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音楽と物語に関する文章を書いています。
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タグ:Tetsuya Komuro ( 137 ) タグの人気記事
[PART3] TM NETWORK「MAJOR TURN-ROUND」:32分21秒の音楽体験、過去と現在と未来の交錯、刷新される音の記憶
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FIRST IMPRESSIONの音がカット・アウトすると、間を置かずにSECOND IMPRESSIONのドアが開き、そこから響いてくるメロトロンの音が聴き手を招き入れます。緩やかなテンポで「MAJOR TURN-ROUND」の中で最も重厚なバンド演奏が繰り広げられます。音の塊はやがて小さくなっていき、荒れた水面から波がすっと引くような、静かな雰囲気の音になります。小室さんが弾くピアノが静謐な響きを紡ぎ、木根さんが爪弾くアコースティック・ギターは過去の記憶を探して彷徨います。そしてバンドの音が戻り、「MAJOR TURN-ROUND」の中で最もスリリングな演奏が始まります。途中まではピアノとベースとドラムのトリオ演奏です。それぞれのスタイルを存分に見せつけながら音が展開していき、やがてギターの音が重なります。

「MAJOR TURN-ROUND」のリズムを構築するのは、Simon PhillipsとCarmine Rojasです。Simon Phillipsのドラムは、CDとは思えないほどの迫力を感じさせます。僕は彼のプレイを上原ひろみのコンサートで聴いたことがありますが、実際に生で体験できる喜びと、期待を遥かに上回る格好良さに震えたのを覚えています。一方、Carmine Rojasは、David Bowieのツアーでバンドを統率したこともあるベーシストです。「MAJOR TURN-ROUND」は多くの音が交錯する曲ですが、ベースの音が全体を包み込んでいるのではないかと思うほど、ずしりと重く、厚い音で存在感を示しています。

ドラムとベースに支えられ、小室さんのピアノが走ります。このソロはKeith Jarrettを意識したと、後に小室さんは語りました。小室さんとプログレを結びつける人物として最初に挙がるのはKeith Emersonでしょうが、実はジャズ・ピアニストのKeith Jarrettをイメージしたという話には驚きました。その後も、自身のソロ作品でもKeith Jarrettについて言及する場面がありました。とはいえ、特にピアノの演奏スタイルについては、むしろRick Wakemanの影響の方が大きいのではないかと思います。Rick Wakemanが参加したYesの大作「Close to the Edge」やソロ・アルバム『The Six Wives of Henry VIII』を聴いていると、そう感じます。
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最後のパートであるTHIRD IMPRESSIONが始まると、音は少し明るめに響き、ポップな色に染まります。THIRD IMPRESSIONの前半で聴ける音は、ハウスというべきか、あるいは小室さんが傾倒していたトランスというべきか、プログレでは使われないであろうダンス・ミュージックのループ・サウンドです。そうした音が呼び込んだのかもしれませんが、歌詞はこれまでのパートより前向きなものになります。FIRST IMPRESSIONを現在、SECOND IMPRESSIONを過去とするなら、THIRD IMPRESSIONは未来に向かっていく音や言葉を発しています。

音は目まぐるしく、ダイナミックに展開します。地を這うようなベースとキックが鳴り終わると、曲はがらりと雰囲気を変えます。葛城哲哉が弾くギターの音は哀愁の色を帯び、音が紡がれるたびにその色は濃くなります。他のパートでも印象的なギターを披露していますが、THIRD IMPRESSIONでは心をぐっとつかむ音を鳴らしています。バンドの演奏を背にして、ウツの歌もエモーショナルに曲を彩ります。

メロトロンが鳴り響き、終着点に向かう曲を導きます。過去に吹き込まれた音が時間を越えて呼び戻され、空気を震わせます。録音されたものを聴く限りでは、他の音とのバランスを取っているのか、メロトロンは後ろの方に位置しています。ライブでは、小室さんが弾くメロトロンはストリングスとコーラスを鳴らし、前に前に出てきて、ベースやドラム、ギターを率いて壮大な雰囲気を醸しながらクライマックスを迎えます。32分という長大な曲の幕が閉じると、記憶のあちこちに音が残っているのが分かります。その欠片を拾い集めようとして最初から「MAJOR TURN-ROUND」を聴くと、音の記憶は刷新されていくのです。
2017.12.07
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by mura-bito | 2017-12-07 21:02 | Music | Comments(0)
[PART2] TM NETWORK「MAJOR TURN-ROUND」:重なる三つの「印象」を通り抜けながら体験する音の世界と記憶の揺らぎ
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「MAJOR TURN-ROUND」の収録時間は32分を超えます。いわゆる組曲の形式ですが、全体は3つのパートに分かれており、それぞれFIRST IMPRESSION、SECOND IMPRESSION、THIRD IMPRESSIONと名付けられています。この構成と命名は、Emerson, Lake & Palmerのアルバム『Brain Salad Surgery』に収録された「Karn Evil 9」の構成(1st Impression~3rd Impression)に沿っている…というより、そのままですね。

