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PROPHETS (PART 2) – TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-
TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-

TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-

TM NETWORK


INTRO
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PROPHETS (PART 2)

暗転。音も光も姿を消した数秒の空白が漂います。何が起きるのか皆目見当もつかない状況で、観客の視線と期待は暗闇に包まれたステージに注がれる。スネアの音が鳴り、ギターのリフが鋭く響き渡ると、白い光がステージ後方から放たれます。光は両手を掲げるウツのシルエットを描き出し、そして観客を照らします。青空から注ぐ太陽の光のように透き通り、そして力強く輝く光は、"Yes I am Yes I am Yes I am a human" と歌うフレーズのリフレインにぴたりと合う。

2012年の活動再開に合わせて制作された「I am」 は、2013年には新たなアレンジを施され、「Green days 2013」とともにシングルとして販売されました。「I am 2013」と題したこのバージョンは、四つ打ちのリズムの印象が強くなり、ダンス・ミュージックに寄ったと言えます。それでいてインパクトを残すのは分厚いギター・サウンドですね。いったいどれだけのギターが鳴っているのでしょう。オリジナルでは少し奥の方に立ち、シンセサイザーを支えていたギターが、2013年のバージョンでは前に出てきています。ボーカルとギターとシーケンサーが並列になっているミックスだからかもしれません。ギターで参加しているのがLimp Bizkitに所属していたMike Smithだからでしょうか、分厚いギターの音が鳴り続けるヘビー・ロックのようにも聞こえます。

ライブではTM NETWORKの3人が歌い、声によるトライアングルを形づくります。小室さんと木根さんが "Yes I am Yes I am Yes I am a human" のリフレインを歌い、ウツと小室さんがツイン・ボーカルのように歌い、そして3人が声を重ねる場面もありました。役割や楽器の担当を超えたところにある、3人の存在を強く感じる曲です。3人の声を結ぶトライアングルはTM NETWORKの原点であり、同時に現在を示す要素でもあります。

歌詞は聴く人のイメージによって形を変える言葉で構成されています。言葉の行間をじっと見つめ、浮き上がってくるものを捕らえてみましょう。一人ではなく、何人かがどこかを歩いている情景が思い浮かびます。誰かが遅れて足並みがそろわずとも、そのことを嘆いたり遅れた者に早く来るよう促すのはなく、そこまで戻って手を差し出し、もう一度歩き出せばいい。一緒に歩いていけばいい。人間は一人では歩いていけないけれど、とはいえみんなが同じ歩調で前に進めるわけでもない。もどかしさを抱えつつ、行きつ戻りつ、何とか目の前の道を歩いてゆく。「RESISTANCE」が個としての強さを歌う曲ならば、「I am」はつながりによって生まれる強さを歌います。

サイレンに似た音が会場をぐるりと回るように鳴り、ディレイしながら沈黙します。再び鳴り始め、再びフェイドアウト。それに合わせて、テクニカルに刻むギターの音が聞こえます。バンナさんが弾くフレーズは「LOVE TRAIN」です。ソフト・シンセが歪んだDUBSTEPサウンドを放ち、音が厚みを増してゆく中、TM NETWORKを乗せてきた電車が再び姿を現わします。ばらばらにされた音が集まり、輪郭が浮かび上がり、イントロが鮮明な像を結んで走り出します。

「LOVE TRAIN」は「GET WILD」と並ぶTM NETWORKの代表曲ですね。リリース当時の1991年はTMNという名称で活動していましたが、CDの売り上げも全国ツアーも規模の大きさが目立ちました。日本の音楽業界全体が伸び始めた時期でもあり、「LOVE TRAIN」はそうした時代の流れをキャッチアップすべく世に出たと言っても過言ではない。その一方で、小室さんはこの曲のリミックスを何度か制作しており、クラブというアンダーグラウンドなマーケットにも目を向けていました。ライブでの盛り上がりを約束するヒットソングでありながら、新たなリスナーを求め、新たな場所に向かって走る曲でもあるのかもしれません。

曲のエンディングからバトンを受け継ぎ、シンセサイザーのメロディが流れます。「FOOL ON THE PLANET」のイントロの一部が切り取られ、ループしています。乾いた音が延々と鳴り続ける中で、TM NETWORKの3人は互いに目を合わせ、意思の疎通を図ると、地球を去る準備を始めます。ウツ(の姿をした潜伏者)とキャロル(あるいは町に住む女の子)の目が合います。彼女は手を差し出すけれども、それを目にしたウツは、言葉を残すことなく歩き去ります。木根さん(の姿をした潜伏者)は、町の住人の顔を見渡します。そして、電車のドアが開くとまばゆいばかりの光があふれ出し、TM NETWORKの3人は光の中に向かいます。3人を呑み込んだ光は輝きを強め、シルエットも見えなくなっていく。ドアが閉じ、電車が走り出します。行く先は遠い宇宙の果てか、終わりの始まりを告げる場所か。「TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-」はTM NETWORKの帰還をもって、その幕を降ろしました。

2014.02.24
by mura-bito | 2014-02-24 21:56 | Music | Comments(0)
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