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AVICII vs. Conrad Sewell – Taste the Feeling


AVICII vs. Conrad Sewell – Taste the Feeling

AVICIIの新曲「Taste the Feeling」は、Conrad Sewellというシンガー・ソングライターとコラボレートした作品です。この曲はコカ・コーラ社のプロモーションのために制作され、プロモーション・ビデオはYouTubeにアクセスして観ることができます。この曲をApple Musicで初めて聴いたとき、問答無用で素晴らしいと思いました。食べ進めるほどに旨みが増していく…そんな感じでしょうか。Tastes so good.

シンセサイザーが奏でるリフも、Conrad Sewellの歌声がコーティングする歌メロも、どちらも美しく、胸を打ちます。メロディの端々に、どこか懐かしい記憶が巻き戻される感覚があります。自然と思い出される過去の記憶。ふわっとした浮遊感と言うべきでしょうか。フルートのような音がそうさせるのかもしれません。

***

コカ・コーラ社といえば…僕は真夏の太陽の下でコーラを爽やかに飲み干すシーンが思い浮かびます。では、「Taste the Feeling」はそうしたイメージに近いのか、と問われれば、そうではないと答えます。身を委ねてゆったりと踊りたくなる、心地好いリズム。ひとつひとつに耳を傾けて、立体感を味わいたくなる音。爽やかに弾けるコーラとは違った、味わい深い曲は、同社のイメージを変える可能性があります。

2015年に、AVICIIはボルボ社のコマーシャル・フィルムのために「Feeling Good」* のカバーを制作しており、そのフィルムは日本でも時々流れています。音楽が広告の中心に位置付けられるのは素晴らしいことです。音楽家が(有名人として)広告塔になること自体はもちろん悪いことではありませんが、音楽が広告塔とされることは、より良いことです。曲やビデオを制作するのは、やはりアーティストとしての本分にフォーカスしているのだと思います。そういう音楽に対するポジティブな評価は大事ですよね。

* inthecube: AVICII – Feeling Good (Music Video)

2016.03.23
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by mura-bito | 2016-03-23 21:46 | Music | Comments(0)
AVICII – Broken Arrows (Music Video)


AVICII – Broken Arrows

踊るのにちょうどいいテンポ、繰り返されるシンセサイザーの音。中毒性の高いフレーズがぐるぐると渦を巻き、聴く人を心地好い音の世界に連れていってくれます。AVICIIの「Broken Arrows」は2015年10月にリリースされたアルバム『Stories』* に収録されています。アルバム発表と同時に、YouTubeなどでリリック・ビデオが公開され、その後、ミュージック・ビデオも制作されました。

ミュージック・ビデオは、「Broken Arrows」をサウンドトラックとして重ねたショート・フィルム、という感じですね。走り高跳びや親子の関係といった要素で構成された映像は、実話をもとにしているとのことです。映画風に仕立てたミュージック・ビデオは数多くありますが、「Broken Arrows」はもはや映画ですよね。映画館の大きなスクリーンで観たら、音楽と映像に気持ちよくコミットできそうな気がします。

* inthecube: [PART2] AVICII – Stories

2016.02.03
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by mura-bito | 2016-02-03 21:50 | Music | Comments(0)
[PART4] AVICII – Stories
Stories

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[PART3] AVICII – Stories



AVICII – Sunset Jesus (Lyric Video)

リズミカルなスネアと鋭く刻むエレクトリック・ギターの音で始まる「Sunset Jesus」*。それらの音に背中を押されるように軽快なボーカルが飛び出します。ボーカルをとるのはSandro Cavazzaという、ストックホルム出身のシンガー・ソングライターです。AVICIIと同郷ですね。Sandroの声はシーンに合わせて、ちょうどいい密度で音と混ざり合います。音と声のブレンド具合が曲の中で変わり、どこを切り取っても鮮度の高いパフォーマンスに接することができます。

音の主役は次第にシンセサイザーに移ります。太くて厚みのあるベースに乗せて響くシンセサイザーのリフが、音の記憶を呼び起こします。リミックス・アルバム『True: Avicii by Avicii』に収録された「Dear Boy」のテンポをやや落として使い、そこに「Sunset Jesus」のメロディを乗せています。ゆるりとしたテンポで進む曲の中に濃密な音が満ちていて、踊れ踊れもっと踊れと聴き手をアジテートします。永遠に、延々とループしてほしい音の連なり。

* inthecube: AVICII – Sunset Jesus



AVICII – Can't Catch Me (Lyric Video)

