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音楽と物語に関する文章を書いています。
ワイルドじゃなくてもいいからタフになりたい
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カテゴリ:Music( 941 )
Mike Shinoda – Post Traumatic
LINKIN PARKのMike Shinodaがソロ・アルバム『Post Traumatic』をリリースしました。Chester Benningtonの死が大きく影響していると推察されるタイトルです。彼の死からしばらくはスタジオに入れなかったと語るMikeですが、2018年に入って自らの名前で新しい曲を発表し始め、6月にアルバムとしてまとめられました。8月には来日してSummer Sonic 2018に出演する予定であり、本作の曲も演奏するのではないかと思います。
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アルバムに先駆けて配信されたいくつかの曲の第一印象は「重くて苦しい」。LINKIN PARKの作品でも断片的に見られた雰囲気ではありますが、アルバム全体を占めるのかと思うと食指が動かなくなりました。暗くヘビーな曲ばかりを聴いていると、その陰鬱な空気を吸い込んで息ができなくなるのではないか?



Mike Shinoda – Make It Up As I Go [feat. K.Flay]

ようやく全編を聴けたのは、アルバムがリリースされてしばらく経ってからです。Chesterの一周忌が近いということもあって意識が引き寄せられたのかもしれません。アルバムを通して聴いてみると、明るいと呼べる曲はないものの、暗い曲ばかりではなく、ポップな要素を含む曲もあって安心しました。



Mike Shinoda – Hold It Together

『Post Traumatic』についてMikeは、LINKIN PARKではないし、Fort Minorでもないと語りました。LINKIN PARKはバンドのグルーヴやChesterのボーカルがあってこそ成立し得る音楽なので、確かにこの作品とは一線を画しています。ただ、Fort Minorに関しては、曲によってはそう遠くないと思います。Fort MinorはMikeのラッパーとしての面を強調したソロ・プロジェクトです。例えば「Ghosts」や「Hold It Together」、K.Flayをゲストに迎えた「Make It Up As I Go」がFort Minorを想起させます。



Mike Shinoda – Ghosts

音や歌詞という表側の(意識的な)部分ではなく、彼の奥に潜むものがLINKIN PARKやFort Minorとは異なるのかもしれません。Fort MinorもMikeの個人的作品という面を持った活動ですが(彼のミドル・ネームであり父親の名前を冠した「Kenji」という曲があるくらい)、もっと内的で、よりパーソナルな思いを形にした作品が『Post Traumatic』ということでしょうか。
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自らの奥底に潜り込んで、Chesterの死と向き合い、そして心に負った傷と向き合うことで、どのような音楽が生み出されるのか。この1年、多くのことを考えたであろうMikeが出した最初の答えが『Post Traumatic』なのだと思います。アルバムを聴いていると、Mikeの「モノローグ」と「ダイアローグ」が交差するのを感じます。Chesterの影を見ながら、ひとり思うことを語ったり、生者と言葉を交わしたりする。そんなイメージが浮かびました。

2018.07.17
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by mura-bito | 2018-07-17 21:01 | Music | Comments(0)
Krewella – Bad Liar
エレクトロニック・ミュージックのデュオKrewellaの新曲リリースが続きます。2018年に入ってから2ヶ月に1曲のペース。2月の「Alibi」、4月の「Runaway」に続き、6月最後のNew Music Fridayに新曲「Bad Liar」が発表されました。「Runaway」では音の存在感が比較的大きいと感じましたが、今回は歌声を前に出すアレンジだと思います。
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静かに始まり、少しずつ熱を帯びる音。それでもEDMのように大きな起伏あるいは強弱は見られず、全体的に抑制された印象を受けます。音の勢いよりも重なり具合を楽しむ感じでしょうか。そうした音から浮かぶのは、抑えた感情を針のように突き刺すイメージ。例えばロックに見られる動的な暴力性とは異なり、静かな攻撃性というか、抑圧された人々が抱え込む攻撃的な雰囲気が「Bad Liar」の音に漂います。



