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音楽と物語に関する文章を書いています。
ワイルドじゃなくてもいいからタフになりたい
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[PART2] Eir Aoi 5th Anniversary Special Live 2016 "Last Blue" at NIPPON BUDOKAN
Eir Aoi 5th Anniversary Special Live 2016 "Last Blue"
2016.11.04/05 at NIPPON BUDOKAN

シリウス/AURORA/コバルト・スカイ/アヴァロン・ブルー/GENESIS/アカツキ
クロイウタ/KASUMI/Lament/MEMORIA/HaNaZaKaRi/アクセンティア
レイニーデイ/シューゲイザー/シンシアの光/ラピスラズリ/IGNITE/Bright Future
サンビカ/翼/INNOCENCE/frozen eyez/ツナガルオモイ/虹の音

藍井エイルのライブ「Eir Aoi 5th Anniversary Special Live 2016 "Last Blue"」は、ベスト盤『BEST -E-』と『BEST -A-』に収録された新曲を初めて、そして最後に聴けた場でもあります。『BEST -E-』に収録されている新曲は「アカツキ」です。この曲を聴いていると、背反する感情が浮かんできます。美しいメロディは、心に火を点けるような、熱く燃える気持ちを生む一方で、糸がぷつんと切れたような、諦観にも似た切なさを残していきます。熱くなったり、ふと哀しくなったり、その落差に翻弄されます。ライブでは、分厚いバンド・サウンドの中でもメロディの美しさが屹立することに感動し、一片たりともメロディを逃すまいと思いながら観ていました。

もうひとつの新曲「レイニーデイ」は『BEST -A-』に収録されています。メロディもサウンドも明るくて、軽快に歩くイメージが浮かぶポップさが特徴です。ポップな雰囲気を支えている要素のひとつは、ハンドクラップを思わせるシンバルでしょう。サビを始めとしてイントロや間奏の随所で響きます。最初に曲を聴いたときに「ライブで手を叩いたら楽しいだろうな」と思っていたのですが、実際に楽しかった。彼女はマイクスタンドを前に歌い、両手を叩き、そして観客もハンドクラップで曲に参加しました。弾ける雨粒のようにハンドクラップが響き渡ります。

***

アンコールでは時間を一気に巻き戻して、デビュー前から歌っていたという曲「frozen eyez」を歌います。そして、アルバム『D’AZUR』から「ツナガルオモイ」を披露します。作詞には彼女の名前がクレジットされており、曲名を含め、ひとつひとつの言葉に思い入れがあるのだろうと思います。コール・アンド・レスポンスもまた、言葉と言葉の交換です。その直後、歌に涙を滲ませながらも、最後まで歌い切ります。

ライブは最後の曲を迎えます。青から始まった世界は、次第に他の色で彩られ、カラフルになっていきます。藍井エイルは真っ白なワンピースで「虹の音」を歌います。ステージと会場を照らす光は七色に輝きます。曲が終わると、彼女は踵を返し、ステージの奥から放たれる光へと向かいます。白い衣装をまとうことは「藍井エイル」から色を消して白に戻る、ということを意味していたのでしょうか。白い影は光の中に浮かび、やがて消えて見えなくなりました。
2016.11.23
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# by mura-bito | 2016-11-23 18:04 | Music | Comments(0)
[PART1] Eir Aoi 5th Anniversary Special Live 2016 "Last Blue" at NIPPON BUDOKAN
Eir Aoi 5th Anniversary Special Live 2016 "Last Blue"
2016.11.04/05 at NIPPON BUDOKAN

