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タグ:AVICII ( 34 ) タグの人気記事
Tim Berg, Norman Doray, Sebastien Drums「Tweet It」:エレクトロニック・サウンドに支配された身体はループの快感に酔う
「どうしてこんなに素晴らしい曲を今まで知らなかったのだろう?」と悔しがることが多々あります。何かのきっかけでその曲を聴き、そして感銘を受ける。リリースされたのは何年も前でありながら、その曲は新曲と同じくらいの新鮮さを届けてくれます。
Tim Berg, Norman Doray, Sebastien Drums「Tweet It」:エレクトロニック・サウンドに支配された身体はループの快感に酔う_b0078188_21050863.jpg
僕がAVICIIを聴くようになったのは2013年のアルバム『True』からです。それから過去の曲を聴くようになりましたが、すべてをカバーするまでには至っていません。自分の知らないAVICIIのオリジナル曲やリミックスがある中、2019年12月に開催された〈AVICII TRIBUTE CONCERT: IN LOVING MEMORY OF TIM BERGLING〉で「Tweet It」を知りました。この曲が始まって数秒で心をつかまれ、強く揺さぶられました。



Tim Berg, Norman Doray, Sebastien Drums – Tweet It

「Tweet It」は、AVICIIがTim Bergという名義で、Norman DoraySebastien Drumsとともに発表した曲です。AVICIIが音楽家としてのキャリアをスタートさせたばかりの時期ですが、それほど年数をおかずに代表曲「Levels」を世に送り出しているので、AVICIIは最初からAVICIIというか、別格だったのでしょう。そのことは「Tweet It」の素晴らしさによって補強されます。

ピアノが奏でるひとつのフレーズが曲を引っ張り、そのフレーズのリフレインが聴き手をボルテージを上昇させます。リフレインといっても、少しずつ変化していくので、その様子は螺旋階段を上るようだと表現できます。ぐるぐる回る音の中で、興奮の度合いが上昇していく。エレクトロニック・サウンドの螺旋に巻かれた僕らは、音楽的に支配され、その快感に陶酔します。

2020.03.09
by mura-bito | 2020-03-09 21:07 | Music | Comments(0)
AVICII「Lonely Together [feat. Rita Ora]」:歌声は心の内側に触れ、崩れ落ちそうな世界の輪郭を描く ◢ ◤
2019年12月に開かれた〈AVICII TRIBUTE CONCERT: IN LOVING MEMORY OF TIM BERGLING〉では、AVICIIのキャリアを彩ったさまざまな曲が演奏されました。その中には、自分がしばらく聴いていなかった曲も含まれています。そうした曲を改めて聴くことで、各曲の魅力に「再会」する機会に恵まれました。
AVICII「Lonely Together [feat. Rita Ora]」:歌声は心の内側に触れ、崩れ落ちそうな世界の輪郭を描く ◢ ◤_b0078188_20590574.jpg
今の感性だからこそ湧き上がる気持ちや感動があります。このコンサートで「再会」した曲のひとつが、Rita Oraが歌った「Lonely Together」です。2017年に発表された『AVĪCI 01』というextended playで聴くことができます。



AVICII – Lonely Together [feat. Rita Ora]

「Lonely Together」で聴けるRita Oraの歌声を一言で形容するならば、やはり「美しい」という言葉を選びます。けれども、それだけでは言い表わせない魅力を感じます。柔らかさもあり、優しさもある。指先で心の内側にそっと触れる、そんなイメージが浮かびます。

「Lonely Together」というタイトルには、絶望ではないけれど希望に満ちているわけでもない、切ない空気が漂います。Chorus部分の ♪Let’s be lonely together A little less lonely together♪ が印象に残ります。軽く触れただけで崩れそうな、脆い世界の輪郭を描くのがRita Oraの歌です。



AVICII – Lonely Together [feat. Rita Ora] -Alan Walker Remix-

Rita Oraのボーカルは美しさや優しさに加え、エレクトロニック・サウンドの中で屹立するパワーを持ちます。それを感じられるのが、複数のDJ/producerが参加したRemixesであり、中でも僕はAlan Walkerのリミックスが好きです。

Alan Walkerのアレンジの特徴は軽快に跳ねる感じと濃密な音の共存ではないかと思います。「Lonely Together」のリミックスでも、彼らしい軽快なフレーズ、軽やかでありながら密度の大きいエレクトロニック・サウンドを聴かせてくれます。その中で舞うRita Oraの歌声が胸に迫ります。