Krewella – Bad Liar (Audio)

JahanとYasmineは言葉を絞り出すかのように歌います。重くて苦しいものがのしかかっているのか。沈み込みそうなほどに密度の高い歌声は、ロックとEDMが混ざる曲で聴けるエネルギッシュな歌声とは別の、彼女たちが持つ表情です。特に “If I’m bein’ honest, I’ll just say I wanted” の部分は、何層にも重なった壁を壊して心の奥底から湧き上がってきた声に思えます。

“bad liar” とは、相手ではなく自分のことです。自らの気持ちを隠し、呑み込み、溢れ出そうな心を押し留める。抑圧しているのは自分、抑圧されるのは自分。何か求めることを自らで抑え込んでいる。けれども、正直になれるのなら、欲しいと言う…自嘲的にbad liarの仮面を被りながらも、その隙間からは自縛から逃れようとする言葉が流れ出ます。
2018.07.11
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by mura-bito | 2018-07-11 22:33 | Music | Comments(0)
Runaway by Krewella: The Impressive World Consists of Heavy and Retrospective Sounds
The song Runaway has been released on April by the electronic music duo Krewella. I am in love with the impressive sounds of bass and synthesizers in this song. The electronic sounds are like a leading performer on a stage, on the other hand, the singing voices of Jahan and Yasmine play a supporting role, I think.
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The BASS sound is so heavy and deep. I have been impressed by a significant presence of bass sound when I listened to it first. It swallows me, and then I sink into the sea of sound. The experience makes me excited. Not too much to say that whether a song is good or not is dependent on how bass is used.



Krewella – Runaway (Audio)

The SYNTHESIZER sound is just like time machine. The sounds created by some synthesizers host a quasi-retrospective show. They takes many music lovers to the world filled with nostalgic sound. The time will be rewound, and then we will go to the 1970s or 1980s. Some say the sound is old, others say it is new. I think that both answers are not incorrect. We can enjoy the “old and new” sound.
2018.07.05
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by mura-bito | 2018-07-05 21:13 | Music | Comments(0)
David Guetta and Sia Flames Exended/Remixes
David GuettaとSiaが共作した「Flames」のリミックスを集めたEPが配信されています。僕がオリジナルに対して抱いた印象は「1980~90年代の雰囲気を醸すポップス」ですが、リミックスではまた異なる世界が描かれます。それぞれのリミキサーの感性で再構築されたエレクトロを聴くことができますね。
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意表を突かれたのがAazar Remixです。1980年代前半に流行したニュー・ロマンティックの香りが強く、そのテイストを2018年に聴いているという現実に対して奇妙な違和感を抱きつつも、キャッチーなビートに心が弾みます。僕のイメージはCulture Clubですね。後半で展開するシンセサイザーのフレーズも1980年代を想起させるポップさを含みますが、EDMに組み込まれても多くのdance music loverを楽しませると思います。



David Guetta and Sia – Flames -Aazar Remix-

David Guetta自身が手がけたリミックスも収録されています。そのDavid Guetta Remixは、テンポを上げ、オリジナルにおけるポップスの要素を薄めて、エレクトロに寄せた音作りが特徴的です。音の展開が1990年代末~2000年代のトランスと2010年代のEDMをクロスオーバーしている…という感じでしょうか。古い? あるいは新しい? ジャッジするのは難しく、エレクトロニック・サウンドの歴史をタイムマシンで行き来しているかのように音が移ろいます。その揺らぐ感覚が楽しい。



David Guetta and Sia – Flames -David Guetta Remix-

リミックスEPは合計3作が配信されており、そのうちのひとつにExtendedが含まれています。リミックスというよりは、オリジナルに新しいパーツを加えたバージョンです。イントロやアウトロが長くなっており、そこに加わったギターが印象に残ります。ポップスの色が濃かったオリジナルと比べると、哀愁が漂い、深みが増しました。後ろ髪を引かれるような、あるいは後悔を引きずるような、心にまとわりつく音が響きます。



