べは、時に切なく響きますが、足取りも軽くさせてくれます。音に誘われて浮かんだイメージは、ヨーロッパのお洒落な街並み。

Keep On Steppin'
踊ったり歌ったりすることは絵を描いているような感覚に近いかもしれません。quasimodeの音がキャンバスになり、思いのままに色を塗る、思いのままに踊る。音に導かれるままに、色が重なります。何を描くかは人それぞれであるように、どう踊るか、どう楽しむかも聴く人次第ですよね。言わずもがなではありますが、この曲に触れたときに改めてそう思いました。曲調はとても開放感があって、突き抜けてくれたなぁという感じです。勢いよく窓を開けて、爽やかな風が吹き抜けて、まぶしい光が差し込む。抑えていたものを解き放ったと言うか、ストレートに爽やかなアレンジを施した曲です。屋外のライブで聴いたらジャストフィットするでしょう。よく晴れた空の下が似合う曲ですね。

Closing Time
めくるめく展開を見せてくれたアルバムに幕を下ろす、エンディングの曲です。4人の演奏がとても細やかに組み合わさって、ひとつの流れをつくり出しています。音が重なるところ、音を抜くところが滑らかに移り変わって、聴く人の心をやさしくほぐしてくれます。弾かない、叩かない、ということも演奏のひとつですよね。技術というよりはむしろ感性の領域になるとは思いますが、音を入れることで次に音をカットしたときの印象が強くなったり、あるいはその反対もあったりします。さて、ループするピアノの響きは、夢に落ちる寸前の心地良さを表現しているのでしょうか。何も考えなくていい夜。音が遠くに遠くに聴こえ、聞こえて、そして気づかぬうちに夜の中へそっと潜り込みます。

2012.10.27
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by mura-bito | 2012-10-27 09:59 | Music | Comments(0)
Slow Motion - El Paso Twist - King Of Kings - Still In The Night
SOUL COOKIN'

SOUL COOKIN'

quasimode


quasimode - SOUL COOKIN'

Slow Motion
土岐麻子さんをボーカルに迎え、とても爽やかな雰囲気の曲に仕上がっています。軽快なイントロから音の世界に没入し、土岐さんの声が聞こえると、ふわりと温かみが広がります。quasimodeの演奏に溶け込みながら、歌声は少しずつ表情を変えます。多くの人が認めるところかとは思いますが、ユニークかつ素敵な歌声ですよね。そして、「一人で潜ったプールの水色」という表現がとても好きです。秋の風に誘われて、過ぎ去った夏を巻き戻しているかのような言葉ですね。軽やかに刻むパーカッション、ハッピーな雰囲気を出すホーン、涼しげなストリングスは、秋の風を思わせます。開いていた本が風にあおられ、ページがめくれる。風が「先に進めよ」と背中を押してくれているかのような。

El Paso Twist
ピアノが跳ねて、トランペットが笑って、サックスもおどけたようにステップを踏んでみせる。ベースが踊る、パーカッションが叫ぶ、ドラムが肩を竦める。底抜けの明るさに満ちた、表情豊かな曲ですね。コメディタッチの映画を観ているような気がしてきます。ライブで聴いたら確実に楽しいし、全身で楽しみたいね!と思わせてくれます。短く回していくソロ演奏も、わずかな時間、わずかな音符の中に笑顔を凝縮している感じがします。とにかくこの曲からは笑顔があふれる。それはもう、第一印象から思っていることです。楽しそうに笑う人の周りに人は集まりますよね。そのままパーティーが始まって、歌声が弾けて、手拍子が舞えば、たくさんの笑顔が咲き乱れる。

King Of Kings
ちょっと奇妙なパレードを想像してみました。matzzさんの叩くティンバレスが合図となって進むパレード。ホーン隊が力強く吹き、ティンバレスが鳴る場面も多く、随所でパレードを盛り上げます。周囲でパレードに声援を送る群衆は熱狂の渦に包まれています。さて、誰を乗せてパレードを行なっているのか、実は誰もわかっていないのではないか。そこに讃えるべき誰かがいると信じて、あるいは疑いすら持たずに、演奏し、声援を送っているのかもしれない。曲はフェードアウトしながら終わります。どこまでも続いていくパレードを感じさせる終わり方です。ハーメルンの笛吹き男のように音を鳴らしながら行進していくパレード、そしてそれを追いかけるように歩き始める人の群れ。

