人気ブログランキング |
inthecube
音楽と物語に関する文章を書いています。
ワイルドじゃなくてもいいからタフになりたい
OUR WORLD IS EXPRESSED BY IMPRESSIVE WORDS
ブログトップ
宮下奈都 – 羊と鋼の森
羊と鋼の森

羊と鋼の森

宮下奈都


ジャズ・ピアニストの上原ひろみは、日本でコンサートを開催するときは必ず小沼則仁という調律師に調律を依頼するそうです。あるとき、コンサートのMCでベーシストやドラマーの紹介に加え、小沼さんの名前を挙げて感謝の言葉を重ねました。

宮下奈都の『羊と鋼の森』という小説は、調律を物語の軸にしています。僕は上原ひろみの演奏を思い出しながらページを繰りました。上原ひろみの演奏は、もちろん彼女自身の技術や情熱によって成り立っていますが、こうして調律を意識すると、小沼さんの調律、そして小沼さんへの信頼があってこその演奏なのではないかと思えてきます。ピアニストの向こう側には調律師がおり、ピアノの中には調律の存在があります。

***

主人公は、高校生のときに学校のピアノを調律しに来た調律師と出会います。その調律を目の当たりにすることで、彼の人生は大きく変わります。調律師になることを志し、やがてその調律師と同じ職場で働くようになります。特別な才能を持っているわけではない彼が、ピアノと向き合うことで、さまざまな人と向き合うことで、調律とは何か、調律師とは何かに気づいていきます。

『羊と鋼の森』はひとりの調律師の成長物語であり、それと同時にひとつの長大な曲であると言えます。

音符が五線譜で舞うように、言葉が心地好く流れていきます。文字を読んでいるのか音を聴いているのか分からなくなり、感覚は交錯して溶け合います。文字を聴き、音を読む。音楽的な言葉だけでなく、物事を描写した言葉すらも音楽的に奏でられます。淡々と綴られる言葉の群れは、音を空間に馴染ませる調律そのものではないかと思います。

2016.01.21
by mura-bito | 2016-01-21 18:31 | Book | Comments(0)
<< 30th FINAL 04: ... 30th FINAL 03: ... >>

fujiokashinya (mura-bito)
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
最新の記事
Sigala「Easy Lo..
at 2019-09-18 21:26
Rihwa・寺久保エレナ「ハ..
at 2019-09-11 20:24
藍井エイル「月を追う真夜中/..
at 2019-09-04 21:19
BTS「IDOL」:淀みなく..
at 2019-08-29 21:53
lol「brave up!!..
at 2019-08-21 21:06
Mike Posner an..
at 2019-08-14 21:39
David Guetta a..
at 2019-08-08 21:15
以前の記事
記事ランキング
カテゴリ
タグ
ライフログ
TM NETWORK

























TETSUYA KOMURO



quasimode


Linkin Park


Paramore

Immigrant'sBossaBand

Ryu Miho

AVICII


Krewella

Zedd


藍井エイル





ORESAMA




Gacharic Spin


梨木香歩

村上春樹



京極夏彦



小林ユミヲ



Book





Comic








Music


ブログジャンル