David Guetta and Sia – Flames -Extended-

いろいろなジャンルを聴いていると、こうした振れ幅の大きいリミックス企画をより一層楽しめます。ニュー・ロマンティックは初期のTM NETWORKを通じて知っており、その経験がこうして21世紀に結びつき、新しい音楽体験を生みました。また、ニュー・ロマンティックを形成した要素のひとつであるモータウン・サウンドはquasimodeで聴いており、このこともAazar Remixを楽しめた要因です。

まさか21世紀にニュー・ロマンティックへのアプローチをみるとは思いもしませんでしたが、このジャンルを知らない聴き手にとっては、もはや新ジャンルですね。リバイバルもコラボレーションも何でもありの時代では、聴く方も何でもありです。これまで聴いてきた音楽と新たに聴く音楽が結びつきながら、一方では、自分の枠からはみ出した未知の音楽に触れる。産業として膨張した1990年代と比べて音楽が売れなくなったのは明白ですが、エレクトロニック・ミュージックを聴いていると、聴き方の多様性は高まっているんじゃないかなと思います。
2018.07.03
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by mura-bito | 2018-07-03 21:32 | Music | Comments(0)
TMN EXPO/CLASSIX PLAYLIST
TM NETWORKがTMNという名義で活動していた時期のアルバムから12曲をピックアップし、プレイリストをつくって聴いています。1991年には『EXPO』、1993年には『CLASSIX 1』と『CLASSIX 2』の2枚がリリースされました。『EXPO』はハウス・ミュージックを中心に、ロック、フォーク、ラテン・ミュージック、プログレなどを含む雑食性の高いアルバムです。『CLASSIX』は当時のテクノ・サウンドでリミックスした曲を多く収録したリミックス・アルバムです。
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この時期のTM NETWORKの音はロックからハウス・ミュージックへ移り、そしてテクノ・スタイルへの傾倒を見せます。先述のアルバムには、こうしたジャンル以外の曲も入っていますが、ロック、ハウス、テクノを標榜した音で括ってみます。深く考えずに曲を選んでプレイリストに加えていくと、各ジャンルの曲数が4曲になっていました。直感で選んだ割には意外とバランスがいい。

ハウス系は「WE LOVE THE EARTH」、「JUST LIKE PARADISE」、「RHYTHM RED BEAT BLACK」、「あの夏を忘れない」。ロック系は「THE POINT OF LOVERS’ NIGHT」、「69/99」、「TOMORROW MADE NEW」、「JUST ONE VICTORY」。そしてテクノ系は「DIVE INTO YOUR BODY」、「U.K. PASSENGER」、「WILD HEAVEN」、「HUMAN SYSTEM」です。

TMN EXPO/CLASSIX PLAYLIST

WE LOVE THE EARTH -Ooh, Ah, Ah, Mix-
JUST LIKE PARADISE -expo overdub mix-
RHYTHM RED BEAT BLACK -house sample foods mix-
DIVE INTO YOUR BODY -extended 12' version mix-
THE POINT OF LOVERS’ NIGHT -rhythm red version-
69/99 -rhythm red version-
U.K. PASSENGER -u.k. lap techno mix-
WILD HEAVEN -extended hard core mix-
TOMORROW MADE NEW
あの夏を忘れない
HUMAN SYSTEM -café de paris mix-
JUST ONE VICTORY -single 7' version-

「WE LOVE THE EARTH」はシングルとアルバムで雰囲気が大きく変わります。ここで選んだのはアルバム・ミックスです。というかこのミックスを起点にして、この時期の音でまとめられそうな曲を組み合わせてこのプレイリストを作成しました。次にピックアップしたのが「RHYTHM RED BEAT BLACK」です。もともとトーキング・モジュレーターやスクラッチを盛り込んだハウス系トラックでしたが、このリミックスで派手な音が加わって、より熱く、クールな曲になりました。この2曲をつなぐのが「JUST LIKE PARADISE」のリミックスです。最初はオリジナル・ミックスを置いてみたものの、この2曲をつなぐためには音に厚みのあるリミックスの方がフィットしました。

