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タグ:EDM/Electro ( 10 ) タグの人気記事
ORESAMA ワンダーランドへようこそ ~in Shibuya O-WEST~
ORESAMA ワンダーランドへようこそ ~in Shibuya O-WEST~
2017-10-21 at TSUTAYA O-WEST
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ORESAMAのライブ「ワンダーランドへようこそ ~in Shibuya O-WEST~」が開催されました。ORESAMA(ボーカルぽん、ギター小島英也)とサポートメンバー(DJモニ子、ベース三浦光義)の4人に導かれ、音楽が生み出すワンダーランドに飛び込んだ1時間半。「楽しい!」と思える瞬間が何度も訪れる音楽体験でした。

僕がORESAMAの音楽を聴き始めたのは今年、それも半年ほど前のことですが、ライブでは初めて聴く曲でもすぐにリズムに乗れて、歌も音も存分に楽しむことができました。ライブは演奏とMCでシンプルに構成され、視覚的な演出はステージ後方のスクリーンに大きく映し出されたアニメーションと、レーザーを盛り込んだライティングでした。シンプルでありながら、目にも耳にもボリューム感のあるライブだったと思います。



Music video by ORESAMA performing ワンダードライブ

サウンドは、キック・ハイハット・スネアの音を爆音で鳴らしつつ、録音したシンセサイザーやストリングスなどの音を重ね、そこにベースとギターの生演奏を重ねる、というスタイルでした。キックの音はとても分厚くて力強く、全身で感じることができました。歌声は柔らかく、ギターはファンク系の要素が強いため、全体として「EDMにポップスやファンクを絡ませたダンス・ミュージック」という印象を受けました。

シングル曲「ワンダードライブ」や「Trip Trip Trip」はもちろんのこと、数日後にリリースを控えていた「流星ダンスフロア」も聴けました。シングルに収録された「『ねぇ、神様?』」、「耳もとでつかまえて」、「ヨソユキノマチ」などが披露されます。また、以前リリースした「乙女シック」、「オオカミハート」、「銀河」といった曲も、切ないメロディとともに会場を盛り上げます。



Music video by ORESAMA and ELEVENPLAY performing Trip Trip Trip

中盤の折り返し地点では、ステージにDJモニ子が残り、「Waiting for...」などのORESAMAの曲をかけて会場を盛り上げます。キックの音を強めに出して、その熱気はまさしくEDMのライブでした。そして、聞き覚えのあるメロディが飛び出したと思ったらONE III NOTESの「Shadow and Truth」がかかりました。ORESAMAを知るきっかけになったこの曲を大音量で聴けたのが嬉しい。

メンバーがステージに戻ってきます。DJタイムの熱気と音の余韻が残る中でスタートしたのが「流星ダンスフロア」です。YouTubeで聴いていたときにもこれは盛り上がるだろうと思っていましたが、予想どおりの……否、予想を超えた盛り上がりを見せました。まさしくディスコ・タイム・マジック。さらに間奏でベースとギターがソロを披露して観客を煽ります。



Music video by ORESAMA, DJモニ子 and ELEVENPLAY performing 流星ダンスフロア

スクリーンにORESAMAではお馴染みのアニメーションが映し出されます。CDのジャケットやミュージック・ビデオに使われているイラストやアニメーションは、イラストレーター「うとまる」が描いています。ポップでカラフルなキャラクターとなったORESAMAの2人がスクリーンの中で躍動し、ダンサブルな音を盛り上げます。音とともにORESAMAの空間、ORESAMAの世界を作り上げていました。

ORESAMAの2人がMCで話していたように次のライブも決まっており、そして会場のサイズは着実に大きくなっていきます。迅速な展開に2人も驚き、興奮しているようでしたが、聴き手からすれば広い場所で演奏している姿は容易にイメージできます(そのうちパフォーマーが入るかもしれないし、そうなればELEVENPLAYとの共演も実現するかも…観たい…)。どれだけ大きなキャパシティであっても、きっとそこをダンスフロアに変えてみせることでしょう。今後の展開がとても楽しみですね。
2017.11.01
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by mura-bito | 2017-11-01 22:02 | Music | Comments(0)
[PART2] TM NETWORK『EXPO』:夜空に螺旋を描くエレクトロニック・サウンド
ハウス系TMサウンドに焦点を当てたとき、アルバム『EXPO』の中でも重要なポジションを占める曲が「JUST LIKE PARADISE」です。身体を揺らすのに最適なテンポで、心地好いエレクトロニック・サウンドが流れます。その音は「夜の陰に紛れている」とでもいうような、境界線の曖昧な感じがします。クールであり、シニカルな部分も見え隠れする。表には見えない、隠された色気のような魅力がある曲です。

