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タグ:EDM/Electro ( 97 ) タグの人気記事
TM NETWORK「WE LOVE THE EARTH」:ハウス・ミュージックとポップスが交錯し、二人の世界を描く「踊れるラブソング」
TM NETWORK「WE LOVE THE EARTH」は1991年にリリースされました。セット・リストに並ぶ機会が比較的多く、節目のコンサートで演奏される曲のひとつです。その演奏風景は、1994年の〈TMN 4001 DAYS GROOVE〉、2004年の〈TM NETWORK DOUBLE-DECADE TOUR FINAL “NETWORK”〉、2012年の〈TM NETWORK CONCERT -Incubation Period-〉などの映像作品に残っています。
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小室さんは「WE LOVE THE EARTH」のサウンドを「8ビートとハウス・ミュージックの融合」と説明しています。1990年代初頭に流行していたハウス系の音を取り入れ、自らのフィルターを通して解釈し、オリジナルのサウンドに仕上げました。ハウス・ミュージックの要素を含んだポップスであり、歌メロの良さとエレクトロニック・サウンドの心地好さを同時に味わうことができます。そして踊るのに適したテンポなので、ダンス・ミュージックとしても楽しめる曲です。

さらに、曲のなかで際立つのがウツのボーカルです。1990年のTMNへのリニューアルからウツの歌声が色気を増していて、加えて、「WE LOVE THE EARTH」では柔らかくて甘い歌を聴くことができます。その歌声を媒介して届く歌詞は、地球全体を見下ろす視点から、ぎゅっと地上にフォーカスして、一人に向けて言葉を届けます。身体はサウンドに包まれ、心は歌声に魅了されます。「踊れるラブソング」というべきでしょうか。



TM NETWORK – WE LOVE THE EARTH (TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA)

アルバム『EXPO』には、シングルの音を一新した「WE LOVE THE EARTH -Ooh, Ah, Ah, Mix-」が収録されました。オリジナルがポップス寄りなのに対して、このリミックスではハウス・ミュージックの色が濃くなっています。ニューヨークから呼んだエンジニアによってミックスされており、世界で通用する音を追究していたことが分かります。新しく加わった長いイントロ、色気と厚みを増したベースやキック、音が抜けてスネアだけになる展開など、オリジナルの印象が刷新されるポイントがいくつもあるリミックスです。当時のツアーではこのミックスをもとにしたアレンジで演奏され、ストリーミング・サービスで配信されているアウトテイク/ライブ音源集の『TMN GROOVE GEAR』で聴くことができます。

公式のYouTubeページでは、2015年の〈TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA〉でのパフォーマンスが公開されています。アレンジはオリジナルに近く、ウツの歌や、木根さんを中心としたコーラスの魅力が存分に伝わる映像です。イントロをはじめ、間奏やエンディングでも歌われるフレーズは、木根さんを中心として会場全体でsing alongします。ミラーボールに当たって観客席を照らす光が、全員で歌うこのフレーズを輝かせ、そして無数の笑顔を咲かせます。どれだけ聴いても、そしてどれだけ歌っても、このフレーズの魅力は色あせません。
2020.07.07
by mura-bito | 2020-07-07 21:34 | Music | Comments(0)
Kygo, Zara Larsson, Tyga「Like It Is」:エレクトロニック・サウンドの波間に漂う歌声
Kygoの音に加わるZara Larssonの歌とTygaのラップ。絶妙にレトロな雰囲気を醸しながら、身体を刺激する心地好いダンス・ミュージックが生まれました。タイトルは「Like It Is」です。
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Kygoの曲に対して、僕はポップというイメージを持っています。Selena Gomezが歌う「Ain’t Me」や、AVICIIとのコラボレーション・ソング「Forever Yours」などを聴くと、その音に間口の広さを感じます。「Like It Is」も聴きやすくて、シンプルに組み立てられたサウンドはそれぞれの音が際立ちます。僕は特にベースの音が印象に残りました。曲のボトムを支え、全体をまとめる役割。心の一部を委ねられる、そんな音なのではないかと思います。重なった音の隙間から、アンビエント・ミュージックにも似た穏やかな雰囲気が漂います。



