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ワイルドじゃなくてもいいからタフになりたい
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[PART2] Sound & Recording Magazine 2017年6月号 TM NETWORKインタビュー:変わり続けることでタフになった「GET WILD」
『GET WILD SONG MAFIA』(EDMを追求した2010年代モデル・チェンジの軌跡30年目の創造的進化と現在進行形リミックス)は、30年間に披露されたさまざまな「GET WILD」を集めたアルバムです。こうしたアルバムが編集できるほどに、バージョンの異なる「GET WILD」が数多く蓄積されてきました。リミックスやライブで、その都度新しい音が重ねられたり、新しいイントロやアウトロが加えられたり、アレンジの刷新が繰り返されてきました。

その変化は、オリジナルをリリースして間もなく始まりました。現在、その姿を確認できる最古のライブ・アレンジは、1987年6月の日本武道館公演「FANKS CRY-MAX」です。イントロが長くなり、ウツのボーカルをサンプリングして鳴らします。ちなみに、このイントロでドラムを叩いた山田わたるさんによれば、Flower Travellin’ Bandの「Satori」をモチーフにしたとのことです。
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イントロの延伸やサンプリング・ボイスの追加といった手法は、ライブにおける「GET WILD」の基本形となり、その後、ライブによってはさらなる長尺のイントロや、別の曲のようにも思えるフレーズが重ねられたりしました。

TM NETWORKのライブでは、多くの曲がレコードやCDに収録されたものとはアレンジを変更されて演奏されます。アレンジの方向性は、そのときに小室さんが傾倒するジャンルに寄ったり、新作やライブの音楽的テーマに沿ったりします。TM NETWORKのライブは「音楽的に何が起こるか分からない」エンタテインメントであり、それを最も色濃く反映するのが「GET WILD」なのです。「GET WILD」がたどった30年には、変わり続けたTM NETWORKそのものを重ねることができます。

こうなるとは想像していなかったですけど、思惑やテーマに耐えてくれて、幾らいじっても壊れない曲になったということでしょうね。

小室哲哉
Sound & Recording Magazine 2017年6月号

ユーロビート、ハード・ロック、テクノ、トランス、EDMといったジャンルの要素が「GET WILD」に移植されてきました。具体的なジャンルに分類できないアレンジもあれば、underworldやAVICIIといった具体的なモチーフを活用することもありました。苦肉の策としての変節ではなく、明確に意図を持って「変わり続けた」ことがポイントです。

「GET WILD」の変化は単発の企画で終わることなく、継続的に行なわれました。いつの間にか変わることが宿命となり、さまざまなリミックスやライブ・アレンジに対応できる曲になりました。変わり続けることで「GET WILD」はタフになったのです。

よく小室君と曲を作ったときに、“サビのこの1小節でこの曲勝ってるよね” と言ったりするの。そこがあるから全体が持つみたいな。そういった意味で「Get Wild」はイントロなのかなと。イントロから先はどうでもいいわけじゃないんだけど、あのイントロがあるから、どんなにグチャグチャになっても、何をやってもみんなグッとくるんじゃないのかな。

木根尚登
Sound & Recording Magazine 2017年6月号

大小さまざまな変化を重ねた「GET WILD」ですが、最も重要なポイントとして、木根さんはイントロを強調します。ここで言及されているイントロとは、オリジナルから存在し続けるイントロのメロディですね。また、「どんなにグチャグチャになっても」とは、木根さんらしい言い方ですが、小室さんが試みるアレンジの刷新やサンプリング・ボイスの連打のことでしょう。

いわゆる ♪ミ・レ・ド♪ から始まるメロディは、サウンドが大幅にアレンジされる中でも継承されました。長大なイントロが続いた後に、エア・ポケットのようにわずかな空白を挟み、このメロディが鳴ることで会場の熱気がぐんと上がるシーンを何度も見ました。ファンの記憶どころか、身体にまで刻み込まれたメロディです。

「GET WILD」は音や構成で変わり続けてきたからこそ、対照的に、オリジナルのイメージを強く残すものの価値が浮かび上がります。それは木根さんが言うところの「あのイントロ」ですが、さらにボーカルも挙げられると思います。PART3では、変化し続けてきた音の中で、ひときわ輝くウツの歌に焦点を当ててみましょう。

2017.05.21
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by mura-bito | 2017-05-21 08:13 | Music | Comments(0)
[PART1] Sound & Recording Magazine 2017年6月号 TM NETWORKインタビュー:TM NETWORKが拡散するきっかけを作った「GET WILD」
TM NETWORKのシングル「GET WILD ’89」のジャケット写真が、4月に刊行されたSound & Recording Magazine誌の表紙を飾りました。巻頭特集では、4月初旬にリリースされたコンピレーション・アルバム『GET WILD SONG MAFIA』が取り上げられています。1987年にリリースされたオリジナルを当時のエンジニアや参加ミュージシャンへの取材で解析したり、ライブで演奏したサポート・ミュージシャンや影響を受けたさまざまな世代のアーティストから集めた言葉を紹介したりしています。