歌詞はすべて英語で書かれており、ループするサウンドに絡ませた言葉のインスタレーションが目の前に広がります。歌とラップとポエトリー・リーディングが入り混じり、言葉を散りばめ、交差させ、重ねます。それは愛の囁きにも聞こえるし、地球を俯瞰したメッセージにも聞こえます。地上で交わす言葉、宇宙から届く言葉。視点はダイナミックに移ろいます。

ライブでは、オリジナルの音をもとにしながら発展させたアレンジが特徴的でした。ライブでのアレンジは、1991年にかけて1992年に行なわれたホール・ツアーと、アリーナクラスの会場で実施したアリーナ・ツアーで、部分的に音が異なっています。ホール・ツアーでは、サビでアクセントとしてループしていた音を前面に押し出し、一方でアリーナ・ツアーでは曲の終盤で小室さんがソロを弾いて、会場を盛り上げました。切なさを呼び起こすメロディを繰り返しながら音の高さを上げていくことで、どんどん高揚していく、強烈なリフレインです。
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ハウス系の曲として忘れてはならないのが「あの夏を忘れない」ですね。起伏の少ない展開で単調とさえいえるのですが、中毒性はかなり高い。キラキラとした光をイメージさせるシンセサイザーの音が淡々とループを続け、ベースやギターの音と絡み合います。ゆるりとしたテンポに包まれて、指先で肌をなでるようなメロディに、情熱的な言葉が重なります。言葉の奔流が止まると、淡々とした音が再び聴き手を抱きすくめる。

音は円を描きながら、イメージの中で螺旋を描きます。それも上昇するのではなく、下降するスパイラル。同じところをぐるぐる回っていたようで、いつの間にか下に下に落ちていた。僕が曲名や歌詞からイメージするのは、太陽の下で過ごした眩しい記憶を真夜中の片隅でぼんやり思い返している人間の姿です。止まった時の中に留まり続けるメランコリックな一夜は、ただの眠れない夜ではなく、何も見えない闇の中を彷徨い歩く時間です。

1993年のリミックス・アルバム『CLASSIX 1』では、大胆に音を削ぎ落とした「あの夏を忘れない」を聴くことができます。リズム・セクションを抜き、シンセサイザーの音も前に出さないリミックスであり、ボーカルの存在感が一層強まっている。分厚い音を重ねていくダンス・ミュージックの概念はひっくり返され、静謐な空気の中でエレクトロニック・サウンドの「粒」を感じさせます。ここまでサウンドをスリムにされると、オリジナルでも使われていた音が異なる響きを持ち、より深みのある哀愁が漂います。

2017.10.11
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by mura-bito | 2017-10-11 21:45 | Music | Comments(0)
[PART1] TM NETWORK『EXPO』:季節の移ろいに溶け込むエレクトロニック・サウンド
秋に聴きたくなるアルバムを挙げるとすれば、TM NETWORKの『EXPO』を選びます。アルバムに収録されているいくつかの曲が、夏が終わり始めてから秋らしくなってグラデーションのように変わっていく空気に溶け込むような気がするからです。それも、太陽が沈んで夜になって空気がさらに冷たくなるあの感じがよく似合う。

『EXPO』はハウス・ミュージックを中心として、ロックやフォーク、ラテン・ミュージックの要素も含む、雑食性の高いアルバムですが、音、メロディ、歌詞が、それぞれに哀愁を漂わせる要素を含んでいます。秋といえば哀愁や切なさを強く感じる季節なので、そうした気持ちを『EXPO』の曲が呼び起こし、間接的に秋を感じるのだろうと思います。もちろん、聴く人によって何をイメージするか、どのような気持ちを呼び起こされるかは異なります。

