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TMN - EXPO
EXPO

EXPO

TMN


それは時を越えてやってきたタイムマシンのよう。『EXPO』はTM NETWORKがTMNと名乗っていたころのアルバムです。1991年にリリースされました。ふとしたきっかけでアルバムを聴き返していたら、これは2013年に聴いてもまったく違和感のない作品だと思いました。今の感覚で聴き、今の感覚で言葉を探す。

ダンス・ミュージック好きに薦めたいアルバムですね。アルバムの実質的なオープニングを飾るのは「We Love The Earth -Ooh, Ah, Ah, Mix-」です。イントロから響くキックの音は、2010年代のEDM (Electronic Dance Music) と比べても遜色のないクオリティですね。厚くて、力強く、ダイレクトに響いてくる。キックがダイレクトに響くかどうかは、ダンス・ミュージックとして重要なポイントです。そして、オリジナル・バージョンでも健在だった色気のあるベースは、このミックスでも形を変えて心地よく響きます。

他の曲も、分厚いリズムに支えられて扇情的なサウンドを届けてくれます。「Jean Was Lonely」を改めて聴くと、新たな魅力に気づかされます。ラテン・ミュージックの雰囲気を醸すピアノの音に加え、打ち込みのビートに絡みつくようにティンバレスが鳴ります。パーカッションの魅力を知ってからこの曲を聴くと、音の世界が驚くほど変わりました。熱さと切なさが同居する曲。挑発するサウンドの裏に、どこか冷めたような表情が見え隠れしています。ラテンのピアノやティンバレスが混ざると、曲は不思議なグラデーションを帯びますね。

『EXPO』は、時を越えて1991年に現れたタイムマシンだったのかもしれません。2010年代のあるとき、その瞬間の音を切り取って20年前に戻った。そしてその音は『EXPO』という作品になった。タイムマシンはTM NETWORKの最重要キーワードです。それに固執せずとも、この音が20年以上も前に存在していたことは事実であり、そしてそれは充分にインパクトのあることだと思います。1991年の音がパッキングされているのではなく、時を越えてなお輝くダンス・ミュージックが鳴り続けているのです。

iTunes Store Japan: TMN - EXPO

2013.04.25
by mura-bito | 2013-04-25 21:43 | Music
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