TM NETWORKのインタビューも掲載されています。記事では、三人がそれぞれの記憶を巻き戻しながらそれぞれの視点で「GET WILD」の誕生や発展を語ります。彼らの印象的な言葉を引用しながら、「GET WILD」という角度からTM NETWORKというトライアングルに光を当ててみましょう。
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TM NETWORKのシングルのうち、売上枚数のトップは「GET WILD」ではなく「LOVE TRAIN」(1991年)であり、作品としてのインパクトや独自性はアルバム『CAROL -A DAY IN A GIRL’S LIFE 1991-』の方が大きいかなとは思います。けれども、広がりという点では「GET WILD」に一日の長がありますよね。アニメ「シティーハンター」によって、多くの人の知るところとなり、今でも「そういえば…」と思い出せるくらいに記憶に残っている人は多いかと思います。拡散のトリガー、それが「GET WILD」の役割です。

TM NETWORKのターニング・ポイントは1987年であり、俗に言う「売れた」年です。2月にオリジナル・アルバム『Self Control』をリリースし、4月にシングル「GET WILD」をリリースしました。8月に「GET WILD」を含むベスト・アルバム『Gift for Fanks』、11月に次のオリジナル・アルバム『humansystem』をリリースしました。翌1988年には大規模なタイアップ(『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』と『ぼくらの七日間戦争』)が続き、完成したばかりの東京ドームでの公演を経て、代表作『CAROL -A DAY IN A GIRL’S LIFE 1991-』がリリースされました。TM NETWORKが売れた要因はいろいろあるのでしょうが、少なくとも「GET WILD」が強力な追い風になったことに異論はないかと思います。

『CAROL』はいろんな意味で革新的なアルバムでしたが、「Get Wild」がそこへ行くための推進力になったのは確かですしね。

小室哲哉
Sound & Recording Magazine 2017年6月号

「GET WILD」の前後でアルバムの制作費、全国ツアーやタイアップの規模といった点が変化しているわけですが、その延長線上に、1989年の『DRESS』があります。ロンドンやニューヨークの音楽家やプロデューサーに依頼して、ボーカル以外の音を大胆に変えた曲を集めたリミックス・アルバムです。Sound & Recording Magazine誌には、海外のプロデューサーたちとの交渉にあたった当時のスタッフ、大竹健さんの話も掲載されています。

アルバムの中でも、当時の世界を席巻していたユーロビートに生まれ変わった「GET WILD ’89」は、オリジナルの「GET WILD」と並んでTM NETWORKを代表する曲となり、多くのファンの記憶に残っています。リアルタイムではありませんが、僕がTM NETWORKに初めて触れた曲のひとつでもあります。小室さんの思い入れも大きかったようで、それは『GET WILD SONG MAFIA』のライナーノートで語られています。

ずっと廃れずにTMのブランドを持ち続けさせてもらえるのは「Get Wild」のおかげなのかなって思いますね。

木根尚登
Sound & Recording Magazine 2017年6月号

「GET WILD」はリミックスやライブで何度も新しい姿を披露しました。「GET WILD」は単なる出世作ではありません。世の中にはオリジナルのまま歌い継がれる代表曲の方が多いのかもしれませんが、「GET WILD」は変わり続けることを使命にしていたのではないかと思えるくらい、大胆に変化していきました。新しいシンセサイザーの音や新しいフレーズ、常にコンテンポラリーな要素を組み込まれてその時代の空気をまとう。PART2では「変わり続ける」という点にフォーカスしてみます。

2017.05.15
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by mura-bito | 2017-05-15 21:37 | Music | Comments(0)
TM NETWORK『GET WILD SONG MAFIA』:30年目の創造的進化と現在進行形リミックス
TM NETWORKの活動は2015年のコンサート「TM NETWORK 30th FINAL」で区切られ、同じく「GET WILD」の進化も一度完結しました。しかし、『GET WILD SONG MAFIA』がリリースされたことで、新たな音、新たな「GET WILD」を聴く機会に恵まれます。小室さんは本作のために最新リミックス「GET WILD 2017 TK REMIX」を制作し、アルバムに先行して配信しました。イントロから響くベースの音はとても太く、それだけで心も身体も熱くなりますし、サビではボーカルの裏で鳴っているフレーズは新しい曲にも思えるインパクトを感じます。

2015年以降も、小室さんは自分のライブ・パフォーマンスで「GET WILD」をアップデートし続けていました。その証が「GET WILD 2016 TK LIVE @YOKOHAMA ARENA MIX」という、エイベックスのECサイト「mu-mo」でアルバムを購入すると聴けるバージョンです。2016年のパフォーマンスで使った音源、あるいはそれを調整したものかと思います。このバージョンは、2015年の「GET WILD 2015 -HUGE DATA-」を下敷きにしながら、随所で印象を変えています。特徴的だったアコースティック・ギターのカッティングを踏襲しつつも、2015ミックスがアグレッシヴな雰囲気だったのに対し、2016のサウンドでは抑制された印象に変わって味わい深くなり、渋さすら感じます。