とはいえ、『EXPO』の曲が哀愁を感じさせるという点は多くの聴き手に共通することなのではないかと思います。そして、それは音に依るところが大きい。アルバムにおける大きな音楽的テーマはハウス・ミュージックです。ループするエレクトロニック・サウンドを使って中毒的な快感を呼び起こす、ダンス・ミュージックの一種ですが、『EXPO』ではTM NETWORKの感性と混ざって独特のサウンドを作り上げました。そんなハウス系TMサウンドで構築された曲を3つ挙げて、三角形をつくってみましょう。
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ひとつ目は「WE LOVE THE EARTH -Ooh, Ah, Ah, Mix-」です。シングルとは異なる音でリミックスされたバージョンです。シングルでは春や初夏のようなキラキラした華やかさを感じますが、このリミックスで感じるのは秋の風が運んでくる濃密な哀愁です。それでも寂しさやメランコリックな雰囲気ではなく、涼しげな空気が漂います。キックやベースの音は色気に満ちていて心地好く、さらに曲をぐいぐい引っ張るパワーがあります。加えて、高く抜けていくスネアの音が重なり、曲の印象を立体的にしています。

キックの響きは、2010年代のEDMとは異なった感じで存在感を示します。EDMでは主役と呼べるほどに存在感を放つことが多く、身体にぶつかってくるようなタフさがあります(TM NETWORKで例示すれば「金曜日のライオン 2014」)。「WE LOVE THE EARTH -Ooh, Ah, Ah, Mix-」のようなハウス・ミュージックでのキックは「身体に浸み込む」感じがありますね。音に反応する快感のセンサーもいろいろあり、EDMにおけるキックとハウスにおけるキックは違ったタイプの刺激を与えるのだと思います。どちらも心地好い。

Ooh, Ah, Ah, Mixという名称もいいですよね。意味深というか、生々しいというか。TMN時代の曲やライブは、わりと色気を感じさせる、あるいはセクシュアルな要素を前に押し出すのが特徴でした。RHYTHM REDツアーの「KISS YOU」や『EXPO』での「CRAZY FOR YOU」の演出は分かりやすくセクシュアルです。『EXPO』を軸にしたツアーでもこのリミックスをもとに「WE LOVE THE EARTH」が披露されましたが、イントロに散りばめられたサンプリング・ボイスの一部で “Ooh, Ah, Ah” という声が繰り返し響きます。…まあ、そういうことです。

2017.10.10
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by mura-bito | 2017-10-10 21:40 | Music | Comments(0)
GET WILD Takkyu Ishino Remixes
2017年、「GET WILD」のリリースから30周年を記念する企画のひとつとして、石野卓球によるリミックスが実現しました。これまでに3種類のバージョンが発表されており、“Takkyu Ishino Latino Acid Remix”、“Takkyu Ishino Latino Remix”、“Takkyu Ishino Full Acid Remix” と名づけられています。
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「石野卓球が『GET WILD』をリミックスする」というテキストを目にしたときは、「何ですと!?」と驚かされたものですが、冷静になってみると期待が大きく膨らみました。すると次は、デビュー前の電気グルーヴがリミックス(?)した「RHYTHM RED BEAT BLACK」を思い浮かべて、不安の塊が脳を支配したものの、やはり冷静に考えればバックトラックは格好良かったので、やはり期待していいはずと思いなおしました。まあ、石野卓球や電気グルーヴの評価は推して知るべしというか、わざわざ言葉を尽くす必要もないのですが。

Latino Acid Remix

一連のリミックスの中で最初に発表されたのがLatino Acid Remixです。リズムは軽快な雰囲気があり、随所でホーンやパーカッションの音も聴くことができます。ループする音の中で、サビのボーカルがひたすらリフレインします。EDMのように起伏で聴き手を揺さぶる展開ではなく、中毒性の高いループに巻き込みます。

Latino Acid Remixは、CDおよび配信でリリースされた『GET WILD SONG MAFIA』に収録されています。SICK INDIVIDUALSによるダブステップ的なアプローチのリミックスとともに、「GET WILD」の新たな進化の可能性を感じたものです。小室さんとは異なる感性、アプローチによって開拓される「GET WILD」の可能性。