Kygo, Zara Larsson, Tyga – Like It Is

Zara Larssonの歌声は、彼女にしかない色を見せます。自身の「Lush Life」や「All The Time」、David Guettaとの「This One’s For You」、BTSとの「A Brand New Day」など、低めの声を活かしたエレクトロ系のポップスは聴いていてとても心地好い。その雰囲気は「Like It Is」でも変わらず、音と溶け合って新しい価値を生み出します。そして、そのボーカルの間に差し込まれるTygaのラップがアクセントになり、各自の声が互いを引き立てます。曲の後半では、彼女によるコーラスとボーカルが絡み合い、美しい氷像を鑑賞しているかのような、心地好い歌声のインスタレーションを堪能できます。
2020.05.11
by mura-bito | 2020-05-11 18:56 | Music | Comments(0)
Steve Aoki「Last One To Know [feat. Mike Shinoda and Lights]」:ふたつの歌声で編み上げる多面的コラボレーション
Steve Aokiがアルバム『Neon Future IV』をリリースしました。半分の曲が連名で制作され、もう半分ではシンガーやラッパーを迎えており、まさしくコラボレーションの塊。すでに発表されているAlan Walkerとの「Are You Lonely」、Backstreet Boysとの「Let It Be Me」、Monsta Xとの「Play It Cool」などが収録されています。Aokiコネクションの幅広さに圧倒されつつも、新たなシナジーを見つける楽しみを味わいながらアルバムを聴いています。
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アルバムに収録された新曲のうち、僕が惹かれたものを挙げるなら、最初に選ぶのは「Last One To Know」です。LINKIN PARKのMike ShinodaとシンガーソングライターのLightsがボーカルで参加し、異なる角度から曲を彩ります。Steve Aokiのサウンドの中で、ふたりの声の違いや重なったときの変化、多面的な楽しみ方ができるコラボレーションです。



Steve Aoki – Last One To Know [feat. Mike Shinoda and Lights]

「Last One To Know」は爽快な音とともに、Mike Shinodaのボーカルから始まります。やがてバトンがLightsに渡され、次にSteve Aokiの音が前面に飛び出し、そして再びMike Shinodaが歌う。Mike Shinodaの歌声は重量感がありながら軽快さもあり、腹持ちのよい歌を聞かせてくれます。一方、Lightsも素晴らしい歌声を聞かせてくれ、クリアかつ滑らかで耳に心地好い歌を堪能できます。曲の後半では、心に沁みるピアノに乗せて、ふたりの歌声が重なり、ひとつの魅力が生まれます。

僕はMike Shinodaの音楽が好きなので、彼が参加していることを知って「Last One To Know」を聴き始めました。ところが、Lightsの歌声の魅力を知ると曲の楽しみ方が増えて、一気に魅力は大きく膨れ上がります。ポップに寄せたSteve Aokiの音からは、異なる魅力のボーカルを活かす仕掛けが見られます。エレクトロニック・ミュージックの奥深さ、そして懐の深さを感じました。素敵なトライアングルに出会えたことに感謝します。

2020.04.16
by mura-bito | 2020-04-16 18:01 | Music | Comments(0)
Jack Back and Tom Staar「Body Beat」:身体を貫くビートが鼓動を支配する
Jack Backとは、David Guettaが使っている別の名義です。EDMシーンを牽引してきた彼のイメージとは少し異なるサウンドを提供します。ポップな要素やキャッチーなフレーズを減らし、比較的マニアックなサウンドを送り出しています。実験的な音作りの工房という感じでしょうか。
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Jack Backとしての作品も出す中で、Tom Staarと組み、連名で新曲「Body Beat」を発表しました。僕はDavid Guettaが関わった曲のリミックスでTom Staarを知り、ファンになりました。重厚ながらスピード感のあるキックの音が彼のアレンジの特徴です。