シリウス/AURORA/コバルト・スカイ/アヴァロン・ブルー/GENESIS/アカツキ
クロイウタ/KASUMI/Lament/MEMORIA/HaNaZaKaRi/アクセンティア
レイニーデイ/シューゲイザー/シンシアの光/ラピスラズリ/IGNITE/Bright Future
サンビカ/翼/INNOCENCE/frozen eyez/ツナガルオモイ/虹の音
ステージに満ちていたのは音、光、そして歌。藍井エイルのデビュー5周年を記念するライブ「Eir Aoi 5th Anniversary Special Live 2016 "Last Blue"」が日本武道館で開催されました。タイトルに含まれた「Last Blue」という言葉がピリオドの役割を果たします。この最後のライブで、彼女はシンプルに音楽を届けることに専念しました。MCも最小限に留め、言葉にならない言葉は歌に込めます。僕は初日だけの参加でしたが、熱い熱いステージをこの目で観て、歌声を身体で感じられたことを嬉しく思います。

ライブは、明るく輝く星のようにポップな「シリウス」から始まり、彼女の軌跡を丁寧にたどっていきます。5年間で駆け抜け、通り過ぎたいくつもの点が結ばれ、一本の線になります。3枚のオリジナル・アルバム、数々のシングルから選ばれた曲がセット・リストに加えられました。彼女の代名詞とも言える「IGNITE」、デビュー曲の「MEMORIA」、シングルとしては最後のリリースとなった「翼」などが披露されます。

***

僕は2015年のアルバム『D’AZUR』が好きで、その前後のシングルとともに聴くことが多いのですが、このライブで改めて聴いて魅了された曲がいくつもあります。特に印象的だったのは「KASUMI」という、2枚目のアルバム『AUBE』に収録されている曲です。とてもリズミカルで、言葉がメロディを連れて奔放に舞います。ラップにも似た歌い方で、言葉の密度が変化するところがとても良いですね。言葉がぎゅっと詰め込まれたり、隙間が広がったり、曲の表情が転々と変わっていきます。音の変化というより言葉が生み出す雰囲気の変化が心地好い曲です。

圧巻のパフォーマンスに魅せられたのは「シューゲイザー」です。イントロで飛び出すギターは、それまで会場に広がっていた世界を一変させるインパクトを与えます。歌声は危ういほどにアグレッシブで、それでいて二の句が継げないほど美しい。ロック・ギタリストが書き、ジャズ・ピアニストが編曲した曲を、ロック・ボーカリストが歌う。それぞれにオリジナルな音楽的センスが重層的に組み合わさり、「シューゲイザー」という曲が生まれました。その魅力は、ライブという空間に解き放たれることで、何倍にも膨れ上がります。妖しく艶やかな光がステージを照らす中で、美しいメロディが響き渡ります。
2016.11.20

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# by mura-bito | 2016-11-20 21:50 | Music | Comments(0)
30th FINAL 20: BE TOGETHER
TM NETWORK 30th FINAL

TM NETWORK 30th FINAL

TM NETWORK


バンナさんの刻むギターの音が、会場を駆け巡ります。静かに、テクニカルに、しかしその後のバーストを予感させるような演奏です。その後ろをベースの音が漂います。このベースの音は、それだけで曲が分かるメロディを描きます。ベースだけで曲が分かるべきだ、というのは小室さんの主張ですが、まさにそれを体現するベースです。ギターとベース、そして小室さんのシンセサイザーが重なり、機は熟します。

***

ウツの言葉を合図にしてバンドの音が飛び出し、同時に無数の金と銀のテープが宙を舞います。TM NETWORKの初期のコンセプト「金色の夢」を示すかのように、テープは照明を反射してキラキラと光ります。曲は、吹き抜ける風のようにぐんぐんスピードアップする演奏が印象的な「BE TOGETHER」です。木根さんはギターではなくベースを弾きます。木根さんのベース演奏は1999年の「Log-on to 21st Century」で弾いた「CAROL」、2008年の「PLAY SPEEDWAY and TK HITS!!」で弾いた「MALIBU」以来、3回目でしょうか。