「Karn Evil 9」での意味合いは分かりませんが、「MAJOR TURN-ROUND」で各パートの名称にIMPRESSIONという言葉を採用したのは、この曲がテーマとして持っている要素のひとつが「記憶」だからだと思います(あるいはIMPRESSIONから「記憶」というテーマが生まれたのかもしれませんが)。impressionという語は印象・感銘という意味ですが、これは「心に残る痕跡」とでもいうべき現象です。心に刻み込まれて残り続けるもの、それは記憶と呼ぶこともできるのではないでしょうか。例えば、FIRST IMPRESSIONは「第一印象」というより、無数に存在して眠っている記憶の中で最初にアクセスする記憶のことなのではないか。

音を変えて多くの言葉を散りばめることで、「MAJOR TURN-ROUND」は「記憶とは何か?」というテーマにアプローチします。小室さんがこの曲について「最後の方になると、最初の部分がどのようなものだったのか記憶は曖昧になる」と語ったように、人間の記憶はそこまで強固なものではなく、時間とともに薄れていくものです。メディアに記録された音は揺るがないものですが、それを聴く人間の記憶はファジーであり、揺るがないはずの音は記憶の中で揺らぎます。記憶の揺らぎをひとつの曲の中で体験することで、誰もが知っている「記憶は揺らぐもの」という事実が身体的に刻み込まれます。
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「MAJOR TURN-ROUND」の開幕を告げるのは、壊れた換気扇が鳴らす乾いた音です。水面に落ちた墨がじわりと広がっていくようにベースとドラムが音の世界の輪郭をゆっくりと描き、シンセサイザーの音が聴き手をFIRST IMPRESSIONの中に取り込んでいきます。僕らの意識は音もなく音の中に沈んでいきます。さまざまな音が重なり、交錯します。チューブラー・ベルズの乾いた金属音が響き、ギターがテーマ・メロディを運んできます。音の世界は、ウツの歌声によって立体的に立ち上がり、小室みつ子さんの書いた歌詞によって陰影が生まれます。

曲は表情を次々と変えます。FIRST IMPRESSIONの中でもパート分けができるくらいに、浮き沈みの激しいダイナミックな展開を見せます。展開が徐々に切り替わるのではなく、急上昇や急転直下で音がいきなり変わるのが特徴です。途中で「オペラ座の怪人」を彷彿とさせるメロディが顔を覗かせ、不穏な雰囲気を醸しますが、その前の演奏が力強いために闇は一層濃く目に映ります。音の変わりようから、太陽が月に呑み込まれる日蝕のイメージが浮かびました。メロトロンに記録されたストリングスの音がメランコリックに空気を震わせます。

FIRST IMPRESSIONの終盤になると、それまで溜め込んだエネルギーを発散しながら、音が音を巻き込み、曲は勢いを増していきます。アスファルトにタイヤを切りつけながら走る車のように、ぐいぐいとスピードを上げて駆け抜けていく。スネアやハイハットの音が鋭く大きく力強く響き、他の楽器を煽ります。また、ライブで顕著だったのですが、この部分ではハモンドの音が強烈な存在感を示しており、荒々しいロック・オルガンが曲を強靭なものにしています。音が交差して主張し合う中で、ウツのボーカルはノイズと混ざり合いながら、異なる空間からのメッセージのように響きます。
2017.12.06
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by mura-bito | 2017-12-06 21:31 | Music | Comments(0)
[PART1] TM NETWORK「MAJOR TURN-ROUND」:プログレに新しい生命を吹き込み、21世紀の扉を開いたキーボード・サウンド
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TM NETWORKのオリジナル・アルバム『Major Turn-Round』がリリースされたのは、世紀が変わる直前の2000年12月です。アルバムはプログレッシヴ・ロック(プログレ)という音楽ジャンルで制作されており、その特徴を決定づけているのが表題曲の「MAJOR TURN-ROUND」です。アルバムに収録された「WORLDPROOF」、「IGNITION, SEQUENCE, START」、「PALE SHELTER」、「CUBE」などの曲も異なる角度からプログレらしさを見せますが、やはりアルバム収録時間のほぼ半分を占める「MAJOR TURN-ROUND」が中心となっています。

プログレが隆盛を誇った1970年代前半、中高生だったTM NETWORKの3人はその音楽をリアルタイムに体験しています。特に小室さんはプログレのバンドを組んでいたこともあり、少なからず影響を受けたと思われます。プログレは1984年のデビュー以降は活動の中心にはならなかったものの、「VAMPIRE HUNTER D」や「THINK OF EARTH」といった小室さんのソロの要素が強い曲、ライブでのキーボード・ソロではプログレが意識されていました。プログレの作品と言えそうなのはアルバム『CAROL -A DAY IN A GIRL'S LIFE-』でしょうか。当初は30~40分の曲をメインに据えるプログレのアルバムを構想していたものの、最終的には複数の曲に分割され、そして物語を軸にした音楽とライブは演劇やロック・ミュージカルに近かったと言う方が適しています。

