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音楽と物語に関する文章を書いています。
ワイルドじゃなくてもいいからタフになりたい
OUR WORLD IS EXPRESSED BY IMPRESSIVE WORDS
CEATEC JAPAN 2008でUXを考える
趣味と実益を兼ねて「CEATEC JAPAN 2008」に行ってきました。デジタル製品やエレクトロニクスの技術が集まる見本市、といったところでしょうか。最近はモノだけではなく、サービス、特にネットワークを使ったサービスのプレゼンテーションの場でもあるのでしょうか。視覚的にも聴覚的にも華やかなブースもそれはそれでおもしろいんですが、隙間産業的に自社の技術・サービスをアピールしているブースも非常におもしろい。最終日かつ休日だったからでしょうか、人人人でごったがえしていた幕張メッセ!

いくつかの会社・団体が集まってひとつのブースをつくっていたのがこちら、「ライフコンテンツフロンティア」。そもそもはここをチェックしようと思ったのが、参加のきっかけです。

頭の骨を伝えて音を聴くヘッドフォン「Filltune」。耳をふさがないので、Filltuneで音楽を聴きつつ、会話ができるそうな(そんな需要はないと思いますが)。ただ、バリアフリーの観点から提案された技術でして、Filltuneを映画館で音声ガイドの受信に使えば、音声ガイドとスピーカーからの音が同時に体験できると。視覚障害者のバリアがフリーになる、ということでしょうか。「4つの耳」という言葉が実に示唆的でおもしろい。

一応、この業界の端くれとして。テクニカル・コミュニケーター協会もライフコンテンツフロンティアの一部としてブースを構えていました。取扱説明の未来を必死に模索するこの業界は、どこに向かっているのか。取扱説明はもはや独立した存在ではなく、他の要素(製品外装やモニターのUI、プロモーションやアフターサービス)と混ざり合って価値を生み出す存在なのだろうと思います。技術は技術で必要ですが、位置づけをシフトさせて、いろんな分野の知識を取り込むべき、です。「テクニカル・コミュニケーション」なんて言葉もきっと不要で、「コミュニケーション」としてしまえば、やるべきことは見えるかもしれません。

取扱説明の話になったので、ちょうどいいとばかりにこの写真。YAMAHAの「TENORI-ON」も同じスペースにあり、実際に触ってみました。上に貼り付けられていたクイックスタートガイドが、ハイ・センスだなあと。デザイン、レイアウト、文章、どれもいい感じです。取扱説明までトータルでデザインされている感じが伝わってきます。

TENORI-ONは、16×16のボタンを自由に押すだけで音楽ができる、というシンプルなものですが、適当にやってもそれっぽくなるのに驚きました。音楽の知識や楽器のスキルがなくても音楽(のようなもの)をつくれるのが売りみたいです。もちろん、本格的なものには到底及びませんが、シンプルを極めたインターフェース(=ボタンを押す、だけ)で、ちょっとした快感情(音楽っぽくなったことに対する喜びや驚き)を与えるのは、まさしく良いユーザー体験を生み出す製品と言えるでしょう。

良いUIが必ずしも良いUX(ユーザー体験)を与えるわけではなく、使った時・使った後の気持ちまでデザインされているのが良いUX。従って、見やすい・聴きやすい・高機能・高性能といった個々の要素をばらばらに組み合わせて提供しても良いUXは生まれず、そこには、それらをつないで最終的にユーザーの気持ちを動かすものが必要になるんですね。製品そのもののコンセプトだったり、サービスだったり、コマーシャルだったり。

ライフコンテンツフロンティアについてはYAMAHAで終了ですが、UXに関して、もうひとつ気になるものがありました。それがNAVITIME。これはなかなかおもしろいサービスです。昨年のグッドデザイン賞(コミュニケーション・デザイン部門)を受賞したそうですが、単なるケータイ検索サイトがなぜ?と思いました。いろいろ見ていくうちに、ユーザーの気持ちをナビしている、ということに気づきました。ルート検索からレストラン検索に導く、といった、ユーザーの考えや求めるものを察知して点在していたものをつないで流れをつくる仕組みがNAVITIMEのコミュニケーションなのかなと思います。

今回見た中では進学・学校検索サイトや就職サイトでNAVITIMEを使ってみませんかというパネルが気になりました。遠方から受験のためにやってくる生徒やその親に向けて、ルート検索をベースに周辺情報を提供するとか。就活で行く会社までのルートや周辺情報を提供するとか。こうしたサイトを見ていたユーザーが個別にルート検索をするより、そのサイトからダイレクトに検索できたらストレスは減るよねといったところでしょうか。その結果を携帯電話に送れば当日も安心、と。こうやってコミュニケーションはデザインするのか、と、プロセスを見せてもらった気がします。実に興味深い。
2008.10.04








2008.10.04
by mura-bito
| 2008-10-04 23:42

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