終盤は誰も聴いたことがない展開を見せます。お馴染みの間奏が終わろうとした瞬間、サビが繰り返される…と思いきや、リズムががらりと変わり、哀愁漂うピアノの音がサビのメロディを切り取ってリフレインします。抽象的に表現するなら「余白の多い」アレンジ。最後のサビはライブでも一番盛り上がる部分ですが、それを逆手に取ったかのようなこのアレンジはチルアウトと言ってよいでしょう。興奮に興奮を積み上げてきた、メロディやサウンドを噛み締めてエンディングを迎え、ゆっくりとクールダウンする。そしてメインDJがステージを降りる姿が目に浮かびます。
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そして「GET WILD」の進化は2017年になっても続く…というよりむしろ加速します。『GET WILD SONG MAFIA』には「GET WILD 2017 TK REMIX」の他に、石野卓球によるリミックス「GET WILD -Takkyu Ishino Latino Acid Remix-」やSICK INDIVIDUALSのダブステップ・ミックス「GET WILD -SICK INDIVIDUALS Remix」も収録されています。三者三様のアプローチで、すなわち三者三様のエレクトロで2017年の「GET WILD」を聴くことができます。

石野卓球は説明するまでもなく電気グルーヴのトラック・メーカーですが、あるいはDJとしての活動の方が有名でしょうか。彼が手がけたTakkyu Ishino Latino Acid Remixでは、サビのボーカルがひたすらリフレインします。リズムは軽めの雰囲気を醸し、ホーンの音も聴くことができます。僕はあまりアシッド系の音は馴染みがないのですが、こういうものなのでしょうか。EDM的な起伏のある展開ではなく、中毒性の高いループに巻き込んでいく感じですね。聴くほどに頭の中が音で満たされ、いつの間にかぐるぐる回る音の中で自分が翻弄されています。

SICK INDIVIDUALSはオランダ出身のEDMデュオです。ダブステップ・サウンドで押していく、Hardwellの系譜とされています。エイベックスはEDMアーティストを引っ張ってくる日本における先駆者のようなところがありますが、今回のコラボレーションにも一役買ったのでしょうか。SICK INDIVIDUALS Remixによって「GET WILD」はダブステップらしいダブステップに再構成されました。そのような変化はまったく予想できませんでした。

同じオランダ出身のNicky RomeroやAfrojackは、小室さんのスタジオに遊びに来たことがあるので、その縁でリミックスをしてくれたら嬉しいですね。そうすれば “Get Wild Remixes” をacross the globeで配信できるかもしれません。かつては「GET WILD '89」でヨーロッパのサウンドと結びつきましたが(PWLのピート・ハモンドによるユーロビート・スタイル)、2010年代はEDMという文脈で、改めて世界とつながってほしいものです。

SICK INDIVIDUALS Remixでは、♪ミ・レ・ドから始まるサビのメロディがソフト・シンセの特徴的な音で新しい姿に変貌しています。このリミックスを聴くと、「GET WILD」は世界的な音楽的トレンドに放り込んでも成立する可能性が充分にあると思えてきます。変わり続けてきた曲だからこそ、これからも、いくらでも変わっていいんですよね。僕は2015年の区切りをやむなしとしていましたが、今回の企画によって、むしろ「GET WILD」の進化は続けるべきだと思うようになりました。こうなったら「GET WILD」が、いつまで、どこまで変化するのか見届けてやろうと思います。
2017.04.21

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by mura-bito | 2017-04-21 21:01 | Music | Comments(0)
TM NETWORK『GET WILD SONG MAFIA』:EDMを追求した2010年代モデル・チェンジの軌跡
TM NETWORKの「GET WILD」は名実ともにTM NETWORKの代表曲と言えます。オリジナルは30年前にリリースされました。アニメ『シティハンター』のエンディング・テーマに起用されたこともあり、最も高い知名度を誇っています。そのためか、リリース以降のほとんど(すべて?)のライブで演奏されました。TM NETWORKは、いくつもの曲をライブの度に新しいアレンジにして披露してきましたが、中でも「GET WILD」の変わりようには驚くばかりです。世界の音楽的傾向を読み、その要素を移植するということを繰り返してきたのが「GET WILD」です。

バンドではなく曲の30周年という珍しい切り口から、コンピレーション・アルバム『GET WILD SONG MAFIA』が企画され、4月5日にリリースされました。オリジナルはもちろんのこと、リミックスやライブ・テイク、カバー、計36曲を集めた4枚組のアルバムです。「GET WILDだけでTM NETWORKの変化の歴史を追う」というのは過言でしょうか。答えは「ノー」です。もちろんTM NETWORKの魅力を知るためには不足していますが、「TM NETWORKの音楽的スタイルの変遷」を振り返るのに「GET WILD」ほど相応しい曲はない、と断言できます。
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さまざまなスタイルに変化した「GET WILD」ですが、大きくはロックとエレクトロに分類されます。ライブではどうしてもバンド・スタイルになるため自然とロックに寄るものですが、特にロック成分が高めのパフォーマンスを披露しているのが1990年の「TMN RHYTHM RED TOUR」、2004年の「DOUBLE-DECADE TOUR FINAL "NETWORK"」でしょう。前者でのサポートは葛城哲哉、阿部薫、浅倉大介であり、後者はFENCE OF DEFENSE(西村麻聡、北島健二、山田わたる)です。

一方、エレクトロという括りで見ると、もともとオリジナルのアレンジは、ヨーロッパ発の世界的ダンス・ミュージックであるユーロビートを意識していました。とは言え、ダンス・ミュージックに大きく寄せることはできず、本来の構想が形になったのは2年後のリミックス「GET WILD ’89」です。『GET WILD SONG MAFIA』に掲載されたインタビューでは、小室さんは「『GET WILD』に人格があるとするなら正しい身なりになった。髪型から何からカチャってハマったのは『GET WILD ’89』だったんですよ」と語っています。ダンス・ミュージックとしての「GET WILD」が血肉を備えたのは1989年なのです。