こうしたプログレへのアプローチが散見される中で、徹底的にプログレに取り組んだのが『Major Turn-Round』です。メジャー・レーベルから撤退して、自らのインディー・レーベル「ROJAM Entertainment」からリリースされました。アルバムの中でも特に「MAJOR TURN-ROUND」のテーマやサウンドには、YesやEmerson, Lake & Palmer、Pink Floydなどの影響が色濃く見えます。後に小室さんが語った言葉を借りれば「遊びの極致」。アマチュア時代を思い出すことでそういう言葉が出てきたのでしょうが、実にミュージシャン的で良いと思います。なお、2014年にはソフト・シンセの音を多用した「QUIT30」というプログレの曲を作り、先端的な4Kの映像とともにライブで披露しました。
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「MAJOR TURN-ROUND」の特徴は、かつて隆盛を誇ったプログレ・サウンドに再び生命を吹き込むキーボードの音です。オールド・シンセサイザーの名器であるミニ・モーグ・シンセサイザーやメロトロン、オーバーハイムに加え、ロック・オルガンの代名詞であるハモンド、ジャズやフュージョンで使われるローズ・ピアノなど、プログレらしいキーボードの共演が実現しました。絡み合うキーボードの音は、僕にとってすべてを聞き分けることは難しいのですが、それでも「音の重なりや交差」や「ひとつの楽器の音が屹立する瞬間」を楽しむことができます。

特筆すべきはメロトロンです。メロトロンはいうなればテープレコーダーであり、音が記録されたテープが内蔵されていて、鍵盤ひとつひとつに連動しています。各テープにはコーラスやストリングス、フルート、ブラスなどが録音されています。和音の種類や音の消滅(音の出る時間が約8秒と、テープの長さに依存している)の組み合わせで、ある程度バリエーションのある表現が可能な楽器です。サンプラーやソフト・シンセが発達した今では化石にも等しい存在ですが、当時の音を知っているミュージシャンにとって本物を弾けるのは特別な体験のようです。

1996年にtk-trapというプロジェクトのライブで小室さんが「CAROL」組曲を披露したとき、キーボードの配置はYesのキーボード・プレーヤーであるRick Wakemanを参考にしたといいます。このときに、できればメロトロンも使いたいと語ったそうですが、実現しませんでした。ほとんど生産されておらず、中古でもなかなか手に入らない代物だったそうで。しかし、2000年に「MAJOR TURN-ROUND」を録音したときは中古のメロトロンを手に入れ、ライブではさらに新品を加えて2台のメロトロンを弾きました。「遊びの極致」とは言いながらも、「MAJOR TURN-ROUND」の制作は「ミュージシャンとしての本領発揮」といえることは間違いないでしょう。
2017.12.05
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by mura-bito | 2017-12-05 21:51 | Music | Comments(0)
[PART2] TM NETWORK『EXPO』:夜空に螺旋を描くエレクトロニック・サウンド
ハウス系TMサウンドに焦点を当てたとき、アルバム『EXPO』の中でも重要なポジションを占める曲が「JUST LIKE PARADISE」です。身体を揺らすのに最適なテンポで、心地好いエレクトロニック・サウンドが流れます。その音は「夜の陰に紛れている」とでもいうような、境界線の曖昧な感じがします。クールであり、シニカルな部分も見え隠れする。表には見えない、隠された色気のような魅力がある曲です。

歌詞はすべて英語で書かれており、ループするサウンドに絡ませた言葉のインスタレーションが目の前に広がります。歌とラップとポエトリー・リーディングが入り混じり、言葉を散りばめ、交差させ、重ねます。それは愛の囁きにも聞こえるし、地球を俯瞰したメッセージにも聞こえます。地上で交わす言葉、宇宙から届く言葉。視点はダイナミックに移ろいます。

ライブでは、オリジナルの音をもとにしながら発展させたアレンジが特徴的でした。ライブでのアレンジは、1991年にかけて1992年に行なわれたホール・ツアーと、アリーナクラスの会場で実施したアリーナ・ツアーで、部分的に音が異なっています。ホール・ツアーでは、サビでアクセントとしてループしていた音を前面に押し出し、一方でアリーナ・ツアーでは曲の終盤で小室さんがソロを弾いて、会場を盛り上げました。切なさを呼び起こすメロディを繰り返しながら音の高さを上げていくことで、どんどん高揚していく、強烈なリフレインです。
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ハウス系の曲として忘れてはならないのが「あの夏を忘れない」ですね。起伏の少ない展開で単調とさえいえるのですが、中毒性はかなり高い。キラキラとした光をイメージさせるシンセサイザーの音が淡々とループを続け、ベースやギターの音と絡み合います。ゆるりとしたテンポに包まれて、指先で肌をなでるようなメロディに、情熱的な言葉が重なります。言葉の奔流が止まると、淡々とした音が再び聴き手を抱きすくめる。

