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カテゴリ:Life( 159 )
ながしずてぬぐい for Nepal
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「ながしずてぬぐい for Nepal」という名のてぬぐいが手元に到着しました。「ながしずてぬぐい for Nepal × FIDR」というチャリティに参加したリターンとして受け取りました。このチャリティは、宮城大学の学生とFIDR(ファイダー:公益財団法人国際開発救援財団)によって行なわれており、目的は2015年4月25日の大地震で被害を受けたネパールを支援することです。
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支援金は、ネパールの子供たちが学ぶための「仮教室」を作るのに使われます。もともとはクラウドファンディング・サービス「ReadyFor?」で公開されたプロジェクトでした。残念ながらReadyFor?では期日までに目標額に到達せず、プロジェクトは成立しませんでした。ところがその後、てぬぐいの個別販売(売り上げの一部を寄付)が行なわれると聞き、協力することにしました。

「ながしずてぬぐい for Nepal × FIDR」のサイト [1] によれば、被災した後、子供たちは建物の中に入ることを怖がっているとのことです。建物が倒壊する様子を目の当たりにしたため、建物自体がトラウマになっている、と。しかし、勉強するための教室は必要です。そこで、新たに作られる「仮教室」は「屋根で雨風をしのげるだけでなく、壁が透けていて子どもたちにとって怖くないように設計」されます。
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「ながしずてぬぐい」の出発点は2011年。これまでにながしずてぬぐいの名前を冠したてぬぐいがいくつか制作されましたが、最初にデザインされたのが2011年です。ReadyFor?において、宮城大学の学生が「復興への目印、ながしずてぬぐいプロジェクト」を立ち上げました。僕が初めてクラウドファンディングに参加した案件 [2] です。

「復興への目印、ながしずてぬぐいプロジェクト」の目的は、宮城県南三陸町の長清水(ながしず)集落の人々にオリジナルのてぬぐいを送ることでした。震災後、復興に向けて活動するための目印。その理念や発信される情報に触れる中で、支援してみようと思いました。
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ながしずてぬぐい for Nepalは、初代ながしずてぬぐいから続くモチーフ「青海波(せいがいは)」を引き継ぎながら、新たな要素を加えています。両端には、大輪の花のように大きくて丸い塊が描かれています。二種類のカラー・バリエーションが存在しており、赤と青で構成されたメインのてぬぐいは太陽、「ながしずてぬぐい for Nepal 月」と題した黄色と濃紺のてぬぐいは月を表わしています。

ReadyFor?でこのデザインに出会ったとき、僕は月のバージョンに惹かれました。夜の海を照らす大きな月と、海面に反射する光。海面を照らす光はゆらゆらと漂います。日本画のような雰囲気を持ちつつ、コンテンポラリー・アートのようなミニマルさを放つ。この色や形にはデザインした方々の思いや考えが込められていますが、それとは別に、受け取った人の中で個々のイメージが醸成される、そんな懐の広さもあります。ながしずてぬぐいはどこまでも広がって、さまざまな人々を包む、結ぶ役割を担っているのではないかと思います。
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「ながしずてぬぐい for Nepal × FIDR」のサイトやFacebookページを見るに、クリアせねばならないことは多そうです。慈善活動を行なうというだけでも大変なのに、単独の活動ではないとは言え、国外への支援となるとハードルが高くなることは容易に想像できます。お金を出して支援に参加することは「同じ舟に乗った」ということを意味するわけではないにしても、浜辺で舟を押し出す程度の役割は担えたのかなと思います。あとは手を振って見送ることくらいでしょうか。

[1] ながしずてぬぐい for Nepal × FIDR
[2] inthecube: ながしずてぬぐい

2016.02.05
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by mura-bito | 2016-02-05 22:13 | Life | Comments(0)
[PART3] ポリタスと日経産業新聞が伝える2015年の女川町
[PART2] ポリタスと日経産業新聞が伝える2015年の女川町

「いつか3月に」と題したエッセイがポリタスに掲載されています。書いたのは「浅生鴨」という方です。女川町を訪れては感じてきたこと、四年が経った今の気持ちを書き留めています。