GET WILD 2012-2015

00:00~ TM NETWORK CONCERT -Incubation Period- (2012)
05:19~ TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation- (2013)
11:45~ TM NETWORK 30th 1984~ the beginning of the end (2014)
19:18~ TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA (2015)
26:44~ TM NETWORK 30th FINAL (2015)

その後は、2001年の「TM NETWORK LIVE TOUR "Major Turn-Round"」や2004年の「TM NETWORK DOUBLE-DECADE "NETWORK"」で、トランスの要素を移植する試みが行なわれました。そして再びダンス・ミュージックに大きく舵を切ったのが2010年代。EDMが世界の音楽シーンのメイン・ストリームに躍り出ると、再指導したTM NETWORKの活動で、小室さんは積極的に「GET WILD」をエレクトロに染めていきました。2013年の「TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-」でEDMスタイルにモデル・チェンジすると、2015年の「TM NETWORK 30th FINAL」まで改造を繰り返しました。

2013~2015年のモデル・チェンジの要素は、2015年の「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA」のライブ・テイクと「GET WILD 2015 -HUGE DATA-」に凝縮されており、どちらも『GET WILD SONG MAFIA』にも収録されています。「GET WILD 2015 -HUGE DATA-」は2014年から加わった新たなイントロ、歌を含むオリジナルの要素を残した部分、2015年に追加された新たなアウトロで構成されており、「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA」ではその前に小室さんのパフォーマンスが繰り広げられています。

小室さんはハードディスクの音を鳴らしながら、ソフト・シンセを中心に自分をぐるりと取り囲むシンセサイザーを駆使して音を重ねたりミュートしたりしながら、予測不能のサウンド・インスタレーションを織り上げます。パフォーマンスではワブル・ベースなどダブステップ系の音も加えて、新しいイントロやアウトロではEDMらしいキラー・フレーズのリフレインで攻めます。このときの音の組み合わせこそが最もEDM的であり、2013年から始まったモデル・チェンジの集大成だったと思います。
2017.04.16

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by mura-bito | 2017-04-16 17:08 | Music | Comments(0)
TETSUYA KOMURO – GET WILD 2017 TK REMIX
来る4月に、TM NETWORKの代表曲「GET WILD」のリミックスやライブ・バージョン、他のアーティストによるカバー曲などを集めたコンピレーション・アルバムがリリースされます。アルバムのリリースに先駆けて、小室さん自身が新たに制作した「GET WILD 2017 TK REMIX」の配信が始まりました。新たなバージョンが制作されたのは、2015年3月の「GET WILD 2015 -HUGE DATA-」以来ですね。このときは2013年から始まった「GET WILD」の改造の集大成でしたが、それに匹敵する変化を「GET WILD 2017 TK REMIX」に感じます。

第一印象で大きな衝撃を受けたのは、キックとハイハットが強調された四つ打ちのリズムです。これでもかというくらいに強烈に鳴るキックは速さとタフさを兼ね備えて、土台としてしっかり支えつつさらに曲をぐいぐいと引っ張ります。そしてそこにシンセサイザーの音が多彩に重なるのですが、特にJD-800プリセットNo. 53(1990年代に多用された、小室さんの代名詞とも言える音)を思わせる、硬質で鋭角的なピアノ音が存在感を放ちます。
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曲の雰囲気は「イントロから1番のサビ前」と「1番のサビ以降」で変わります。新しく加わったイントロはトランスに傾倒していた時代の雰囲気があり、♪It's your pain or...♪ と歌うBメロはイントロで使われている音を含みながら、大胆な解体と再構築が施されて重厚感が漂います。サビ以降はEDM的に、祝祭的に盛り上がり、勢いよく2番に入りアクセルをぐっと踏み込んで駆け抜けてます。そして再びイントロから聴きたくなる、実にトキシックなサウンドです。

サビはお馴染みの ♪Get wild and tough♪ なので盛り上がることは必至なのですが、2017版はそれだけに留まりません。ボーカルとコーラスの裏でEDM的なキラー・フレーズを奏でるシンセサイザーが鳴っており、このバック・トラックはほとんど別の曲です。歌をミュートしたINSTRUMENTALを聴くと、サウンドの改造具合がよく分かります。もちろんオリジナルを感じさせる要素も微かにありますが、それ以上に新たな音のインパクトが強い。エキサイト必至のエレクトロを聴かせてくれます。

2017.03.08
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by mura-bito | 2017-03-08 22:10 | Music | Comments(0)
TM NETWORK 30th FINAL (OUTRO)
TM NETWORK 30th FINAL

TM NETWORK 30th FINAL

TM NETWORK


2012年4月の「TM NETWORK CONCERT -Incubation Period-」から始まった今回の活動の呼び水となったのは、同年3月のチャリティ・イベント「All That LOVE -give & give-」です。プリンセス・プリンセスや米米CLUBと共演したこのイベントは、最初はウツに声がかかったそうです。そしてウツの提案により、TM NETWORKとして出演することになりました。

イベントの準備が進む中で「これだけで終わるのは寂しい」となったらしく、TM NETWORKの単独コンサートが企画されました。それが、日本武道館で行なわれた「TM NETWORK CONCERT -Incubation Period-」です。このコンサートがあったからこそ、「I am」という新曲も生まれ、いくつもの印象的なステージをこの目で見ることができました。



