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音楽と物語に関する文章を書いています。
ワイルドじゃなくてもいいからタフになりたい
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Carly Rae Jepsen – Cut To The Feeling
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コマーシャルで流れてくる曲が気になって調べたところ、Carly Rae Jepsen(カーリー・レイ・ジェプセン)というアーティストを知り、その曲は「Cut To The Feeling」だと分かりました。それをきっかけに彼女のディスコグラフィーを参照してみると、以前から「Call Me Maybe」という曲も耳にしていたようです。ポップな曲調とコケティッシュな(あるいはKawaii)歌声が人気の理由なのではないかと思います。

改めて「Cut To The Feeling」を頭から聴くと、1980~1990年代の雰囲気を感じました。例えば、イントロの頭の音は、Trevor Horn(例えばYESの「Owner Of A Lonely Heart」)をイメージさせます。他にも、耳に馴染んだ(あるいはそう思わせる)音やメロディが飛び出します。そういう記憶を刺激するような部分だけでなく、軽やかに流れるサウンドは聴いていて気持ちが良くなります。



Carly Rae Jepsen – Cut To The Feeling (Lyric Video)

ただの偶然か、トレンドとして成立しているのか。Zara Larssonの「Lush Life」を聴いたときにも1980年代的な要素を感じたため、「トレンドなのかな?」という疑問が浮かびました。本当にトレンドなのかどうかはともかく、新曲に懐かしい空気を感じるのは、後ろ向きなノスタルジーではないと思います。「80年代ヒット」のような企画盤の乱発になると、もう後ろ向きといってもいいのでしょうが。

雰囲気が当時を思わせるものであっても、使われている音や録音の技術は今のものですよね。ファッションやメイクのリバイバルも当時をただ再現するだけではないように、「現在のツールで過去をモチーフに表現する」というクリエイティブな行為といえます。その中で、ふとした瞬間に聞き覚えのあるサウンドやメロディに触れたとき、「なんか懐かしい」という印象を受ける、というわけです。スパイスのような役割を担うノスタルジーは、表現形態のひとつとしてむしろ前向きなのではないかと思うのです。

2017.09.25
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by mura-bito | 2017-09-25 21:21 | Music | Comments(0)
LINKIN PARK – The Messenger
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Chester Benningtonの死は、多くの人に、大きいという言葉では足りないくらいに大きな衝撃を与えました。僕も大きな衝撃を受けたひとりです。「なぜ?」という疑問は頭に浮かんだものの、その先を確かめるために誰かの推察をいくら読んだとしても、起きた出来事は巻き戻せません。それならば僕ができるのはLINKIN PARKの曲を聴くことだけです。

いくつものアルバムを聴き返しているうちに改めて印象に残る曲がありました。「The Messenger」という名の、2011年にリリースされたアルバム『A Thousand Suns』の最後を飾る曲です。当時は「When They Come For Me」や「The Catalyst」といったヘビーな曲の方に意識が向いており、シンプルな「The Messenger」はアルバムの一要素として記憶の片隅に沈んだままでした。けれども、きっかけとしてはあまり適切ではないのかもしれませんが、こうして「出会いなおす」こととなりました。



LINKIN PARK – The Messenger (Audio)

アコースティック・ギターの音に乗せて、Chesterが歌います。力強いような、切ないような。もがいているような、光を見つけたような。路上で歌うストリート・ミュージシャンにも似た、無防備な、孤独な、しかし純度の高い音楽が目の前に広がります。音を削ぎ落としたとき、歌はその本質的な部分を露わにします。最初は小さな点のように思えた世界が次第に広がりを見せ、やがて輪郭を描きます。そして浮かび上がるのは、歌で多くの人にメッセージを届けるひとりの人間の姿です。

「The Messenger」を聴きなおしていた矢先、Mike Shinodaがこの曲の音源をTwitterにアップしました。その真意は不明ですが、Chesterの歌声がより際立つこの曲は、彼がすぐそこにいるかのような存在感があり、Mikeもそれに近いような感覚を覚えていたのではないかと思います。そして、「The Messenger」を含め、LINKIN PARKの曲を聴いて、Chesterの存在をダイレクトに感じることこそ、僕らにとっては献花の代わりになるような気がします。