他の数々の曲と同様に「BE TOGETHER」もまた、コンサートで頻繁に演奏されてきた曲です。1987年のオリジナル・アルバム『humansystem』に収録された、アルバム用の曲でありながら、コンサートを支える曲のひとつとして重宝されてきました。2014年には音もボーカルも新たに録りなおして、ビート・ロックとEDMがブレンドされたバージョンが『DRESS2』に収録されました。そして「TM NETWORK 30th FINAL」では、オリジナルに近いアレンジで披露されます。

***

これまで演奏された「BE TOGETHER」の中で印象に残っているのは、2013年のコンサート「TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-」ですね。手術を受けたウツが初めて立つステージで、観客はコンサートへの期待を抱くと同時に、それと同じまたは上回るくらい心配を抱えていました。コンサートは物語をもとにした進行だったため、MCらしいMCが入らなかったのですが、その中でも、「BE TOGETHER」が始まるとき、ひと言「ただいまです!」と言ったウツの笑顔は忘れません。

ウツは痛み止めの注射を打ち、それでも消えない痛みに耐えながら進行したステージでした。そうした状態で迎えたコンサートの初日、幕が下りた瞬間に、TM NETWORKの3人だけになる時間がありました。そこで交わされたのは「3人だけの握手」です。後にも先にもないこの唯一の出来事は、後に出版された木根さんのエッセイに書かれていたエピソードです。「TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-」を思い出すときに、この「3人だけの握手」が必ずと言っていいほど脳裏をよぎります。

***

スクリーンには、これまでのTM NETWORKを捉えたシーンがいくつも映し出しされます。TM NETWORKが残したいくつもの曲、いくつものミュージック・ビデオは、潜伏者として地球に降り立ったTM NETWORKの「報告書」でもあります。人と人をつなぐ「BE TOGETHER」が終わると、2012年から始まった一連の活動のテーマ・ソングとも言うべき曲にバトンが移ります。

INTRO
JUST LIKE PARADISE 2015/RHYTHM RED BEAT BLACK/CHILDREN OF THE NEW CENTURY 2015
HERE, THERE & EVERYWHERE/SCREEN OF LIFE/Birth
CAROL 2015 I
A DAY IN THE GIRL'S LIFE/CAROL (CAROL'S THEME I)/GIA CORM FILLIPPO DIA
CAROL 2015 II/IN THE FOREST/CAROL (CAROL'S THEME II)/JUST ONE VICTORY
INTERMISSION
月はピアノに誘われて/あの夏を忘れない/TETSUYA KOMURO SOLO -30th FINAL-/GET WILD 2015
WE LOVE THE EARTH/BE TOGETHER/I am/FOOL ON THE PLANET/ELECTRIC PROPHET
OUTRO

2016.11.16
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# by mura-bito | 2016-11-16 20:44 | Music | Comments(0)
イシコ – YONAKA 1

YONAKA 1

イシコ


マッグガーデン・オンラインで『YONAKA』という漫画が連載されています。Webでは第1話と最新話が読めます。単行本の第1巻が8月に発売されました。高校生の兄「ユキ」と幼い妹「さちこ」が暮らすアパートの上階に、「ヨナカ」という謎の人物が越してくるところから物語は始まります。少しずつ登場人物が増え、奇妙な近所付き合いが繰り広げられます。分類するならシュールなギャグ漫画、ということになるでしょうか。裏に張り巡らされたシリアスの糸が時々見え隠れしつつも、コミカルな雰囲気で楽しませてくれます。

マッグガーデン・オンライン – YONAKA

「普通の生活」と「普通じゃない生活」が隣り合わせになっていて、最初は意識的に「普通の生活」に溶け込むようにしていた「ヨナカ」が、あれよあれよと兄弟のペースに巻き込まれ、いつの間にか「普通の生活」を送っている。読者もいつの間にか不自然さを感じなくなる。それでも新しい人物が組織から派遣されるたびに、「普通じゃない生活」のことを読者は思い出します。そしてまたいつの間にか「普通の生活」になっていく。