2020.01.20
by mura-bito | 2020-01-20 21:00 | Music | Comments(0)
AVICII「Levels」:心を解き放つ音のスパイラル、多くの笑顔を咲かせるメロディ ◢ ◤
AVICIIの代表曲は何かと問われて、間髪入れずに「Levels」と答えるファンは多いと思います。もちろん、2013年に発表された「Wake Me Up」を挙げる人も少なくないはずですが、2013年より前からAVICIIを知っている人はきっと「Levels」を選ぶことでしょう。
AVICII「Levels」:心を解き放つ音のスパイラル、多くの笑顔を咲かせるメロディ ◢ ◤_b0078188_15335425.jpg
「Levels」は2010年からプレイされ始め、シングルとしてリリースされたのは2011年です。いくつかの印象的なフレーズが組み合わさったハウス・ミュージックであり、特にChorus部分でループし続けるメロディが聴き手を曲の虜にします。

間に差し込まれた歌は、R&BシンガーEtta James「Something’s Got A Hold On Me」です。現代的なメタリックな輝きを放つAVICIIの音に、Etta Jamesの歌声がざらざらしたオールディーズな質感を付与し、「Levels」の音楽世界を立体的に仕上げています。



AVICII – Levels
(AVICII TRIBUTE CONCERT: IN LOVING MEMORY OF TIM BERGLING)

ステージは暗くなり、会場にソウルフルな歌声が響き渡ります。2019年12月、「Levels」は〈AVICII TRIBUTE CONCERT: IN LOVING MEMORY OF TIM BERGLING〉の最後を飾りました。シンセサイザーの美しい音がバンドやストリングスの音と混ざり合い、強く強く胸を打ちます。

メロディの美しさは前から知っていたものの、このコンサートで聴いたことで、何倍にも増幅され、新たに記憶に刻み込まれました。何度も聴いて慣れ親しんだ曲であっても、何かの拍子に再び強く惹かれることがあります。記憶を刷新する音楽体験です。

美しいフレーズが続く、続く、続く。心の一部をもぎ取られます。このまま終わらなければいいのにと思いながら、音のループの心地好さに酔い、その中に意識が深く閉じ込められます。けれども心は解放されます。「Levels」が演奏されている間、観客席に向けられたカメラが多くの笑顔を映していたのが印象的でした。

2020.01.02
by mura-bito | 2020-01-02 15:36 | Music | Comments(0)
AVICII『TIM』:EDM DECADEの最後に描かれたAVICIIのシルエットとエレクトロニック・ミュージックの未来 ◢ ◤
2019年6月、AVICIIのアルバム『TIM』が発表されました。制作中の曲を彼の仲間が仕上げ、さらにすでに完成していた曲を加えたラスト・アルバムです。Kristoffer FågelmarkAlbin NedlerCarl FalkVargas & LagolaVincent PontareSalem Al Fakir)など、AVICIIをよく知るプロデューサーたちが参加し、数々のシンガーが歌詞や歌を提供して、画竜点睛の如くアルバムを完成させました。
AVICII『TIM』:EDM DECADEの最後に描かれたAVICIIのシルエットとエレクトロニック・ミュージックの未来 ◢ ◤_b0078188_19220477.jpg
Aloe Blaccの叙情的なボーカルが胸に沁みる「SOS」、メランコリックなストリングスが心を震わせる「Tough Love」、リリースが待ち望まれていたChris Martinとの共作「Heaven」、「Sukiyaki(上を向いて歩こう)」をサンプリングした「Freak」、Imagine DragonsのDan Reynoldsがボーカルを入れた「Heart Upon My Sleeve」(オリジナルは『True』に収録されたインストゥルメンタル)など、注目すべきポイントがいくつもあります。EDMを軸にしつつ、ポップス、ヒップホップ、レゲエなどの要素も感じられ、さらに随所に張り巡らされたストリングスの響きが印象に残ります。



AVICII – Freak [feat. Bonn] (Lyric Video)

BillboardのディレクターであるKatie Bainは、EDM DECADEを総括した “The Top 100 Moments of the EDM Decade” という記事の最後でAVICIIに言及します。本作にも触れ、「『TIM』の成功は、AVICIIが遺した音楽や彼が特徴づけた(EDMの)10年が確かに存続していることを説明する」と書いています。

その前段として、Katie Bainは「AVICIIの死ほどEDM時代の衰退の始まりを表わす出来事はなかった」としていますが、『TIM』がリリースされたことは、衰退の裏付けというよりはむしろ反証となりました。そして、「AVICIIの音楽や彼の影響を受けた音が生き続けることは、ほとんど慰めにはならないとしても、明らかなことである」と結びます。

That Avicii’s music, and the sound he helped forge, will live forever is little consolation, but it remains undeniable nonetheless.