浅生さんは、かつてNHKに勤務していました。Twitterをやっていれば「NHK_PR」というアカウントを知っているかと思いますが、彼は最初にそのアカウントを運営していた「ナカノヒト」です。言葉の選び方やそれを投じるタイミングに関して、独自のスタンスを持っていました。中でも印象に残っているのは、東日本大震災の後に投稿した「不謹慎ならあやまります。でも不寛容とは戦います」というツイートですね。他者を縛ろうとする同調圧力には抗うというメッセージ。柳のようにしなやかに揺れながら、決して揺らぐことはない芯がありました。

ポリタス – いつか3月に

迷っているように見えて、迷いながら書いているとは思えません。言うべきことは決まっていたのでしょう。インターネットの悪意を警戒して言葉を選んでいるのでもなく、腫れ物に触るように腰が引けているのでもない。最初の一手、その石はそこに置かれるべくして置かれた。

池上彰さんとの対談をまとめた『メディアの仕組み』の中で、津田大介さんは「複雑なものはどれだけ工夫して分かりやすく説明しても、複雑なんです」と述べました。考えれば考えるほど、どうやって解決できるのか分からなくなる。東日本大震災に関する話題は、どれをとってもやはり複雑ですよね。誠実に伝えようとする人ほど、複雑さに呑み込まれているのではないでしょうか。その複雑さに人々が膝を屈したり、抗ったりした四年だったと言えます。

けれども、浅生さんの言葉に、僕は「震災に関することは複雑であるだけではない」という含意を読み取りました。彼は「まずは行くこと。それでいい」と語り始めた言葉を、「見る。聞く。話す。知る。買う。食べる。知らせる。それらはすべて、行くことから始まるのだから」と結びます。シンプルな言葉で、シンプルな行為を肯定する。複雑なものを単純化しているのではなく、複雑な物事の中からシンプルなものを抽出しているのです。

先日、僕はなかなか行く機会がなかった福島県を訪れました。コンサートに行ったその足で福島駅の周辺を歩き、一泊してから、少し離れた温泉街を歩きました。ただそれだけのことですが、見て、聞いて、話して、知って、買って、食べて、知らせることができたのは、行ったからだということを身体で理解しました。価値観が変わるわけでもなく、何かダイナミックな活動に参加するわけでもないけれど、自分で置いた点をひとつずつ結んでいくのは何かしら意味があるんだろうなと思います。

エッセイの後半で、浅生さんは「あの日を忘れたいという気持ちと、忘れてはいけないという想いと、忘れられたくないという願いは、複雑に絡み合って、僕たちそれぞれの心の中にそっと隠れている。絡み合うそのバランスは一人ずつみんな違っているし、年月とともに少しずつ変わっていくだろう」と綴り、「だからこそ」と続けます。そこには読者それぞれの言葉が入るのでしょう。自分が持っているピースをはめ込んでみると、複雑だと思い込んでいたパズルが少しはシンプルになるかもしれません。

2015.04.08
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by mura-bito | 2015-04-08 18:45 | Life | Comments(0)
[PART2] ポリタスと日経産業新聞が伝える2015年の女川町
[PART1] ポリタスと日経産業新聞が伝える2015年の女川町

3月11日を迎えるにあたり、日経産業新聞は女川町をテーマにした記事を三回に分けて掲載しました。復興に尽力する人々の声を集め、産業の維持の難しさも織り交ぜて伝えます。ニュース・バリューのありそうなことを伝えるだけではない、ということが分かります。

日経産業新聞の記事をポリタスと読み比べてみると、キーワードはいくつか重なるものの、根本的なスタンスが異なっていることに気づきます。その名の通り産業を扱うのは当然として、産業を媒介にして人の姿を伝えていることが印象に残ります。妙に近づいて個人をフィーチャーする書き方がある一方で、固有名詞を埋没させるような書き方もある。そのコントラストに引っ掛かりを覚えました。


