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音楽と物語に関する文章を書いています。
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[PART1] ORESAMA『Hi-Fi POPS』:聴いて踊って歌って楽しめる曲があふれ出すアルバム
2018年、素敵なアルバムを連れて春がやってきました。タイトルは『Hi-Fi POPS』、リリースしたのはORESAMA。ボーカルや作詞を担当するぽんと、ギター、作曲、プログラミングなどを担当する小島英也から成るデュオです。Daft Punkの影響を端々に感じさせるファンク・サウンドにポップスやエレクトロニック・ミュージックの要素をブレンドして、心に響くメロディを運ぶ心地好い歌声を吹き込みます。アルバムを再生することで目の前に広がるのは、聴いてよし、踊ってよし、歌ってよしの三位一体。

ORESAMAは2015年にインディーズでアルバムを1枚リリースしており、それに続く『Hi-Fi POPS』は2枚目ということになりますが、メジャーとして初めてリリースされたのでデビュー・アルバムと位置づけることもできます。2017年にリリースした3枚のシングル曲やそのカップリング曲の他に、アルバム用に録音した新曲を加え、さらに前作に収録されていないインディーズ時代の曲を収録しています。ボリューム満点、色とりどりの詰め合わせを楽しむことができます。
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アルバムに収録されたシングル曲やカップリング曲は、シングルとして聴くのとアルバムに組み込まれて聴くのとでは受け取り方が変わります。特にシングルの3曲は「アルバムを貫く軸」のように思えます。さまざまなアプローチの曲を集めたアルバムの中で、序盤に「流星ダンスフロア」、中盤に「Trip Trip Trip」、そして終盤に「ワンダードライブ」が配置されています。これらの曲が挟まることでアルバムの安定感が増し、アルバムという作品が「締まる」感覚があります。シングル曲はライブでも一段と盛り上がりますが、アルバムで聴いていても似た感覚を抱きます。

「耳もとでつかまえて」、「『ねぇ、神様?』」、「SWEET ROOM」はカップリングとして収録された曲です。「耳もとでつかまえて」は、リズムをはじめとした分厚い音の中で切々と響く歌が特徴的であり、力強さがこの曲の魅力のひとつです。それでいて曲名のように、耳もとで囁くように歌う部分では、その落差を印象づけます。「『ねぇ、神様?』」からは、インディーズで発表したアルバム『oresama』の雰囲気を感じます。歌詞や音のアプローチが以前のスタイルを踏襲しているような気がします。2017年の再デビュー前後で変わっていないORESAMAの要素とでも言うべきものを感じる曲です。ピアノとエレクトリック・ピアノの響きが美しいバラードの「SWEET ROOM」では、そっと寄り添う優しさに加え、音が厚くなるサビで歌もまた熱を帯び、全体的に青と赤が交差するようなイメージが浮かびます。



ORESAMA – Hi-Fi POPS (Album Trailer)

再デビュー前(2016年以前)に制作された曲として、「銀河」と「綺麗なものばかり」が収録されています。「銀河」はミュージック・ビデオが公開されているのでまったく聴けなかったわけではありませんが、個人的にはフィジカルやデータで聴きたかったので、アルバムへの収録はこの上ないプレゼントでした。「綺麗なものばかり」はH△Gというグループとのスプリット・アルバムに収録されています。

「銀河」の魅力はサビで響く泣きのメロディ、レトロなシンセサイザー・ミュージックを思わせる音でしょう。CDやダウンロードで聴くと、ベースもまた心地好いことに気付きます。曲を包むベースは歌うように奏でられ、サビの雰囲気を盛り上げています。魅力的な音に支えられて、歌が飛び立ち、メロディは聴き手の心に突き刺さります。

一方で、「綺麗なものばかり」はこのアルバムで初めて聴きましたが、その良さは曲が始まった瞬間から感じました。現実的に心をえぐる歌詞と美しいメロディのミスマッチが魅力のひとつ。言葉の使い方は前の方が生々しく、現実の隙間に潜む闇に目が向いているという感じでしょうか。「ワンダードライブ」以降はファンタジックな明るさや前向きさがあり、闇よりも光に手を伸ばして触れている気がします。それだけに、「綺麗なものばかり」に垣間見える裏の部分が耳に残り、アルバムは立体的に浮かび上がります。





