inthecube
音楽と物語に関する文章を書いています。
ワイルドじゃなくてもいいからタフになりたい
OUR WORLD IS EXPRESSED BY IMPRESSIVE WORDS
HAPPINESS×3 LONELINESS×3
TM NETWORKには「HAPPINESS×3 LONELINESS×3」という曲があります。再結成した1999年にリリースされました。音はラテンの雰囲気が漂い、TM NETWORKの持ち味である「哀愁」が色濃く出ています。ラテン・サウンドといえば熱く盛り上がるイメージが強いかと思いますが、哀愁漂うサウンドにもなり得ます。特筆すべきはシーラEというパーカッショニストが参加していることであり、TM NETWORKの中では最もパーカッションの存在が大きい。
この曲はTM NETWORK以外のアーティストによって制作されました。TM NETWORKは日本語で歌い、フリオ・イグレシアスJr.は英語、シーラEはスペイン語、そして王力宏(Wang LeeHom、ワン・リーホン)は中国語(おそらく北京語)で歌いました。ただ翻訳しただけではなく、譜割も言語に合うように変化されています。さらに、異なるアレンジャーが腕を振るった結果、それぞれに特徴を持ったサウンドを生み出しています。
どのバージョンにもシーラEのパーカッションが入っており、コンガ、ティンバレス、カウベルの音が気持ちいい。シーラEの音を軸にして聴いてみると、アレンジによって他の音とのバランスが異なっているのが分かります。打ち込みのリズム、シーケンサー、アコースティック・ギターの使い方が各曲のオリジナリティに結び付いているんですね。
TM NETWORK
TM NETWORKのバージョンは、1999年当時の小室さんのサウンドが前面に出ています。この時期はテンポが遅めの曲で密度の大きいリズムを鳴らしているのが特徴ですが、それがこの曲にも表われています。また、舌がもつれそうになるくらいに言葉を詰め込んでいます。先述のとおり、TM NETWORKがこれほどパーカッションを押し出すことは珍しく、それでいて熱さよりも切なさを感じさせるTM NETWORKらしいアレンジです。同じ曲でも、シーラEやフリオ・イグレシアスJr.のバージョンでは熱く聞こえるんですが、それらと対比して聴くとまたおもしろいです。
フリオ・イグレシアスJr.
同じメロディでも言葉の乗せ方で異なる雰囲気になりますが、言語が変わればさらに変化が生まれます。ウツが歌う日本語のバージョンは言葉をしっかり区切っていましたが、フリオ・イグレシアスJr.は色気のある声と絡みつくような歌い方で、流れるように言葉を走らせていきます。僕としては、英語の歌は音符を足場にして次々とジャンプしていくイメージがあるんです。分厚いリズムがテンポよく鳴って、TM NETWORKより疾走しているように聞こえます。アウトロではトランペットも加わり、明るく楽しいラテンの雰囲気を前面に押し出しています。
シーラE
ラテン・サウンドは彼女のホーム・フィールドと言ってもいいでしょう。当然ながら、本人の叩くパーカッションが前に前に出ています。ボーカルととパーカッションがフロントで並んでいる感じですね。いったいどれだけの音が同時に鳴っているんだろうと思うくらい、多彩な音が飛び出します。ラテン・ミュージックの音に興味を持ってからこの曲を聴くと、新しい音に次々と出会います。カラフルでパーカッシブな音の競演に、聴くたびに熱くなります。僕はquasimodeを聴いてラテン・ジャズの魅力に目覚めましたが、こうした音を意識しないうちに体験していたことに驚くばかりでです。
王力宏
中国語の歌を聴いたのはこれが初めてだったかもしれません。当時はものすごく違和感があったのですが、今になって聴きなおしてみるとポップスに乗る中国語の良さを感じます。重みを感じるリズムの上に本人が弾くバイオリンが乗ります。そんなサウンドに合わせて言葉が流れ出す。最後のリフレインでは、どのバージョンにもないフレーズが歌われています。この部分が泣きそうになるくらい、いいんですよ。メロディと、言葉の紡ぎ方と、声の相乗効果。言葉が分からずとも、心に突き刺さるフレーズは生まれるんですよね。