音は円を描きながら、イメージの中で螺旋を描きます。それも上昇するのではなく、下降するスパイラル。同じところをぐるぐる回っていたようで、いつの間にか下に下に落ちていた。僕が曲名や歌詞からイメージするのは、太陽の下で過ごした眩しい記憶を真夜中の片隅でぼんやり思い返している人間の姿です。止まった時の中に留まり続けるメランコリックな一夜は、ただの眠れない夜ではなく、何も見えない闇の中を彷徨い歩く時間です。

1993年のリミックス・アルバム『CLASSIX 1』では、大胆に音を削ぎ落とした「あの夏を忘れない」を聴くことができます。リズム・セクションを抜き、シンセサイザーの音も前に出さないリミックスであり、ボーカルの存在感が一層強まっている。分厚い音を重ねていくダンス・ミュージックの概念はひっくり返され、静謐な空気の中でエレクトロニック・サウンドの「粒」を感じさせます。ここまでサウンドをスリムにされると、オリジナルでも使われていた音が異なる響きを持ち、より深みのある哀愁が漂います。

2017.10.11
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by mura-bito | 2017-10-11 21:45 | Music | Comments(0)
[PART1] TM NETWORK『EXPO』:季節の移ろいに溶け込むエレクトロニック・サウンド
秋に聴きたくなるアルバムを挙げるとすれば、TM NETWORKの『EXPO』を選びます。アルバムに収録されているいくつかの曲が、夏が終わり始めてから秋らしくなってグラデーションのように変わっていく空気に溶け込むような気がするからです。それも、太陽が沈んで夜になって空気がさらに冷たくなるあの感じがよく似合う。

『EXPO』はハウス・ミュージックを中心として、ロックやフォーク、ラテン・ミュージックの要素も含む、雑食性の高いアルバムですが、音、メロディ、歌詞が、それぞれに哀愁を漂わせる要素を含んでいます。秋といえば哀愁や切なさを強く感じる季節なので、そうした気持ちを『EXPO』の曲が呼び起こし、間接的に秋を感じるのだろうと思います。もちろん、聴く人によって何をイメージするか、どのような気持ちを呼び起こされるかは異なります。

とはいえ、『EXPO』の曲が哀愁を感じさせるという点は多くの聴き手に共通することなのではないかと思います。そして、それは音に依るところが大きい。アルバムにおける大きな音楽的テーマはハウス・ミュージックです。ループするエレクトロニック・サウンドを使って中毒的な快感を呼び起こす、ダンス・ミュージックの一種ですが、『EXPO』ではTM NETWORKの感性と混ざって独特のサウンドを作り上げました。そんなハウス系TMサウンドで構築された曲を3つ挙げて、三角形をつくってみましょう。
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ひとつ目は「WE LOVE THE EARTH -Ooh, Ah, Ah, Mix-」です。シングルとは異なる音でリミックスされたバージョンです。シングルでは春や初夏のようなキラキラした華やかさを感じますが、このリミックスで感じるのは秋の風が運んでくる濃密な哀愁です。それでも寂しさやメランコリックな雰囲気ではなく、涼しげな空気が漂います。キックやベースの音は色気に満ちていて心地好く、さらに曲をぐいぐい引っ張るパワーがあります。加えて、高く抜けていくスネアの音が重なり、曲の印象を立体的にしています。

キックの響きは、2010年代のEDMとは異なった感じで存在感を示します。EDMでは主役と呼べるほどに存在感を放つことが多く、身体にぶつかってくるようなタフさがあります(TM NETWORKで例示すれば「金曜日のライオン 2014」)。「WE LOVE THE EARTH -Ooh, Ah, Ah, Mix-」のようなハウス・ミュージックでのキックは「身体に浸み込む」感じがありますね。音に反応する快感のセンサーもいろいろあり、EDMにおけるキックとハウスにおけるキックは違ったタイプの刺激を与えるのだと思います。どちらも心地好い。

Ooh, Ah, Ah, Mixという名称もいいですよね。意味深というか、生々しいというか。TMN時代の曲やライブは、わりと色気を感じさせる、あるいはセクシュアルな要素を前に押し出すのが特徴でした。RHYTHM REDツアーの「KISS YOU」や『EXPO』での「CRAZY FOR YOU」の演出は分かりやすくセクシュアルです。『EXPO』を軸にしたツアーでもこのリミックスをもとに「WE LOVE THE EARTH」が披露されましたが、イントロに散りばめられたサンプリング・ボイスの一部で “Ooh, Ah, Ah” という声が繰り返し響きます。…まあ、そういうことです。