Still In The Night
quasimodeのアンサンブルと、ストリングス・カルテットの演奏。静かにせめぎ合うふたつのカルテットがスリリングな音の競演を生みます。相手を呑み込もうとするストリングスの重く分厚い音の層。ストリングスの重い音が途切れると、quasimodeの演奏が顔を覗かせます。分厚い雲を切り裂こうとするかのような明るい音、鋭い音。呑み込まれそうになりながら、コンガが打ち鳴らされる。ストリングスが攻める。ピアノが反撃する。一進一退、せめぎ合う音と音にぞくぞくします。互いを支えるのがバンドだとは思いますが、この曲については感性を、音をぶつけ合うような丁々発止こそが魅力を生み出していると思いますね。そのスリルが聴く者をこの上なく快感に導いてくれる。

2012.10.25
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by mura-bito | 2012-10-25 22:24 | Music | Comments(2)
Febre Samba - Summer Madness - Another Sky - Leaving Town
SOUL COOKIN'

SOUL COOKIN'

quasimode


quasimode - SOUL COOKIN'

Febre Samba
音とともに、目の前にどこかの街並みがぱっと広がります。フェンダー・ローズというエレクトリック・ピアノの音が軽快に響き、それはまるで街の路地を軽やかに吹き抜ける風です。雑多で賑やかな界隈をさっと通り抜け、広場にたどり着く。広場の喧騒をするするとかき分け、人々の頬をなでて、あっという間に駆け抜けます。非日常というよりは、日常のざわめきや他愛もない会話が織り成す街の喧騒を音に置き換えたような曲です。海外の街並みを紹介するBSの番組のような感じですね。カメラが旅人の視点で動き、人々の表情やそれぞれの営みを切り取っていく。そんなイメージが浮かびました。

Summer Madness
横山剣さんをボーカルに迎えたこの曲はシングルとしてもリリースされましたが、アルバムでは少し雰囲気を変えています。シングルでは能天気な印象が強かったのですが、アルバム・バージョンを聴いてみると、そこに苦味みたいなものが加わっている気がします。大人の世界に足を踏み入れかけた男性の能天気さと言うべきでしょうかね。勢いは充分にあるんだけど、ダメージを受けると意外と傷は残る…と言うか何と言うかまあ、そんな感じです。須長さんの弾くエレクトリック・ベースが、若さと大人っぽさの入り混じった絶妙な雰囲気を出してくれているんじゃないかな、なんて思います。

Another Sky
タイトル、そしてこの季節の空気がミックスして、僕の中には秋の空が浮かびました。それは青空でもあるし、うす曇りの気だるい空でもあるし、あるいは冷たさを増した雨を降らせる空でもあります。秋になると空を眺める機会が多くなるのですが、空の広さを感じる季節でもありますよね。空はどこまでもつながっているわけで、空を通じていろんな人とつながっていると考えることもできるのではないかと思います。総之輔さんが叩くビートの印象が強い曲であり、エレクトリック・ベースのソロ演奏と絡むところでは、これまでにない魅力を感じます。そして奥山みなこさんのコーラスが美しく響きます。

Leaving Town
夕暮れの寂しい雰囲気が似合いそうなインストゥルメンタル。昼間はそこそこ暖かいこの季節ですが、陽が傾くと途端に気温がすっと下がり、時として寒い風が吹きます。思わずジャケットの前をかきあわせるたくなるような風を感じる夕方、少し冷たい空気がまとわりつきます。平戸さんの弾くフェンダー・ローズが切なさを醸して、ホーン隊が切なさを倍増させるような演奏を聴かせてくれます。特に、川崎太一朗さんの吹くフリューゲル・ホルンが好きですね。川崎太一朗さんと言えば攻撃的なトランペットを吹くイメージが強く、それだけに哀愁漂う音を出すときはインパクトが相当強いんですよね。

2012.10.23
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by mura-bito | 2012-10-23 21:45 | Music | Comments(0)
Opening Time - Soul Cookin' - Let's Get Down Together
SOUL COOKIN'

SOUL COOKIN'

quasimode


quasimode - SOUL COOKIN'

Opening Time
レコードに針が落とされ、溝を擦るノイズが耳に届きます。アルバム『SOUL COOKIN'』は擬似的ノイズで幕を開けます。レコードを知らない世代にレコードを聴く擬似感覚を与えようとしているのでしょうか。あるいはquasimodeが属するクラブ・コミュニティを象徴する音でしょうか。そして飛び出す陽気なMC。そのMCのラストで高らかに叫んだ言葉は "Yes, quasimode!"。ついにこの言葉を音源に使うときが来たんだなぁと思いました。いつもライブのオープニングで、パーカッションのmatzzさんが叫んで煽る言葉。ライブを発進させるイグニッション・キーのような役割を持ったquasimodeフレーズです。アクセルをぐっと踏み込み、気持ち良くアルバムが始まります。