Jack Back and Tom Staar – Body Beat -Extended Mix-

「Body Beat」のアレンジを説明するなら「エレクトロニック・サウンドのカタログ」ということができます。ポップスのリミックスにおいて、イントロやエンディングに加えられそうな音で構成されている。しかし、それはパーツの寄せ集めであることを意味しません。

歌モノのように大きな起伏を見せない展開の中で、心惹かれるポイントがいくつか存在します。そのひとつがベースの音です。裏側で響くベースに耳を傾けてみると、その反復が醸す色気に魅せられます。エレクトロニック・ミュージックが好きな音楽愛好家にとって、この音作りは楽しいの一言に尽きるでしょう。その音を、身体で感じたい。
2020.04.13
by mura-bito | 2020-04-13 20:24 | Music | Comments(0)
TM NETWORK「10 YEARS AFTER」:ダイナミックに転換する俯瞰と対話のリリック・スタイル
TM NETWORKの活動は1994年に一度停止し(「TMN終了」)、1999年に再開しました。再始動にあたってリリースされた2枚のシングルのひとつが「10 YEARS AFTER」です。アコースティック・ギターとエレクトロニック・サウンドが組み合い、穏やかな雰囲気ながらも芯の通ったサウンドを響かせます。ウツのボーカルは緩やかに言葉をつなぎますが、あふれんばかりの言葉をラップのように歌うこともあり、言葉に合わせて変わる譜割が印象に残ります。

小室さんが「10 YEARS AFTER」で綴った歌詞の特徴は、大胆に転換する視点であり、歌ったウツも印象的だったと語りました。地球を俯瞰していたかと思えば、次の瞬間には、地上でのささやかな心の触れ合いにフォーカスする。「人間」や「国家」といった大きな単位で語る一方で、大事な人に向けた気持ちを表現しており、その切り換わりが唐突で意表を突かれます。こうした転換は折に触れて登場し、例えば2004年の「PRESENCE」や2012年の「I am」などを聴くとよく分かります。

「10 YEARS AFTER」の音に関わるトピックとして挙げられるのがヒップホップです。当時の小室さんがヒップホップに関心を寄せていたためか、ラッパーのCOMMONが参加したリミックスが制作されました。アウトテイク集『キヲクトキロク』で聴くことができます。ベースやキックが強調された肉厚なエレクトロニック・サウンド、ボーカルの大部分がミュートされて代わりに差し込まれたCOMMONのラップ。TM NETWORKの曲の中で、最もヒップホップに寄った作品となりました。
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「10 YEARS AFTER」をコンサートで聴けたのは、2004年のDOUBLE-DECADEです。横浜アリーナに響き渡るイントロの中、「聴けるとは思わなかった」という驚きと「聴けてよかった」という感動が交錯しました。コンサートの音楽的テーマがトランスだったため、「10 YEARS AFTER」でもキックの音が強調され、ずしりと身体に響きました。重厚なリズムの中で、ボーカルの優しいメロディやギターの音が心地好かったことを覚えています。

その後、コンサートで聴く機会は得ていません。2012年の〈TM NETWORK CONCERT -Incubation Period-〉では、セット・リストの草案に「10 YEARS AFTER」が入っていたのですが、最終的に外れました。このコンサートの「潜伏者が宇宙から地球に降り立つ」というテーマに合う曲なので、セット・リストに組み込まれていたら、僕のイマジネーションは大いに刺激されたことでしょう。

僕がTM NETWORKを現在進行形で聴けるようになったのが1999年であり、「10 YEARS AFTER」は記念碑ともいえる曲です。改めて「10 YEARS AFTER」を聴くと、再始動について「これから何が起こるのだろう?」と思いを巡らせ、期待に胸を膨らませていた1999年を思い出します。タイムマシンに乗って時間を遡ることができるのなら、当時の自分に「素晴らしい曲に次々と出会えるよ」というメッセージを伝えたい。