「Can't Catch Me」はレゲエ調の曲ですね。脱力感のあるリズムやボーカルに心をほぐされ、さらに間奏で差し込まれるリリカルなピアノがとても美しくて柔らかいソファーに沈み込むように、リラックスの度合いが高まっていきます。レゲエを聴く機会は少ないのが正直なところであり、こうしたピアノの音と組み合わせたパターンはオーソドックスなのでしょうか。僕は初めて聴きましたが、とても良いアレンジだと思います。

ジャンルをまたぐ曲は、音楽という共有財産の有効利用と言うか、新旧を結ぶ伝承の役割を持ちますね。EDMに限らず、ジャズもロックも積極的に他のジャンルを取り込んで変質して、揺り戻しで純化して、そしてまたジャンルをまたいで変化する。変化と純化を繰り返すことでそのジャンルは生き続けるし、その間で聴き手も変わったり増えたりします。



AVICII – Somewhere In Stockholm (Lyric Video)

「Somewhere In Stockholm」からは、街角の風景を切り取ったような雰囲気が漂います。ストックホルムを訪れたことはおろか、写真ですらはっきり見たこともなく、北欧における主要都市、というくらいのイメージしかありません。

音で綴るエッセイ、という感じでしょうか。時に物憂げに、時に包み込むように響くストリングス。静かに鳴る鼓動のようなベース。マーチ系のリズムを刻むスネア。あふれるように言葉を連ねるボーカル。シンセサイザーの音は雲の隙間から差し込む太陽の光を思わせます。ストックホルムを歩いて、建物を見上げ、人々とすれ違い、季節を感じる。ストックホルムとはどのようなところなのでしょう。どのような人々がいて、どのような音がするのでしょうか。



AVICII – Trouble (Lyric Video)

アコースティック・ギターのカッティングを中心に据え、カントリー調に盛り上げます。「Trouble」という曲は、2013年にリリースされてAVICIIの代表曲のひとつとなった「Wake Me Up」** を彷彿とさせますが、より軽快に、より祝祭的に響いて気持ちを高めてくれます。

アコースティック・ギターの音とエレクトロニック・サウンドのブレンドは、オーソドックスな手法のようでいて、バリエーションが無数と言っていいほどにあります。ギタリストのセンスや技術、リズムのパターンやシンセサイザーのフレーズが新たな曲を生み出し、ギターが好きな人とエレクトロが好きな人が出会う交差点となります。互いにないものを感じるためでしょうか、異なる方向からの音が交錯して、オリジナルな魅力が生まれます。

** inthecube: AVICII – Wake Me Up (Music Video)



AVICII – Gonna Love Ya (Lyric Video)

アルバム『Stories』の最後を飾るのは「Gonna Love Ya」という曲です。聴き手の肌から体内にそして細胞に、じわじわと浸みていく音。そんな音に乗せ、「Sunset Jesus」にも参加したSandro Cavazzaが、この曲でも歌を吹き込んでいます。

Sandroのボーカルは「Sunset Jesus」とは異なって抑制された雰囲気を醸し、シンプルな音が強調されます。サウンドの骨格が見え、ひとつひとつをじっくり観察したくなります。シンプルとは言え、音を厳選して並べている、という印象を受けます。ゆっくりと終盤の数ページを繰る感じですね。やがて最後のページをめくって14の物語を読み終え、そして静かに本を閉じる。物語は終わります。それでも物語は記憶に残ります。そして音の記憶も残ります。

2015.10.20
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by mura-bito | 2015-10-20 21:20 | Music | Comments(0)
[PART3] AVICII – Stories
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[PART2] AVICII – Stories



AVICII – Broken Arrows (Lyric Video)

最初はシンプルな音の中で歌が曲を引っ張り、それと入れ替わるようにシンセサイザーのリフが飛び出します。身体の中で反響するダンサブルなフレーズ。「Broken Arrows」の魅力をひとつに絞るとすれば間奏のシンセサイザーのリフですね。もちろんひとつに絞る必要はないので、ボーカルが生み出すタフな雰囲気も加えましょう。ボーカル、シンセサイザー、ボーカル、シンセサイザーの順にバトンが渡され、最後に両者はミックスされます。