Soul Cookin'
アルバムのリード・トラックとして先行配信され、ミュージック・ビデオも制作されました。イントロで響くピアノが軽快に音を刻み、陽気な気分に拍車をかけてくれます。ビデオではちょうどキャベツを刻む映像とシンクロしていました。コーラスを入れているのは奥山みなこさんです。レゲエ・ディスコ・ロッカーズのボーカルを務めていたこともある方ですが、力強さと爽やかさが同居する声の持ち主だと思います。アルバムの中でもいくつかの曲でコーラスを担当しており、ホーン隊やストリングス隊とともにquasimodeに色を添える存在と言えるでしょう。ゲストというよりはアルバム単位でのサポート・メンバーといったところでしょうか。

Let's Get Down Together
この曲でも奥山さんのコーラスを聴くことができます。ギロとコンガから始まる曲は明るい雰囲気を全面に押し出しており、よく晴れた日曜日の午前中というイメージが浮かびます。ラジオのスイッチを入れると、陽気なおしゃべりの合間にかかる曲は安っぽくも高尚な感じでもない、羽を休める大人の耳にすっと馴染む。ゆっくりと熱いコーヒーでも飲みながら、ゆるやかに始まるなんでもない休日。うん、悪くない。そんな日常のひとコマを感じますね。トロンボーンがじわりと渋い雰囲気を出していて、陽気な中にも耳を傾けたくなるポイントを見つけることができます。騒々しい平日は明日に追いやって、まずは今日という日をじっくり味わうのです。

2012.10.15
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by mura-bito | 2012-10-15 21:12 | Music | Comments(0)
quasimode - SOUL COOKIN'
SOUL COOKIN'

SOUL COOKIN'

quasimode


通算6枚目のオリジナル・アルバムのタイトルは『SOUL COOKIN'』。quasimodeが2012年に送り出す最新作です。僕は4枚目からリアルタイムで聴き始め、枚数を重ねるたびに違う角度からジャズを楽しませてくれます。新作『SOUL COOKIN'』に、僕はジャズを感じます。思い返せば、4枚目の『daybreak』にはロックっぽさを、5枚目の『Magic Ensemble』ではポップス寄りの雰囲気を感じたものです。今回は、自分が思い描いていたジャズ像、その中でも特に明るい部分を感じるんですよね。街で何気なく聞こえてきたジャズの楽しげな演奏に気持ちが上向く。曲は知らないけど、なんだか楽しいよね。そういう空気がぎゅっと詰まったアルバムなんじゃないかなと思います。

quasimodeの核は、4人の生音を主体としたサウンドです。平戸さんのアコースティック・ピアノ、matzzさんのパーカッション、須長さんのアコースティック・ベース、総之輔さんのドラム。ここにトランペット、サックス、トロンボーン、フルートといったホーン隊が切れ味のいい音、柔らかい音を差し込み、心地よい音の競演が生まれます。さらに、エレクトリック・ピアノが加わることはこれまでにもありましたが、今作ではエレクトリック・ベースやシンセサイザーの音も組み込まれています。尖った音だけでなく、少し丸みを帯びた音も聴くことができる。曲によってはストリングス・カルテットも参加しており、爽やかな雰囲気を作り出したり、重く分厚い音を重ねて気持ちを揺さぶったりします。

「Slow Motion」という曲から始まる後半の流れが好きですね。雰囲気が変わりながらひとつの流れになっていって、その流れの雄大さと振れ幅の大きさに身を任せます。音を浴びながら最後の地点にたどり着き、アルバムを締めくくる「Closing Time」でゆっくりとクールダウンしていく心地よさは格別ですね。ひとつの作品の中で、ひとつの曲の中で、クールなサウンドと熱いサウンドが競演するのがquasimodeです。対極の要素を常に内包しながら、その振れ幅を駆使して多彩な雰囲気の音を構築している。近寄れないくらいに音が輝いているときもあれば、触れられないくらいに音が燃えているときもある。あるいは、背中で語るような音があり、陽気にグラスを重ねているような音があるのです。

2012.10.13
Opening Time / Soul Cookin' / Let's Get Down Together

Febre Samba / Summer Madness / Another Sky / Leaving Town

Slow Motion / El Paso Twist / King Of Kings / Still In The Night

Give It Up Turn It Loose / Keep On Steppin' / Closing Time


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by mura-bito | 2012-10-13 09:21 | Music | Comments(0)

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