Katie Bain
Billboard – The Top 100 Moments of the EDM Decade

AVICIIが遺したものはEDMを導き、(形は変わるにしても)EDMが続くことを示唆します。もちろん未来のことは誰にも分かりません。しかしながらAVICIIの音楽には、未来を感じさせるもの、未来に受け継がれるものが少なからず含まれているのだと思います。



AVICII – Fades Away [feat. Noonie Bao] (Lyric Video)

『TIM』の最後を飾るのは、Noonie Baoの歌が響く「Fades Away」です。彼女が歌うAVICIIの曲といえば、有名なのはNicky Romeroとのコラボレーションで生まれた「I Could Be The One」でしょう。幼ささえ感じる歌声は、どこか現実感がなく、聴き手をファンタジーの中に誘い込みます。

「Fades Away」におけるNoonie Baoのボーカルも幻想的な雰囲気を醸しています。イメージを言葉にするならば、真っ白な霧に包まれる感覚でしょうか。霧の中をさまよい、歌声に導かれて歩き続け、やがて霧が晴れたところで曲が終わります。



AVICII – Fades Away [feat. MishCatt]
(AVICII TRIBUTE CONCERT: IN LOVING MEMORY OF TIM BERGLING)

『TIM』が発表されてから少し未来の話。2019年12月に、多くのミュージシャンやゲストのシンガーを集めて、〈AVICII TRIBUTE CONCERT: IN LOVING MEMORY OF TIM BERGLING〉がストックホルムで開催されました。このステージで「Fades Away」を歌ったのがMishCattです。

MishCattのボーカルを録音した音源もストリーミング・サービスで配信されています。こちらのバージョンでは、むしろ実体があるというべきか、リアルな肌触りを感じます。歌声の違いが異なる印象を生み、そしてイメージする世界もまた変わります。『TIM』というアルバムは、MishCattの歌声も含めて、記憶にとどめておきたい作品です。

2019.12.30
by mura-bito | 2019-12-30 13:48 | Music | Comments(0)
[EN] AVICII – SOS, Tough Love, Heaven
More than a year has passed since AVICII (Tim Bergling), a famous Swedish DJ/producer, passed away. Based on his family’s intentions, the songs left by AVICII were collected and complied as an album. The album was released on June 6, 2019.
[EN] AVICII – SOS, Tough Love, Heaven_b0078188_19220477.jpg
TIM is a name assigned to the album. Some songs had been finished by him, the other songs were completed by his familiar producers because they had remained incomplete.



AVICII – SOS [feat. Aloe Blacc]

SOS is a debut song from the album. This song is produced by two producers: Kristoffer Fågelmark and Albin Nedler. They worked with AVICII for his song Pure Grinding, recorded in the studio album Stories.

It is worth pointing out that a great singer Aloe Blacc participates this song. He has ever worked with AVICII in the following songs: Wake Me Up and Liar Liar. Especially, Wake Me Up is the representative for AVICII. Aloe’s vocal also made a contribution to the big hit of the song.

How fantastic it is that we can experience this collaboration between the talents again. Aloe’s wonderful singing voice brings life to SOS. He sings soulfully, sings gently, and sings funky. The words illuminate and shine with the singing voice, and they change their expressions in this song one after another.



AVICII – Tough Love [feat. Agnes, Vargas & Lagola]

The second single Tough Love was released from the album. The song is produced by Vargas & Lagola, a songwriter/producer duo consisting of Vincent Pontare and Salem Al Fakir.

The song starts with an ensemble of strings and acoustic guitar. When I listened to the song for the first time, I felt a sad feeling of loss. What has been lost? Is it dream, love, or life? In a beautiful and painful ensemble, I am looking into the darkness of a hole that has been vacated.

The vocals on this song are Agnes (Agnes Carlsson) and Vargas & Lagola. Their singing voices are wonderful and their harmony creates one big world. The singing voice woven by Agnes, Vincent Pontare, and Salem Al Fakir has a dynamic, yet somewhat shady, sad atmosphere.



