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PROPHETS (PART 1) – TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-
TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-

TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-

TM NETWORK


INTRO
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PROPHETS (PART 1)

戦火を逃れて走る女の子は泣き叫ぶ。どうすることもできず、ただ怯えるばかりの老人。ウェイトレスの格好をした女性は足をとられたのか、それとも恐怖ゆえか、その場にしゃがみ込む。銃を構えた屈強な男性たちが汗を浮かべて駆け回り、引き金を引き、銃身で殴りつける。こんなはずではなかったのにと、IPたちは嘆きます。自らのコミュニティに入り込まれることを拒み続けた人々は、ついに銃を手に取り、相手に突きつけ、自らを守り、相手を追い出そうとします。彼らは心を閉ざし、自分たちのテリトリーに固執し、境界線を曖昧にぼかそうとする者を排除します。銃声が止んだとき、夜は終わろうとしていました。

鳴り響くメロディは「DAWN VALLEY」。シンセサイザーの音で、物憂げなメロディを奏でます。オリジナルでは小室さんのピアノが奏でる旋律にシンセサイザーの紗のような音が絡み、Jerry Heyというトランペッターのフリューゲル・ホーンがソロ・パートを演奏します。1987年の『humansystem』で吹き込まれたインストゥルメンタルです。録音がロス・アンジェルスで行われたことも影響しているのでしょうか、TM NETWORKには珍しいジャズへのアプローチが見られますね。

「TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-」ではシンセサイザーの悲しげな音がテーマ・メロディを奏でます。重なるソフト・シンセの音が沈む気持ちに拍車をかけます。小室さんがJUPITERでホーンをイメージした音を奏でると、夜明けに向かうというよりは、夜の闇が一層濃くなった気がします。うまくやれると信じていただけに、IPたちの失望はこの上なく大きく、表情がそれを物語る。どこでボタンを掛け違えたのか、それとも最初から歯車は噛み合っていなかったのか。

きっかけはIPだったのでしょうか。それとも、IPの訪れは時代の流れとシンクロしたに過ぎないのか。いずれにしてもIPの目の前に広がっていたのは、外の世界から来る人間を拒絶する人間の姿です。自分たちの生活を、考え方を変えられてしまうかもしれない。ある程度までは許容できるけれども、越えるべきではない境界線は確かに存在する。そのラインを踏み越えようとしたとき、冷たい銃口が突きつけられます。たとえその持ち主が内心は怯えているだけだとしても、一度火を吹けば、ものごとは決定的に、致命的に損なわれる。

光の当たる面があれば、陰になる部分が必ず生まれます。人と人が向き合ったとき、微笑み合うこともあれば、眉をひそめてにらみ合うこともある。IPの任務は地球の人々が何を考え、どのように生きているかを調査することです。光の面だけに目を向けることは、遂行すべき任務の半分に過ぎません。こうして、調査報告書に記載すべき項目が増えました。IPは何を思い、町に背を向けたのか。それを読み取るには、あたりに残る夜の闇はあまりにも濃く、銃声の残響をはらんでいました。

TM NETWORKが地球を去る時間が迫ってきました。最後に彼らはメッセージを残します。それはタイムマシンに乗って未来を見てきたゆえの警鐘であり、ループするリズムのように繰り返される人々の営みであることを綴っています。平和と争い、崩壊と再生は繰り返され、その中で人間はこれからも生きる。それはTM NETWORKの調査結果から導かれた法則であり、善でも悪でもない。過去の人間からすれば予言に見えますが、通奏低音のように地球を貫く人々の営みなのです。メッセージを携える曲は「RESISTANCE」と「I am」。

ソフト・シンセを軸にしてつくったと思われるエレクトロニック・サウンドのフレーズが、リズムを伴なってループを始めます。無機質なサウンドは、トランシーバーやテレビが発するノイズにも似た音を含みます。やがてシンセサイザーの音が並走し、さらにその後でしばらくしてからエレクトリック・ギターが重なることで曲の全体像が鮮明に描き出されます。「RESISTANCE」は1987年のアルバム『humansystem』に収録され、世に出ました。

自分を貫き、自分を押し潰そうとするものに抵抗することを歌います。不当な支配か、世間の圧力か、交流を避ける無気力か、抗う対象は聴く人がイメージします。物語の文脈に流し込んでこの曲のメッセージを考えてみましょう。これから訪れる未来には、幾多の困難が向かい風のように吹きつけ、前に進もうとする足を止めます。物語の登場人物のみならず、人間そのものの営みに組み込まれたプログラム。そのような状況の中でも一歩ずつ進まねばならないし、進む気持ちを抱き続ける必要がある。それは孤独な戦いを強いられることになるかもしれません。それでもなお、タフな心を持つことが求められる。

2014.02.23
by mura-bito | 2014-02-23 17:51 | Music | Comments(0)
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