「DIVE INTO YOUR BODY」のリミックスは『CLASSIX 1』におけるテクノ化を象徴する曲です。固い感じのシーケンサーと、今でいうならボーカロイドのようなサンプリング・ボイスを短く刻んで重ねているのが特徴的ですね。オリジナルと同時期に制作された「DIVE INTO YOUR BODY -12'' Club Mix-」(ベースの印象を強くしたり間奏を長くしたりしたリミックス)を下敷きにしつつ、1993年の音を被せています。

「THE POINT OF LOVERS’ NIGHT」「69/99」は『CLASSIX』に収録されたバージョンですが、これらはリミックスではなく、オリジナル・アルバム『RHYTHM RED』に収録されたものの音圧を上げた感じです。プレイリストをハウスとテクノでまとめると単調になったので、ロックの要素を注入したら、ぎゅっと締まりました。同じアルバムに収録されていいるもののタイプの異なる2曲を、こうして並べてみるとTMロック・スタイルの振れ幅を楽しむことができます。ちなみに「THE POINT OF LOVERS’ NIGHT」は、まっちゃん(松本孝弘)が好きと言っていた曲です。彼がサポートを続けていて、この曲でも弾いていたらどのような雰囲気になったのか興味があります。
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「U.K. PASSENGER」はオリジナルのアウトロでカットされていた部分をフィーチャーして、分厚いベースとテクノ系のシーケンサーを重ねたものです。ファンクを感じるホーン・サウンドとエレクトロニック・サウンドが混ざり合います。ラップを入れているのは後にmassive attackを結成するメンバーです。オリジナルが録音されたのは1986年ですが、スタッフが六本木で会って意気投合した彼らをレコーディングに呼んだそうですが、当時らしいというべきか、とんでもないエピソードです。

「WILD HEAVEN」のリミックスでは『CLASSIX 2』で最もテクノに寄った音を聴くことができます。もっといえば、『CLASSIX』という企画においてテクノの要素が最も強く反映されています。その最大の特徴は、8分半のうち3分半に及ぶアウトロですね。別のインストゥルメンタルをつなげているようなものです。この部分に、小室さんがやりたかったテクノを感じます。ここで聴けるシンセサイザーのリフは、この後もよく耳にした気がします。

「TOMORROW MADE NEW」と「あの夏を忘れない」はアルバム『EXPO』の曲です。「TOMORROW MADE NEW」は、ハード・ロックを標榜した前作のツアーで披露され、アレンジを変えて『EXPO』で録音されました。オルガンの響きが1970年代ロックの匂いを漂わせます。「あの夏を忘れない」には『CLASSIX』に収録されたリミックスもありますが、リズムを抜いたり音数を減らしたりしているので、バランスとしてオリジナルの方が合うと思いました。オリジナルの厚すぎないハウス・サウンドや哀愁漂うギターが、ロックとテクノをつなぐこの位置にフィットするのです。

ミディアム・テンポの「HUMAN SYSTEM」は、オリジナルにはバンド演奏ならではの柔らかさがありました。リミックスで差し替えられたリズムは分厚い、とても分厚い。音の厚みとメロディの柔らかさが対照的ですね。スポットライトを浴びたサックスのソロも叙情的に響きます。このリズムの雰囲気はそれから20年後のコンサート(2013年の「TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-」)でも踏襲されました。キックの音が太く厚いほど、そこに乗るボーカルやシンセサイザーのメロディが胸に沁みます。