Latino Remix

2番目に公開されたのはLatino Remixです。このバージョンは、小室さんがリミックスした「GET WILD 2017 TK REMIX」とともに、6月にアナログ盤としてプレスされました。また、それに先立って5月に配信されたアルバム『GET WILD 30th Anniversary Collection - avex Edition』でも聴くことができます。

Latino Acid RemixからACIDの音が抜かれることで、ACIDの裏でメインのメロディ(イントロやサビの「ミ・レ・ド」)を奏でていたシンセサイザーが前に出てきました。「ラティーノ」という言葉からラテン・ミュージックをイメージしていましたが、そういうわけでもないようです。コンガやホーンの音は使われているものの、Latino Acid Remixと同様にアクセントの役割を担います。

Full Acid Remix

最終形態…かどうかは分かりませんが、Full Acid Remixと題した新しいリミックスが9月に発表されました。11月にはFull Acid Remixのアナログ盤がリリースされます。サウンドは、ミックス名のとおりACID(ローランド社のTR-303というシンセサイザーとのこと)を押し出しています。

最後の1分間に繰り広げられる展開がとても印象的です。一連のリミックスの嚆矢であるLatino Acid Remixを聴いた時から中毒症状に侵されていたものですが、それが極まった感があります。身体を侵食する音。爆音ロックやパーティー系EDMとは違う意味で攻撃的です。そして音が収束するとともに聴き手も消えるかのような、音との同化を感じました。

これまでのリミックスと同様にウツのボーカルをサンプリングで散りばめていますが、一方でインストゥルメンタルも配信されています。ボーカルがミュートされると、音が生み出す中毒性は一層高まります。


2017.10.03
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by mura-bito | 2017-10-03 21:21 | Comments(0)
Dimitri Vegas & Like Mike vs David Guetta – Complicated [feat. Kiiara]
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Dimitri Vegas & Like Mike(DV&LM)は、ベルギー出身のDJ/Producerデュオであり、兄弟です。ヨーロッパ出身のEDMアーティストは、本当に層が厚いですよね。ヨーロッパにはダンス・ミュージックを醸成する土壌がある、ということでしょうか。

そしてDavid Guettaは、EDMシーンを築いた立役者ともいうべき人物。DV&LMがDavid Guettaとコラボし、アメリカ出身のシンガー・ソングライターであるKiiaraをボーカルに迎えて「Complicated」という曲を制作しました。ゆるやかなテンポの中で、シンプルでありながらキャッチーなメロディをシンセサイザーと歌で表現します。色の違う絵の具で同じ絵を一枚のキャンバスに描いているような感じです。



Dimitri Vegas & Like Mike vs David Guetta – Complicated [feat. Kiiara]

僕はKiiaraの歌を、LINKIN PARKの「Heavy」で初めて聴きました。Chaster Benningtonのタフな歌声と対峙しても、確実に屹立する。そういった存在感を彼女の声に感じました。「Complicated」でも、その魅力的な歌声を堪能することができます。シンセサイザーのリフとうまくマッチして、胸を打ち、心に刺さる響きを生み出します。

「Complicated」のビデオは、ダンサーをフィーチャーして、そのパフォーマンスを鮮やかなカメラワークで収めます。ほとばしる躍動感が伝わってきます。カラーの異なるダンスで織り上げられた映像の中で、ピンクの長髪を揺らすKiiaraがリップシンクで登場します。ダイナミックさとシンプルさが共存しており、どこかコンテンポラリー・アートのような印象を受けました。
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2017.09.03
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by mura-bito | 2017-09-03 21:27 | Music | Comments(0)
AVICII『AVĪCI 01』:帰還を告げるアコースティック・ギターとシンセサイザーと歌声の三角形
AVICII(アヴィーチー)が2016年でライブ・パフォーマンスを休止するという報せを聞いたとき、とても驚きました。音楽活動そのものからも離れてしまうのかもしれないと思いましたが、それは杞憂と終わったようです。この夏、突如としてカウントダウンがコールされ、AVICIIの新作EPが発表されました。EPは『AVĪCI 01』と題し、5曲の新曲と1曲のリミックスで構成されています。聴かない理由はどこにもありません。
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『AVĪCI 01』で印象に残るのはアコースティック・ギターの音です。すべての曲で鳴っているわけではないのですが、アコースティック・ギターを抱えるAVICIIの姿をよく見かけることもあるのですが、彼の音のイメージの一翼を担うようになっています。デビュー作『True』、2枚目の『Stories』でもアコースティック・ギターが随所に使われています。