言語横断的な企画の曲をまた聴いてみたいですね。言葉の違いは往々にして壁になるわけですが、視点を変えれば新たな体験の扉にだってなり得る。各々が自分の声や音を使って同じ曲を料理する。それは音楽に特化した、ワールドワイドな競演ですね。日本のみならず音楽産業は世界的にもシュリンクしているかもしれませんが、ネットワークが広がっている今だからこそ、こうした世界を駆け巡る音をもっと聴けたら嬉しいです。
2013.01.17
この曲はTM NETWORK以外のアーティストによって制作されました。TM NETWORKは日本語で歌い、フリオ・イグレシアスJr.は英語、シーラEはスペイン語、そして王力宏(Wang LeeHom、ワン・リーホン)は中国語(おそらく北京語)で歌いました。ただ翻訳しただけではなく、譜割も言語に合うように変化されています。さらに、異なるアレンジャーが腕を振るった結果、それぞれに特徴を持ったサウンドを生み出しています。
どのバージョンにもシーラEのパーカッションが入っており、コンガ、ティンバレス、カウベルの音が気持ちいい。シーラEの音を軸にして聴いてみると、アレンジによって他の音とのバランスが異なっているのが分かります。打ち込みのリズム、シーケンサー、アコースティック・ギターの使い方が各曲のオリジナリティに結び付いているんですね。
TM NETWORK
TM NETWORKのバージョンは、1999年当時の小室さんのサウンドが前面に出ています。この時期はテンポが遅めの曲で密度の大きいリズムを鳴らしているのが特徴ですが、それがこの曲にも表われています。また、舌がもつれそうになるくらいに言葉を詰め込んでいます。先述のとおり、TM NETWORKがこれほどパーカッションを押し出すことは珍しく、それでいて熱さよりも切なさを感じさせるTM NETWORKらしいアレンジです。同じ曲でも、シーラEやフリオ・イグレシアスJr.のバージョンでは熱く聞こえるんですが、それらと対比して聴くとまたおもしろいです。
フリオ・イグレシアスJr.
同じメロディでも言葉の乗せ方で異なる雰囲気になりますが、言語が変わればさらに変化が生まれます。ウツが歌う日本語のバージョンは言葉をしっかり区切っていましたが、フリオ・イグレシアスJr.は色気のある声と絡みつくような歌い方で、流れるように言葉を走らせていきます。僕としては、英語の歌は音符を足場にして次々とジャンプしていくイメージがあるんです。分厚いリズムがテンポよく鳴って、TM NETWORKより疾走しているように聞こえます。アウトロではトランペットも加わり、明るく楽しいラテンの雰囲気を前面に押し出しています。
シーラE
ラテン・サウンドは彼女のホーム・フィールドと言ってもいいでしょう。当然ながら、本人の叩くパーカッションが前に前に出ています。ボーカルととパーカッションがフロントで並んでいる感じですね。いったいどれだけの音が同時に鳴っているんだろうと思うくらい、多彩な音が飛び出します。ラテン・ミュージックの音に興味を持ってからこの曲を聴くと、新しい音に次々と出会います。カラフルでパーカッシブな音の競演に、聴くたびに熱くなります。僕はquasimodeを聴いてラテン・ジャズの魅力に目覚めましたが、こうした音を意識しないうちに体験していたことに驚くばかりでです。
王力宏
中国語の歌を聴いたのはこれが初めてだったかもしれません。当時はものすごく違和感があったのですが、今になって聴きなおしてみるとポップスに乗る中国語の良さを感じます。重みを感じるリズムの上に本人が弾くバイオリンが乗ります。そんなサウンドに合わせて言葉が流れ出す。最後のリフレインでは、どのバージョンにもないフレーズが歌われています。この部分が泣きそうになるくらい、いいんですよ。メロディと、言葉の紡ぎ方と、声の相乗効果。言葉が分からずとも、心に突き刺さるフレーズは生まれるんですよね。
言語横断的な企画の曲をまた聴いてみたいですね。言葉の違いは往々にして壁になるわけですが、視点を変えれば新たな体験の扉にだってなり得る。各々が自分の声や音を使って同じ曲を料理する。それは音楽に特化した、ワールドワイドな競演ですね。日本のみならず音楽産業は世界的にもシュリンクしているかもしれませんが、ネットワークが広がっている今だからこそ、こうした世界を駆け巡る音をもっと聴けたら嬉しいです。
2013.01.17
by mura-bito
| 2013-01-17 21:35
| Music

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