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[PART2] 木根尚登 – 進・電気じかけの予言者たち
進・電気じかけの予言者たち

進・電気じかけの予言者たち

木根尚登


[PART1] 木根尚登 – 進・電気じかけの予言者たち

「TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-」が始まり、ウツがステージに登場したとき、痩せた姿に驚きました。想像を超える病魔との戦いだったことを伺わせます。後日、『キーボード・マガジン』で小室さんのインタビューを読み、それまでのコンサートとは異なる緊張感の中で開かれたコンサートだったことを知ります。いかにウツを休ませ、それでいてコンサートとして成立させるか。小室さんはプロデューサーとして演出を工夫し、プレーヤーとして演奏しながら注意を払っていました。それでも何が起こるかは誰にも分かりません。途中で中止になる可能性は充分にあったし、生命に関わるトラブルも起こり得ました。

『進・電気じかけの予言者たち』では、ステージで歌うためのリハビリを行なうウツの姿が記されています。ウツは歌うことすらままならない状態から、わずかな時間で、パフォーマンスと呼べる水準に戻します。本番では歌声もきちんと聞き取れたし、曲によってはくるりと回転しました。そのパフォーマンスを観たとき、リハビリ開始時に歌えないほどの激痛に苛まれていたとは露ほども思わなかった。改めて、その強靭な精神力に脱帽します。そして、裏側を明かすことをウツは好まないと知っていながらも、木根さんは書き添えました。「それでも、ウツ、書かせてくれないか。君への敬意として」と。

コンサートは無事に終了しました。三人の姿が光に包まれ、扉の向こうに消えます。僕らはただひたすら手を振り、声援を送ります。閉じた扉の向こうで、三人は言葉を交えることなく、握手を交わしました。そこには、ファンはもちろんのこと、スタッフさえもいなかった。TM NETWORKというプロジェクトにとって、あるいは友人である三人にとって前代未聞の状況を乗り越えたからこそ生じた出来事です。

握手はただの握手かもしれません。けれども、三人にとってメッセージの交換であり、意味のあることだったのならば、それでいい。小さな出来事に含まれる大きな意味。三人が描く三角形の、最もシンプルで最も純粋なかたちを見た気がします。

2015.03.18
by mura-bito | 2015-03-18 20:50 | Book
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