人気ブログランキング |
inthecube
音楽と物語に関する文章を書いています。
ワイルドじゃなくてもいいからタフになりたい
OUR WORLD IS EXPRESSED BY IMPRESSIVE WORDS
ブログトップ
30th FINAL 02: RHYTHM RED BEAT BLACK
TM NETWORK 30th FINAL

TM NETWORK 30th FINAL

TM NETWORK


淡々と刻まれる乾いたキックの音を、トーキング・モジュレーターで歪ませたエレクトリック・ギターの音が侵食し、ステージとスクリーンが紅く染まります。トーキング・モジュレーターによって変化したギターの音は、狂気を感じさせる歪みを生みます。音は空間をも歪ませ、赤と黒が交わる世界に観客を引きずり込みます。

TM NETWORKの曲のうち、トーキング・モジュレーターが特徴的な曲と言えば「RHYTHM RED BEAT BLACK」です。1990年のアルバム『RHYTHM RED』に収録され、のちにシングル・カットされました。ライブでは、TMNが終了する1994年まで頻繁に演奏され、2004年の20周年プロジェクトでも披露されました。そして、再び10年のインターバルを挟み、「TM NETWORK 30th FINAL」でセット・リストに加わりました。

***

基本的なカラーは共通するものの、ライブのたびに「RHYTHM RED BEAT BLACK」のアレンジは印象が変わり、新鮮な気持ちにさせてくれます。リリース当時のツアー、1994年の「終了」コンサート、2004年の「DOUBLE-DECADE」コンサートと、いずれもシンセサイザーの音がアップデートされ、曲に新たなスタイルを吹き込みました。そして2015年はソフト・シンセの音で曲の大部分を構築しながら、新しく導入したハード・シンセの音が曲に厚みを与えます。

小室さんは三方に配置したソフト・シンセをリアルタイムでコントロールしながら、背後にセッティングしたRoland社のJD-XAを弾きます。JD-XAがコンサートで使われるのは、この「TM NETWORK 30th FINAL」が初めてでした。Access社のアナログ・シンセサイザーであるVirusシリーズにも似た、太くて厚い音を出します。サビ前のブリッジやアウトロで登場するJD-XAの音が、ギターと火花を散らしながら音の饗宴を彩ります。

***

スクリーンには白く光る点が規則正しく並び、点は拡大と縮小、表示と非表示、整列と分散を繰り返します。白い光は赤い光に入れ替わり、黒いスクリーンを紅く染めます。具体的な事物を描くのではなく、点の集合体が見せるライト・アートです。光の点が動くことは光を見せると同時に、光を映さない黒い部分を強調するかのようです。

一貫して赤い照明がステージを覆いますが、異なる角度から青い照明を当てることで、艶のある光、艶のある赤の世界が浮かび上がります。Bメロとサビをつなぐブリッジでリフレインする♪It's called RED♪に合わせて赤い光がステージを染め上げ、♪It's called BLACK♪では白い光がストロボのように明滅することで黒い空間を生み出します。

***

歌詞に組み込まれた数々の言葉は、現実感を狂わせ失わせ、映画のようなフィクショナルな世界を描きます。浮かび上がるのは男女の危うい関係です。ふたりは「光と闇が揺れる隙間」に潜り込み、ひとしきり世界から遠ざかります。

夜が終わらないことを信じながら、終わりに向けて進み続ける。ふたりは手を取り合っているようで、別々の手を握っているのかもしれません。ふたりを包むのは赤の世界か、黒の世界か。どこにもたどり着かない閉塞感をかき分けて、何を見つけるのか。華美な言葉を積み上げた先に待っているのは崩落か、夢見た世界か。

***

ダイナミックに音が交錯するアウトロ。「RHYTHM RED BEAT BLACK」のテーマ・メロディが繰り返されます。音は重なって広がったと思うと、温度が下がるように薄くなり、そして再び厚みを増します。色気のあるリズムに奔放にうねるシンセサイザーが重なり、歪むギターが重なって音はどんどん熱を帯び、まるで溶鉱炉のように赤く熱く光を放ちます。

JD-XAが最後の音を吐き出すと、赤と黒の世界は消え、すべてが幻だったかのように音の記憶だけを残します。観客を包み込むのは、どこか柔らかい印象を与えるベースの音に、静謐なシンセサイザーの音が重なるサウンドです。スクリーンに灯る光の点は雪が降るようにはらはらと舞い、赤く染まった先刻とは対極の世界を描きます。音は淡々とループし、いつまでもこの中にいたいと思わせた頃、そっとはじけ、消えていきます。

INTRO
JUST LIKE PARADISE 2015/RHYTHM RED BEAT BLACK/CHILDREN OF THE NEW CENTURY 2015
HERE, THERE & EVERYWHERE/SCREEN OF LIFE/Birth
CAROL 2015 I
A DAY IN THE GIRL'S LIFE/CAROL (CAROL'S THEME I)/GIA CORM FILLIPPO DIA
CAROL 2015 II/IN THE FOREST/CAROL (CAROL'S THEME II)/JUST ONE VICTORY
INTERMISSION
月はピアノに誘われて/あの夏を忘れない/TETSUYA KOMURO SOLO -30th FINAL-/GET WILD 2015
WE LOVE THE EARTH/BE TOGETHER/I am/FOOL ON THE PLANET/ELECTRIC PROPHET
OUTRO

2016.01.11
by mura-bito | 2016-01-11 17:17 | Music | Comments(0)
<< 30th FINAL 03: ... AAA – Joy to th... >>

fujiokashinya (mura-bito)
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新の記事
Mike Posner an..
at 2019-08-14 21:39
David Guetta a..
at 2019-08-08 21:15
藍井エイル「月を追う真夜中」..
at 2019-07-30 21:02
Zara Larsson「A..
at 2019-07-24 21:23
[PART2] Eir Ao..
at 2019-07-18 21:24
[PART1] Eir Ao..
at 2019-07-17 21:20
AVICII and Chr..
at 2019-07-09 19:23
以前の記事
記事ランキング
カテゴリ
タグ
ライフログ
TM NETWORK

























TETSUYA KOMURO



quasimode


Linkin Park


Paramore

Immigrant'sBossaBand

Ryu Miho

AVICII


Krewella

Zedd


藍井エイル





ORESAMA




Gacharic Spin


梨木香歩

村上春樹



京極夏彦



小林ユミヲ



Book





Comic








Music


ブログジャンル