EDMの中でも、AVICIIは音の重ね方がシンプルな方だと思います。音が乱舞するダブステップのようなサウンドとは異なる、パズルのピースを組み合わせたような、整ったサウンド。さらに厚みもあり、それはひとつひとつの音の密度が大きいからでしょう。芯のあるキックとベースが鳴り、そこにキャッチーなフレーズを奏でるシンセサイザーが加わります。



AVICII – Friend of Mine [feat. Vargas & Lagola] (Audio)

EPに収録されている曲の中から好きな曲をひとつ挙げるとすれば、僕は「Friend of Mine」を選びます。カウントダウンの始まりを告げるAVICIIのツイートに添付されていて、それを聴いた瞬間に気に入りました。新作のリリースというニュースだけで高まった期待が、沸点を超えるようにさらに高まりました。フルで聴いてもっと好きになりましたね。

「Friend of Mine」はアコースティック・ギターの心地好く、軽やかな音で始まります。牧歌的というべきか、心をほぐしてくれます。そこに歌が乗り、フォーキーな雰囲気が漂います。そして歌に誘われるように、他の音が生まれ、集まり、重なります。中でもシンセサイザーは丸みを帯びた太い音を鳴らし、インパクトのあるフレーズを繰り返します。シンセサイザーで描くメロディは、口ずさみたくなる、いわゆる「シンガロング(sing-along)」したくなるような快感を得られます。ボーカルに合わせて歌うように、シンセサイザーに合わせて歌いたくなる。

フィーチャリング・アーティストとして参加しているのはVargas & Lagolaというデュオです。メンバーのSalem Al Fakir(サレム・アル・ファキール)は、『True』に収録された「You Make Me」にも参加しており、AVICIIサウンドと相性のいい歌声といえるでしょう。「Friend of Mine」で疲労されている歌を聴いて、気持ちよく晴れた青空や、心地好く吹き抜けるそよ風を僕はイメージしました。とても楽しく、穏やかな気持ちになれるメロディを届けてくれます。
2017.08.20

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by mura-bito | 2017-08-20 22:35 | Music | Comments(0)
Zedd & Liam Payne「Get Low」:色気を生み出す音と声の中毒的なスパイラル
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Zeddの新曲「Get Low」は、色気に満ちたダンサブルな曲です。One DirectionのLiam Payne(リアム・ペイン)をボーカルに迎えて、その歌声をエレクトロニック・サウンドと組み合わせると、鮮やかに輝く音楽が産み落とされます。Zeddは女性の声だけではなく、男性の声も上手に料理して素晴らしい曲に仕上げます。例えばAloe Blaccとともに制作した「Candyman」もまた色気のある格好良い曲であり、僕はとても好きです。

「Get Low」の魅力のひとつは、そのリズムですね。EDM的な盛り上げ方とは異なり、聴き手を徐々に侵食するようなループが特徴的です。ずしりと重みを感じるキックと、絡みつくベース。ハウス・ミュージック的というか、あるいはそのサブカテゴリーに属するのかもしれませんが、ぐるぐると螺旋を描くリズムにはこの上になる中毒性があります。音の渦に吸い込まれて、いつの間にか目の前の世界が変わっている。



Zedd & Liam Payne – Get Low (Infrared)

曲に漂う色気のもうひとつの要因はLiamの歌声です。その色気を構成するのは艶やかさと気怠さでしょう。さらに歌声の中に潜っていくと、切なさや哀愁といった、メランコリックな空気を感じます。その源泉は声か、メロディか、サウンドか。あるいは三者が混ざり合うからこそ生まれる空気なのか。

曲の進行とともに歌声は表情を変えます。言葉の運び方が変わるとでもいいましょうか。言葉が連なっては離れることでメロディは流動的になり、心地好い流れ、心地好い響きを生みます。言葉を突き刺すように放つのではなくて、手の触れる距離にいる相手に向かって届けるイメージです。腕の中、でもいいのですが。