偽りの…というほどではないにせよ、決して安定的なものではない隣人関係。最近の展開では、終わりを示唆するような表現が目につきます。もともと交わるはずのない線が何かの拍子に交わってしまったような、そしてそれは二度と交わらない関係。終わるべくして終わる関係。登場人物が増えて日常のエピソードにも幅が増えると、終わることが寂しく思えます。コミカルな雰囲気が心地好いほどに、その後に来るシリアスな展開はじわりと切ない。

2016.11.14
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# by mura-bito | 2016-11-14 21:23 | Music | Comments(0)
[PART2] Gacharic Spin – 確実変動 -KAKUHEN-
確実変動 -KAKUHEN-

確実変動 -KAKUHEN-

Gacharic Spin


Gacharic Spinの『確実変動 -KAKUHEN-』はジェット・コースターのように駆け抜けていくアルバムです。一曲一曲に勢いがありつつ、それぞれが屹立して魅力を放ちます。ジャンルで括れば「ロック」ですが、そのひと言で語るにはあまりにも個性的な、そして多面的な曲ばかりが詰まった作品です。

最後のピース」は、ギターに乗せて歌がゆっくりと始まり、やがてリズムやピアノも加わりますが、どこか霧がかかったように薄くて、放心しているような響きを感じます。しかし、あるポイントを過ぎると一気にバンド・サウンドが弾けます。別れを綴った歌詞が、力強いビートに乗って羽ばたきます。たったひとつが欠けているだけで生まれた大きな喪失感。ぽっかりと穴が開いた心を、ひとつだけ埋まらないジグソーパズルに重ねます。

バラード調で切々と歌う「白がこの街と僕を染める」では、技巧的なギターのフレーズが雰囲気をつくり、それをベースが支え、イメージを膨らませる手伝いをしてくれます。タイトルや歌詞が台本だとすれば、表現力に満ちた演奏はカメラのようなものであり、物語を立体的にしてくれますね。雪空の夜を歩くイメージが浮かびます。ホワイト・クリスマスのように人々が往来する楽しげな風景よりは、人通りの少ない街角で、しんしんと雪の降る様子をぼんやり眺める静かな場面。切なく歌うように響くベースがイマジネーションを刺激します。味わい深く、溶けるように、じわりと境界線を滲ませる音に釘付けになります。

リスキーリスキー」はKrewella(クルーウェラ:アメリカのEDMデュオ)を思わせる、ロックの要素を含むEDMトラックです。「エネルギーを蓄積して一気に放出する」というEDMらしい展開を見せます。バンドの演奏にソフト・シンセの音をトッピングするというよりは、EDM系の音の方が目立ち、バンドの音がアクセントとして響くアレンジです。Gacharic Spinが本格的にEDMをやろうとしているとは思いませんが、まい&ねんねのパフォーマンスは、EDMでのアジテーションと親和性が高いんじゃないかなとは思います。



Gacharic Spin – 確実変動 -KAKUHEN- (Trailer)

最後の曲「アルブスの少女」(これまたすごい曲名だ)が短距離走のように勢いよく終わると、トラック・ナンバーがひとつ、またひとつと積み重なっていきます。堆積する無音、無音、また無音。ジョン・ケージのような無音の世界が果てなく続きます。何かの不具合なのかと思って訝っていると、突如として鳴り響くスネアの音に驚きます。降り積もった静寂を「77番目の曲」が破ります。

音で描くGacharic Spinの世界。ドラムで始まった後は、ギターとベースとキーボードも加わり、鮮やかなインストゥルメンタルが演奏されます。テクニカルに、そしてメロディアスに舞うギター・ソロは、1970年代的ロックを彷彿とさせます。シンセサイザーの音もどこかアナログ感が漂います。ミュージシャンたちが繰り広げるジャム・セッションは、アンサンブルを織り上げたり、個々の音を屹立させたりしながら、流れるように形を変えていきます。