TM NETWORK 30th FINAL Trailer PART1

2015年まで続いたTM NETWORKストーリーは、「TM NETWORK CONCERT -Incubation Period-」のコンセプトを基にして展開されました。「TM NETWORKが活動した三十年は潜伏期間(incubation period)だった」というコンセプト。1984年4月にデビューしてから2015年3月に至るまでの三十年間を、物語を通して総括しました。三年を費やして描かれたのは「潜伏期間の終わり」と「次の潜伏期間の始まり」です。

アニバーサリーとして新作を発表する、ライブを企画するときは、誰しも「焼き直し」を意図しているわけではないでしょう。それでも代表曲や懐かしい曲を織り交ぜることは必至であり、もちろん誰も責めることはない。むしろファンは嬉しいはずです。懐かしい曲を演奏し続けることは、アーティストにとって是か非かは人それぞれでしょうが、新しい曲でも評価されたいと思うのもまた偽らざる心だと思います。懐かしい曲を聴きたいファンに応えるのか、新しい曲で現在進行形の姿を見せるのか。アニバーサリーはそのせめぎ合いでもあります。

その点で、「潜伏期間」というマテリアルを組み込んだ描き方は、個人的には絶妙だったと思います。つまり、新旧の曲を組み合わせることができたのは、このマテリアルで作り上げた物語があったから。しかも、新しい物語を作り出したのではなく、自らの軌跡をモチーフにしたものなので、ずっと応援してきたファンを無理なく巻き込むことができました。懐かしさを味わいたいファンも、新しい世界を見たいファンもカバーできます。

TM NETWORKは初期から中期にかけて物語性の強い活動を展開してきましたが、その時期の「宇宙から来た訪問者」や「イギリスに住む少女キャロル」をピックアップして、今回の物語に組み込みました。全体としては新しい物語でありながら、いくつかのパーツは過去に残してきたものを磨いて使っています。こうしてできた新しい物語の中で、過去の曲は、当時のコンセプトとは異なる意味を付与され、演奏されました。とてもユニークな構成だったと思います。

そうした中で、過去のライブを体験していない自分にとっては、初めて生で聴けた曲がいくつもあり、とても嬉しく思ったものです。「FOOL ON THE PLANET」、「永遠のパスポート」、「GIRL」、「NERVOUS」、「CHILDREN OF THE NEW CENTURY」、「HERE, THERE & EVERYWHERE」、「一途な恋」、「DIVE INTO YOUR BODY」、「RESISTANCE」、「ACCIDENT」、「RAINBOW RAINBOW」、「LOOKING AT YOU」、CAROL組曲、「GIA CORM FILLIPPO DIA」、「JUST LIKE PARADISE」、「月はピアノに誘われて」、「あの夏を忘れない」などを聴くことができました。

アレンジやミックスで新しい印象を受けたのは「WE LOVE THE EARTH」、「ACTION」、「KISS YOU」、「LOVE TRAIN」、「1974」、「IGNITION, SEQUENCE, START」、「HUMAN SYSTEM」、「COME ON LET'S DANCE」、「金曜日のライオン」、「CUBE」、「SEVEN DAYS WAR」、「TIME TO COUNT DOWN」、「THE POINT OF LOVERS' NIGHT」、「RHYTHM RED BEAT BLACK」、「SCREEN OF LIFE」などです。そして代表曲「GET WILD」はサウンドも演出も刷新され続けました。「I am」や「LOUD」も新曲でありながら幾度となくアレンジが変わりました。そこに存在していたのは、確かに存在していたのは、現在進行形で変わり続けるTM NETWORKです。



TM NETWORK 30th FINAL Trailer PART2

「TM NETWORK 30th FINAL」を終え、TM NETWORKが残したのは一本のバトン。そしてこのバトンを委ねるというメッセージを残して、三年にわたるTM NETWORKストーリーは終わり、デビュー三十周年という節目も終わりました。一連のライブで演奏された曲のラインナップを見ると、すべての時代を網羅的に巡っているため、ある程度「やり尽した」感はあるのかなと思います。

…と思わせておいて実は、という展開もTM NETWORKではあり得ます。このライブの後、小室さんは『スター・ウォーズ』を引き合いにして、TM NETWORKが続くのか終わるのかは意図的に曖昧にしていました。匙加減ひとつで事態は大きく変わると思います。さてさて、TM NETWORKは再び地球に降りてくるのでしょうか。それとも新たな物語の中で再会することになるのでしょうか。とりあえず今言えるのは「そのときは新たな音楽に出会えるに違いない」ということですね。次なる指令まで潜伏すべし。

INTRO
JUST LIKE PARADISE 2015/RHYTHM RED BEAT BLACK/CHILDREN OF THE NEW CENTURY 2015
HERE, THERE & EVERYWHERE/SCREEN OF LIFE/Birth
CAROL 2015 I
A DAY IN THE GIRL'S LIFE/CAROL (CAROL'S THEME I)/GIA CORM FILLIPPO DIA
CAROL 2015 II/IN THE FOREST/CAROL (CAROL'S THEME II)/JUST ONE VICTORY
INTERMISSION
月はピアノに誘われて/あの夏を忘れない/TETSUYA KOMURO SOLO -30th FINAL-/GET WILD 2015
WE LOVE THE EARTH/BE TOGETHER/I am/FOOL ON THE PLANET/ELECTRIC PROPHET
OUTRO

