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スプツニ子! - ムーンウォーク☆マシン、セレナの一歩


スプツニ子! - ムーンウォーク☆マシン、セレナの一歩

第一印象は「わけがわからないがとにかくおもしろい!」です。ゆえに、以降の文章は壮大な蛇足です。

現在、東京都現代美術館では「うさぎスマッシュ展」という展示が開催されています。20名以上の作家が作品を提供しているのですが、作品の間を歩き回り、多種多様な世界に半ばタックルされながら、久々に刺激的な空間を味わいました。その中でも一際異彩を放っていたのがスプツニ子!の作品「ムーンウォーク☆マシン、セレナの一歩」です。

どこからか響く重低音。どこか別の場所で何かライブでもやっているのかなと思ったくらいですが、どうやら目の前にある暗幕の向こうから聞こえてくる。まさかと思いつつ幕を開けると、やたらとポップなエレクトロがベースドラムをがんがん響かせていて、大きなスクリーンに何か映画のような映像が映し出されている。カラフルで、レトロなアメリカっぽくて、日常とファンタジーが入り乱れていました。穴を転げ落ちたアリスも、こんな気持ちになったのでしょうか。わけがわからない…けど、おもしろい。あっという間に過ぎ去る時間は、とても濃密なワンダーランド。

映像が終わってふと視線を落とすと、そこに敷き詰められた砂が目に飛び込んできます。そこに刻まれたいくつかの足跡とMoonwalk Machine。セレナの一歩、ですね。入り口付近を振り返ってみれば、セレナの部屋も再現されていました。映像の中に広がっていた世界は最初から目の前にありました。映像から飛び出してきたのか、映像に飛び込んだのか。はたまたそのボーダーラインを綱渡りしているのか。そして、Moonwalk Machineのそばには、なぜか赤く染まった刀が突き立てられていました。何かを一刀両断した、その痕跡も目の前に刻まれていました。

最後に流れるエンド・ロールに映る、セレナの立ち姿が堂々としていていいですよね。スクリーンから放たれる存在感に脱帽。絵になるなぁと思いました。

2013.10.29
by mura-bito | 2013-10-29 22:16 | Visualart
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