シンセサイザーで奏でるフレーズがボーカルやギターに匹敵する存在感を放つようになったのは、ここ5年ですよね。ソフト・シンセの音がエレクトロの世界を席捲し、それはポップスやロックにも浸透しています。濃厚な音、クリアな音、ダウナーな音、ノイジーな音。いろいろありますが、シンセサイザーの音が曲のメインになることで、EDMという新たなジャンルが勃興しただけでなく、他のジャンルにまで影響を与えたという点で、音楽の世界は広がったと思います。



AVICII – True Believer (Lyric Video)

ハウス・ミュージックの中毒性をみなぎらせた「True Believer」。ループするシンセサイザーの音は危険な薬物のように身体の隅々を支配します。この曲にはColdplayのChris Martinが参加しており、ボーカルとピアノを担当しています。高音のボーカルがAVICIIのエレクトロニック・サウンドにぴたりとはまり、相性の良いコラボレーションであることを示しています。

Chris Martinの声は1970年代的なファンクを感じさせますね。何故だろうと思って記憶をたどってみると、Earth, Wind & Fireの「September」が思い浮かびました。とりわけアウトロでChris Martinが弾くピアノのメロディが「September」を感じさせるんですよね。鍵盤から舞い上がる記憶の断片。音楽を聴けば聴くほど、多くのパーツを手に入れ、それらは思いもよらぬリンクによって結びつきます。



AVICII – City Lights (Lyric Video)

「City Lights」で聴ける音の展開がとても恰好良いし、気持ちよくなります。蓄積して、放出する。音が放出される瞬間に聴き手をエキサイトさせる爆発力は『Stories』の中でも随一でしょう。強烈なシンセサイザーのリフで盛り上げるのはEDMの特徴であり、世に浸透する要因となりました。そのエッセンスが「City Lights」にも詰まっています。

ボーカルは男女の声が交錯しますが、その一翼を担うのがNoonie Baoです。AVICIIとNicky Romeroの共作「I Could Be the One」でもボーカルを務めたシンガーです。彼女の歌声には、いたずらっぽい笑みのような雰囲気がありますね。天真爛漫の破顔とも違うし、落ち着いた微笑というわけでもない。愉快なことを思いついたときの、わくわく、うずうずしている顔。



AVICII – Pure Grinding (Music Video)

埃っぽい空気の中で皮肉っぽく唇を歪める誰か。「Pure Grinding」を聴いていると、一筋縄ではいかないタフな人間の姿が思い浮かびます。イメージに合いそうな人物を具体的に挙げるとすれば、レイモンド・チャンドラーが書くフィリップ・マーロウのような一匹狼ですかね。あるいは村上春樹の『1Q84』に出てくる青豆か。

おどけて人を食ったような声のラップと、しゃがれた声が吐き出すシャウトが印象に残ります。シンセサイザーはNord Leadのように軽くて粘り気のある音を鳴らし、妙にポップな音がコミカルに響きます。声は途中でソフトウェアで加工されたり、やけに泥臭い雰囲気をダイレクトに出したりと、クールとは対極に位置するアレンジで聴き手を翻弄します。それがある意味では新鮮な響きをもたらします。「農場ヒップホップ」とも言うべきか、奇妙な造形をした曲です。

[PART4] AVICII – Stories

2015.10.16
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by mura-bito | 2015-10-16 21:23 | Music | Comments(0)
[PART2] AVICII – Stories
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[PART1] AVICII – Stories



AVICII – Waiting For Love (Music Video)

アルバム『Stories』の1曲目に配置されたのは、先行シングルとしてリリースされた「Waiting For Love」* です。リリック・ビデオやミュージック・ビデオに加え、視聴者の操作によって360度の映像が見られるビデオも制作されました。また、2種類のリミックス・シングルがリリースされており、エレクトロに寄ったものからアコースティック・サウンドで構築しなおしたものまで、多彩な音を聴くことができます。

アルバムを購入してからオリジナル・ミックスを改めて聴くと、ピアノの音に代表されるサウンドのストレートさが印象に残ります。リズミカルに跳ねるシンセサイザーの音が心地好く響き、歌の部分はシンガロングしたくなるポップさを備えています。曜日を歌詞に盛り込み、カウントダウンのように1日1日を過ごす楽しさや辛さを表現します。

* inthecube: AVICII – Waiting For Love



AVICII – Talk To Myself (Lyric Video)

「Talk To Myself」は軽快に駆ける音、歯切れよく刻まれる音がテンポよく連なります。シンプルな音で始まり、ギアを一段階ずつ上げていくように、音の密度が上がっていきます。シンセサイザーで刻むファンクのノリ。エレクトロの角度からファンクを解釈したという感じですね。