2016.12.26
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by mura-bito | 2016-12-26 21:49 | Music | Comments(0)
30th FINAL 23: ELECTRIC PROPHET
TM NETWORK 30th FINAL

TM NETWORK 30th FINAL

TM NETWORK


潜伏期間(incubation period)のピリオドに向かって、デジタル時計の数字はカウントダウンを続けます。すべてのミッションを終えた潜伏者たちは地球を去ろうとしています。大きな円を描き、空から降り注ぐ光。潜伏者は光に包まれ、やがてその姿は見えなくなりました。「ELECTRIC PROPHET」のメロディが繰り返される中、目の前に広がるのは満天の星空です。無数の星々が散りばめられた、夜空という名のスクリーン。そこから潜伏者はやってきて、そしてミッションの終了とともに、その向こうへ帰還します。

大地を踏みしめる足で、地球の存在を感じます。視線を空から地上に移すと、そこには一本のバトンが置かれていました。バトンは1980年代におけるTM NETWORKのコンサートにおいて、それぞれの物語に関連するメッセージを観客に伝える役割を果たしてきました。「TM NETWORK 30th FINAL」においても、我々はバトンを通してメッセージを受信します。三十年間という潜伏期間を締め括るために送られた、TM NETWORKからの最後のメッセージです。

You are a part of us and became one of the investigators who sympathize with the sound of hope. Your mission is to incubate until the next instructions are given. We hope to see you in the future.

これまで三年にわたり、TM NETWORKという潜伏者たちの物語を観てきた観客は、実は「次の潜伏者」だったのです。観客、すなわち我々もまた最初から物語の一部として取り込まれていました。我々はただライブを観て新曲を聴いていたわけではなく、ただTM NETWORKの軌跡を懐かしんでいたわけでもありません。我々はTM NETWORKからの調査報告書を受け取ることで、次の潜伏者としての活動の準備を行なっていました。

我々は最終調査報告書「TM NETWORK 30th FINAL」を受け取ります。そして、最後のページで「新たな潜伏者として潜伏せよ」というミッションを与えられました。次の指令があるまで、それぞれの場で潜伏すること。バトンを受け取ったその瞬間から、我々の潜伏期間が始まったのです。

INTRO
JUST LIKE PARADISE 2015/RHYTHM RED BEAT BLACK/CHILDREN OF THE NEW CENTURY 2015
HERE, THERE & EVERYWHERE/SCREEN OF LIFE/Birth
CAROL 2015 I
A DAY IN THE GIRL'S LIFE/CAROL (CAROL'S THEME I)/GIA CORM FILLIPPO DIA
CAROL 2015 II/IN THE FOREST/CAROL (CAROL'S THEME II)/JUST ONE VICTORY
INTERMISSION
月はピアノに誘われて/あの夏を忘れない/TETSUYA KOMURO SOLO -30th FINAL-/GET WILD 2015
WE LOVE THE EARTH/BE TOGETHER/I am/FOOL ON THE PLANET/ELECTRIC PROPHET
OUTRO

2016.12.19
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by mura-bito | 2016-12-19 21:56 | Music | Comments(0)
30th FINAL 22: FOOL ON THE PLANET
TM NETWORK 30th FINAL

TM NETWORK 30th FINAL

TM NETWORK


潜伏期間(incubation period)として定められたのは、地球の時間に換算すると三十年。宇宙のどこかからやってきた潜伏者にとって三十年は、どれくらいの長さを意味するのでしょうか。一瞬で過ぎ去って何も残らないものだったのか、あるいは有限だからこそ感じる価値があったのか。永遠の中では、限りある時間というものは、儚く消える雪の結晶のように特異な存在なのかもしれません。

時間という物差しが別の星、あるいは別の銀河でも一定とは限らないのですが、少なくとも地球において三十年は、世代がひとつ変わるほどの時間です。ポップ・ミュージックが栄え始めてから、ひとつのグループが三十年間続くことは、決して簡単なことではありません。TM NETWORKは、数年のインターバルをところどころに挟みながら三十年という時間を積み上げ、音楽を残してきました。

「TM NETWORK 30th FINAL」の最後に演奏されたのは「FOOL ON THE PLANET」です。この曲は「TM NETWORK CONCERT -Incubation Period-」の最初に演奏され、三年かけて構築されたプロジェクトの起点となりました。プロジェクトを締め括るために、再び「FOOL ON THE PLANET」は演奏されます。青い光に染まったステージで、白く明るい光が三人を照らします。天井に見える光源の白い点は夜空に瞬く星のようです。

「FOOL ON THE PLANET」のメロディはとても優しく、滑らかです。個人的にライブで初めて聴いたのは「TM NETWORK CONCERT -Incubation Period-」ですが、包容力と言うべきか、オーケストラのようなものとは異なる壮大さを感じました。シンセサイザーが生み出す壮大さ、荘厳さがあります。圧倒するような壮大さではなく、包み込んで温めるような雰囲気。満天の星空は、地上で生きる人々を優しく包み込みます。