2017.10.10
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by mura-bito | 2017-10-10 21:40 | Music | Comments(0)
TM NETWORK – GET WILD 30th Anniversary Collection - avex Edition
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2017年5月に『GET WILD 30th Anniversary Collection - avex Edition』が配信されました。4月にCD・配信でリリースされた『GET WILD SONG MAFIA』のうち2012年以降に録音されたライブ・テイクをまとめ、さらにavexが権利を管理するカバーやリミックスを加えたコンピレーション・アルバムです。

本作に収録された曲の中で特徴的だと思うのは、2011年のライブ配信「DOMMUNE」で披露された「GET WILD ’89」、2013年に配信された「GET WILD (2013 SUMMER)」、石野卓球によるリミックスの別バージョン「GET WILD -Takkyu Ishino Latino Remix-」です。

GET WILD ’89 (DOMMUNE #332 TETSUYA KOMURO Liveset)

2011年に小室さんはDOMMUNEに出演し、ソロやglobeのリミックス、1990年代にプロデュースした曲を披露しました。TM NETWORKの曲も含まれており、そのひとつが「GET WILD ’89」です。リアルタイムにシンセサイザーの音を重ねるパフォーマンスは、キャッチーな音や荒々しくノイジーな音を響かせながら、インターネットを介して多くの人のもとに拡散しました。

「GET WILD ’89」は1989年にリリースされました。1980年代のダンス・ミュージックの象徴であるユーロビートの音でリミックスされた曲です。制作を手掛けたのはPete Hammond(ユーロビートの代表格であるPWLというチーム)というプロデューサーです。1989年の音に2011年の音と感性を重ねたのがDOMMUNEでのプレイです。20年離れた時間が交錯する瞬間を味わうことができます。

GET WILD (2013 SUMMER)

2013年は小室さんがソフト・シンセを本格的に導入した時期であり、「EDM (Electronic Dance Music)」というキーワードを重視していました。globeやtrfなどの曲をEDMにリミックスした『DEBF EDM 2013 SUMMER』に、「GET WILD (2013 SUMMER)」も収録されています。ライブ「TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-」で使った音を整理しつつアップデートして、リズムやボーカルを加えています。

「GET WILD」がEDMの要素を取り入れた最初のバージョンであり、「いかにもソフト・シンセ」という音が聴けます。大きな特徴のひとつはイントロですが、本作に収録されたものではイントロの大部分がカットされています。そのため、『DEBF EDM 2013 SUMMER』を聴いた方が、よりEDMらしさを感じることができます。ダブステップの特徴であるワブル・ベースが使われているイントロやBメロを聴いて、「これまでの『GET WILD』とは違う」と思ったものです。

GET WILD -Takkyu Ishino Latino Remix-

「GET WILD -Takkyu Ishino Latino Remix-」は、『GET WILD SONG MAFIA』に収録された「GET WILD -Takkyu Ishino Latino Acid Remix-」を基にしたリミックスです。ループする音に、ボーカルのサビ部分をサンプリングして重ねます。

Latino Remixの特徴はLatino Acid Remixからアシッドの音が抜かれていること…と書くとなんだか間抜けですが、注意深く聴き比べると印象が異なります。アシッドの裏でメインの「ミ・レ・ド(=♪Get wild and tough♪)」を奏でていたシンセサイザーがよく聞こえるようになりました。天ぷらの衣をはがした感じ…という表現が適切かどうかは分かりませんが。僕の耳と知識では判別できるのはそのあたりですが、大きな違いはそれだとすれば、なかなかにマニアックな差です。




2017.09.19

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by mura-bito | 2017-09-19 21:53 | Music | Comments(0)
PANDORA – Be The One [feat. Beverly]
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それぞれの角度からシンセサイザーに精通した両人が生み出すエレクトロニック・サウンド。小室哲哉と浅倉大介のタッグという、僕らのようなファンにとっては夢のような、そして最強の組み合わせが実現しました。その名前はPANDORA。それを開くと何が飛び出してくるのか、これから少しずつ見えてくるかと思います。現在、PANDORAの始まりを告げる曲「Be The One」が配信されています。

「Be The One」は「仮面ライダービルド」のオープニング・テーマとして使われており、配信で聴けるのもそのサイズ(約80秒)です。フルレングスというべきかEXTENDED MIXというべきか、長いバージョンはこれから作りたい、とのことです。小室さんは興味のアップダウンが激しいのでタイミングを逸すると実現しづらいのですが、大ちゃんがいるのでそう遠くない未来に聴けそうな気がします。そういった意味で、この組み合わせは安心します。音楽的には、何が起こるか分からない「箱」ではありますが!