日経産業新聞は、新たな産業や雇用を生み出すべく奮闘する人々の姿を綴る一方で、地元の人々のジレンマを伝えます。女川原発について語る「ここではみんな表向き賛成派だよ。でも、本音はどうだろうね」という言葉が印象に残ります。シンプルな言葉に重みを感じるのは、さらりとした口調だからなのか、話す人の顔が見えないからなのか。

産業振興に関して語るときは人にフォーカスして、「寄り」の画になります。一方、原発のことになると、個人の姿は見えなくなり、集団をとらえる「引き」の画になる。ポジティブなことにはズーム・インしますが、ネガティブなことはズーム・アウトせざるを得ません。

メディアの役割は劇場における照明だと思います。誰かに情報を届けることは、その物事に光を当てて多くの人の目に触れさせること。たとえば「女川駅が再び開業した」、「女川町の『復幸祭』が盛り上がった」といった明るいトピックを伝えることで人の流れが生まれれば、メディアが光を照らす意味があります。ブームで終わるか、長い射程のムーブメントになるかは分からないけれども。

しかし、スポットライトを当てないという暗黙の了解があるものに対して、どう振る舞えばいいのか、なかなか答えは見つかりません。いや、極論を語れるのなら、タブーに対する振る舞いは決定できるのでしょう。極論から始まって中庸に落ち着くというプロセスが共有されていれば建設的だと思いますが、極論どうしのチキンレースになったら、それはもう議論ではない。センシティブな問題を扱うと、後者の「議論もどき」に陥りがちです。

堂々めぐりを経てみると、結局は「やれることをやる」という結論に落ち着きます。けれども、「やれること」の射程は、集団によって、あるいは人によって異なります。事情も違えば、気持ちも違う。そうした斑模様を無理に一色に塗りつぶす必要はありません。そうしたことを考えていたところに、改めてポリタスを眺めていたところ、あるエッセイに出合いました。ポリタスに戻り、「いつか3月に」と題した文章を読んでみましょう。

[PART3] ポリタスと日経産業新聞が伝える2015年の女川町

2015.04.07
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by mura-bito | 2015-04-07 21:00 | Life | Comments(0)
[PART1] ポリタスと日経産業新聞が伝える2015年の女川町
津田大介さんが運営するメディア「ポリタス」では、東日本大震災に関する特集を組み、さまざまな角度から書かれた記事がアップロードされています。ポリタスは東京都知事選挙や沖縄県知事選挙の実施に合わせて、独自の記事を発信してきました。大きなメディアが意識的に、あるいは無意識的に取り上げないテーマにフォーカスし、別の視点を有権者に提示する。考える材料を少しでも多く世に出す。そうした政治メディアとして機能してきました。

今回の企画も政治とは無縁ではありません。岩本室佳さんが「復興への道をひた走る――『商人の町』女川の挑戦」という記事を書きました。彼女はマネージャーとして津田さんの活動をサポートしています。この記事では、民間による経済的な復興を取り上げつつも、行政と連携することにも言及しています。民間と行政は相反する存在ではなく、両輪であることを改めて思います。

ポリタス – 復興への道をひた走る――「商人の町」女川の挑戦

「女川だけが巨大防潮堤を選ばなかったのはなぜか」という問いかけが記事のテーマです。その答えはわりとあっさり出るものの、答えを出した背景を紹介することで、ストーリーは奥行きを見せます。集団において、どのようなプロセスを経て意思決定をおこなうのか。それは、あらゆる人々に関係することです。テーマの大小は違えど、たとえば家庭として、会社として、自治体として、国として岐路に立つ場面は多くありますよね。

復興が進んでいるとされる女川町。偶然の産物ではなく、合理的な判断の積み重ねが前に進む力になっています。その一端が防潮堤の議論に表われています。少し長めの射程で物事を考え、共有して、合意して、行動する。防潮堤は本当に女川町のためになるのかを考え、築かないという選択肢を取りました。

ポリタスは「女川町は防潮堤などを整備するハード面の強化だけで完璧な防災をめざすことに限界があるとし、新しい港町づくりの基本理念として『減災』を掲げた」と伝えます。被災したとしても、できるだけ被害の規模が小さくなるように整備しておき、少しでも早く復興に着手、そしてスピーディーに進められるように町を設計する。