歌詞が描くのは、夢を抱き、周りから冷めた目で見られようとも、行くべき道を進んでいこうとする人間の姿です。TM NETWORKが地球に降り立ったとき、最初に見たものは何だったのか。それは地球で生きる人々の姿。時が積み重なって巡っても、呼吸して生きる場所が変わっても、交わす言葉が違っても、地球の人々はそれぞれの形で、色とりどりの夢を抱きます。夢を叶えることを諦めたり、ささやかな夢すら見ることすらできなかったりする中で、それでも夢を追う人々。その姿を目の当たりにして、潜伏者たちは調査報告書に記します。三十年の潜伏期間において、折に触れ、夢追い人たる人間の姿が記録されてきました。

シンセサイザーとドラムの音は双璧をなすように、それぞれ特徴的な響きを聞かせてくれます。シンセサイザーの音は柔らかく、インテリジェントな雰囲気を醸し、対照的にスネアの音が激しく、強烈に響きます。スネアから生み出される分厚い音は、シンセサイザーと同じくらいに「FOOL ON THE PLANET」を象徴しています。そして、スネアの音が激しく鳴らされるたびに、幕が少しずつ下りていきます。スネアの音が止むと、シンセサイザーの音が残響のように漂い、物語の終わりを告げます。

INTRO
JUST LIKE PARADISE 2015/RHYTHM RED BEAT BLACK/CHILDREN OF THE NEW CENTURY 2015
HERE, THERE & EVERYWHERE/SCREEN OF LIFE/Birth
CAROL 2015 I
A DAY IN THE GIRL'S LIFE/CAROL (CAROL'S THEME I)/GIA CORM FILLIPPO DIA
CAROL 2015 II/IN THE FOREST/CAROL (CAROL'S THEME II)/JUST ONE VICTORY
INTERMISSION
月はピアノに誘われて/あの夏を忘れない/TETSUYA KOMURO SOLO -30th FINAL-/GET WILD 2015
WE LOVE THE EARTH/BE TOGETHER/I am/FOOL ON THE PLANET/ELECTRIC PROPHET
OUTRO

2016.12.12
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by mura-bito | 2016-12-12 21:24 | Music | Comments(0)
30th FINAL 21: I am
TM NETWORK 30th FINAL

TM NETWORK 30th FINAL

TM NETWORK


潜伏者のひとりが天を指し示します。それは雲を貫き、空を抜けて、宇宙にまで届くサイン。スペースシップが呼び寄せられ、光が潜伏者を照らします。「TM NETWORK CONCERT -Incubation Period-」の冒頭のように、光がぐるりと輪になり、円を描きます。スペースシップはゆっくりと地上に近づき、潜伏期間を終えようとしている潜伏者たちを迎えにきます。

ソフト・シンセの音がスモークのようにステージを観客席を覆い始めます。リズムが鳴り、光が明滅し、視覚的にも聴覚的にも、じわじわと高まるエネルギーを感じます。それはスネアの音とともに弾け、ギターを始めとした他の音が放出されます。曲は「I am」。

「I am」はシングルとして2012年にリリースされました。前のアルバムやツアーから四年ほどの(永遠にも思えた)インターバルを置き、「TM NETWORK CONCERT -Incubation Period-」の開催に合わせて発表されました。ギターを弾いているのは、limp bizkitに在籍したこともあるマイク・スミスです。その一年後、ソフト・シンセの音を導入して音をアップデートした「I am 2013」と「I am -TK EDM Mix-」という二種類のリミックスが発表されました。

さらに、一年が経ってリリースされたアルバム『QUIT30』には、オリジナル・ミックスを基にして、音のバランスやボーカルのエフェクトを調整したバージョンが収録されました。このアルバム・ミックスを手がけたのが、Aerosmithの作品にコンポーザーやエンジニアとして参加しているマーティ・フレデリクソンです。いずれのバージョンも雰囲気が変わり、EDMに寄ったりロックの色が濃くなったりと、それぞれに異なる印象を受けました。

歌詞は日々を生きる僕らの姿や抱えている気持ちを切り取ります。2012年の夏、「35.664319, 139.697753」で行なわれた潜伏活動(渋谷公会堂でのイベント)の中で、小室さんが明かしたところによると、ある朝起床したときに「I am」の歌詞が生まれたそうです。夢に見たのか、あるいは目覚めた瞬間のインスピレーションなのか。浮かぶ言葉を流れ出るままに五線譜に書き留め、「I am」の歌詞の大部分ができたと言います。

三十年の活動において、TM NETWORKには代表曲と言える曲はいくつもあります。「I am」もそのひとつです。「GET WILD」や「STILL LOVE HER」のような、メディアに乗って多くの人の記憶に残った代表曲とは異なりますが、TM NETWORKの音楽の本質に近づける曲という意味でTM NETWORKを代表していると思います。その本質とは、三人の存在ですよね。レントゲン写真を撮ったかのように、三人の存在が浮き上がります。

もう少し具体的に言うならば、三人の声です。三人が声を重ねている曲はもちろん多くありますが、その中でもそれぞれの声の存在を強く感じます。光の三原色のように、それぞれの声がユニークな色を持ち、そして混ざってTM NETWORKの声が形成されている。音も色も波長という点では同じですが、分光スペクトルのように三人の声がそれぞれの色を持ち、それらがひとつになることで太陽光のように聴き手を包む光になる。そんなイメージが浮かびました。