2020.03.30
by mura-bito | 2020-03-30 21:11 | Music | Comments(0)
Tim Berg, Norman Doray, Sebastien Drums「Tweet It」:エレクトロニック・サウンドに支配された身体はループの快感に酔う
「どうしてこんなに素晴らしい曲を今まで知らなかったのだろう?」と悔しがることが多々あります。何かのきっかけでその曲を聴き、そして感銘を受ける。リリースされたのは何年も前でありながら、その曲は新曲と同じくらいの新鮮さを届けてくれます。
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僕がAVICIIを聴くようになったのは2013年のアルバム『True』からです。それから過去の曲を聴くようになりましたが、すべてをカバーするまでには至っていません。自分の知らないAVICIIのオリジナル曲やリミックスがある中、2019年12月に開催された〈AVICII TRIBUTE CONCERT: IN LOVING MEMORY OF TIM BERGLING〉で「Tweet It」を知りました。この曲が始まって数秒で心をつかまれ、強く揺さぶられました。



Tim Berg, Norman Doray, Sebastien Drums – Tweet It

「Tweet It」は、AVICIIがTim Bergという名義で、Norman DoraySebastien Drumsとともに発表した曲です。AVICIIが音楽家としてのキャリアをスタートさせたばかりの時期ですが、それほど年数をおかずに代表曲「Levels」を世に送り出しているので、AVICIIは最初からAVICIIというか、別格だったのでしょう。そのことは「Tweet It」の素晴らしさによって補強されます。

ピアノが奏でるひとつのフレーズが曲を引っ張り、そのフレーズのリフレインが聴き手をボルテージを上昇させます。リフレインといっても、少しずつ変化していくので、その様子は螺旋階段を上るようだと表現できます。ぐるぐる回る音の中で、興奮の度合いが上昇していく。エレクトロニック・サウンドの螺旋に巻かれた僕らは、音楽的に支配され、その快感に陶酔します。

2020.03.09
by mura-bito | 2020-03-09 21:07 | Music | Comments(0)
Reol「サイサキ」:連鎖する言葉の奔流、咲き乱れる音の濁流
「HYPE MODE」でReolを知り、次は何を聴こうかとApple Musicで検索して、最初に目に留まったのが「サイサキ」という曲です。2018年にシングルとしてリリースされ、オリジナル・アルバム『事実上』に収録されています。
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言葉の奔流。息を吐く間もなく言葉が連なって流れ、その連なる言葉の勢いに圧倒されます。ぎゅっと詰まった言葉の組み立てからは、音楽であるのと同時に芸術的な要素を感じます。部屋の中で視覚的、聴覚的に言葉がぐるぐると渦を巻き、鑑賞者に巻き付く。言葉をモチーフにしたコンテンポラリー・アート、インスタレーションをイメージしました。



Reol – サイサキ

音の濁流。エモーショナルな音は、言葉の裏で言葉を支えながらも、聴き手のエモーショナルな部分を刺激します。ボーカルの存在感がとても大きいのは紛れもない事実ですが、エレクトロニック・サウンドの緻密さ、網目の細かさは「サイサキ」を構築する大きな要素です。歌に惹かれ、音に誘われ、曲の音楽世界に深く深く引きずり込まれます。

歌の占める割合が大きいと、印象的な言葉に出会う機会も多い。僕が「サイサキ」で特に好きなのは ♪諸行無常 愛すべき東京♪ という部分です。メロディの流れやライムが心地好く、それに加えて意味も通っていて、脳を満たす快感を増幅しているのではないかと思います。楽しい。