AVICII and Chris Martin – Heaven (Lyric Video)

Heaven is born out of a collaboration with Coldplay vocalist Chris Martin. According to the message contributed to the album by Katie Bain, an editor/writer working for music media such as Billboard, the song was created in 2014 and then finished by AVICII in 2016.

I am fascinated by a big spiral of AVCII’s electronic sounds and CM’s vocal in the sounds, and then captivated by a world of Heaven. In the second half of the song, the spiral gradually expands to swallow you.

As you dive deeper into the song, you will be drawn to the phrases the bass creates. In the elaborately assembled sound, I strongly feel the presence of the bass that supports the song. The impressive sound will soak into your body, your heart, and your memory.

2019.12.28
by mura-bito | 2019-12-28 15:43 | Music | Comments(0)
AVICII TRIBUTE CONCERT: IN LOVING MEMORY OF TIM BERGLING
AVICIIことTim Berglingがこの世を去って1年半以上が過ぎましたが、彼が遺した音楽は今もなお僕らの心に響き渡ります。2019年12月、〈AVICII TRIBUTE CONCERT: IN LOVING MEMORY OF TIM BERGLING〉がストックホルムで開催され、僕はYouTubeのリアルタイム配信で観ました。次々と披露される曲は、会場そしてストリーミングで観ている人々の記憶を刺激し、感動を呼び起こしました。

AVICIIに縁のあったミュージシャンが多数出演し、彼が作ったメロディを奏で、歌い、彼に手向けます。AVICIIの音楽スタイルの基本はエレクトロニック・ミュージックですが、このコンサートではバンドの生演奏をメインにしていました。バンド、ストリングス、ホーンの織り成す音がエレクトロニック・サウンドに重なり、膨らみのあるサウンドを生み出します。ときにアコースティックに、ときにファンキーに音が踊り、そこにコーラス隊のハーモニー、さまざまなシンガーたちの個性的な歌声が加わります。
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どの曲のパフォーマンスも素晴らしく、Rita OraやAdam Lambertなど書き残すべき場面は枚挙に暇がありません。しかし特筆すべきだと思うのは、Aloe Blaccが参加した曲です。ステージに現われたAloe Blaccはいくつかの言葉を残し、「SOS」を歌います。2019年にリリースされた『TIM』(未完成の曲をAVICIIの仕事仲間たちが仕上げたアルバム)のリード・シングルとして配信された曲です。音は切なさを醸しながらも軽快で、Aloe Blaccが紡ぐ叙情的な歌メロとともに、AVICIIが描いた音楽世界を浮かび上がらせます。

Aloe Blaccはコンサートの終盤にも姿を見せ、ヒット・ソング「Wake Me Up」を歌います。この曲は、エレクトロの世界から飛び出したともいえるアルバム『True』に収録され、ミュージック・ビデオとともに多くの人に届きました。日本のテレビ番組でもよく使われており、AVICIIをあまり知らなくても、Chorus部分のメロディを聴けば思い出す人は多いのではないでしょうか。カントリー調のアコースティック・ギターの音がエレクトロニック・サウンドと交わり、そこにAloe Blaccのタフな歌声が重なります。力強さと軽快さを兼ね備えた、程よい疾走感が心地好い曲です。



AVICII TRIBUTE CONCERT: IN LOVING MEMORY OF TIM BERGLING

このコンサートで初めて聴き、その存在を知った曲もあります。それが、彼のキャリアの初期に発表した「Tweet It」です。Tim Bergの名義で、Norman DorayとSebastien Drumsと共作した曲です。ハウス・ミュージックらしいループは中毒性が高く、聴けば聴くほど身体に染み込みます。渦に呑み込まれるように、音の虜になりました。

イントロが流れた瞬間に僕のボルテージを上げた曲、それが「Sunset Jesus」です。2015年にリリースされた『Stories』で聴けますが、アルバムの中で最も好きで、何度聴いても熱くなります。この曲のChorus部分は、「Dear Boy」という曲のセルフ・リミックスで使ったフレーズを借用しています。同じフレーズを別の角度で楽しめるところが好きですし、何といってもメロディ自体がとても気持ちいいのです。また、このコンサートでは、ホーンとストリングスが重なるアレンジに魅了されました。ファンクの要素が加わることで、この曲がもっと好きになりました。