PANDORA – Be The One [feat. Beverly]

曲を聴いてみて、とにかくストレートに突き刺さってくるエレクトロニック・サウンドだ、という印象を受けました。さまざまな音が絡み合いながらも、聴かせたい音はこれだ、という感じで耳に脳に身体に一直線に届きます。ソフト・シンセの音は日進月歩で変わり続けるとされていますが、そういった流動性と新規性の高い音を使いながら、小室さんと大ちゃんそれぞれのエッセンスも感じられる音です。

ダイナミックに広がる音の中で、芯の太いサウンドを楽しめます。シンセサイザーで弾くフレーズの気持ちよさが存分に伝わるイントロから始まり、AメロはBeverlyの美しい歌声の魅力を丁寧に届けるリズムで構成されています。そして、EDMの特徴のひとつであるノイジーなベース(wobble bass)でサビにつなぎ、サビでBeverlyはブレスの余白を最小限にするようにはめ込まれた言葉を歌い、聴き手は一気に高揚感に包まれます。

2017.09.10
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by mura-bito | 2017-09-10 21:32 | Music | Comments(0)
[PART4] Sound & Recording Magazine 2017年6月号 TM NETWORKインタビュー:「I am」にまつわる新しい真実を見せてくれた言葉
「GET WILD」を追いかけたSound & Recording Magazine誌による一連の企画は、「GET WILD」が蓄積した30年という時間をさまざまな角度から切り取りました。場合によっては「GET WILD」から離れ、TM NETWORKへの言及もありました。そこで、最後は「GET WILD」の話から派生した、興味深い言葉にフォーカスしてみます。

目に留まったのは、自らの歌について語ったウツの言葉です。これまで、ウツがTM NETWORKについて語るときは、自分も含めてメンバーそれぞれの役割を客観的に見ている感じでした。今回のインタビューで見せた一瞬の表情は、それとは少し異なる、自分自身を真正面から見据えたものに思えました。読み流すには惜しい、ウツの、そしてTM NETWORKの本質的な部分が見えた気がします。
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2014年4月に、TM NETWORKは30周年記念企画のひとつとして『DRESS2』というアルバムをリリースしました。収録されたのは、デビューした1984年から4年ほどの間にリリースした曲ですが、いずれも2014年の音でアップデートされ、ボーカルやコーラスも新たに録音されました。

代表曲である「GET WILD」もまた、このアルバムに「GET WILD 2014」として収録されています。「GET WILD」の音は2013年のライブで大きく変化しており(大部分をソフト・シンセで構築)、ライブで使った音を基にして小室さんがソロで音源として「GET WILD (2013 SUMMER)」として配信しました。そこにいくつかの音を加えたのが「GET WILD 2014」です。

そのちょっと前くらいから、自分の年齢もあるし、それまでのいきさつもあるだろうし、歌に対するその自分なりの立ち位置が変わっていたんです。だから1987年当時のときの歌とは全く違うと思う。今はより開いているというか、明るい声になっていると思うんです。

宇都宮隆
Sound & Recording Magazine 2017年6月号

リミックスでは歌を録りなおすことはないため、レコーディングでウツが「GET WILD」を歌いなおしたのは、1999年の「GET WILD DECADE RUN」以来、15年ぶりでした。歌もアップデートされたということで、今回のインタビューでは「GET WILD 2014」の歌に関する質問にウツが答えています。1987年の声とは大きく異なり、現在は「開いている」、「明るい」声になっているとウツは自分のボーカルを表現します。

では、ウツの「歌に対する立ち位置」が変化したきっかけとは何だったのでしょうか。転機となったのはTM NETWORKの「I am」だと語ります。「I am」は、2012年4月のライブ「TM NETWORK CONCERT -Incubation Period-」の開催と同時にリリースされ、その後のコンサートでも常に演奏されてきました。

ソロも含め自分の歌を冷静に聴いていく中で、TMの「I am」を歌ったときに、“これが今の僕だ” って思えたんですよ。

宇都宮隆
Sound & Recording Magazine 2017年6月号

「I am」は、再び動き出したTM NETWORKを象徴する曲であり、そこには小室さんの思いがたくさん込められていると思いました。それは真実のひとつです。一方で、今回のインタビューを通して、ウツもまた自らを重ねていたことを知って驚きました。歌い手として、ウツの何かが「I am」とぴたりとはまったのでしょう。インタビューではこれ以上掘り下げられてはいませんが、「I am」にまつわる新しい真実を見た気がします。

2015年2月に、小室さんは「みんなで話しているけど I amという曲は なんか、特別な曲になりました」とツイートしました。TM NETWORKの活動がそろそろ区切りを迎えるころの投稿です。「特別な曲」とはまた素敵な表現ですよね。3年にわたるTM NETWORKの活動を引っ張ってきた曲をメンバーとして大事に思うのと同時に、「パーソナルな距離感での思い入れ」とでも言うべき気持ちが別のレイヤーにあった、ということなのかなと思います。

躍動するメロディに乗って流れる「I am」の歌詞は、具体的なシーンを描いたり、抽象的に大きな世界を投影したりと、ミクロとマクロを行き交います。聴く人が自分を重ねられる曲であり、どの部分に焦点を当ててイメージするかは聴く人次第です。いろいろな人のさまざまな気持ちに重なってそれぞれの物語を描く。それはウツにも共通することなのかもしれません。今、ウツの「“これが今の僕だ” って思えた」という言葉に触れて、改めて「I am」が自分にもたらしてくれたものを思い起こします。僕もまた心を動かされたひとりであり、自然と自分を重ねていたことを覚えています。僕にとっても特別な曲ですね。



