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音楽と物語に関する文章を書いています。
ワイルドじゃなくてもいいからタフになりたい
Want to become tough, not need to get wild.
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TETSUYA KOMURO – GET WILD 2017 TK REMIX
来る4月に、TM NETWORKの代表曲「GET WILD」のリミックスやライブ・バージョン、他のアーティストによるカバー曲などを集めたコンピレーション・アルバムがリリースされます。アルバムのリリースに先駆けて、小室さん自身が新たに制作した「GET WILD 2017 TK REMIX」の配信が始まりました。新たなバージョンが制作されたのは、2015年3月の「GET WILD 2015 -HUGE DATA-」以来ですね。このときは2013年から始まった「GET WILD」の改造の集大成でしたが、それに匹敵する変化を「GET WILD 2017 TK REMIX」に感じます。

第一印象で大きな衝撃を受けたのは、キックとハイハットが強調された四つ打ちのリズムです。これでもかというくらいに強烈に鳴るキックは速さとタフさを兼ね備えて、土台としてしっかり支えつつさらに曲をぐいぐいと引っ張ります。そしてそこにシンセサイザーの音が多彩に重なるのですが、特にJD-800プリセットNo. 53(1990年代に多用された、小室さんの代名詞とも言える音)を思わせる、硬質で鋭角的なピアノ音が存在感を放ちます。
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曲の雰囲気は「イントロから1番のサビ前」と「1番のサビ以降」で変わります。新しく加わったイントロはトランスに傾倒していた時代の雰囲気があり、♪It's your pain or...♪ と歌うBメロはイントロで使われている音を含みながら、大胆な解体と再構築が施されて重厚感が漂います。サビ以降はEDM的に、祝祭的に盛り上がり、勢いよく2番に入りアクセルをぐっと踏み込んで駆け抜けてます。そして再びイントロから聴きたくなる、実にトキシックなサウンドです。

サビはお馴染みの ♪Get wild and tough♪ なので盛り上がることは必至なのですが、2017版はそれだけに留まりません。ボーカルとコーラスの裏でEDM的なキラー・フレーズを奏でるシンセサイザーが鳴っており、このバック・トラックはほとんど別の曲です。歌をミュートしたINSTRUMENTALを聴くと、サウンドの改造具合がよく分かります。もちろんオリジナルを感じさせる要素も微かにありますが、それ以上に新たな音のインパクトが強い。エキサイト必至のエレクトロを聴かせてくれます。

2017.03.08
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# by mura-bito | 2017-03-08 22:10 | Music | Comments(0)
ONE III NOTES – Our Place
Shadow and Truth

Shadow and Truth

ONE III NOTES


ONE III NOTESの「Our Place」は、シングル「Shadow and Truth」に収録されている曲です。ホーンやストリングスを従えて華やかな演奏を聴かせる表題曲と異なり、オルガンやベースの抑制的な、それでいて味わい深い音が印象に残ります。音の雰囲気から「夜に立ち込める霧」のイメージが浮かびました。メロウな音に重なる歌とラップは、霧に包まれた中で進むべき方向を教えてくれるかのようです。

味わい深く響くベースと、パーカッションを引き連れるドラム。心地好いテンポで刻むリズムの上をオルガンやピアノの音が流れていきます。エレクトリック・ピアノらしき音も垣間見えます。フュージョンあるいはクラブ・ジャズの雰囲気を感じますね。CDに収録されているインストゥルメンタルを聴くと、音符が踊っている様子がよく分かります。

「Shadow and Truth」と「Our Place」は対を成すように、あるいは互いを補完するように雰囲気が分かれます。後者は前者の「影」のように、静かに存在します。アニメ『ACCA13区監察課』で使われているのは表題曲だけですが、「Our Place」が挿入歌として流れたらピタリとはまるかもしれません。音だけでイメージすると、似合いそうなのは首都であるバードン区でしょうか。地下鉄が張り巡らされ高層ビルが立ち並ぶ大都市。夜の片隅で囁かれる一対の言葉、それを静かに包む音。

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2017.03.04

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# by mura-bito | 2017-03-04 21:28 | Music | Comments(0)
Zedd & Alessia Cara – Stay
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Zeddの新曲「Stay」がリリースされました。共演するAlessia Caraが素晴らしい歌声を聴かせてくれます。Ariana Grande、Aloe Blacc、Hailee Steinfeldなど、さまざまなアーティストとのコラボレーションを続けるZeddですが、それぞれに独自の化学反応が起きる曲を生み出します。もはやEDMという枠を飛び越えて、ポップ・ミュージックのシーンに根差していますよね。日本でも、アルバム『True Colors』に収録された「Beautiful Now」という曲が車のコマーシャル・ソングに使われました。

All you have to do is STAY.