最後に流れた曲は、AVICIIファンのアンセムというべき「Levels」。聴いているうちに、思わず涙が浮かびました。泣きそうだったのではなく、本当に泣いたのです。この曲のメロディはとてもとても美しい。その美しさが呼び起こした涙です。「Levels」はこの特別なコンサートの終幕を飾るのに相応しい曲だったと思います。

ステージも観客席も含め会場にいた人々、インターネットを通じて同じ時間を共有した人々。それぞれにAVICIIの姿を思い浮かべ、それぞれの思いがあったことでしょう。歓声を、そして思いを届けたい人がいないステージですが、それらは彼の素晴らしい曲を通じて、彼に届けられたのだと思います。AVICIIの音楽は、それを愛した人々の記憶に刻み込まれて、生き続けます。

2019.12.11
by mura-bito | 2019-12-11 21:36 | Music | Comments(0)
AVICII and Chris Martin「Heaven」:その音楽は聴き手に届き、生命を吹き込まれる ◢ ◤
世界を沸かせたEDMスター、AVICII(Tim Bergling)。彼の遺作を集めたアルバム『TIM』がリリースされました。アルバムの2曲目に収録されているのが「Heaven」です。ColdplayのボーカリストChris Martinとのコラボレーションで生まれた曲であり、彼の歌声がAVICIIの音の中を縦横無尽に駆け巡る素晴らしい曲です。
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アルバムに寄稿されたKatie Bain(Billboardなどのエディター/ライター)のメッセージによると、この曲が制作されたのは2014年とのことです。その後、AVICIIが2016年に仕上げました。そのため、未完成の曲を旧知のプロデューサーたちが仕上げた曲がほとんどを占める中で、プロデューサーとしてAVICIIの名前が単独でクレジットされた曲のひとつです。



AVICII and Chris Martin – Heaven (Lyric Video)

イントロから響くAVICIIらしいシンセサイザーのリフレイン、ピアノに重なるChris Martinの歌声。まずはそれらに魅せられ、「Heaven」の虜になります。『True』のようでもあり『Stories』のようでもありますが、やはりそれらとは異なる点に存在する曲です。

耳が慣れたところで、より深い部分に潜ってみると、ベースが奏でるフレーズに心が吸い寄せられます。特に後半のじわじわと盛り上がっていくところが魅力的です。緻密に組み立てられたサウンドの中で、ボトムを支えるベースの存在が強く感じられます。身体に染み込ませるようにして聴きたい音ですね。
2019.07.09
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by mura-bito | 2019-07-09 19:23 | Music | Comments(0)
AVICII「Tough Love [feat. Agnes and Vargas & Lagola]」:哀愁をまとうメロディにAVICIIの影を見る ◢ ◤
AVICIIが遺した曲を集めたアルバム『TIM』が2019年6月にリリースされます。4月にはアルバムから「SOS」が先行配信され、さらにもう一曲が5月に公開されました。タイトルは「Tough Love」。プロデュースや歌でVargas & Lagola(Vincent PontareとSalem Al FakirのDJ/producerデュオ)が加わり、さらにAgnes(Agnes Carlsson)というシンガーの歌をフィーチャーした曲です。
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ストリングスとアコースティック・ギターのアンサンブルから始まるイントロ。分厚くも哀愁漂う繊細な音に導かれ、一気に曲の世界に引き込まれます。ストリングスの音色は曲を貫き、パーカッションの音を巻き込みながら、鮮やかな空気を生み出します。Vargas & LagolaとAgnesが織り成す歌声からは、ダイナミックでありながら、どこか陰のある、切なく味わい深い雰囲気を感じます。



AVICII – Tough Love [feat. Agnes and Vargas & Lagola]

Vincent PontareとSalem Al FakirはAVICIIとの関係が深く、コンポーザーやボーカリストとして彼の作品に参加してきました。例えば、ミュージック・ビデオやリリック・ビデオも制作された「Waiting For Love」や「The Days」のソングライティングに名を連ねています。また、Vargas & Lagolaの名義で「Friend Of Mine」に参加しています。

「遺作をそのまま出すのではなく、co-producer的な立場で第三者が仕上げるのは、果たしてAVICIIの作品といえるのか?」

「SOS」におけるKristoffer FågelmarkとAlbin Nedlerや、「Tough Love」におけるVargas & LagolaはAVICIIの仕事仲間であり、あるいは盟友といっても過言ではありません。AVICIIのことを理解し、AVICIIのやりたかったことが推測できる人々と考えれば、これもまたAVICIIでしょう。