大きなものを整備するハード的な対策には限界があります。それを補うため、避難のための情報提供や導線確保といったソフト的な対策を整える。行政の担当者は、減災を念頭に置いた都市計画を考え、アイデアを述べています。災害を完全に防ぐことはできないという前提に立ち、リカバリーの方にリソースを割いておくのは、リスクマネジメントの考え方に則っています。

リスクをゼロにしようとすることは非合理的だと考え、リスクを分析してレベル分けして対処する。防災にかけるコストと復旧・復興を見越した減災にかけるコストを見極める。どのような町をつくるのか、あちこちの思惑が交錯する中で優先順位を決めるのは難しいことでしょう。うまくいくことばかりではないにしても、女川町の意思決定プロセスは、自治体だけでなく、多くの組織にとって研究すべきモデルになるかもしれません。

[PART2] ポリタスと日経産業新聞が伝える2015年の女川町

2015.04.06
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by mura-bito | 2015-04-06 21:58 | Life | Comments(0)
アンドリュー・ターロウ「他人をケアするもっとも簡単なことのひとつが食事を作って、食べさせること」
PERISCOPEのWeb版にアンドリュー・ターロウのインタビューが掲載されています。iPadアプリの「PERISCOPE ISSUE 1 UTOPIANISM」に収録された記事の転載です。アンドリュー・ターロウはブルックリンで「DINER」というレストランを経営しており、今では肉屋や雑貨屋、ホテルやベーカリーなどの経営も手がけています。「食べること」を軸にして、レストランや雑貨屋に来る客とともに、それぞれの生活の中で漂う点を丁寧に結んでいきます。
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インタビューのリードでは、彼のスタイルを「食を通じて、食材がどこからやってきて、どう使われるべきか、自分のビジネスを通じて提案している」と紹介しています。食肉だけを買うのではなく、動物をまるまる買い、自ら食肉と皮や毛に分け、一方をレストランで調理し、一方を雑貨屋に並べるバッグや衣服に使う。それは、彼の言葉を借りれば「点と点を結ぶ」ことです。高いクオリティのものを提供しながら、地元と強く結びつき、地産地消に貢献する。そのために、農家と直後取引して動物を購入しています。

けれども、アンドリューは自分のスタイルをモチーフにして宣伝したり、思想の共有を買い手に迫っているわけではありません。彼は「何かを教えられていると感じるような外食体験にはしたくないから」と言います。だからこそ、と言うべきか、彼のストーリーは自然と地域の人々に伝播して、共感した人々の中にナラティブが生まれている。箔付けでもブームでもない、静かなムーブメントの中心に、彼と彼の店は存在するのだと思います。

最後に、アンドリューは「他人をケアするもっとも簡単なことのひとつが食事を作って、食べさせること」と語ります。レストランなどで食事を提供する場合でも、家族とともに食卓を囲む場合でも同じことだと言います。原文では "take care of someone"、すなわち他の人間を気にかけることを重要視しており、それを表現するための素晴らしい方法が、食事をつくり、食べさせることだとしています。この言葉はとてもシンプルだし、素直に共感できます。

ふと思いました。売るときに "take care of someone" を込めて、買うときに感謝を込めれば、モノとお金と気持ちの、ちょっとしたサイクルが生まれるのではないでしょうか。僕は「金をもらっているんだからいいものを出すのは当たり前」というプロフェッショナリズムを、やや苦手としています。その意識を供給側が持つのは、まあいいとして、受け手が振りかざして相手を追い詰めるのは感心しませんね。相手をケアする気持ちと、相手に感謝する気持ちを交換できれば、ストレスフルな関係よりも生きやすいと思いますよ。

2015.03.01

■追記
PERISCOPEは閉鎖されていました。

2018.08.26
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by mura-bito | 2015-03-01 10:49 | Life | Comments(0)
佐久間裕美子 – ヒップな生活革命
ヒップな生活革命