Zedd & Liam Payne – Get Low (Official Tour Edit)

YouTubeには「Get Low」の音源がアップロードされています。片や “Infrared” と題し、もう片方は “Official Tour Edit” と題しています。ビデオ・アートのように楽しむ場合は前者、Zeddのライブ感を味わいながら聴く場合は後者を再生してみてください。

2017.07.20
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by mura-bito | 2017-07-20 21:58 | Music | Comments(0)
TM NETWORK『GET WILD SONG MAFIA』:30年目の創造的進化と現在進行形リミックス
TM NETWORKの活動は2015年のコンサート「TM NETWORK 30th FINAL」で区切られ、同じく「GET WILD」の進化も一度完結しました。しかし、『GET WILD SONG MAFIA』がリリースされたことで、新たな音、新たな「GET WILD」を聴く機会に恵まれます。小室さんは本作のために最新リミックス「GET WILD 2017 TK REMIX」を制作し、アルバムに先行して配信しました。イントロから響くベースの音はとても太く、それだけで心も身体も熱くなりますし、サビではボーカルの裏で鳴っているフレーズは新しい曲にも思えるインパクトを感じます。

2015年以降も、小室さんは自分のライブ・パフォーマンスで「GET WILD」をアップデートし続けていました。その証が「GET WILD 2016 TK LIVE @YOKOHAMA ARENA MIX」という、エイベックスのECサイト「mu-mo」でアルバムを購入すると聴けるバージョンです。2016年のパフォーマンスで使った音源、あるいはそれを調整したものかと思います。このバージョンは、2015年の「GET WILD 2015 -HUGE DATA-」を下敷きにしながら、随所で印象を変えています。特徴的だったアコースティック・ギターのカッティングを踏襲しつつも、2015ミックスがアグレッシヴな雰囲気だったのに対し、2016のサウンドでは抑制された印象に変わって味わい深くなり、渋さすら感じます。

終盤は誰も聴いたことがない展開を見せます。お馴染みの間奏が終わろうとした瞬間、サビが繰り返される…と思いきや、リズムががらりと変わり、哀愁漂うピアノの音がサビのメロディを切り取ってリフレインします。抽象的に表現するなら「余白の多い」アレンジ。最後のサビはライブでも一番盛り上がる部分ですが、それを逆手に取ったかのようなこのアレンジはチルアウトと言ってよいでしょう。興奮に興奮を積み上げてきた、メロディやサウンドを噛み締めてエンディングを迎え、ゆっくりとクールダウンする。そしてメインDJがステージを降りる姿が目に浮かびます。
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そして「GET WILD」の進化は2017年になっても続く…というよりむしろ加速します。『GET WILD SONG MAFIA』には「GET WILD 2017 TK REMIX」の他に、石野卓球によるリミックス「GET WILD -Takkyu Ishino Latino Acid Remix-」やSICK INDIVIDUALSのダブステップ・ミックス「GET WILD -SICK INDIVIDUALS Remix」も収録されています。三者三様のアプローチで、すなわち三者三様のエレクトロで2017年の「GET WILD」を聴くことができます。

石野卓球は説明するまでもなく電気グルーヴのトラック・メーカーですが、あるいはDJとしての活動の方が有名でしょうか。彼が手がけたTakkyu Ishino Latino Acid Remixでは、サビのボーカルがひたすらリフレインします。リズムは軽めの雰囲気を醸し、ホーンの音も聴くことができます。僕はあまりアシッド系の音は馴染みがないのですが、こういうものなのでしょうか。EDM的な起伏のある展開ではなく、中毒性の高いループに巻き込んでいく感じですね。聴くほどに頭の中が音で満たされ、いつの間にかぐるぐる回る音の中で自分が翻弄されています。

SICK INDIVIDUALSはオランダ出身のEDMデュオです。ダブステップ・サウンドで押していく、Hardwellの系譜とされています。エイベックスはEDMアーティストを引っ張ってくる日本における先駆者のようなところがありますが、今回のコラボレーションにも一役買ったのでしょうか。SICK INDIVIDUALS Remixによって「GET WILD」はダブステップらしいダブステップに再構成されました。そのような変化はまったく予想できませんでした。

