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inthecube
音楽と物語に関する文章を書いています。
ワイルドじゃなくてもいいからタフになりたい
OUR WORLD IS EXPRESSED BY IMPRESSIVE WORDS
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今ここにいること、どこにもいないこと。
森 博嗣 『銀河不動産の超越』森 博嗣 『銀河不動産の超越』
こういう感じは、好きです。ゆるい雰囲気が漂う世界に身を任せて、いつの間にか物語に入り込んでいく感覚は心地よいものです。途中から強引なんじゃないかなぁと思うところが目立ってきたのは残念です。そうなると興から醒めてしまいますわな。あり得る、あり得ない、ではなく、流れが一本できているかどうかということだと思います。暗転が多い芝居とか、光の切り替えが雑な芝居みたいなもので(このアナロジーは局所的かもしれません)。受け手がふと現実に戻っちゃう隙を与えると、もうダメなんでしょうね。あるいは評論する隙を与えるとか。「文句は読み終わった後で聞こう。とりあえず最後まで読め!」という姿勢の物語は、やはり面白いものです。そんなこんなでちょっと不完全燃焼の物語かと。

装丁や扉ページのデザインがとても素敵です。コンクリートの壁がむき出しになった部屋の写真を使い、最小限の文字を配置しています。帯を取り払ってしまえばちょっとしたアート作品集にも見えます。こうしたデザインや、物語の内容から伝わってくるのは「場所」というものに対する意識です。帰ってくる場所、一時的に留まる場所、過ぎ去った場所。個人の居場所、複数で共有する場所。もともと、僕は「場所」というものにとても興味があり、建造物を見ても外観・内部空間をひっくるめた場所として捉えたがります。…その建物に物が入って人が出入りする、言わば流れ、物理的あるいは時間的な流れをイメージしてみると言うべきか。いろんなものがコミュニケートする感じです。最終的には「有機体」と言いたいんですが。箱庭を俯瞰して見ているようなものでしょうか。箱庭にそれをつくった人の何かしらが投影されているとするならば。中学生のころから模様替えばかりしていたことを思い出しますが、これは「場所」へのこだわりがあったせいなのかもしれません。

2008.08.16
by mura-bito | 2008-08-16 23:50 | Book
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