ボーカルが歌った歌メロを、直後にシンセサイザーのクリアでパーカッシヴな音がなぞります。ボーカルをとるSterling Foxは前作『True』** に収録された「Shame On Me」に参加し、素晴らしい歌を披露しています。歌で曲を加速させる役割を担うようなノリのいい曲はお手の物、といったところでしょうか。

** inthecube: AVICII – TRUE



AVICII – Touch Me (Lyric Video)

ダンス・ミュージックに適したテンポというものがあると僕は思います。もう少し具体的に言うと、身体を揺らすのに適したテンポです。それを超えるとロックのように弾け方が楽しいし、もっとゆっくりであれば動かず聴いた方がいい。「Touch Me」のテンポは、踊るために設定されていますよね。

シャープに繰り返される♪Touch me♪のフレーズに心をつかまれ、シンセサイザーやピアノのフレーズに身体を支配される。厚みのあるピアノの音に乗せ、ファンキーなボーカルが光ります。太くてノイジーなベースが唸り、スペーシーなシンセサイザーが駆け巡る。アシッド・ジャズを思わせるウワモノに対し、ボトムは今のエレクトロですね。絶妙にブレンドされたサウンドを味わえます。



AVICII – Ten More Days (Lyric Video)

「Ten More Days」はアコースティック・ギターの存在が大きい曲です。アコースティック・ギターはこのアルバムを貫くサウンドの軸のひとつですが、「Ten More Days」ではその比重が大きい。ブルージーに響く音とポップな音との共演が、身体に浸み込んでくるサウンドを生み出しています。

自分の背後に伸びる影が足取りを重くしているイメージ。詩的な哀愁というよりは、もっと現実的な重みというか、足枷、しがらみ、後悔。そこまでメランコリーな雰囲気の音ではないものの、絡みつくダウナーな感情が静かな重みを感じさせます。何かを残して去る誰かの影が脳裏に浮かびます。



AVICII – For a Better Day (Music Video)

「For a Better Day」を特徴づけるのは、ピアノの太い音でしょう。ハンドクラップとともに響くピアノの音は実にソウルフルです。この言葉は歌を形容することが多いのですが、ソウルフルな演奏もありますよね。ジャズやプログレッシヴ・ロックのような、躍動感のある、どこか解き放たれたような自由な音を聞かせてくれます。

ミュージック・ビデオの内容はけっこうショッキングなものですね。このビデオを観ると「For a Better Day」という曲名も異なる響きを感じさせます。より良い日…というのは最低なところより、わずかでも良くなるようにという願いなのでしょうか。単調な普段の生活をより良くしようなんて考えがとても贅沢なものに思えてきますが、だからこそ尊いのか。

[PART3] AVICII – Stories

2015.10.12
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by mura-bito | 2015-10-12 08:42 | Music | Comments(0)
AVICII – Sunset Jesus (Lyric Video)


AVICII – Sunset Jesus (Lyric Video)

AVICIIの最新アルバム『Stories』* に収録された曲のうち、最も強い印象を残したのが「Sunset Jesus」です。リズミカルなスネアの音で始まり、その音に背中を押されるように軽快なボーカルが飛び出します。イントロからファースト・ヴァースにかけては、サウンドや歌にロックのテイスト、例えばRed Hot Chili Peppersのような雰囲気が漂いますね。曲が進むと、特徴的なシンセサイザーのリフに包まれます。異なるタイプの音が入れ替わりに現われ、次第に溶け合います。

◢ ◤

ボーカルをとるのはSandro Cavazzaという、スウェーデンはストックホルム出身のシンガー・ソングライターです。AVICIIと同郷ですね。Sandroの声はシーンに合わせて、ちょうどいい密度で音と混ざり合います。前に出たり、サウンドと並列にもなる。ボーカリストとして曲を引っ張る一方で、シンセサイザーのリフと一体化する「歌声の楽器化」にも対応しています。音と声のブレンド具合が曲の中で変わり、どこを切り取っても鮮度の高いパフォーマンスに接することができます。

◢ ◤

流れるように響くシンセサイザーのリフが音の記憶を呼び起こします。記憶の糸を手繰り寄せてたどり着いたのが、リミックス・アルバム『True: Avicii by Avicii』** です。このアルバムに収録された「Dear Boy」のテンポをやや落として使い、そこに「Sunset Jesus」のメロディを乗せています。ゆるりとしたテンポで進む曲の中に濃密な音が満ちていて、踊れ踊れもっと踊れと聴き手をアジテートします。音の乱舞に包まれて、最高の音楽体験を味わってみてください。

