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[PART2] MISIA – LOVE BEBOP
LOVE BEBOP

LOVE BEBOP

MISIA


[PART1] MISIA – LOVE BEBOP

例えばスリー・ピースのロックやアコースティック・ギターの弾き語りと比べて、ホーンやピアノ、パーカッションが加わる曲は装飾的で華やかですよね。シンプルなアレンジではひとつひとつの音や声の魅力が際立ちますが、多くの楽器が鳴るファンキーな曲では音の重なりや展開を楽しむことができます。

MISIAの『LOVE BEBOP』はタイアップ曲と、それ以外の曲に分かれており、僕が惹かれた曲は非タイアップ(アルバム制作時に録音された曲)に偏りました。とは言え、TVというメディアの影響は充分に大きく、アルバムを知ったのもコマーシャルで流れる「Butterfly Butterfly」でした。この曲はファンク系のアレンジで彩られており、ファンク的なアプローチはアルバムでもひとつの柱と言えるのではないでしょうか。



MISIA – Butterfly Butterfly

♪Butterfly Butterfly♪ とリフレインするコーラスが記憶に残る「Butterfly Butterfly」。勢いよく始まり、カラフルな音の世界に導きます。バリトン・サックスでしょうか、腰の据わったヘビーな音が曲を太く強く支えます。重いのに速い、パワフルな疾走感はとても爽快ですね。随所で絡むピアノがスリリングな演奏で魅せます。

真夜中のHIDE-AND-SEEK」はファンクなギターとパーカッションの音(ボンゴの硬質な音が特に良い)、エレクトリック・ピアノの音が効いています。オルガンも鳴っていますね。ホーン隊が軽やかに音を彩る。途中、ミュートを噛ませたトランペットがクールに響きます。ボーカルに負けじとピアノも歌います。あちこちから生まれるさまざまな音符は互いに絡み付き、夜の闇に溶け込んでいきます。

美しく鳴るウィンドチャイムやエレクトリック・ピアノの音に導かれ、バラードのように進むかと思いきや、ぐっとテンポアップして、力強く疾走するファンクに変わります。「Oh Lovely Day」の魅力は、パーカッションの疾走感、刻むギターの味わい、ホーン隊のカラフルな祝祭感でしょう。誰かと誰かの門出を街中が祝い、一緒に盛り上がっている。カメラがヨーロッパの街中を、人々が集うストリートを映しながら駆け抜けます。そして最後に再びエレクトリック・ピアノの音色が響き、静謐な雰囲気を醸します。

MISIAの曲をきちんと聴いたのはこれが初めてなのですが、ビギナーでも『LOVE BEPOP』にはたくさんの魅力が詰まっていることが分かります。力強く、優しく歌い上げるバラードももちろん素晴らしいですし、ここでフォーカスしたEDMやファンクへのアプローチも多彩な魅力にあふれています。これまでMISIAの音楽を聴くことはほとんどなく、「Everything」を耳にしたことがある程度でしたが、ふとしたきっかけで耳を傾ける機会を得ました。聴きたくなったときが自分にとっての旬です。そういうエンカウントがあるので、音楽はおもしろいんですよね。

2016.09.29
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by mura-bito | 2016-09-29 19:29 | Music | Comments(0)
[PART1] MISIA – LOVE BEBOP
LOVE BEBOP

LOVE BEBOP

MISIA


コマーシャルで流れていた「Butterfly Butterfly」が耳に残り(1回聴いただけで)、2016年の1月にリリースされた『LOVE BEBOP』というアルバムをApple Musicで聴きました。アルバム・タイトルからするとビバップへのアプローチなのかと思いきや、EDMの要素も、アコースティック・ギターを主体にしたバラードも収められており、実に幅広いスタイルが見られるアルバムです。

個人的に印象に残った要素は、EDMとファンク。ファンクやジャズとMISIAの歌声の相性がいいことはイメージできますが、EDMという2010年代的エレクトロニック・サウンドとのコラボレーションは意外でした。シンセサイザーを入れる、リズムを四つ打ちにするというレベルではなくて、EDMの要素をたくさん取り込んでいます。EDMとポップス(あるいはロックやR&B)とのミックスが日本でも一般化してきた証と言えるかもしれません。



MISIA – LOVE BEBOP (Trailer)

表題曲の「LOVE BEBOP」と「FREEDOM」の音づくりにEDMの色が出ていて、彼女のタフな歌声とマッチしています。アルバムに収録されている「白い季節」や「花」といったミディアム・テンポの曲でも存分にそのタフさを味わえますが、こうしてエレクトロと組み合わさるとまた別の角度から歌声の強さに触れることができますね。MISIAの声は、マテリアルとして加工されて組み込まれているのではなく、EDMサウンドを率いるような存在感を放ちます。

ソフト・シンセの音が生み出す「LOVE BEBOP」の重厚感には圧倒されますね。EDM的なワブル・ベースが咆哮して、地を這って迫ってきて、聴き手を引きずり込みます。踊れ踊れ。いわゆるジャズのビバップ的なアレンジではなく、むしろ正反対の位置に位置するEDMで構築されているので、詳しい人ほど驚くネーミングかなと思います。しかもアルバムのタイトルにしていますからね。ビバップという言葉を冠したのは、アクティブな音楽性に共通項を見出し、オマージュしていることの表現なのかもしれません。