2018.04.17
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# by mura-bito | 2018-04-17 22:01 | Music | Comments(0)
LIVING THINGS by LINKIN PARK: WHAT WE ARE GIVEN FROM THE SONGS IS A VESTIGE OF THE BAND
The album LIVING THINGS is the fifth album of LINKIN PARK. I listened to the album at the day on when LP had released it in 2012. However, I never listened to it many times because my interest shifted to other music. Recently I listened to it again to understand the magnetism which the album has. I am so glad to find out that the songs in the album are excellent.
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The album starts with LOST IN THE ECHO, in which Chester Bennington’s vocal and Mike Shinoda’s rap are crossed. We can also listen to the scratch performed by Mr. Hahn. IN MY REMAINS presents two singing voices. Chester’s vocal is so clear and dynamic, on the other hands, Mike’s vocal is so heavy and static. In BURN IT DOWN, which is cut from the album as a single, the listeners may be impressed by the guitars played by Brad Delson. This song was performed in the last tour for Chester in 2017.



BURN IT DOWN

Two vivid songs are sequenced: LIES GREED MISERY is more popular than the previous LP songs, and I’LL BE GONE is simple rock music with the sound of strings. The album has come to the halfway point. CASTLE OF GLASS starts with thin sounds, and eventually the sound becomes thick and heavy. Song by Mike flies at low altitude and has no expression.



CASTLE OF GLASS

You will enjoy the drum performance by Rob Bourdon in VICTIMIZED: aggressive beats make you excited and percussive beats makes you danced. In ROADS UNTRAVELED, Mike sings at first, and after the interlude is played, Chester sings the same melody. And then, being supported by the bass sound by Phoenix, the song with suppression of emotion and the howling guitar come out alternately.



ROADS UNTRAVELED

The melody of SKIN TO BONE is so wet, and unusual for LP. In UNTIL IT BREAKS, the rap has languid voice. The impression changes in the first half and the second half of the song. After the short instrumental named TINFOIL, the album ends with POWERLESS, the song and guitar are performed to explode their emotions.



POWERLESS

When the last song is finished, you will find afterglow of the singing voices and sounds of LIVING THINGS. What are you given from the afterglow? I see the vestige of the band in it. The album is one of LP’s vestige, and what we are given from the songs is also their vestige.

2018.04.12
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# by mura-bito | 2018-04-12 21:26 | Music | Comments(0)
David Guetta and Sia – Flames
ビッグ・ネーム同士のコラボレーション、再び。David GuettaSiaが制作した「Flames」という曲が公開されました。ストリーミング・サービスで解禁されると同時に、リリック・ビデオがアップロードされました。フル・サイズを聴いて、曲のさまざまな魅力に触れることができます。
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「ベースの音が心地好い」というのが僕の第一印象です。ベースが魅力的に響いてくると、ぐっと曲に引き込まれます。そこから音楽という名の海を回遊する旅が始まります。どのような音で構成されているのか。歌と音はどのように絡んでいるのか。歌詞がまとうメタフォリカルな意味とは何か。海面から深海までが果てしないように、音楽のポテンシャルもまたどこまでも大きいものです。

Siaの名前は目にしていましたが、歌声を聴いたのはこれが初めてです。彼女の歌声はハスキーでソウルフル。存在感が大きくて、燃え盛る炎のように目の前に広がります。斜めに構えているかのようなクールさを感じたかと思えば、一気にエモーショナルになって距離が縮まる。その表現力は豊かであり、圧倒されます。



David Guetta and Sia – Flames (Lyric Video)

「Flames」を聴きながら、1980~90年代の空気を感じました。2017年までは1980年代や1990年代がリバイバルしているのかなと感じていましたが、2018年の今も同じとは断言できません。しかし曲を聴く限り、不思議なレトロ感に襲われます。それを表現するとなると、僕としては「1980~90年代」という言葉を選びます。メロディの端々に、どこか懐かしいものを感じます。