同じオランダ出身のNicky RomeroやAfrojackは、小室さんのスタジオに遊びに来たことがあるので、その縁でリミックスをしてくれたら嬉しいですね。そうすれば “Get Wild Remixes” をacross the globeで配信できるかもしれません。かつては「GET WILD '89」でヨーロッパのサウンドと結びつきましたが(PWLのピート・ハモンドによるユーロビート・スタイル)、2010年代はEDMという文脈で、改めて世界とつながってほしいものです。

SICK INDIVIDUALS Remixでは、♪ミ・レ・ドから始まるサビのメロディがソフト・シンセの特徴的な音で新しい姿に変貌しています。このリミックスを聴くと、「GET WILD」は世界的な音楽的トレンドに放り込んでも成立する可能性が充分にあると思えてきます。変わり続けてきた曲だからこそ、これからも、いくらでも変わっていいんですよね。僕は2015年の区切りをやむなしとしていましたが、今回の企画によって、むしろ「GET WILD」の進化は続けるべきだと思うようになりました。こうなったら「GET WILD」が、いつまで、どこまで変化するのか見届けてやろうと思います。
2017.04.21

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by mura-bito | 2017-04-21 21:01 | Music | Comments(0)
TM NETWORK『GET WILD SONG MAFIA』:EDMを追求した2010年代モデル・チェンジの軌跡
TM NETWORKの「GET WILD」は名実ともにTM NETWORKの代表曲と言えます。オリジナルは30年前にリリースされました。アニメ『シティハンター』のエンディング・テーマに起用されたこともあり、最も高い知名度を誇っています。そのためか、リリース以降のほとんど(すべて?)のライブで演奏されました。TM NETWORKは、いくつもの曲をライブの度に新しいアレンジにして披露してきましたが、中でも「GET WILD」の変わりようには驚くばかりです。世界の音楽的傾向を読み、その要素を移植するということを繰り返してきたのが「GET WILD」です。

バンドではなく曲の30周年という珍しい切り口から、コンピレーション・アルバム『GET WILD SONG MAFIA』が企画され、4月5日にリリースされました。オリジナルはもちろんのこと、リミックスやライブ・テイク、カバー、計36曲を集めた4枚組のアルバムです。「GET WILDだけでTM NETWORKの変化の歴史を追う」というのは過言でしょうか。答えは「ノー」です。もちろんTM NETWORKの魅力を知るためには不足していますが、「TM NETWORKの音楽的スタイルの変遷」を振り返るのに「GET WILD」ほど相応しい曲はない、と断言できます。
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さまざまなスタイルに変化した「GET WILD」ですが、大きくはロックとエレクトロに分類されます。ライブではどうしてもバンド・スタイルになるため自然とロックに寄るものですが、特にロック成分が高めのパフォーマンスを披露しているのが1990年の「TMN RHYTHM RED TOUR」、2004年の「DOUBLE-DECADE TOUR FINAL "NETWORK"」でしょう。前者でのサポートは葛城哲哉、阿部薫、浅倉大介であり、後者はFENCE OF DEFENSE(西村麻聡、北島健二、山田わたる)です。

一方、エレクトロという括りで見ると、もともとオリジナルのアレンジは、ヨーロッパ発の世界的ダンス・ミュージックであるユーロビートを意識していました。とは言え、ダンス・ミュージックに大きく寄せることはできず、本来の構想が形になったのは2年後のリミックス「GET WILD ’89」です。『GET WILD SONG MAFIA』に掲載されたインタビューでは、小室さんは「『GET WILD』に人格があるとするなら正しい身なりになった。髪型から何からカチャってハマったのは『GET WILD ’89』だったんですよ」と語っています。ダンス・ミュージックとしての「GET WILD」が血肉を備えたのは1989年なのです。


GET WILD 2012-2015

00:00~ TM NETWORK CONCERT -Incubation Period- (2012)
05:19~ TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation- (2013)
11:45~ TM NETWORK 30th 1984~ the beginning of the end (2014)
19:18~ TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA (2015)
26:44~ TM NETWORK 30th FINAL (2015)