♪Yes I am Yes I am Yes I am human No I Can't No I can't I can't lose the moment♪ と繰り返されるコーラス。TM NETWORKの三人をつなぎ、三角形を描き出します。ステージと観客席をつなぎ、ひとつの空間を作り出します。このフレーズがあったからこそ、2012年から2015年にかけてのTM NETWORKの物語が生まれました。とてもシンプルな言葉の連なりではありますが、とても大事な時間と体験と記憶を生み出しました。

INTRO
JUST LIKE PARADISE 2015/RHYTHM RED BEAT BLACK/CHILDREN OF THE NEW CENTURY 2015
HERE, THERE & EVERYWHERE/SCREEN OF LIFE/Birth
CAROL 2015 I
A DAY IN THE GIRL'S LIFE/CAROL (CAROL'S THEME I)/GIA CORM FILLIPPO DIA
CAROL 2015 II/IN THE FOREST/CAROL (CAROL'S THEME II)/JUST ONE VICTORY
INTERMISSION
月はピアノに誘われて/あの夏を忘れない/TETSUYA KOMURO SOLO -30th FINAL-/GET WILD 2015
WE LOVE THE EARTH/BE TOGETHER/I am/FOOL ON THE PLANET/ELECTRIC PROPHET
OUTRO

2016.12.01
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by mura-bito | 2016-12-01 22:09 | Music | Comments(0)
30th FINAL 20: BE TOGETHER
TM NETWORK 30th FINAL

TM NETWORK 30th FINAL

TM NETWORK


バンナさんの刻むギターの音が、会場を駆け巡ります。静かに、テクニカルに、しかしその後のバーストを予感させるような演奏です。その後ろをベースの音が漂います。このベースの音は、それだけで曲が分かるメロディを描きます。ベースだけで曲が分かるべきだ、というのは小室さんの主張ですが、まさにそれを体現するベースです。ギターとベース、そして小室さんのシンセサイザーが重なり、機は熟します。

***

ウツの言葉を合図にしてバンドの音が飛び出し、同時に無数の金と銀のテープが宙を舞います。TM NETWORKの初期のコンセプト「金色の夢」を示すかのように、テープは照明を反射してキラキラと光ります。曲は、吹き抜ける風のようにぐんぐんスピードアップする演奏が印象的な「BE TOGETHER」です。木根さんはギターではなくベースを弾きます。木根さんのベース演奏は1999年の「Log-on to 21st Century」で弾いた「CAROL」、2008年の「PLAY SPEEDWAY and TK HITS!!」で弾いた「MALIBU」以来、3回目でしょうか。

他の数々の曲と同様に「BE TOGETHER」もまた、コンサートで頻繁に演奏されてきた曲です。1987年のオリジナル・アルバム『humansystem』に収録された、アルバム用の曲でありながら、コンサートを支える曲のひとつとして重宝されてきました。2014年には音もボーカルも新たに録りなおして、ビート・ロックとEDMがブレンドされたバージョンが『DRESS2』に収録されました。そして「TM NETWORK 30th FINAL」では、オリジナルに近いアレンジで披露されます。

***

これまで演奏された「BE TOGETHER」の中で印象に残っているのは、2013年のコンサート「TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-」ですね。手術を受けたウツが初めて立つステージで、観客はコンサートへの期待を抱くと同時に、それと同じまたは上回るくらい心配を抱えていました。コンサートは物語をもとにした進行だったため、MCらしいMCが入らなかったのですが、その中でも、「BE TOGETHER」が始まるとき、ひと言「ただいまです!」と言ったウツの笑顔は忘れません。

ウツは痛み止めの注射を打ち、それでも消えない痛みに耐えながら進行したステージでした。そうした状態で迎えたコンサートの初日、幕が下りた瞬間に、TM NETWORKの3人だけになる時間がありました。そこで交わされたのは「3人だけの握手」です。後にも先にもないこの唯一の出来事は、後に出版された木根さんのエッセイに書かれていたエピソードです。「TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-」を思い出すときに、この「3人だけの握手」が必ずと言っていいほど脳裏をよぎります。

***

スクリーンには、これまでのTM NETWORKを捉えたシーンがいくつも映し出しされます。TM NETWORKが残したいくつもの曲、いくつものミュージック・ビデオは、潜伏者として地球に降り立ったTM NETWORKの「報告書」でもあります。人と人をつなぐ「BE TOGETHER」が終わると、2012年から始まった一連の活動のテーマ・ソングとも言うべき曲にバトンが移ります。

INTRO
JUST LIKE PARADISE 2015/RHYTHM RED BEAT BLACK/CHILDREN OF THE NEW CENTURY 2015
HERE, THERE & EVERYWHERE/SCREEN OF LIFE/Birth
CAROL 2015 I
A DAY IN THE GIRL'S LIFE/CAROL (CAROL'S THEME I)/GIA CORM FILLIPPO DIA
CAROL 2015 II/IN THE FOREST/CAROL (CAROL'S THEME II)/JUST ONE VICTORY
INTERMISSION
月はピアノに誘われて/あの夏を忘れない/TETSUYA KOMURO SOLO -30th FINAL-/GET WILD 2015
WE LOVE THE EARTH/BE TOGETHER/I am/FOOL ON THE PLANET/ELECTRIC PROPHET
OUTRO

2016.11.16
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by mura-bito | 2016-11-16 20:44 | Music | Comments(0)

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