プレイリストを締め括るのは「JUST ONE VICTORY」の1993年バージョンです。アルバムからシングル・カットされた1989年バージョンを下敷きにしており、音の密度がさらに大きく感じられるのが特徴です。スネアが身体に響いてきて、ロックの熱を感じます。アウトロがフェイド・アウトしない点が、この位置に配置した理由です。もともと組曲の最後を飾っていた曲なので締め括りとしては最適なのですが、こうして音だけで構成したプレイリストでも最後をぎゅっと締めてくれますね。ステージが光に包まれて、幕が下ろされるイメージが浮かびます。
2018.06.27
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by mura-bito | 2018-06-27 22:50 | Music | Comments(0)
AVICII「True Believer」:中毒性の高いループで異次元の世界に巻き込むAVICIIのエレクトロニック・サウンド
2015年にリリースされたAVICIIのアルバム『Stories』に、「True Believer」という曲が収録されています。ハウス・ミュージックの中毒性に満ちた曲です。ぐるぐると繰り返されるシンセサイザーの音が、危険な薬物のように身体の隅々を支配します。
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ボーカルとピアノで参加しているのは、ColdplayのChris Martin。独特な味わいを見せる高音のボーカルがAVICIIのエレクトロニック・サウンドにぴたりとはまり、相性の良いコラボレーションであることを示しています。



AVICII – True Believer (Lyric Video)

全体的に1970年代的な雰囲気、特にファンクを感じさせますね。何故だろうと思って記憶をたどってみると、Earth, Wind & Fireの「September」が思い浮かびました。とりわけアウトロでChris Martinが弾くピアノのメロディが「September」を感じさせます。

音楽を聴けば聴くほど、過去に聴いたことのあるメロディやフレーズが想起される場面に遭遇します。断片的だった音楽体験はひとつのラインに並び、それは未来に伸びていきます。知れば知るほど楽しい。これもまた音楽の楽しみ方のひとつではないかと思います。

2018.06.20
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by mura-bito | 2018-06-20 21:26 | Music | Comments(0)
藍井エイル「流星/約束/ヒトカケラの勇気」:異なる視点で「藍井エイル」を描き、リスタートというコンセプトを表現する
シンガー藍井エイルのリスタートは、ひとつずつギアを上げていくように、段階的に進みました。2018年2月8日に「約束」のミュージック・ビデオ(編集版)が公開され、4月22日に「流星」の配信が始まりました。そして6月13日、この2曲に新曲「ヒトカケラの勇気」と「流星」のインストゥルメンタルを加えたシングルがリリースされました。

ジャケットを見て感じた印象に残ったのは、暗めの青に包まれていることです。色の分類でいうと、おそらく藍色と呼べるのではないかと思います。アーティスト名に使われている、藍。これまで僕は藍色をもっと明るい色だと思っていましたが、実はこのくらいが藍色とされることを知りました。この色がシングルのジャケットのメイン・カラーとして使われていることは決して軽くなく、そして大きな意味があると思いました。
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「流星」は先行して公開されており、ダウンロードして聴いていました。音を重ねた上にスピード感を出す、パワフルなアレンジがとても印象的でした。配信開始から少し経って、ミュージック・ビデオがYouTubeで公開されました。映像を観たとき、藍井エイルはこれまでとは違うところにも目を向けようとしているのではないかと思いました。カメラは彩度の低い世界の中で闇に呑み込まれそうな少女を映し、そして彼女が走り出す姿をも捉えます。それは逃げているのか、立ち向かっているのか、あるいはまた別の意味を持っているのか。走り続け、坂を上り、階段を上ります。やがて行き着いた先に広がっていたのは大きな夜空と無数の星です。それを見上げた彼女は一筋の涙を流し、すぐに笑顔を見せます。エネルギッシュなサウンドの中で、さまざまな意味が浮かんでは消えていきます。



流星

初めて聴いたときから「約束」のメロディに心が締め付けられます。再始動のニュースとともに聴いたために、特に強く印象付けられたのでしょうか。こうして時間が経って改めて聴いてみても、やはり最初の出会いと同じレベルで揺さぶられます。これは、正真正銘、僕の好きなメロディであり、それを届けてくれた歌声に魅せられているということの証です。歌詞が異なれば違った印象を受けたのかもしれませんが、このメロディと歌詞は結ばれるべくして結ばれたのでしょう。その一期一会を祝いながら、心地好いメロディに心を預けます。