2017.09.21
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by mura-bito | 2017-09-21 21:48 | Music | Comments(0)
TM NETWORK – GET WILD 30th Anniversary Collection - avex Edition
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2017年5月に『GET WILD 30th Anniversary Collection - avex Edition』が配信されました。4月にCD・配信でリリースされた『GET WILD SONG MAFIA』のうち2012年以降に録音されたライブ・テイクをまとめ、さらにavexが権利を管理するカバーやリミックスを加えたコンピレーション・アルバムです。

本作に収録された曲の中で特徴的だと思うのは、2011年のライブ配信「DOMMUNE」で披露された「GET WILD ’89」、2013年に配信された「GET WILD (2013 SUMMER)」、石野卓球によるリミックスの別バージョン「GET WILD -Takkyu Ishino Latino Remix-」です。

GET WILD ’89 (DOMMUNE #332 TETSUYA KOMURO Liveset)

2011年に小室さんはDOMMUNEに出演し、ソロやglobeのリミックス、1990年代にプロデュースした曲を披露しました。TM NETWORKの曲も含まれており、そのひとつが「GET WILD ’89」です。リアルタイムにシンセサイザーの音を重ねるパフォーマンスは、キャッチーな音や荒々しくノイジーな音を響かせながら、インターネットを介して多くの人のもとに拡散しました。

「GET WILD ’89」は1989年にリリースされました。1980年代のダンス・ミュージックの象徴であるユーロビートの音でリミックスされた曲です。制作を手掛けたのはPete Hammond(ユーロビートの代表格であるPWLというチーム)というプロデューサーです。1989年の音に2011年の音と感性を重ねたのがDOMMUNEでのプレイです。20年離れた時間が交錯する瞬間を味わうことができます。

GET WILD (2013 SUMMER)

2013年は小室さんがソフト・シンセを本格的に導入した時期であり、「EDM (Electronic Dance Music)」というキーワードを重視していました。globeやtrfなどの曲をEDMにリミックスした『DEBF EDM 2013 SUMMER』に、「GET WILD (2013 SUMMER)」も収録されています。ライブ「TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-」で使った音を整理しつつアップデートして、リズムやボーカルを加えています。

「GET WILD」がEDMの要素を取り入れた最初のバージョンであり、「いかにもソフト・シンセ」という音が聴けます。大きな特徴のひとつはイントロですが、本作に収録されたものではイントロの大部分がカットされています。そのため、『DEBF EDM 2013 SUMMER』を聴いた方が、よりEDMらしさを感じることができます。ダブステップの特徴であるワブル・ベースが使われているイントロやBメロを聴いて、「これまでの『GET WILD』とは違う」と思ったものです。

GET WILD -Takkyu Ishino Latino Remix-

「GET WILD -Takkyu Ishino Latino Remix-」は、『GET WILD SONG MAFIA』に収録された「GET WILD -Takkyu Ishino Latino Acid Remix-」を基にしたリミックスです。ループする音に、ボーカルのサビ部分をサンプリングして重ねます。

Latino Remixの特徴はLatino Acid Remixからアシッドの音が抜かれていること…と書くとなんだか間抜けですが、注意深く聴き比べると印象が異なります。アシッドの裏でメインの「ミ・レ・ド(=♪Get wild and tough♪)」を奏でていたシンセサイザーがよく聞こえるようになりました。天ぷらの衣をはがした感じ…という表現が適切かどうかは分かりませんが。僕の耳と知識では判別できるのはそのあたりですが、大きな違いはそれだとすれば、なかなかにマニアックな差です。




2017.09.19

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by mura-bito | 2017-09-19 21:53 | Music | Comments(0)
高野 雀 – あたらしいひふ(単行本)

あたらしいひふ

高野 雀


高野雀さんの「あたらしいひふ」は、2013年頃に同人誌に掲載された漫画です。2015年に『さよならガールフレンド』の特設サイトで「あたらしいひふ」が全編公開され、僕はそこで読みました。現在は半分ほどが同じサイトで公開されています。

この度、「あたらしいひふ」を表題作とし、同じように同人誌で発表されていた作品を集めた単行本が刊行されました。「あたらしいひふ」を含めてほとんどの作品で絵が描きなおされ、台詞も一部修正されています。単行本として改めて読んでみて、そして2年前に書いた自分の文章を読みなおしました。今言いたいことと変わっていないため、再掲します。

