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音楽と物語に関する文章を書いています。
ワイルドじゃなくてもいいからタフになりたい
OUR WORLD IS EXPRESSED BY IMPRESSIVE WORDS
Billboard Japan 小室哲哉インタビュー
Billboard Japanのサイトで小室さんのインタビューが公開されていたので、さっそく読み、気になる言葉をいくつかピックアップしました。アルバム『Digitalian is eating breakfast 3』の内容を中心にしつつ、音楽業界の流れを俯瞰する場面もあります。小室さんは定期的にこういうことを語ってくれますよね。その分析の角度や内容を心に留めておいて、後になって照合するのもおもしろい。現状を分析して、未来を予測した上で、じゃあ現在の少し先にどんな音楽を生み出すか。もちろんすべてが小室さんの予測どおりになるわけではないですが、30年経った今でも電気じかけの予言者は僕らを楽しませてくれます。
思えば、小室さんは自身の音楽を届けるときに、かならずカテゴリーを意識している気がします。洋楽におけるジャンルを自分なりに消化して、日本のマーケットに放り込んできた。インタビューでも述べていますが、洋楽の紹介ですね。20世紀末からは既存のカテゴリーの隙間を縫おうとしていたのではないでしょうか。J-TRANCEであったり、日本っぽさを含むアンビエント・ミュージックだったり、そうした新カテゴリーの構築は不発に終わったわけで、日本におけるCD不況と新規カテゴリーの不出は相関関係にあるかもしれません。塗り絵が終わってしまったようなものです。
僕が音楽雑誌のインタビューを読んでいた1990年代後半は、カテゴリーに括られることを拒むミュージシャンは多かった。それでいてCDショップではカテゴリーにきっちり納まっているのに矛盾を感じなくもないのですが、カテゴリーがあるからこそ、カタログが増えて、売り上げが上がって、利益率が高くなる。例えば「ビジュアル系」と括られるのはどのバンドも嫌がったでしょうが、そのカテゴリー全体で発展したのは事実ですよね。ひとつのバンドのCDを買ったリスナーは、似たバンドに興味を持ちやすいのだろうと思います。
CD市場が崩壊している今でもカテゴリー戦略は健在です。ここ10年くらいは、新しいカテゴリーと言っても亜種のようなレベルに留まっていて、それが悪いわけではなくて、音楽業界がV字回復するようなムーブメントにはなり得ない、ということです。僕が興味を持った中では、ダンス・ロック、クラブ・ジャズ、EDM (Electronic Dance Music) といったものがありますが、いずれも影響範囲は局所的です。だからこそ、その範囲内では強固なつながりが生まれるので、今の時代のマネタイズにとって、中小規模のカテゴリー形成は必要なのでしょうね。
2013.03.09
これまで僕はライブラリを作ってきた訳ですよ。1980年ぐらいにシンセの本格的な打ち込みを始めた訳ですけど、それからずっと。で、そのライブラリ作りを出来たのは、僕らがギリギリ最後で。今はもうほぼ全部のカテゴリーが出来ちゃっていて、最近ではEDMという言葉が久々に生まれたぐらいですよね。だから僕ら以降の世代は、ふっと湧いたオリジナルのメロディや音が、たまたま僕が前に作ったヒット曲と同じで「小室みたいだね」って言われてしまったりする。そういう意味では「○○みたいだね」の「○○」になれた最後だったりして、僕以降にももっと出てきてほしいんですけど、なかなかドカーン!とはいかないですよね。
小室哲哉
小室哲哉 『DEBF3』 インタビュー - Billboard Japan
小室哲哉
小室哲哉 『DEBF3』 インタビュー - Billboard Japan
思えば、小室さんは自身の音楽を届けるときに、かならずカテゴリーを意識している気がします。洋楽におけるジャンルを自分なりに消化して、日本のマーケットに放り込んできた。インタビューでも述べていますが、洋楽の紹介ですね。20世紀末からは既存のカテゴリーの隙間を縫おうとしていたのではないでしょうか。J-TRANCEであったり、日本っぽさを含むアンビエント・ミュージックだったり、そうした新カテゴリーの構築は不発に終わったわけで、日本におけるCD不況と新規カテゴリーの不出は相関関係にあるかもしれません。塗り絵が終わってしまったようなものです。
僕が音楽雑誌のインタビューを読んでいた1990年代後半は、カテゴリーに括られることを拒むミュージシャンは多かった。それでいてCDショップではカテゴリーにきっちり納まっているのに矛盾を感じなくもないのですが、カテゴリーがあるからこそ、カタログが増えて、売り上げが上がって、利益率が高くなる。例えば「ビジュアル系」と括られるのはどのバンドも嫌がったでしょうが、そのカテゴリー全体で発展したのは事実ですよね。ひとつのバンドのCDを買ったリスナーは、似たバンドに興味を持ちやすいのだろうと思います。
CD市場が崩壊している今でもカテゴリー戦略は健在です。ここ10年くらいは、新しいカテゴリーと言っても亜種のようなレベルに留まっていて、それが悪いわけではなくて、音楽業界がV字回復するようなムーブメントにはなり得ない、ということです。僕が興味を持った中では、ダンス・ロック、クラブ・ジャズ、EDM (Electronic Dance Music) といったものがありますが、いずれも影響範囲は局所的です。だからこそ、その範囲内では強固なつながりが生まれるので、今の時代のマネタイズにとって、中小規模のカテゴリー形成は必要なのでしょうね。
2013.03.09
by mura-bito
| 2013-03-09 23:01
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