どれだけAVICIIが完成させていたのかは分かりませんが、こうして届けられ曲を聴けばAVICIIらしさは確実に感じられるので、それはVargas & Lagolaも意図していると思いますし、AVICIIの新しい作品として受け入れるのに大した問題はありません。楽しむのみです。
2019.05.28
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by mura-bito | 2019-05-28 21:34 | Music | Comments(0)
AVICII「SOS [feat. Aloe Blacc]」:AVICIIの遺作で再び実現したAloe Blaccとのコラボレーション ◢ ◤
スウェーデン出身のDJ/producerであるAVICIIことTim Berglingがこの世を去ってから約一年。家族の意向により、AVICIIが遺した曲を集めたアルバムが2019年6月にリリースされることとなりました。先行して「SOS」という新曲を聴くことができます。
AVICII「SOS [feat. Aloe Blacc]」:AVICIIの遺作で再び実現したAloe Blaccとのコラボレーション ◢ ◤_b0078188_21514234.jpg
アルバムの制作にあたり、AVICIIの仕事仲間であるプロデューサーたちが各曲を仕上げました。「SOS」の制作に携わったのはKristoffer FågelmarkAlbin Nedlerです。二人はAVICIIとともに「Pure Grinding」という曲を制作したことがあり、この曲はAVICIIのアルバム『Stories』に収録されています。

AVICIIのエレクトロニック・サウンドは、とても親しみやすく、キャッチーで聴きやすいのが特徴です。もちろんそれだけではないにしても、耳に残る、記憶に残る、そして心に残るフレーズを生み出してきたことは、彼の音楽の大きな魅力だといえます。「SOS」の音を聴いたときも、『True』や『Stories』といったアルバムを聴いたときの感動と同じものがこみ上げてきました。テーマ・メロディを届ける音は、時に軽やかに流れ、時にリズム・パートと絡み合って濃厚に響きます。



AVICII – SOS [feat. Aloe Blacc]

「SOS」でボーカルをとるのはAloe Blaccです。AVICIIが書いた歌を彼が歌うという「Wake Me Up」や「Liar Liar」以来のコラボレーションが実現しました。特に「Wake Me Up」はAVICIIの代表曲といっても過言ではなく、そのヒットに彼の歌声が貢献したことも間違いないと思います。この組み合わせを再び体験できるのは嬉しいことです。

Aloe Blaccの素晴らしい歌声が「SOS」に刻み込まれた言葉に光を当てます。言葉は表情を変え、音の中で流れるように移ろいます。ソウルフルに歌い、優しく歌い、ファンキーに歌う。AVICIIの死にはいくつもの憶測が絡みつきますが、それでも、それを受け止めながらも、ひとつの音楽を完成させる。曲に生命を吹き込む画竜点睛ともいうべきAloe Blaccの歌声が心に響きます。

2019.04.26
by mura-bito | 2019-04-26 21:55 | Music | Comments(0)
AVICII「True Believer」:中毒性の高いループで異次元の世界に巻き込むAVICIIのエレクトロニック・サウンド
2015年にリリースされたAVICIIのアルバム『Stories』に、「True Believer」という曲が収録されています。ハウス・ミュージックの中毒性に満ちた曲です。ぐるぐると繰り返されるシンセサイザーの音が、危険な薬物のように身体の隅々を支配します。
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ボーカルとピアノで参加しているのは、ColdplayのChris Martin。独特な味わいを見せる高音のボーカルがAVICIIのエレクトロニック・サウンドにぴたりとはまり、相性の良いコラボレーションであることを示しています。



AVICII – True Believer (Lyric Video)

全体的に1970年代的な雰囲気、特にファンクを感じさせますね。何故だろうと思って記憶をたどってみると、Earth, Wind & Fireの「September」が思い浮かびました。とりわけアウトロでChris Martinが弾くピアノのメロディが「September」を感じさせます。

音楽を聴けば聴くほど、過去に聴いたことのあるメロディやフレーズが想起される場面に遭遇します。断片的だった音楽体験はひとつのラインに並び、それは未来に伸びていきます。知れば知るほど楽しい。これもまた音楽の楽しみ方のひとつではないかと思います。

2018.06.20
by mura-bito | 2018-06-20 21:26 | Music | Comments(0)

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