変わりたいと思う気持ちは皆あれど、どのように変わりたいか、ということは千差万別ですよね。自分の置かれた環境で、それを受け入れたり、あるいは争ったりしつつ、一方では自分にはないものを求めてもいる。言葉に出さなくても、例えば誰かの服装を、思わず目で追ってしまう。そこに自分にはないものを見つけ、少し羨む。『あたらしいひふ』では、四人の過去の出来事から現在の姿、そして自分の少し前を歩くものを描きます。四つの世界は巧みなストーリーテリングによって少しずつ重なり合い、心地好い読後感が残ります。

(中略)

学生の時期を過ぎて働くようになってからも、彼女は他人と異なる服を着ています。ある時、世間受けするような服装をした女性に出会い、ふと考え込みます。目の前の女性は、自分が格好悪いと思って避けてきた系統の服をさらりと着こなしている。相手から「無難な服しか持っていない」と聞いて、一層困惑します。無難だとわかっていながら何故着られるのか、何故似合うのか。学生時代とは異なる次元で、似たような問いを突きつけられます。

高野雀さんの物語は、登場人物の表と裏が描かれるときの「間」や「余白」が特徴的だと思います。ある瞬間に周囲の音が消える、あの不思議な感覚です(これは誰もが経験することなのだろうか?)。音のない世界にぽんと放り出されたかのような、純度の高い静寂。「あたらしいひふ」を読んでいると、そういう不思議で奇妙で興味深い瞬間が何度も訪れます。

今回の修正では、ブランド名や服の形も大きく変更されています。4年も経つとファッションは恐ろしいほどに古びますね。1年ですら危うい。オリジナルで「無難な服」と表現されていた「無難にフェミニンな」服さえも、時代の影響を受けていたわけですね。当然といえば当然ですが、それこそ毎日同じようなシャツとスーツで過ごしているとまあ理解は難しい。本作のタイトルは「皮膚」と「被服」を掛けたものだそうですが、テーマとは関係ありませんが、そのふたつは経年変化という点で同じ道をたどるものだと思いました。古びていく宿命に抗う、アンチエイジングとファッションは重なり合うところが多い。
2017.09.12

■追記
新しい絵でアップデートされた「あたらしいひふ」。前の絵も好きだったのですが、新しくなった絵も好きです。線がシャープになったためでしょうか、オリジナルと比べて乾いた感じがしつつ、それでいてポップな雰囲気が漂っていると思いました。軽いとはいわないまでも、ヘビーな感じではなく、わりと楽しみながら感情移入ができる。

もちろんテクニカルな部分に関しては、今の方が上回っているに決まっています。僕も前に仕事で書いた文章に向き合うのは勇気が必要ですし、直せるものなら直したいと思うことも多々あります。それはそうなのですが、読み手からしてみればそれぞれに異なる魅力があるんですよね。だから、過去も現在もそれぞれに楽しいものです。

2017.09.20
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by mura-bito | 2017-09-12 21:37 | Visualart | Comments(0)
PANDORA – Be The One [feat. Beverly]
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それぞれの角度からシンセサイザーに精通した両人が生み出すエレクトロニック・サウンド。小室哲哉と浅倉大介のタッグという、僕らのようなファンにとっては夢のような、そして最強の組み合わせが実現しました。その名前はPANDORA。それを開くと何が飛び出してくるのか、これから少しずつ見えてくるかと思います。現在、PANDORAの始まりを告げる曲「Be The One」が配信されています。

「Be The One」は「仮面ライダービルド」のオープニング・テーマとして使われており、配信で聴けるのもそのサイズ(約80秒)です。フルレングスというべきかEXTENDED MIXというべきか、長いバージョンはこれから作りたい、とのことです。小室さんは興味のアップダウンが激しいのでタイミングを逸すると実現しづらいのですが、大ちゃんがいるのでそう遠くない未来に聴けそうな気がします。そういった意味で、この組み合わせは安心します。音楽的には、何が起こるか分からない「箱」ではありますが!