芯のあるリズムと、テーマ・メロディを奏でるシンセサイザーが織り成す「Stay」のサウンドは、シンプルでありながら厚みがあって、身体に脳にダイレクトに響きます。さらに、Alessiaの歌が重なると曲は優しく、それでいて艶っぽく輝きます。メロディの美しさと声の美しさが調和して柔和な光を放ちます。彼女の歌声は優しさと甘さ、哀愁と切なさをまといます。聴いていると心が震えます。わけもなく。



Zedd & Alessia Cara – Stay (Lyric Video)

「Stay」がリリースされる直前、リリック・ビデオが公開されました。僕はそれを再生するなり第一印象で「これは好きだ」と思いました。それは確信と言ってもいいかもしれません。ぱちんとスイッチをオンにした瞬間に部屋のライトが点灯するように、音が流れると同時に「聴く」と「好き」の回路がつながりました。初めてAlessiaの歌を聴きましたが、何の留保もなく好きと言える歌声です。

このところ新しい歌声を知る機会に恵まれています。意図せずしてアンテナの感度が上がっているのでしょうか。あるいは雑食MUSIC LOVERの本領発揮と言うべきか。これからも次々と新しい世界への扉が開かれ、そしてもっとたくさんの素敵な歌声に出会えるのではないか。根拠はないけれども、そんな予感がします。

2017.02.28
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# by mura-bito | 2017-02-28 21:15 | Music | Comments(0)
ONE III NOTES – Shadow and Truth
Shadow and Truth

Shadow and Truth

ONE III NOTES


ドアを開けて夜の街に踏み出す――そんなイメージが似合うパーカッションの音から始まる「Shadow and Truth」。この曲はアニメ版の『ACCA13区監察課』のオープニング・テーマとして使われており、ジャズやロック、ポップスの要素をブレンドしています。スリリングな音を奏でるピアノ、曲の輪郭を描くリズム・セクションなどに、ホーンやストリングスを加えており、音の重なりが心地好い曲です。

「Shadow and Truth」を発表したのは「ONE III NOTES(ワン・サード・ノーツ)」という名前を冠した三人組。三人の役割はそれぞれサウンドメイクおよびソングライティング、ボーカル、ラップです。ボーカルとラップのバランスが絶妙だと思います。ボーカルを活かすラップ、という感じがしますね。前に出るところや後ろで支えるところがうまくはまっているので、ボーカルとラップのバトン・パスが曲のスピード感を高めています。音に乗せて、声に煽られて、鮮やかに踊れ。



アニメ ACCA13区監察課 PV Vol. 2

初めて耳にしたときから、その歌声に虜になりました。サビの1行目の ♪Let's go, come on, come on, on a journey♪ が印象的だったのですが、特に頭の部分が好きですね。勢いよく飛び出し、サビを駆け抜けていきます。歌うのはPON(ぽん)という、普段はORESAMAというデュオで活動するシンガーです。彼女の歌声はもちろんサビだけではなくて、随所で軽やかに、そして鮮やかに舞います。

ホーン隊はトランペット、トロンボーン、およびサックス(アルト、テナー、バリトン)で構成されています。この五管編成は『ACCA13区監察課』に登場する「ACCA 5長官」を意識したのでしょうか。そうだとすれば、それぞれの楽器に5長官のキャラクターが重なるのかもしれませんね。キー・パーソンである「グロッシュラー」は? あるいは「リーリウム」は? 物語と音をリンクさせると、イメージは広がるばかりです。
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inthecube: [PART1] オノ・ナツメ – ACCA13区監察課 1
inthecube: [PART2] オノ・ナツメ – ACCA13区監察課 1
2017.02.26
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# by mura-bito | 2017-02-26 15:58 | Music | Comments(0)
LINKIN PARK – Heavy [feat. Kiiara]
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LINKIN PARKの新作『One More Light』が5月にリリースされます。アルバムに先駆けて、本日から「Heavy」という曲が公開されています。Kiiaraというシンガーを迎えており、彼女はChesterとともに素晴らしい歌声を聴かせてくれます。歌声が素晴らしいのかメロディが素晴らしいのか、きっと両者でしょう。

Why is everything so heavy?