* inthecube: [PART1] AVICII – Stories
** inthecube: AVICII – True: Avicii by Avicii

2015.10.07
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by mura-bito | 2015-10-07 21:42 | Music | Comments(0)
[PART1] AVICII – Stories
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音楽愛好家のために用意された14の「物語」。スウェーデン出身のDJ/ProducerであるAVICIIのオリジナル・アルバム『Stories』がリリースされました。デビュー・アルバム『True』* の発表から2年のインターバルを挟んで届けられた新作には、それぞれにオリジナルな印象を残す曲が詰め込まれています。間口の広い親和性と、深く掘り下げたくなる音楽性が同居しています。キャッチーなフレーズを繰り返して盛り上げるところも、緩めのテンポで狙い澄まして音を置くところも好きです。music loverで良かったと思える瞬間が何度も、何度もあります。

◢ ◤

ソフト・シンセとアコースティック・ギターを中心にして構築されたサウンドは、エレクトロの楽しさや気持ちよさと、カントリーの軽快さや親しみやすさを兼ね備えています。曲によってはファンキーだし、あるいはブルージーでもある。じっくりと作り込まれたであろう音は、いくつかの色を少しずつ配合して生まれた色のように、深みを感じさせますね。サウンドの中でも、曲を支えるリズムの部分がとてもしっかりしていて、どのような曲調やテンポであっても腹持ちのよさを感じます。ベースとキックとハイハットの組み合わせが素晴らしいと、上に乗るシンセサイザーやギターの魅力は倍増しますね。

◢ ◤

収録曲のすべてが歌モノで構成されており、ボーカルとして参加しているシンガーはそれぞれ1曲または2曲を歌っています。前作でも多彩な顔ぶれを見せてくれましたが、『Stories』に参加しているシンガーたちも強烈な個性を持っていて、それぞれのアプローチで曲を彩ります。シンセサイザーのリフが全体を引っ張る曲であっても、ボーカルは引き立て役を演じつつも、サウンドと歌が一体化して盛り上がるところでは、その歌声が存分に存在感を放ちます。アルバムを聴いていて気持ちがよくなる要因のひとつには、サウンドが歌声の魅力を引き出していることが挙げられます。

◢ ◤

YouTubeにおけるAVICIIのオフィシャル・アカウントでは、すべてのアルバム収録曲のリリック・ビデオあるいはミュージック・ビデオが公開されています。第一印象で心に響く「物語」がひとつでもあれば、そこがアルバムの世界に足を踏み入れるエントランスです。ヨーロッパだけでなく、世界的に見てもAVICIIは押しも押されもせぬトップ・アーティストのひとりです。大規模なショーや豪華なコラボレーションを実現させる一方で、ひとつひとつの曲からはとてもシンプルでピュアなものを感じます。明るく楽しく聴いて、じっくり耳を傾けて聴いて、彼の音楽的感性に触れてみましょう。

* inthecube: AVICII – TRUE

[PART2] AVICII – Stories
[PART3] AVICII – Stories
[PART4] AVICII – Stories

2015.10.05
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by mura-bito | 2015-10-05 22:17 | Music | Comments(0)
AVICII – Waiting For Love (Remixes Pt. II)
AVICIIの「Waiting For Love」* のリミックス・シングル第2弾が公開されています。第1弾** はアコースティック的な解釈を含むバラエティ豊かなラインアップでしたが、今回はダンス・ミュージックの楽しさや気持ち良さを伝えるリミックスが並んでいます。

Waiting For Love (Remixes Pt. II)
Astma Rocwell Remix
Addal Remix
Fabich Remix

気の置けない仲間で盛り上がって騒ぎたくなる音の集まり。Astma Rocwell Remixが演出するパーティー感は、音楽の楽しさをシンプルに伝えるかのようです。ダンス・ミュージックはEDMだけではないのは当たり前ですが、シンセサイザーの音から生まれる表現は本当に多種多様ですね。ボーカルを活かしながら、きちんと曲の中でドラマをつくって、そして直感的に、ストレートに楽しいと思わせてくれるリミックスです。

◢ ◤

Addal Remixはストリングスとベースの音から始まります。ストリングスの音がじわりと心に沁み、さらにストリングスの裏で響くベースの音が心地好い。かと思えば、ぐいっとベースが前に出てきます。途中で再びストリングスが前に動き、裏でベースが鳴ります。そしてベースが前進して、力強く鳴るストリングスと並びます。ベーシストとヴァイオリニストが背中合わせで弾いている画を思い浮かべますね。