PANDORA – Be The One [feat. Beverly]

曲を聴いてみて、とにかくストレートに突き刺さってくるエレクトロニック・サウンドだ、という印象を受けました。さまざまな音が絡み合いながらも、聴かせたい音はこれだ、という感じで耳に脳に身体に一直線に届きます。ソフト・シンセの音は日進月歩で変わり続けるとされていますが、そういった流動性と新規性の高い音を使いながら、小室さんと大ちゃんそれぞれのエッセンスも感じられる音です。

ダイナミックに広がる音の中で、芯の太いサウンドを楽しめます。シンセサイザーで弾くフレーズの気持ちよさが存分に伝わるイントロから始まり、AメロはBeverlyの美しい歌声の魅力を丁寧に届けるリズムで構成されています。そして、EDMの特徴のひとつであるノイジーなベース(wobble bass)でサビにつなぎ、サビでBeverlyはブレスの余白を最小限にするようにはめ込まれた言葉を歌い、聴き手は一気に高揚感に包まれます。

2017.09.10
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by mura-bito | 2017-09-10 21:32 | Music | Comments(0)
Gacharic Spin – ジェネレーションギャップ
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Gacharic Spinの新曲「ジェネレーションギャップ」がリリースされました。アルバム『確実変動 -KAKUHEN-』がリリースされたのが昨年の9月なので、ちょうど1年のインターバルを挟んでいますが、その間もツアーや単発のライブを精力的にこなしていたようです。難聴が原因でパフォーマーのひとりがバンドを抜けざるを得ないという事態に見舞われましたが、5人編成になって初めての新曲が届きました。

「ジェネレーションギャップ」で印象に残るのは、ソウルやファンクの要素ですね。特にギターがファンクに寄っていて、ホーン・セクションやコンガ、ソウルフルに駆け巡るシャウトなど、変化球を織り交ぜたサウンドを聞かせてくれます。バンドの持ち味であるタフなロック・サウンドを基盤としながら、オールディーズな雰囲気を意図的にまとっています。その点では、Gacharic Spinの持ち味である「ガチャガチャ感」は健在ですね。



Gacharic Spin – ジェネレーションギャップ

ボーカルをとるのはいつものようにドラムの「はな」とキーボードの「オレオレオナ」ですが、特にオレオの割合の方が大きく、さらにミュージック・ビデオではフロントでパフォーマンスも披露します。オレオの歌声は、こういうファンキーな音によく合うと思います。綺麗に歌い上げるよりは、泥臭く言葉を吐き出す方が、存在感があって、曲が骨太になるのかなと。

それは、デビュー・アルバムに収録されている「ガンバンバダンサー」というファンキーな曲を聴いたときにも感じたことです。ソウルフルな歌声がマッチするような曲では、彼女の歌がフィーチャーされるのかなと思います。僕はGacharic Spinではエモ系の曲が特に好きなのですが、ファンク系のノリを前面に押し出した曲ももっと聴いてみたいですね。その期待は「ジェネレーションギャップ」を聴いて、もっと高まりました。

2017.09.06
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by mura-bito | 2017-09-06 22:49 | Music | Comments(0)
Dimitri Vegas & Like Mike vs David Guetta – Complicated [feat. Kiiara]
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Dimitri Vegas & Like Mike(DV&LM)は、ベルギー出身のDJ/Producerデュオであり、兄弟です。ヨーロッパ出身のEDMアーティストは、本当に層が厚いですよね。ヨーロッパにはダンス・ミュージックを醸成する土壌がある、ということでしょうか。

そしてDavid Guettaは、EDMシーンを築いた立役者ともいうべき人物。DV&LMがDavid Guettaとコラボし、アメリカ出身のシンガー・ソングライターであるKiiaraをボーカルに迎えて「Complicated」という曲を制作しました。ゆるやかなテンポの中で、シンプルでありながらキャッチーなメロディをシンセサイザーと歌で表現します。色の違う絵の具で同じ絵を一枚のキャンバスに描いているような感じです。



Dimitri Vegas & Like Mike vs David Guetta – Complicated [feat. Kiiara]

僕はKiiaraの歌を、LINKIN PARKの「Heavy」で初めて聴きました。Chaster Benningtonのタフな歌声と対峙しても、確実に屹立する。そういった存在感を彼女の声に感じました。「Complicated」でも、その魅力的な歌声を堪能することができます。シンセサイザーのリフとうまくマッチして、胸を打ち、心に刺さる響きを生み出します。

「Complicated」のビデオは、ダンサーをフィーチャーして、そのパフォーマンスを鮮やかなカメラワークで収めます。ほとばしる躍動感が伝わってきます。カラーの異なるダンスで織り上げられた映像の中で、ピンクの長髪を揺らすKiiaraがリップシンクで登場します。ダイナミックさとシンプルさが共存しており、どこかコンテンポラリー・アートのような印象を受けました。
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2017.09.03
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by mura-bito | 2017-09-03 21:27 | Music | Comments(0)

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