ヒップな生活革命

佐久間裕美子


アイデアインク・シリーズが11番目に送るのは、佐久間裕美子さんが書いた『ヒップな生活革命』です。アメリカの各地で見られるさまざまなアクションが、「ヒップ」というキーワードでつながります。メイン・ストリームと共存しつつ、自らの価値観を反映させたストーリーを語る。そうしたバランス感覚に優れた人々の生活やビジネスが、本書では紹介されています。

佐久間さんはライターとして日本のメディアに記事を書き、アメリカにおける新たなライフスタイルや考えを紹介しています。たとえば、フィル・リービン(EvernoteのCEO)のインタビュー記事* は読み応えがあります。編集に「主流と傍流との距離をバランスよくとる」というスタイルを感じ取れるし、そのバランス感覚が僕にフィットしている。また、佐久間さんはiPad/Webマガジン『PERISCOPE』** を立ち上げ、チーフ・エディターを務めています。『ヒップな生活革命』には自らの意思表示として『PERISCOPE』のことを書き、また、『PERISCOPE』に掲載した内容も散りばめています。

『ヒップな生活革命』では、主にポートランドやニューヨークにおけるライフスタイルの変化が書かれています。「サード・ウェーブ・コーヒー」と呼ばれる、スターバックスのような巨大なコーヒー・チェーンとは異なる価値を提供・享受しようというコーヒー文化。クリエーターに開かれたホテル「エース・ホテル」、アンドリュー・ターロウが運営するレストランやバッグなどのブランド。子供たちに食べ物の価値を教える「エディブル・スクールヤード」*** というプロジェクト、斧をはじめとするアウトドア用品を扱うブランド「ベスト・メイド」、「スモーガスバーグ」という名の食のフリー・マーケット。

アクションのきっかけはそれぞれに異なり、それぞれのファウンダーや参加者が語るストーリーもバラエティに富んでいます。もともと、アメリカの社会は自らの価値観を主張することを前提に設計されていますよね。主流に与するのも傍流で生き抜くのも個人で選ぶ。そうした社会で生まれたムーブメントは、ただのブームではなく、メディアが取り上げなくなっても社会を構成する要素のひとつとして残り続けると思います。そこに「メイン・ストリームとの共生」という特徴が活きてくるわけですね。インディペンデントな生き方を貫くのは難しいけれど、バランスよくやっていけば、無理なくコミットし続けることができる。

僕の周りにある「ヒップ」なものを思い浮かべてみましょう。徳島でコーヒーを焙煎している「アアルトコーヒー」、鎌倉でジャムやお菓子をつくっている「Romi-Unie Confiture」、横浜でオリジナリティに満ちた日本食を出す「Charan Paulin(チャラン・ポラン)」。個々のバンドの魅力とレーベルとしてのカラーを両立して発信する音楽レーベル「Playwright」、吉祥寺で新本や古本を扱う「百年」、クリエーターの表現とマイクロペイメントを両立させようとしている「note」、手ぬぐいを通して人々を結びつけるプロジェクト「てぬコレ」。表参道の閑静な住宅街の中でコーヒーと静かな時間を提供する「OMOTESANDO KOFFEE」、文具販売やワークショップを通じて製本技術の重要性を伝える「美篶堂(みすずどう)」、インターネットにより政治参加へのハードルを下げようとしている「ポリタス」。

いずれもメイン・ストリームと適度な距離をとりつつ、アウトプットにそれぞれの価値観が反映されています。改めて見回してみると、ここ数年の間にインディペンデントな人やユニークな活動に触れる機会が増えています。『ヒップな生活革命』に書かれているのはアメリカの話ですが、自分の周りをぐるりと見回すきっかけになるでしょう。諦観や極論に走らず、バランス感覚をキープしながら、おもしろくてユニークなものにコミットしていく。インディペンデントな姿勢と独自の価値観が反映されたモノやサービス、それらを求める人たちに届けるためのストーリー。そうした魅力的なものを享受できることは嬉しいし、わくわくしますよね。

* WIRED.jp: 「情報処理にエレガンスを。仕事でもプライベートでも」フィル・リービン(Evernote CEO)