FREEDOM」は疾走系四つ打ちダンス・ミュージックです。テクノやトランスの雰囲気を今の音で構築した、という感じでしょうか。ひと口にEDMと言っても、そのアプローチにはバリエーションがあります。サビでのシンセサイザーのリフ(どんどん音が上がっていく。そして2種類のパターンがある)が、EDMの裾野を広げたAVICIIやZeddを彷彿とさせます。キャッチーなメロディで観客を一気にヒートアップさせるフレーズですね。この印象的なフレーズに乗せて、鮮やかに波に乗るクールなサーファーのように、MISIAのボーカルが舞い上がります。

[PART2] MISIA – LOVE BEBOP

2016.09.27
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by mura-bito | 2016-09-27 22:13 | Music | Comments(0)
30th FINAL 16: あの夏を忘れない
TM NETWORK 30th FINAL

TM NETWORK 30th FINAL

TM NETWORK


静謐な月夜を真夏の太陽が呑み込む。木根さんが歌った「月はピアノに誘われて」が終わると、「あの夏を忘れない」のエレクトロニック・サウンドが会場を満たします。シンセサイザーの煌びやかな音は滑らかにループして、聴き手をダンサブルなリズムに誘い込み、心地好い時間を作り出します。

***

ハウス・ミュージックの色が強く反映された「あの夏を忘れない」はアルバム『EXPO』に収録されました。アルバムがリリースされた1990年代初期、ハウスはダンス・ミュージックにおけるトレンドであり、『EXPO』の音楽的な柱のひとつでもありました。この曲は「WE LOVE THE EARTH」のリミックスや「JUST LIKE PARADISE」とともに、ハウスというテーマを表現する役割を担いました。アルバム自体はハウス一色に染め上げられることなく、フォークやロックも含めた、ひとつの路線に限定しない構成になりましたが、比率はハウスの曲が最も大きい。

『EXPO』の曲がハウスかどうか。音楽のジャンルは境界線が曖昧なことが多く、特にダンス・ミュージックは離合集散を繰り返してきましたよね。ハウスの定義も難しく、しかも小室さんは新しいジャンルを取り込むときは独自のフィルターを通すので、リリースされたときにはオリジナルの味付けがなされています。『EXPO』におけるハウスも、厳密な定義を求めるリスナーには、おそらく「ハウスじゃない」という烙印を押されたのでしょう。

***

詞を書いた坂元裕二さんは、『東京ラブストーリー』を手がけた脚本家です。「RHYTHM RED BEAT BLACK」では退廃的で耽美な世界を描き、「CRAZY FOR YOU」では男女の逢瀬(密会?)を描きます。後者では、坂元さんが書いたのは歌詞ではなく台詞です。ウツは宇都宮隆をいうロック・スターを演じ、ハウスの音が狂ったようにループする中で、女性の部屋で言葉を交わします。

「あの夏を忘れない」が切り取るのは真夏のプールか、ビーチか。太陽の光を反射する水面が目の前に浮かびます。水しぶきが光をまとって弾け、水の欠片は肌を滴り落ちます。身体に絡みつくように、心を縛るように、夏が記憶にまとわりつきます。夏の残滓は、時に鮮やかに、時におぼろげに、記憶の中を漂います。描かれた景色は太陽の下での戯れですが、行間には、それを思い出す誰かのメランコリックな姿が見えます。夜の闇に抱かれて、持て余すように夏の記憶を眺めている。

***

「あの夏を忘れない」はリリース後の全国ツアーも含め、過去にも披露されていますが、僕がライブで聴いたのは「TM NETWORK 30th FINAL」が初めてです。こうして音をダイレクトに浴びてリズムに身を任せると、音のループに酔います。TM NETWORK流のトランスやEDMを体験してきた身体の中に、ハウスが注入されます。身体にTM NETWORKのダンス・ミュージックが蓄積して、記憶に刻み込まれます。

TM NETWORKを再び動かそうとしていた1990年代末、小室さんは『EXPO』を聴きなおして「アメリカやイギリスの音楽にも引けを取らない」と自負していました。その評価について僕は語る言葉を持ってはいませんが、これらの音はリリースから20年が経った2010年代であってもまったく色褪せていないと思います。個人的には、ユーロビートは「1980年代らしさ」と強固に結びついています。リアルタイムで聴いていたわけでもないのに、どうしてもイメージが引っ張られます。一方で、ハウスはそういった暴力的な結びつきがない。いわゆる「お茶の間」にも浸透したか否か、という違いなのかもしれません。

***

ライブでは、バンナさんが刻むギターがとても印象に残りました。TM NETWORKでのバンナさんの役割は、ソロで目立つと言うよりも、小室さんが構築するシンセサイザーを主体としたサウンドに陰影をつけることだと僕は思います。もちろんソロをとることもあるのですが、「刻む」イメージが強く、そしてその音は不思議と中毒性が強く、気付けば耳で追っている。とりわけ「あの夏を忘れない」では、テクニカルに刻まれるギターの音が絡みついてきます。身体に、記憶に。

INTRO
JUST LIKE PARADISE 2015/RHYTHM RED BEAT BLACK/CHILDREN OF THE NEW CENTURY 2015
HERE, THERE & EVERYWHERE/SCREEN OF LIFE/Birth
CAROL 2015 I
A DAY IN THE GIRL'S LIFE/CAROL (CAROL'S THEME I)/GIA CORM FILLIPPO DIA
CAROL 2015 II/IN THE FOREST/CAROL (CAROL'S THEME II)/JUST ONE VICTORY
INTERMISSION
月はピアノに誘われて/あの夏を忘れない/TETSUYA KOMURO SOLO -30th FINAL-/GET WILD 2015
WE LOVE THE EARTH/BE TOGETHER/I am/FOOL ON THE PLANET/ELECTRIC PROPHET
OUTRO

2016.09.19
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by mura-bito | 2016-09-19 18:33 | Music | Comments(0)

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