では、2018年らしいポップ・ミュージックとは何なのでしょうか。そう問われても、答えようがない。通り過ぎてから「あれが2018年のメイン・ストリームだったのかもしれない」と言えるくらいでしょうか。「今を定義する」のはとても難しいことです。定義は時間が流れた先に任せるとして、今は今の自分の感性で今の音楽を楽しみたいと思います。

同じ音楽でも、聴き手によっては「新しい!」と思い、別の聴き手は「懐かしい!」と思う。それぞれの感覚で捉えて楽しめるのならば、無理に定義するよりも有益です。この曲に限らず、音楽を聴いて何を感じるかは千差万別。自分とは異なる感じ方をしている人はたくさんいる――そう考えれば、音楽を聴くという行為は何と豊かな体験なのだろうと思います。

2018.04.10
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# by mura-bito | 2018-04-10 21:39 | Music | Comments(0)
LINKIN PARK「IN MY REMAINS」:Chesterの澄んだ歌声とMikeの重厚な歌声が交差して、ひとつの世界を織り上げる
LINKIN PARKが2012年に発表したオリジナル・アルバム『LIVING THINGS』に、「IN MY REMAINS」という曲が収録されています。激しくて分厚い音をイントロで響かせた後、Verseはシンプルな音が貫かれ、Chorusで再びエネルギッシュな音が放出されます。曲を牽引するのはChester Benningtonの歌声ですが、終盤になるとMike Shinodaの歌声が交差して、ひとつの世界を織り上げます。
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ChesterはVerseで澄んだ歌声を披露し、さらにChorusでは力強さが加わります。♪Now in my remains♪ や ♪Set this silence free♪ の部分で見られる伸びやかな歌声とメロディの変化が胸を打ちますね。歌詞の字面からは、苦しみや後悔などのメランコリックな思いや批判的な視点が窺えます。けれども、ともすれば淀んでしまいそうな空気は、美しい歌声によって循環しています。

2回目のVerseとChorusが繰り返された後で、厳かな雰囲気を醸す音とともに、Mikeが静かに語りかけるように歌います。音はクライマックスに向けて壮大さを増し、ChesterとMikeのボーカルが重なります。交差するふたつの歌声は、ひとつの生地を織り上げる縦糸と横糸のようです。ボーカルとラップとは異なる、ふたつのボーカルによって生まれる世界が目の前に広がります。そして、繰り返される “one by one” のフレーズが渦を巻き、最後にはすべての音を呑み込む。



LINKIN PARK – IN MY REMAINS (Audio)

こうしたMikeのボーカルが見られ始めたのは2007年のオリジナル・アルバム『Minutes To Midnight』からです。アルバム自体が「Mike Shinodaといえばラップ」というイメージを覆すものでしたが、その要因のひとつがMikeのボーカルです。「In Between」という曲でのボーカルは独白のように低空飛行で進み、決して明るくはなく、バンドに求められていたスタイルとはほとんど正反対の方向に位置していました。ラップの比率が大きく減ったことは、デビュー当時から聴いているファンにとっては不完全燃焼の原因となったと思います。僕も「もっとラップが聴きたい」と思いました。

しかし、彼はそのアプローチを一時的なものにはしませんでした。『LIVING THINGS』では、ChesterのボーカルとMikeのラップが交差する初期スタイルへの回帰を見せつつも、その一方で、随所にMikeの重厚なボーカルが洗練されて組み込まれています。「IN MY REMAINS」の他に、「CASTLE OF GLASS」や「ROADS UNTRAVELED」といった曲でもMikeの歌を聴くことができます。Mikeはラップ、ギター、キーボードなどさまざまな役割をこなしますが、歌もまた彼の表現方法のひとつであり、Chesterの歌とは別の角度からLINKIN PARKの曲を照らすのです。