2月にアップロードされた曲および映像は2番をカットしたバージョンでした。一方、シングルに収録されたバージョンは2番を入れた完全版です。この部分が入ることで何が嬉しいかというと、違う言葉で美しいメロディを聴けるということ。同じメロディであっても言葉が変われば、感覚的なものではありますが、捉え方が変わると思います。日本語(というか母語)で綴られた歌詞なので、意味を噛み締めながら聴いているのでしょう。新しく聴いた中では、♪笑顔の朝も 涙の夜も 大切にしていけたら♪ という歌詞が印象に残りました。



約束

新曲「ヒトカケラの勇気」は、他の2曲とはまた違ったタイプの曲調であり、これもまた好きな曲です。明るくて気持ちいいロックというのが第一印象です。その明るさに触れると、心はじわりと温かくなり、やがて熱くなります。タイミングが異なればこの曲もシングルとしてリリースされていたのかなと思える雰囲気があります。まあ、3枚目のアルバム『D’AZUR』で僕が好きな3曲はすべてシングル・カットされていない曲なので、「ヒトカケラの勇気」も僕の個人的なアンテナに引っかかる曲なのかもしれません。

歌詞カードに書かれた彼女のメッセージによると、「流星」や「約束」が自分の過去や再始動に関する思いを込めたのに対して、それらから離れて純粋に前に進もうとしているのが「ヒトカケラの勇気」であることが窺えます。この3曲を並べて聴くと、リスタートというコンセプトを異なる視点で捉えることができるかなと思います。もちろん、別々に聴いて楽しんだっていい。点と点を結んでトライアングルを描くことで、ひとつの意味が浮かぶ、そういう受け止め方もできるのだろうと思いました。



流星/約束/ヒトカケラの勇気

8月には日本武道館でのライブが行なわれます。このライブをもってリスタートのプロジェクトが完結するといえるのかもしれません。2月に公開されたインタビューでは、何がしたいかと尋ねられると彼女はライブだと即答しました。そしてそれがついに実現します。しかも、別れを告げたときと同じ場所に姿を見せ、帰還を告げる。そう考えると、活動を休止していた空白の期間すらもドラマチックです。こうして空白に青が満ちていくプロセスに立ち会えるのは、何というかとてもワクワクしますね。
2018.06.13
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by mura-bito | 2018-06-13 22:56 | Music | Comments(0)
Change by ONE OK ROCK: The Man Shows the Direction It will Go in
The traffic controller is performing with the music while surrounded by many cars on the crossroad. The impressive music is flowing into him through the earphone. Here is the stage for him. The audience is many drivers and people in the buildings near the crossroad.
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The small jet plane appeared. He has found out about it and smiled. He has given a casual shrug and then showed the direction it will go in. The small jet plane has run over the streets in the city, and eventually flew into the sky.



ONE OK ROCK and HondaJet: Go, Vantage Point.

This is a promotional movie for the HondaJet project featuring the band ONE OK ROCK. Their song Change is used for background music. You will be impressed by the performance from the beginning of the song.

The carrier of ONE OK ROCK started in Japan. Now, the range of activities continues to spread. In 2017, they were scheduled to appear as an opening act on the concert tour of LINKIN PARK in Japan. They have signed to the label Fueled by Ramen, to which the famous bands, such as Fall Out Boy and Paramore, belong. ONE OK ROCK will be bigger than it is now and will surely reach a vantage point.