Track 13から76までを無音にして、Track 77にインストゥルメンタルを収録しています。結成7周年ということでアルバムのジャケットやロゴも「7」をモチーフにしていますが、さらに重ねて、アルバムを締める曲を「77」番目に持ってくるというオチ。ボーナス・トラックのような扱いなのでしょうが、タイトルを付けて本編に組み込んでもらいたいと思うほど、素晴らしい演奏です。とても格好良くて、クールなエンディングを見せてくれます。こうした仕掛け(そしてそれは実に音楽的)もまた、アルバムを貫く「ガチャガチャ感」のひとつですね。
2016.11.09

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# by mura-bito | 2016-11-09 21:38 | Music | Comments(0)
[PART1] Gacharic Spin – 確実変動 -KAKUHEN-
確実変動 -KAKUHEN-

確実変動 -KAKUHEN-

Gacharic Spin


腰の据わったリズムに、扇情的なギターとシンセサイザーが加わるのがGacharic Spinのサウンドです。そのスタイルは2016年9月にリリースされた最新アルバム『確実変動 -KAKUHEN-』でも健在です。前作『MUSIC BATTLER』の発表から約1年が経ち、新たなアプローチを加えて厚みを増した音楽を届けます。収録された曲のうち、「シャキシャキして!!」はシングル・カットされ、「KAKUHEN」はミュージック・ビデオが公開されています。

アルバムでは音が多彩な表情を見せます。レンジの広い表現はときに心に突き刺さり、ときに心を優しく包みます。ハード・ロック系のギター・サウンドを軸にしつつ、リズムの跳ねる曲やEDM、切々と歌い上げるバラードなど、バンド名のごとく各所から「ガチャガチャ感」が漂います。中でも、アルバムの開幕を告げる「KAKUHEN」はアルバムのガチャガチャ感を体現した曲ですね。YouTubeでは、全曲の音源をつなげたトレーラー動画が公開されており、ジャケット撮影の様子やミュージック・ビデオ、ボーナス映像が断片的に使われています。

ジャケットに使われた赤と金色が目を引きます。衣装や背景には燃えるような赤が用いられており、メンバーは金色に光る「7」の文字を背後に従えて写ります。この数字はバンド結成7周年にちなんでいます。ジャケットを覆い尽くす鮮やかな赤が見る人の目を引き、テーマ・カラーとして存在感を示します。「KAKUHEN」のビデオでも同じ衣装を着ており、背景も同様に赤く染まっています。



Gacharic Spin – 確実変動 -KAKUHEN- (Trailer)

アルバムのトレーラーを聴いたときに第一印象で「これはすごいと」思い、強い力で引き寄せられた曲があります。それが「シナリオ」です。これまでのシングルやアルバムで発表された「TAMASHII」や「Identity」といった曲の雰囲気にも通じる、熱い演奏にメロディアスな歌を乗せた曲です。このスタイルがGacharic Spinらしさと言えるかは分かりませんが、この手の曲を聴くたびに心が震えて、その世界の虜になります。抗えない。

「シナリオ」のサビのメロディは、Gacharic Spinの曲に限らず、これまで聴いた曲の中でも一、二を争うであろう美しさを感じます。一気に急上昇するメロディはとても鮮やかで、手を伸ばしてつかみたくなる。何度も何度も聴きたくなる。はな(ドラムス&ボーカル)が歌うメロディを、FチョッパーKOGAのベースの音が押し上げます。飛行機に乗って大地から離れるときのような、ぐんと身体が持ち上げられる感覚、でしょうか。何か別のことをしていても、この部分が来ると、必ず意識が向きます。意識は鮮やかなメロディと豊潤なベースに支配されている。