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さまざまなシンセサイザーの音を使って、表情をどんどん変えていくFabich Remix。音を重ねていったり、抜いて薄くしたり、音の層がグラデーションを描き、曲に起伏とドラマを与えています。中でもピアノ系の音がクールに弾けます。ピアノの音で生み出すリフは、それだけでもうエキサイトするんですよね。ユーロ・テクノかユーロ・トランスか、細かな区分けは難しいのですが、そのあたりの要素を感じます。

* inthecube: AVICII – Waiting For Love
** inthecube: AVICII – Waiting For Love (Remixes)

2015.08.23
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by mura-bito | 2015-08-23 16:39 | Music | Comments(0)
AVICII – Waiting For Love (Remixes)
Waiting For Love (Remixes)
Carnage & Headhunterz Remix/Sam Feldt Remix/Tundran Remix
Prinston & Astrid S Acoustic Version/Autograf Remix/Marshmello Remix

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AVICIIの「Waiting For Love」* は2015年5月にリリースされた新曲です。360度を映した映像で構成されたビデオに衝撃を受けました。次の企画はリミックスです。「Waiting For Love」のリミックスを集めたシングルがリリースされました。収録されたトラックは6つ。同じ素材を使っていてもこれだけ印象が変わることに驚けるのがリミックス企画のいいところですね。

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"Carnage & Headhunterz Remix" はソフト・シンセらしい音を強調して、原曲から大胆にEDMに振れています。"Sam Feldt Remix" ではピアノのリフや粘り気のあるキックが印象に残ります。"Tundran Remix" を聴いて真っ先に思い浮かべたのはJamiroquaiです。いわゆるアシッド・ジャズですね。"Autograf Remix" は、フュージョンのようなスウィング感が心地好い。"Marshmello Remix" はドラムンベースとトランスの間を行き来するアレンジです。

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さらに、"Prinston & Astrid S Acoustic Version"はエレクトロから離れており、パーカッションやアコースティック・ギターなどをきかせたバンド・サウンドを聴くことができます。原曲は男性だったボーカルは、女性の声で吹き込まれており、意表を突かれると同時に、とても素敵な歌声だと思いました。あたたかみのある、心地好い歌声です。

* inthecube: AVICII – Waiting For Love

2015.07.14
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by mura-bito | 2015-07-14 22:12 | Music | Comments(0)
AVICII – The Nights -Avicii By Avicii-
AVICIIが自身の曲をリミックスする企画は「Avicii By Avicii」と呼ばれています。2014年3月には、デビュー・アルバムをリミックスした『True: Avicii by Avicii』* をリリースしました。2015年に入り、Avicii By Aviciiの一環として、「The Nights」** をリミックスしたものが配信されています。オリジナル・ミックスはYouTubeやApple Musicで聴けます。まずはシンセサイザーのリフの気持ちよさをオリジナルで味わってみましょう。リミックスでは印象がかなり異なっているので、どちらも聴けば違いを楽しむことができます。

◢ ◤

『True: Avicii by Avicii』を聴いたとき、オリジナルと比べて、Avicii By Aviciiではダンス・ミュージックに寄る傾向にある、と思いました。2013年のアルバム『True』はハウス・ミュージックとポップスをブレンドしており、カントリー・ミュージックのような、あるいはブルージーに響くアコースティック・ギターが随所に顔を出します。『True: Avicii by Avicii』はポップスの要素を減らして、EDMシーンで好まれる音を前に出している、という感じでしょうか。

◢ ◤

さて、「The Nights -Avicii By Avicii-」で印象に残るのはDUBSTEPさながらのワブル・ベースです。オリジナルではシンセサイザーのクリアな音でぐいぐいと引っ張っていた箇所が、重くてノイジーなワブル・ベースの音で埋め尽くされます。「The Nights」のオリジナルが開放的な野外ステージに似合う曲だとしましょう。そうすると、Avicii By Aviciiのバージョンは、音が凝縮されて濃密になるクラブのフロアを沸かせるのに向いている、と言えそうです。

* inthecube: AVICII – True: Avicii by Avicii
** inthecube: AVICII – The Nights (Lyric Video)

2015.07.07
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by mura-bito | 2015-07-07 21:31 | Music | Comments(0)

fujiokashinya (mura-bito)
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