** 『PERISCOPE』に触れて感じたことを以下の記事に書きました。雰囲気が伝わると嬉しい。
• inthecube: PERISCOPE
• inthecube: PERISCOPE JP ISSUE #0

*** プロジェクト立上げ人のアリス・ウォーターズのインタビューが『PERISCOPE』のWeb版に掲載されています。
PERISCOPE: SPREADING THE EDIBLE EDUCATION

2014.07.22

■追記
エース・ホテルとアンドリュー・ターロウに関する記事がiPad版『PERISCOPE #1』に掲載されています。また、「ベスト・メイド」の立上げ人であるピーター・ブキャナン・スミスのインタビューがWeb版『PERISCOPE』に掲載されています(こちら)。

2014.07.27
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by mura-bito | 2014-07-22 21:46 | Life | Comments(0)
note
https://note.mu/iamfjk

noteという、新たなソーシャル・メディアで文章を書いています。主に過去に書いたものを手なおしして掲載することの方が多いですね。今のところ、テーマは音楽。自分の文章を見なおして、ブラッシュ・アップする場になっています。もっともっと書いて、どんどん出していきます。

2014.04.17
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by mura-bito | 2014-04-17 23:15 | Life | Comments(0)
【クリッピング】ハフィントンポスト日本版
ハフィントンポスト日本版について書かれた記事をピックアップしました。もちろん記事は他にもあるのですが、編集スタイルが印象に残ったものを選びました。

◇日経トレンディネット:ハフィントン・ポストとは何か? 米国に見える新興ネット・メディアの可能性
本家ハフィントンポストはトラフィック重視の策に転換して、しかも成功した、と。そしてアメリカのネットメディアが報道面でも充実してきていると書かれており、日本にどのような影響を与えるのでしょうか。

◇東洋経済ONLINE:「ハフポスト」はメディア勢力図を変えるか
ハフィントンポストはまとめサイトの一種である、とのこと。もちろん独自の記事も書きますが、しばらくは寄稿されたブログをまとめて提示する場所になりそうです。政治家の言葉が同じフィールドに存在するのも、確かにまとめと言える。まとめが熱い、とな。

◇マガジン航:ハフィントン・ポストにみる「編集」の未来
ハフィントンポストそのものよりも、その編集方針から「編集」とは何か、その未来を考察した文章です。片方が淘汰されるのではなく、「弱い編集」による議論と居酒屋談義を行き来すると思いますね。各人が話題に合わせてフィールドを選び、考えを深めていくんじゃないでしょうか。

2013.05.13
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by mura-bito | 2013-05-13 22:58 | Life | Comments(0)
ハフィントンポスト日本版
ハフィントンポストの日本版が始まりましたね。同一のプラットフォームで多様な著名人がブログを掲載するサイトです。日本でブログといえばアメブロをイメージするかもしれませんが、ハフポストのブログは日記ものではなく、社会問題に対して見解を述べたり分析したりするものですね。始まったばかりということもあり、まだ執筆側も手探りの感があります。今後は、ハードなルポルタージュや報道の検証といった、社会に切り込む記事が読めるでしょうし、人を食ったような変化球ブログも登場するかなと思います。

記事そのものでbuzzを起こすことももちろんですが、ハフポストの狙いは、記事に対するコメントによって議論の空間を作り出すことにあるようです。記事が扱うのが政治や経済であれば、コメントが荒れるのは必至です。ハフポストでは誹謗中傷の類は弾くようですが、賛同のみならず、建設的な批判を含めて、読む人たちが考察を深めることができればいいですよね。

建設的な賛同と批判ということを考えたとき、津田大介さんが始めたネット投票サイト「ゼゼヒヒ」を思い出します。ゼゼヒヒでは、二択によって自分の態度を決め、その理由や補足事項を書き込んで投稿します。自分の態度を表明することも重要だけど、その理由を書くことや他の人の態度やその理由を読むことも同じくらい重要です。多くのものごとは、白か黒かで割り切れずにグレーゾーンにありますよね。だから、自分の態度はグレーならグレーだと自分の言葉で語ることが大事です。自分で考え、それを言葉にして表明して、それを提示し合うところにサイトの魅力があります。