ベースの音は『確実変動 -KAKUHEN-』を構成する重要な要素です。いくつもの曲を鮮やかに彩っていて、曲によっては切なさや優しさを生み出します。心に響く演奏を聴かせてくれるのは「シナリオ」だけではなく、アップテンポの「Friendship」やバラードの「白がこの街と僕を染める」なども含まれます。テンポが速くても遅くても、それぞれに叙情的な雰囲気を醸します。綺麗なメロディや歌声に呼応するかのように、ベースもまた美しい音を奏でているのです。
2016.11.07

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# by mura-bito | 2016-11-07 21:49 | Music | Comments(0)
30th FINAL 19: WE LOVE THE EARTH
TM NETWORK 30th FINAL

TM NETWORK 30th FINAL

TM NETWORK


無機質なループを続ける電子音が響く中、スクリーンは潜伏者の姿を映し出します。夜の闇の中で、転がるバトンを拾う潜伏者。潜伏者がどこかに向かって歩き始め、やがて姿を消すと、今度は地球上の各所や人々が暮らす姿が、いくつも切り出され、スクリーンを埋め尽くします。そして煌びやかなシンセサイザーの音が鳴り響き、一面が青い光に包まれ、蒼く染まります。「WE LOVE THE EARTH」と題した曲が始まります。

この曲の特徴のひとつは、木根さんを中心にして、葛Gも加わって歌われるコーラスです。イントロや間奏、そしてアウトロでも登場し、観客も一緒になって同じメロディを歌います。「GET WILD」とはまた異なる点で一体感を強く抱くことができるのが、この魅力的なコーラスのメロディですね。

「TM NETWORK 30th FINAL」の特徴は、1991年のオリジナル・アルバム『EXPO』の曲が選ばれていることです。「WE LOVE THE EARTH」はシングルとしてもリリースされましたが、このアルバムにもリミックスが収録されています。シングルではポップスの色が強く、アルバムではハウス・ミュージックの色が強調されています。アルバムを掲げた当時の全国ツアーではこのリミックスをもとにして演奏されましたが、以降はオリジナルに沿ったアレンジで披露されています。

***

「WE LOVE THE EARTH」というタイトルは、地球に住む人々の思いが投影されているのと同時に、遠くからやってきた潜伏者が客観的に地球を眺める姿を彷彿とさせます。地球の調査という任務を与えられた潜伏者たちは、地球を愛する人々の思いを記録するとともに、そこに自らの思いも重ねているのかもしれません。地球で人々に紛れて生活をともにする中で、同じ思いを抱くようになったのか。

「潜伏期間(Incubation Period)」が終わったら地球を去る潜伏者は、本来であれば、記憶も心もなく、ただ記録するだけの存在でした。地球に潜伏するための機能として記憶や感情が発動することはあっても、個体として備わったものではなかった。しかし、地球に生きる人々には不思議な磁力のようなものがあり、それは時として生命の奪い合いにもなるけれど、生命を守り合う「心」を潜伏者に付与したのかもしれません。いつしか潜伏者たちに "We love the earth." と感じる心が芽生えていた。地球の重力から離れると、すべて消えてしまうのかもしれないけれど。

柔らかいメロディが、親密な関係を語る歌詞を届けます。ささやかな逢瀬が鮮やかな言葉で綴られた歌詞は、小室さんのペンによるものです。地球への「愛」と目の前の人への「愛」を歌います。ひとつの小さなラブ・ストーリーが、人間と比べてはるかに大きい地球と対比され、強調されて浮かび上がります。小さな存在は大きな存在に包み込まれ、二人の中で果てしなく世界は広がります。

***

地球の人々を観察する潜伏者は、その視点をミクロからマクロにシフトします。点と点が結びつき、そして、より多くの点が集まります。人間は集団をつくり、弊害も甘受しながら、生活を続けています。TM NETWORKはいくつかの時代にタイムマシンで飛び、人々の争いや別れなども調査対象にしてきました。人と人が結びつくことで生まれた悲劇の中から、それでもともに生きることの意味が浮かび上がります。

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OUTRO

2016.11.02
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# by mura-bito | 2016-11-02 22:11 | Music | Comments(0)

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