TM NETWORK「I am」のミュージック・ビデオ。
三人がそれぞれの場所で「潜伏」している様子、そして、
再び集まりTM NETWORKとなる様子が描かれている。
2017.05.31
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by mura-bito | 2017-05-31 21:53 | Music | Comments(0)
[PART3] Sound & Recording Magazine 2017年6月号 TM NETWORKインタビュー:オリジナルの「イメージ」を呼び出す歌声
「GET WILD」が持つ強さは幾多の変化にも対応できる柔軟さであり、それが「変わり続ける」という魅力を確立させました。その一方で、二律背反的に、反対の魅力も共存共栄しています。それがイントロのメロディであり、「変わらない」という魅力です。変わり続けて、変わらない。
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観察する角度をわずかに変えてみましょう。僕らがずっと聴き続けているもの、それはイントロのメロディだけではありません。それはウツの歌です。彼の歌は「変わらない」というより、「オリジナルにアクセスして再び立ち上げる」機能があると思います。もちろん30年前の声とは質が違うし、歌い方、テクニックも格段に進歩しているはずです。レベルの高低の問題ではなく、ウツの歌は「オリジナルの『イメージ』を呼び起こす」ことができるのではないか、ということを言いたい。

同じことを語るプロフェッショナルがいます。同じSound & Recording Magazine誌の企画の中で、サウンド・デザイナー/PAエンジニアの志村明さんは「これだけアレンジが変わっても、オリジナルの曲のイメージがストレートに入ってくる」と語っています。「GET WILD」が持つ力を評した言葉ですが、僕はそこにウツの歌も含まれていると解釈しました。イントロが輪郭を描き、ウツの歌がその像にピントを合わせる。そして「GET WILD」のイメージが聴き手に浮かび上がる。そんなことを思いました。



2012年から2015年にかけて5つのライブで演奏された「GET WILD」をまとめた映像。
この時期のサウンドはダイナミックに変遷したが、ウツのボーカルは安定感を見せていた。
特に2013年のライブは病み上がりだったものの、歌への大きな影響は見られなかった。


* * *


インタビューでは、小室さんがウツの歌について語っています。2012年から2015年のTM NETWORKの活動を経た今、改めてウツの歌声の魅力を語り、そして敬意を表します。

小室さんが価値を感じているのは「基本に忠実に歌ってくれる」こと。サウンドの面で変化を繰り返してきた「GET WILD」だからこそ、その出発点が見えることは重要なのだろうと思います。たとえるなら、船における碇のようなものなのかもしれません。周囲が揺れる中でも同じところに留まる。ただ同じことを繰り返す(それはそれで大事なことではありますが)のではなく、サウンドが激しく変わる中で軸となるものを示し続けるのは、意外とハードルの高いことなのでしょう。

シンガーにもいろんなタイプの人がいますよね。歌うごとにフェイクを入れて、そのときそのときで変わるとか。でも30年もたつと、基本に忠実に歌ってくれるという方の価値が大きくなっているかもしれません。宇都宮君はそれができる人なのがすごいですよね。

小室哲哉
Sound & Recording Magazine 2017年6月号

では、ウツはどのように考え、歌っているのでしょうか。小室さんが評価する「基本に忠実に歌う」ことについて、ウツはその重要性を自覚し、共有しています。歌うことは、同時に聞かせることもあります。多くの場合「どのように歌いたいか」は「どのように聞かせたいか」とセットで語られます。

今回のインタビューで語られた言葉の中から、ウツの真意を正確に読み取ることは困難を極めます。それでも、観客の顔を思い浮かべながら自分の歌について語っていることは間違いないのかなと思います。

これは人によると思うんですけど、僕は、作った曲をライブで披露するときに、できるだけCDに近いものを聴かせたいという思いがあるんですよ。人によってはどんどんメロディを変えちゃったり、譜割を変えたりしますよね。僕もそういうのもありかなって思った時期がありましたが、結局はみんなが聴いてきたものがそこで再現される喜びが一番大きいと思うんです。だからなるべく再現できた方がいいかなって。

宇都宮隆
Sound & Recording Magazine 2017年6月号

2013年のライブ「TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-」でも、ウツの歌が大きく変わったという印象はありませんでした。膵臓の腫瘍を患い、手術に成功したとはいえ、歌うことすらままならなかった状態で、それでも僕らが知っている「ウツの歌」を聴かせてくれました。

ウツはさらりと「なるべく再現できた方がいいかな」と語っていますが、2013年のエピソードを思い出すと、それほど簡単なことではないと思えてきます。それはプロフェッショナルだから……というより、ウツだから、と表現するほうが適切なのでしょう。だから小室さんも「すごい」と語るわけですね。まあ、ウツは「今さらほめてくれなくてもいいよ」と言っているようですが。