さて、ハフポストが始まった日に配信された津田さんのメルマガに、ハフポスト日本版の編集長である松浦茂樹さんとの対談が掲載されていました。印象的な言葉が載っていたので、引用してみます。

松浦:ただ、この7月に控えている参議院選からネット選挙が解禁されることもあり、政治家の方にはアピールの場として魅力を感じていただけるのではないかと思っています。

津田:確かにコンサル会社に高い金を払って誰も見ない公式ブログを始めるよりは、「ハフィントンポストでブログを始めました」っていうほうが政治家にとっても数倍いいですよね。

全米No.1ニュースサイト「ハフィントンポスト」が日本に上陸 編集長・松浦茂樹氏が語る「成功のフレームワーク」とは - 津田大介の「メディアの現場」 vol.75

メルマガを読んだ後に、この部分を要約して「政治家が同じプラットフォームで書くのはいいよね」というコメントを加えてtweetしました。ブログがあっちこっちに散らばっているよりは、ひとつのプラットフォーム上に集約されている方がいいと思うんですよね。同じテーマで書いていればすぐに比較できるし、それぞれがどのような工夫をしているかもわかります。書いている側も意識せざるを得ず、書き手への刺激にもなると思いますね。

文字として残る媒体で、それぞれの考えや活動の記録に触れ、場合によっては検証する。SNSの隆盛によって政治参加のハードルは下がっていますが、こうした政治家のブログの集約によってさらに下がり、政治の日常化に近づくんじゃないでしょうか。

2013.05.09
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by mura-bito | 2013-05-09 22:18 | Life | Comments(0)
人々は無料だから飛びつくのか、有料であっても手に入れたいのか。
デジタルデータをオンラインで販売できるサービス、Gumroad。データであればなんでもよくて、音楽、画像、電子書籍といったコンテンツはわかりやすいと思いますが、何かしらの情報であってもいい。データがアップされているURLを買うので、そこに情報が記載されていればそれもまた商品になり得るわけです。短手番でアップロードもダウンロードもできます。それゆえに、著作権の問題やクレジットカード情報の流出といった懸念が早速指摘されています。世の中には売るべきものを持った人が多くいるわけでもなく、熱狂するTweetに冷ややかな目を向ける人もやっぱりいる。

玉石混交のコンテンツがフラットに対峙するのがインターネットですが、そこから玉を拾い上げる仕組みをYahooが、Googleが、MySpaceが、Twitterがつくってきました。ピックアップの観点がそれぞれに異なって注目されて隆盛を誇っても、一般化するほどに石が多くなってきます。盛者必衰、石が増え始めた巨星を横目に、新しい観点で玉を拾い上げるサービスが生まれるんですね。ふるいのかけ方が新しければ新しいほど注目されるわけです。その点で見ると、Gumroadのようなマイクロペイメント(小額決済)のサービスは、金銭的価値を尺度とした良質な(あるいはユニークな)コンテンツの発見を促進する、と僕は考えます。

マイクロペイメントってお金が動くプロセスが可視化されるのがポイントだと思うんですよね。これで生活が成り立つ人は少ないんでしょうが、これをきっかけに大きな仕事が決まる可能性はある。小額であってもお金が動くことで、それだけの価値がある証明になります。金銭的価値って、すごくシンプルな尺度ですからね。人気のあるWebサービスが大きなネット企業に買われて組み込まれるように、メジャーどころが金銭的評価の高いコンテンツと契約して事業展開する。集客力の高いバンドがスカウトされてデビューするようなケースが、フリーのイラストレーターにも起こり得ると思います。

人々は無料だから飛びつくのか、それとも有料であっても手に入れたいのか。そのあたりの見極めとして、マイクロペイメントによる金銭的価値づけが機能するんだろう、と。Gumroadのスタートに際してそんなことを思いました。

2012.02.18
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by mura-bito | 2012-02-18 12:06 | Life | Comments(0)

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