2018.06.06
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by mura-bito | 2018-06-06 21:57 | Music | Comments(0)
PANDORA – Be The One [feat. Beverly] -Let’s start experiment!! MIX-
始まりがあれば終わりがあるのは当然ですが、そこには何かしらの必然性が欲しい。どのような事情があったとしても、ストーリーがあってこそ終わりの瞬間が輝きます。歌でたとえるならイントロが流れて1番が終わった瞬間にカット・アウトしてしまったような感じといいましょうか。PANDORA小室哲哉/浅倉大介)のアルバム『Blueprint』が2月にリリースされてから、余韻も何もない、もどかしさだけが残っていました。
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そんな中、突如としてPANDORAの音が届けられました。2017年9月に先行して一部が配信され、2018年1月にフルサイズがリリースされた「Be The One」のリミックスです。ボーカルとして参加したBeverlyがリリースする予定のオリジナル・アルバムに、ボーナス・トラックとして収録されるようです。



PANDORA – Be The One [feat. Beverly] -Let’s start experiment!! MIX-

手がけたのは大ちゃんですが、小室さんとも話をしたそうな。序盤は音の素材を試すかのような薄い構成です。音を複雑に重ね合わせるというよりは、ミニマルな感じで音の原型をさらしています。しばらくすると音が加わって厚みを増し、その後さらにダイナミックになってEDMらしいサウンドが展開されます。『Blueprint』ではイギリスのエンジニアDave Fordがリミックスした「Be The One」を聴くことができますが、この新しいリミックスでは別の表情を見せてくれます。
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『Blueprint』に付属していた映像には、PANDORAの2人が音を作ったりフレーズを練ったりする様子が収められていました。断片に過ぎなかった音やフレーズが少しずつ形になっていく。それは曲として成立するプロセスのほんの一部、映画なら数カットですが、PANDORAの創作スタイルを目の当たりにし、僕は音の実験室という印象を強く受けました。実験室での試行錯誤が似合う2人です。

リミックスに付けられた名前は “Let’s start experiment!!”。“start” という言葉が入っているのが嬉しいですよね。あんなことやこんなことを期待してしまいますが、もちろんすべてが叶うとは思いません。それでも、僕らの目に触れないところで2人の「実験」は進んでいるような気がします。そしてその結果は、断片的に予告なく公開されるのかもしれない…そんなことを思います。
2018.05.29
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by mura-bito | 2018-05-29 22:03 | Music | Comments(0)
LiSA – Catch the Moment
LiSAの曲を初めて聴いたのは2018年に発表された「Thrill, Risk, Heartless」ですが、その後、Apple Musicで「Catch the Moment」という曲に出会い、プレイリストに入れて聴いています。2017年にシングルとしてリリースされ、ミュージック・ビデオも制作されました。先日リリースされたベスト・アルバムにも収録されています。
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とても素敵なメロディを聴かせてくれるポップスです。胸に響くそのメロディは、心の中に隠れている柔らかい部分に触れます。ゆっくりと熱が伝わってくる。聴き手の心の状態によっては、涙を誘うのではないでしょうか。メロディはメロディだけでは成立せず、歌声と組み合わさることで、その良さが伝わります。彼女の歌声があってこそ、そのメロディに感動するのだろうと思います。別のシンガーがカバーしたら、それはそれで新しい世界が広がるとは思いますが。



LiSA – Catch the Moment

どの部分にフォーカスしても心地好く、楽しめると思います。イントロから聴けるピアノやギターの音色は鮮やかで美しい。歌はAメロ、Bメロと進むにつれてじわじわと気持ちを高揚させ、先の展開に期待が膨らみます。そして、サビに入るとメロディの美しさは一段と増し、その世界に引き込まれます。雨上がりに少し晴れて涼しい風が吹くような心地好さを感じます。
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ポップスは多くの人に門戸を開く音楽です。それは大衆的というより、多面的といえるのかもしれません。音楽を聴いて何を思い何を感じるかは聴き手に委ねられていますが、その幅が広いのがポップスの魅力なのだと思います。僕はずっと、多くの人が同じ部分に同じように反応するのがポップスだと捉えていました。けれども最近は、いくつもの表情を持った多面的な音楽だと思うようになっています。そういう音楽は何度聴いても楽しいし、新しい表情を見せるその瞬間をつかまえる楽しみが、そこにはあります。
2018.05.24
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by mura-bito | 2018-05-24 21:25 | Music | Comments(0)

fujiokashinya (mura-bito)
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