その後は、2001年の「TM NETWORK LIVE TOUR "Major Turn-Round"」や2004年の「TM NETWORK DOUBLE-DECADE "NETWORK"」で、トランスの要素を移植する試みが行なわれました。そして再びダンス・ミュージックに大きく舵を切ったのが2010年代。EDMが世界の音楽シーンのメイン・ストリームに躍り出ると、再指導したTM NETWORKの活動で、小室さんは積極的に「GET WILD」をエレクトロに染めていきました。2013年の「TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-」でEDMスタイルにモデル・チェンジすると、2015年の「TM NETWORK 30th FINAL」まで改造を繰り返しました。

2013~2015年のモデル・チェンジの要素は、2015年の「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA」のライブ・テイクと「GET WILD 2015 -HUGE DATA-」に凝縮されており、どちらも『GET WILD SONG MAFIA』にも収録されています。「GET WILD 2015 -HUGE DATA-」は2014年から加わった新たなイントロ、歌を含むオリジナルの要素を残した部分、2015年に追加された新たなアウトロで構成されており、「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA」ではその前に小室さんのパフォーマンスが繰り広げられています。

小室さんはハードディスクの音を鳴らしながら、ソフト・シンセを中心に自分をぐるりと取り囲むシンセサイザーを駆使して音を重ねたりミュートしたりしながら、予測不能のサウンド・インスタレーションを織り上げます。パフォーマンスではワブル・ベースなどダブステップ系の音も加えて、新しいイントロやアウトロではEDMらしいキラー・フレーズのリフレインで攻めます。このときの音の組み合わせこそが最もEDM的であり、2013年から始まったモデル・チェンジの集大成だったと思います。
2017.04.16

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by mura-bito | 2017-04-16 17:08 | Music | Comments(0)
TETSUYA KOMURO – GET WILD 2017 TK REMIX
来る4月に、TM NETWORKの代表曲「GET WILD」のリミックスやライブ・バージョン、他のアーティストによるカバー曲などを集めたコンピレーション・アルバムがリリースされます。アルバムのリリースに先駆けて、小室さん自身が新たに制作した「GET WILD 2017 TK REMIX」の配信が始まりました。新たなバージョンが制作されたのは、2015年3月の「GET WILD 2015 -HUGE DATA-」以来ですね。このときは2013年から始まった「GET WILD」の改造の集大成でしたが、それに匹敵する変化を「GET WILD 2017 TK REMIX」に感じます。

第一印象で大きな衝撃を受けたのは、キックとハイハットが強調された四つ打ちのリズムです。これでもかというくらいに強烈に鳴るキックは速さとタフさを兼ね備えて、土台としてしっかり支えつつさらに曲をぐいぐいと引っ張ります。そしてそこにシンセサイザーの音が多彩に重なるのですが、特にJD-800プリセットNo. 53(1990年代に多用された、小室さんの代名詞とも言える音)を思わせる、硬質で鋭角的なピアノ音が存在感を放ちます。
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曲の雰囲気は「イントロから1番のサビ前」と「1番のサビ以降」で変わります。新しく加わったイントロはトランスに傾倒していた時代の雰囲気があり、♪It's your pain or...♪ と歌うBメロはイントロで使われている音を含みながら、大胆な解体と再構築が施されて重厚感が漂います。サビ以降はEDM的に、祝祭的に盛り上がり、勢いよく2番に入りアクセルをぐっと踏み込んで駆け抜けてます。そして再びイントロから聴きたくなる、実にトキシックなサウンドです。

サビはお馴染みの ♪Get wild and tough♪ なので盛り上がることは必至なのですが、2017版はそれだけに留まりません。ボーカルとコーラスの裏でEDM的なキラー・フレーズを奏でるシンセサイザーが鳴っており、このバック・トラックはほとんど別の曲です。歌をミュートしたINSTRUMENTALを聴くと、サウンドの改造具合がよく分かります。もちろんオリジナルを感じさせる要素も微かにありますが、それ以上に新たな音のインパクトが強い。エキサイト必至のエレクトロを聴かせてくれます。

2017.03.08
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by mura-bito | 2017-03-08 22:10 | Music | Comments(0)

fujiokashinya (mura-bito)
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