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DINER (PART 2) – TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-
TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-

TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-

TM NETWORK


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ソフト・シンセの音が空間を引き裂き、強烈なビートが観客の身体を直撃します。曲は「COME ON EVERYBODY」。オリジナルは1988年の『CAROL -A DAY IN A GIRL'S LIFE 1991-』に収められ、先行シングルにもなっていますが、物語とは直接関係のないダンス・ミュージックです。むしろ、その後にリリースされた『DRESS』に近く、このアルバムにはNile Rodgersがプロデュースとギターを担当したバージョンが収録されています。

「COME ON EVERYBODY」は2012年のライブ「TM NETWORK CONCERT -Incubation Period-」でも披露され、途中で「COME ON LET'S DANCE」を含む構成も前年を踏襲していますが、今回はエレクトロニック・サウンドの印象が強まっています。1986年に発表された「COME ON LET'S DANCE」のオリジナルはファンクの要素を含んでおり、1989年にはやはりNile Rodgersの手でよりファンキーな音になりました。ダンス・ミュージックのDNAなるものがあるとすれば、それはこの2曲に埋め込まれているのかもしれません。その時代に息づくダンス・ミュージックのスタイルを身にまとい、常に観客をあおり、踊らせる。タフな曲です。

曲間に空白はありません。リズムがループする中、小室さんの両手はソフト・シンセとSledgeに置かれます。Sledgeはチェンバロにも似た音を奏で、少しずつエレクトロニック・サウンドの角を取って丸くしてゆく。重厚なベースがゆるやかに響き渡り、曲の輪郭を浮かび上がらせます。バンナさんのギターは同じフレーズを職人的に刻みます。バンナさんは1990年代後半に小室さんのプロデュース・ワークを支えたミュージシャンのひとりであり、このライブではやや裏方に近いポジションでサウンドを支えています。このループするギターの音がとても心地良いんですよね。

音がカットアウトしてスポットライトがウツをとらえます。光の中でウツが観客に向かって短くメッセージを発すると、その瞬間に演奏も歓声も一際大きくなり、「BE TOGETHER」が走り始めます。アメリカ大陸のように1999年のカバー・バージョンで「発見」されたこの曲は、主にライブの後半で観客を盛り上げるポジションを確立しました。木根さんはステージの端まで走り、ギターをかき鳴らします。葛Gが奏でるギターが、Indigo Redbackで弾く小室さんのソロ・パートが、そしてウツのサビ・メロのリフレインが観客をヒートアップさせる。

一気に駆け抜けた「BE TOGETHER」の余韻にひたる間もなく、小室さんのサウンド・ラボラトリーのドアが開きます。マウスを動かしてソフト・シンセ上で音をコントロールし、DUBSTEPの要素を埋め込んだサウンドを呼び出す。Ruyの叩くビートと、バンナさんのギターのリフが重なると、EDMとロックが衝突し、次第に融合していきます。TM NETWORKの代名詞である「GET WILD」は、数々のリミックス、そしてライブアレンジで新たな存在にシフトしてきた曲であり、変わり続けるTM NETWORKを象徴する曲です。

2013年の時点ではTM NETWORKの曲はDUBSTEPに染まっておらず、あくまでもそのパーツを移植する、という状態でした。世界を席巻するDUBSTEPサウンド、例えばSKRILLEXに近いものを加えると、おそらくバランスが一気に崩壊する。振り返るに、小室さんの曲はユーロビートにせよテクノにせよ、彼のフィルターを通した音が使われます。「良くも悪くも無国籍料理になる」とは本人の弁ですが、バランスを保ちながらジャンルを横断することで、曲に心地よさが生まれる。TK DUBSTEP MIXとも言うべきサウンドは、DUBSTEPの入り口としても楽しめるし、他のジャンルとDUBSTEPのミクスチャー・サウンドとしても楽しめます。

2013年版の「GET WILD」はiTunes Storeで配信された『DEBF EDM 2013 SUMMER』で聴くことができます。ライブで使った音を下敷きにして、生演奏の部分を打ち込みやソフト・シンセに置き換えているため、よりEDMらしくなり、そしてDUBSTEPの色が濃く出ています。かつて小室さんが傾倒していたトランスを想起させる音も使われており、シンセサイザー・ミュージックのターミナルと表現できるサウンドに仕上がっています。

ライブは「GET WILD」をひとつのピークとします。「TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-」は、物語を軸に据えた演劇的アプローチをとっていると同時に、当然ながら、歌い、踊るというロックやポップスのライブでもあります。後者のピークは「GET WILD」が担い、その役割は充分に果たしました。短くサイジングされたコーダの後、わずかな音が残る中でステージが暗くなります。物語がエンディングを目指して、ゆるやかに発進します。

2014.02.12
by mura-bito | 2014-02-12 22:47 | Music | Comments(0)
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