2018.04.05
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# by mura-bito | 2018-04-05 21:56 | Music | Comments(0)
LiSA – Thrill, Risk, Heartless
どこで耳にしたのか。どこで出会ったのか。あやふやな記憶の中で、それでも印象的なメロディと音の残像が残り続けていました。あるとき思い立ってYouTubeでミュージック・ビデオの編集版を観て、フルサイズを聴くためにApple Musicで検索したものの見つからず、それならばとiTunes Storeにアクセスしてダウンロードしました。その曲は、LiSAというシンガーが歌う「Thrill, Risk, Heartless」です。
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メタルというべきかハード・ロックというべきか。獣のように吠えるノイジーなギター、荒ぶるツーバスの音は、とてもスリリングです。勢いはもちろんのこと、音の厚みも申し分ないロック・サウンドが聴けます。間奏ではアコースティック・ギターの音が響いて曲をクールダウンさせますが、それはむしろ再びハートに火を点けるための助走です。再び勢いよくアクセルを踏み込むと、疾走してクライマックスを迎えます。



LiSA – Thrill, Risk, Heartless

LiSAの歌声からは強くてタフな印象を受けます。さらに言うならば「エモい」です。ただ、感情をぶつけるようなストレートな強さを見せるだけではなく、舌がもつれるほどに連なる言葉を巧みに操り、淀みなく移ろうメロディを自分のものにしています。言葉を乗せた歌声で聴き手の心を撃ち抜きます。

ミュージック・ビデオはおおまかに2種類の映像を組み合わせています。LiSAが歌ったり走ったりするシーンと、バンドの演奏とパフォーマーの動きを収めたシーンです。ダイナミックに展開する演奏に合わせて、映像もまた躍動します。LiSAは聴き手を煽らんばかりの表情を見せ、視線を突き刺してきます。「Thrill, Risk, Heartless」で見せる表情や歌声はロック・スター然としており、そのパフォーマンスに魅了されます。

2018.04.03
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# by mura-bito | 2018-04-03 21:07 | Music | Comments(0)
SPRING2018: Wind is blowing, Spring is blooming
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The wind has signaled the arrival of spring.
Wind is blowing, spring is blooming.
Spring blooms our smiles.

Spring has come.

2018.03.29
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# by mura-bito | 2018-03-29 21:42 | Photograph | Comments(0)
Complicated Remixes
2017年に、Dimitri Vegas & Like MikeDavid Guetta「Complicated」という曲を共同制作しました。そのリリースからしばらくして、リミックス集が配信されました。Part 1とPart 2に分かれており、バラエティ豊かなアプローチを堪能できます。大まかに言えばサウンドの系統はEDMですが、実際の音づくりや展開はEDMという言葉が持つ以上にさまざまです。
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オリジナルの「Complicated」は、ボーカルに迎えたKiiaraのタフな歌声と、そのメロディをなぞる残像のようなシンセサイザーのフレーズが印象的な曲でした。リミックスでは、オリジナルの要素を主要なモチーフにする、テンポを変えてEDMらしいダイナミックな展開に変えるといったアプローチが見受けられます。

僕が好きなのは、Part 1に収録された3Rhab Remix、Part 2に収録されたFareoh Remixです。オリジナルのテンポを大きく変えて声の印象を変えるパターンよりは、ボーカルを残しつつそれ以外の要素を大胆に入れ替えたリミックスを好みます。それもオリジナルを破壊するのではなく、オリジナルの要素をモチーフにしていることが分かりやすい方が良い。

Fareohによるリミックスで顕著なのですが、オリジナルのフレーズを下敷きにしつつ変化を加えたフレーズが、シンセサイザーの分厚い音によって曲を牽引します。このフレーズには強靭なベースの音が絡みついて深みを出しています。変わることで生まれる魅力、変わらないことで維持される魅力――異なるラインの魅力が交差します。新鮮な気持ちで音を聴けるのと同時に、「好きなメロディが聴ける」という心地好さを味わうことができます。
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EDM系のアーティストやDJがシングルをリリースすると、他のアーティストがリミックスを行なうのは恒例行事です。リミックスを聴いて新たな魅力を見つけたり、新たなアーティストを知ることもあり、ひとつの曲から世界はどこまでも広がります。自分に合わないものも当然ありますが、オリジナルと同じくらい好きになれるリミックスに出会えたときはとても嬉しい。鉱脈を発見するようなものであり、そこから新たな採掘――新たな音楽の追求が始まります。
2018.03.27
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# by mura-bito | 2018-03-27 22:23 | Music | Comments(0)

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