「Heavy」という曲名から重厚なサウンドやシャウトを想像したのですが、予想は外れ、心を満たしてくれるような優しい雰囲気を感じます。演奏は落ち着きとともに芯を感じさせますね。特に後半では、ドラムとベースが作り上げる土台がとても頼もしく思えます。バンドとしてキャリアを積み上げてきたからこそできる演奏なのではないでしょうか。



LINKIN PARK – Heavy [feat. Kiiara] (Lyric Video)

YouTubeには「Heavy」のリリック・ビデオがアップロードされているので、KiiaraとChesterの声が織り成す歌と成熟したバンド・サウンドのコラボレーションを楽しんでみてほしいと思います。

2017.02.17
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# by mura-bito | 2017-02-17 22:22 | Music | Comments(0)
京極夏彦 – 書楼弔堂 破曉
書楼弔堂 破暁

書楼弔堂 破暁

京極夏彦


京極夏彦の『書楼弔堂 破曉』は、記録に残された歴史の一点から鮮やかに虚構の世界を立ち上げ、「本」という存在、その意味に向き合う物語です。歴史上の人物も登場し、その話し方や考え方は作者の筆によるものなのですが、政治や戦争といった観点で描く物語とは異なり、日常の言葉が飛び交う時間を切り取った描写が新鮮であり、ひと味違う時代小説として楽しむことができます。

舞台は明治維新後の日本です。文化も政治も、そして人々の営みも大きく変わったようで、江戸以前のものが強く残る時代。あるものは連続的に残り、あるものは非連続的に断絶しています。そうした中で、生き方に迷う人々が、引き寄せられるようにたどり着くのが一軒の書肆(いわゆる本屋)。書肆を訪れた客と主との会話、そして見届け人のような語り手の言葉で構成される物語です。次から次へと交わされる言葉に引き込まれ、圧倒的な量の本や暗がりでゆらゆらと揺れる灯りの中で自らもその会話に立ち会っているかのような気にすらなりました。会話の中で、幽かに立ち上がってくる変化を捉えます。

***

「破曉」とは「曉(アカツキ)を破る」、すなわち夜明けを迎えるということでしょうか。明治より前が「夜」というわけではないのでしょうが、「御一新」によって政治のシステムが変わり、次第に人々の生活も変化してくると、新旧の価値観に挟まれて揺らぐ人々も多かったのだろうと思います。この物語では、本との出会いこそが次の一歩を踏み出す契機となります。膨大な言葉の奔流とともに、「その人に読まれるべき本」の存在が、人々の背中を押す。

表紙を飾る月岡芳年の「幽霊之図うぶめ」は、霞んで今にも消え入りそうで、怖さよりも切ない気持ちが呼び起こされます(浮世絵 太田記念美術館で観たときも、その儚い雰囲気にしばし言葉を失いました)。そして、表紙だけでなく、目次や奥付に使われている明朝体が目を引きます。どこにでもあるようで、大きさや位置を徹底的に「設計(デザイン)」された明朝体の文字は、強烈な存在感を放ち、他の書体では出し得ない味わいを生みます。本というものが背負う意味の大きさが、この本に印刷された文字のすべてから感じられます。

2017.02.16
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# by mura-bito | 2017-02-16 21:10 | Book | Comments(0)
Gacharic Spin – JUICY BEATS
ガチャっとBEST <2010-2014>

ガチャっとBEST <2010-2014>

Gacharic Spin


Gacharic Spinの「JUICY BEATS」は、インディーズで活動していた2011年に制作された曲です。僕は2016年にTOKYO DOME CITY HALLで行なわれたライブで初めて聴き、そしてすぐに気に入りました。シンセサイザーのリフが印象的なのですが、それでいてロック・サウンドは熱くて厚く、言うならばオルタナでしょうか。と思わせながら、ダンス・ミュージックにも通じるサウンド・メイキング。その中で鮮やかに舞うボーカルは、ボコーダーで加工され、紡ぐメロディは表情をくるくると変えます。無機質に響くかと思えば、息がかかるくらいに近くの囁きに聞こえる。切り口次第で楽しみ方は増えていく、おもしろい曲です。



Gacharic Spin – JUICY BEATS

ミュージック・ビデオがYouTubeにアップされています。光の使い方が印象に残る映像です。点滅するLEDライトをつけたグローブをはめて踊り、暗い部屋の中では、カラフルな光の点が生きているように舞います。別の場面では、投光器の光を背にして演奏する姿が鮮やかなシルエットを描きます。

当時のGacharic Spinにはボーカリストがいたのですね。パフォーマーもキーボード・プレーヤーもいない、オーソドックスなフォー・ピースのバンド。メンバーの変遷があるバンドですが、インディーズ時代の曲を集めたベスト・アルバムで過去の曲を遡って聴いてみると、サウンドの核は揺らいでいないと思えますね。もちろん演奏技術はプロフェッショナルの観点からすれば変わっているのでしょう。僕が好きなのは、バンドが生み出す音楽の「表情」です。喜怒哀楽に正直な人間のように、Gacharic Spinの曲にはカラフルな表情がありますね。バンドの姿が変遷しても、そのあたりは変わらず魅力的だと思います。

2017.02.03
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# by mura-bito | 2017-02-03 22:32 | Music | Comments(0)

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