2020.02.24
by mura-bito | 2020-02-24 17:01 | Music | Comments(0)
BTS「Interlude: Shadow/Outro: Ego/Black Swan」:新しいピースを組み合わせ、イマジネーションで描く地図
『MAP OF THE SOUL: PERSONA』に続く、BTS방탄소년단)のアルバム発売が予定されています。それはMAP OF THE SOULシリーズの第二弾、『MAP OF THE SOUL: 7』です。アルバムの到着に先立ち、「Interlude: Shadow」と「Outro: Ego」のミュージック・ビデオがYouTubeで公開され、シングルとして「Black Swan」が配信されました。
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新作『MAP OF THE SOUL: 7』への期待は否応なしに高まります。アルバムの中で最初に公開された曲が「Interlude: Shadow」です。ヘビーなサウンドとタフに響くSUGAのラップ、その聴き手を呑み込まんとする存在感の大きさに圧倒されます。数え切れないほどのスマートフォンを向けられる中、彼は一際高いステージに立ち、あるいは群衆の中で挑発的、扇情的に歌います。



Interlude: Shadow performed by SUGA

「Outro: Ego」の主役はJ-HOPEです。ファンキーでダンサブルな音の中、音を従えて街を行進するように、力強く、そして軽やかに歌とラップを披露します。ポップかつクールなメロディを自在に操り、さまざまな表情を声で表現します。ボーカルの間に差し込まれるブラスっぽい音のフレーズがとても格好良くて、それは身体をアジテートし、踊りたくなる欲求を刺激します。



Outro: Ego performed by J-HOPE

そしてもうひとつの新曲、シングル・カットされた「Black Swan」は、美しく重厚な雰囲気を醸すミディアム・テンポの曲です。併せて公開された映像はミュージック・ビデオではなく “Art Film” とのこと。この映像はBTSの音楽とコンテンポラリー・アートの融合というべきでしょうか。「Black Swan」に合わせて、スロヴェニアの振付・ダンス集団MN Dance Companyがパフォーマンスを披露しています。美しい曲線を描く身体表現が、重心の低いハーモニーと絡み合い、ひとつの世界を描きます。



Art film of Black Swan performed by BTS and MN Dance Company

音楽と映像がタッグを組み、重要な役割を果たし始めたのは1980年代なので、30年以上のキャリアがあります。その中でもYouTube時代というかオンライン映像時代というか、ここ10年における映像の強さは目を見張るものがあります。

「Interlude: Shadow」のビデオが公開されたとき、SUGAが描く音楽世界に引き込まれました。映像が最初に来て、来たるべき『MAP OF THE SOUL: 7』の世界を予告します。「音楽は『目から』聴く」時代の真っ只中であることを再認識せずにはいられません。

2020.02.18
by mura-bito | 2020-02-18 21:49 | Music | Comments(0)
Reol『金字塔』:立体的な歌声が打ち立てる音楽世界、色鮮やかに駆け巡るエレクトロニック・サウンド
タイトルは『金字塔』。ピラミッドを指す言葉として生まれ、今では、後世に残り得る優れた業績を表わす際に用いられます。存在感の大きいこの言葉を冠したのが、2020年1月にReolがリリースしたオリジナル・アルバムです。2019年に発表されたシングル「ゆーれいずみー」と「HYPE MODE」、2曲の短いインストゥルメンタルを含め、トータル11曲で構成されています。
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アルバムは表題曲「金字塔」から始まります。伸びやかに響くReolのボーカルからは、曲名に負けず劣らず、自らの音楽に対する確信が伝わってきます。その歌声は立体的というべきか、不思議な奥行きを感じ、曲をもっと聴きたいと思わせる魅力があります。また、カラフルな音をまとうEDMスタイルのバックトラックは、エレクトロニック・サウンドの良さを存分に味わうことができます。

「HYPE MODE」でReolを知り、その音楽を遡って聴いてみると、ひとつには絞れない音楽スタイルの幅広さを実感します。そうした越境スタイルの中でも芯といえそうな要素が「ヒップホップ、EDM、ポップスの混合」です。この路線は『金字塔』でも随所に見られ、アルバムの大部分をカバーする特徴といえます。例えば「ダリ」「GRIMOIRE」といった曲で感じるノリや音の気持ち良さ、軽やかに舞う言葉の心地好さは、ジャンルが混ざり合って生まれたものだと思います。



Reol – 金字塔 (XFDMovie)