PART4では、ウツの歌について、もう少し踏み込んでみたいと思います。今回は「歌い方」にフォーカスしたのですが、次回は「歌」というものに迫ってみたい。それは広いマクロな視野で捉えるようでいて、とてもミクロなウツの本質的な部分に近づくことを意味します。ウツのわずかな言葉を頼りにして、「海の底」のようなところに潜っていこうと思います。
2017.05.29
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by mura-bito | 2017-05-29 22:13 | Music | Comments(0)
[PART2] Sound & Recording Magazine 2017年6月号 TM NETWORKインタビュー:変わり続けることでタフになった「GET WILD」
『GET WILD SONG MAFIA』(EDMを追求した2010年代モデル・チェンジの軌跡30年目の創造的進化と現在進行形リミックス)は、30年間に披露されたさまざまな「GET WILD」を集めたアルバムです。こうしたアルバムが編集できるほどに、バージョンの異なる「GET WILD」が数多く蓄積されてきました。リミックスやライブで、その都度新しい音が重ねられたり、新しいイントロやアウトロが加えられたり、アレンジの刷新が繰り返されてきました。

その変化は、オリジナルをリリースして間もなく始まりました。現在、その姿を確認できる最古のライブ・アレンジは、1987年6月の日本武道館公演「FANKS CRY-MAX」です。イントロが長くなり、ウツのボーカルをサンプリングして鳴らします。ちなみに、このイントロでドラムを叩いた山田わたるさんによれば、Flower Travellin’ Bandの「Satori」をモチーフにしたとのことです。
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イントロの延伸やサンプリング・ボイスの追加といった手法は、ライブにおける「GET WILD」の基本形となり、その後、ライブによってはさらなる長尺のイントロや、別の曲のようにも思えるフレーズが重ねられたりしました。

TM NETWORKのライブでは、多くの曲がレコードやCDに収録されたものとはアレンジを変更されて演奏されます。アレンジの方向性は、そのときに小室さんが傾倒するジャンルに寄ったり、新作やライブの音楽的テーマに沿ったりします。TM NETWORKのライブは「音楽的に何が起こるか分からない」エンタテインメントであり、それを最も色濃く反映するのが「GET WILD」なのです。「GET WILD」がたどった30年には、変わり続けたTM NETWORKそのものを重ねることができます。

こうなるとは想像していなかったですけど、思惑やテーマに耐えてくれて、幾らいじっても壊れない曲になったということでしょうね。

小室哲哉
Sound & Recording Magazine 2017年6月号

ユーロビート、ハード・ロック、テクノ、トランス、EDMといったジャンルの要素が「GET WILD」に移植されてきました。具体的なジャンルに分類できないアレンジもあれば、underworldやAVICIIといった具体的なモチーフを活用することもありました。苦肉の策としての変節ではなく、明確に意図を持って「変わり続けた」ことがポイントです。

「GET WILD」の変化は単発の企画で終わることなく、継続的に行なわれました。いつの間にか変わることが宿命となり、さまざまなリミックスやライブ・アレンジに対応できる曲になりました。変わり続けることで「GET WILD」はタフになったのです。

よく小室君と曲を作ったときに、“サビのこの1小節でこの曲勝ってるよね” と言ったりするの。そこがあるから全体が持つみたいな。そういった意味で「Get Wild」はイントロなのかなと。イントロから先はどうでもいいわけじゃないんだけど、あのイントロがあるから、どんなにグチャグチャになっても、何をやってもみんなグッとくるんじゃないのかな。

木根尚登
Sound & Recording Magazine 2017年6月号

大小さまざまな変化を重ねた「GET WILD」ですが、最も重要なポイントとして、木根さんはイントロを強調します。ここで言及されているイントロとは、オリジナルから存在し続けるイントロのメロディですね。また、「どんなにグチャグチャになっても」とは、木根さんらしい言い方ですが、小室さんが試みるアレンジの刷新やサンプリング・ボイスの連打のことでしょう。

いわゆる ♪ミ・レ・ド♪ から始まるメロディは、サウンドが大幅にアレンジされる中でも継承されました。長大なイントロが続いた後に、エア・ポケットのようにわずかな空白を挟み、このメロディが鳴ることで会場の熱気がぐんと上がるシーンを何度も見ました。ファンの記憶どころか、身体にまで刻み込まれたメロディです。

「GET WILD」は音や構成で変わり続けてきたからこそ、対照的に、オリジナルのイメージを強く残すものの価値が浮かび上がります。それは木根さんが言うところの「あのイントロ」ですが、さらにボーカルも挙げられると思います。PART3では、変化し続けてきた音の中で、ひときわ輝くウツの歌に焦点を当ててみましょう。
2017.05.21
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by mura-bito | 2017-05-21 08:13 | Music | Comments(0)

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