『金字塔』では、多彩なエレクトロニック・サウンドに加え、それらを支えるベースにも心を奪われます。ベースによって魅力が増幅されている曲のひとつが「un, deux, trois」です。美しいメロディを包み、曲の輪郭を描くベースの音が印象に残ります。Jazzyなヒップホップとでもいえばいいましょうか。音の中に沈み、音を身体に馴染ませるように聴き、踊りたい曲です。

最終トラックの「1LDK」は、アルバムのリリースに先立ち配信されました。ピアノの音から始まり、ピアノの音で終わる曲です。ピアノとベースが絡み合い、それらは乾いているようにも、湿り気を帯びているようにも響くのが不思議です。また、鍵盤の音が連なるところではジャズのフレーバーが漂い、その色はエンディングで一層濃くなります。リズミカルに響くピアノの音がフェイド・アウトして曲が終わり、そしてアルバムが幕を閉じます。



Reol – 1LDK (Live at YouTube Space Tokyo)

『金字塔』がリリースされた1月22日、ReolがYouTube Space Tokyoでライブ配信を行ないました。いくつかのスペースを移動しながら、「HYPE MODE」、「ゆーれいずみー」、「1LDK」を含む全7曲を立て続けに歌った30分間。光と映像で演出された空間に歌が響き、Reolの歌声の魅力を存分に味わえました。そして、他のアルバム収録曲がライブで披露されるのは2月から始まるツアー〈Reol Japan Tour 2020 ハーメルンの大号令〉であり、期待は高まるばかりです。

2020.01.28
by mura-bito | 2020-01-28 17:40 | Music | Comments(0)
AVICII「Lonely Together [feat. Rita Ora]」:歌声は心の内側に触れ、崩れ落ちそうな世界の輪郭を描く ◢ ◤
2019年12月に開かれた〈AVICII TRIBUTE CONCERT: IN LOVING MEMORY OF TIM BERGLING〉では、AVICIIのキャリアを彩ったさまざまな曲が演奏されました。その中には、自分がしばらく聴いていなかった曲も含まれています。そうした曲を改めて聴くことで、各曲の魅力に「再会」する機会に恵まれました。
AVICII「Lonely Together [feat. Rita Ora]」:歌声は心の内側に触れ、崩れ落ちそうな世界の輪郭を描く ◢ ◤_b0078188_20590574.jpg
今の感性だからこそ湧き上がる気持ちや感動があります。このコンサートで「再会」した曲のひとつが、Rita Oraが歌った「Lonely Together」です。2017年に発表された『AVĪCI 01』というextended playで聴くことができます。



AVICII – Lonely Together [feat. Rita Ora]

「Lonely Together」で聴けるRita Oraの歌声を一言で形容するならば、やはり「美しい」という言葉を選びます。けれども、それだけでは言い表わせない魅力を感じます。柔らかさもあり、優しさもある。指先で心の内側にそっと触れる、そんなイメージが浮かびます。

「Lonely Together」というタイトルには、絶望ではないけれど希望に満ちているわけでもない、切ない空気が漂います。Chorus部分の ♪Let’s be lonely together A little less lonely together♪ が印象に残ります。軽く触れただけで崩れそうな、脆い世界の輪郭を描くのがRita Oraの歌です。



AVICII – Lonely Together [feat. Rita Ora] -Alan Walker Remix-

Rita Oraのボーカルは美しさや優しさに加え、エレクトロニック・サウンドの中で屹立するパワーを持ちます。それを感じられるのが、複数のDJ/producerが参加したRemixesであり、中でも僕はAlan Walkerのリミックスが好きです。

Alan Walkerのアレンジの特徴は軽快に跳ねる感じと濃密な音の共存ではないかと思います。「Lonely Together」のリミックスでも、彼らしい軽快なフレーズ、軽やかでありながら密度の大きいエレクトロニック・サウンドを聴かせてくれます。その中で舞うRita Oraの歌声が胸に迫ります。

2020.01.20
by mura-bito | 2020-01-20 21:00 | Music | Comments(0)

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