inthecube
音楽と物語に関する文章を書いています。
ワイルドじゃなくてもいいからタフになりたい
Want to become tough, not need to get wild.
ブログトップ
<   2015年 12月 ( 5 )   > この月の画像一覧
HYDE – DEPARTURES (#globe20th -SPECIAL COVER BEST-)


HYDE – DEPARTURES

カバー・アルバム『#globe20th SPECIAL COVER BEST』に収録される曲のいくつかがYouTubeにアップされています。そのうち、最も多くのビューを獲得したのが、L'Arc-en-CielのHYDEがカバーした「DEPARTURES」です。アレンジは小室さんが手掛けました。最初はアレンジをすべて行なう予定ではなかったとのことですが、その予定が大きく変わったのは、やはりHYDEの歌声に触発されたからでしょうか。

小室哲哉とHYDE。実に意外な組み合わせですよね。1998年あたりに行なったマーケティング調査で、globeと競合していたのがL'Arc-en-Cielだったことを、どこかのインタビューで小室さんが明かしていました。CDのマーケットが最大規模だった頃の話ですが、いわゆる「小室ファミリー」といわゆる「ビジュアル系」というカテゴリーが市場を作っていた証でしょうか。両者が互いに意識していたかは定かではありませんが、ともに時代のアイコンとして存在していたことは確実に言えます。そんなふたつの音楽的才能がクロスするなんて、1990年代はおろか最近まで想像すらできなかった。カバーという形で実現した両者のコラボレーション、その素晴らしさに嘆息するばかりです。

HYDEの歌声はとても叙情的で、気持ちをえぐるような強さ、アグレッシブな魅力があります。傷つけるという意味ではなく、「持っていかれる」感じですね。歌声ひとつで、唯一無二の世界が生まれる。それを象徴するのが、♪あなたが私を 選んでくれたから♪という部分でしょう。ここの歌い方がとても好きですね。KEIKOが歌っているオリジナルでもこのメロディ、歌詞に心をつかまれたものですが、男性ボーカルで聴くとまた新たな魅力が湧き上がってきます。

2015.12.27
[PR]
by mura-bito | 2015-12-27 17:52 | Music | Comments(0)
hitomi – Anytime smokin' cigarette (#globe20th -SPECIAL COVER BEST-)


hitomi – Anytime smokin' cigarette

hitomiが「Anytime smokin' cigarette」をカバーしました。この音源はカバー・アルバム『#globe20th SPECIAL COVER BEST』(globeのデビュー20周年企画アルバムの第2弾)に収録されており、YouTubeにもアップロードされています。日本版ローリングストーン誌が小室さんの特集を組んだときに、彼女のインタビューも掲載されたのですが、小室さんの曲のうち好きな3曲を挙げるというコーナーでは、この「Anytime smokin' cigarette」を挙げていました。

20周年企画の第1弾『Remode』* をきっかけにして、僕は「Anytime smokin' cigarette」が好きになりました。オリジナルは2枚目のアルバム『FACES PLACES』** に収録されています。心地好く身体を揺らせる、揺らしたくなるリズム。聴くほどに、音を感じるほどに、その世界の奥に奥に入っていきたくなります。オリジナルはファンクやソウルの雰囲気がありますし、Remodeではシンセサイザーのリフがとても心地好い。

hitomiはいわゆる「小室ファミリー」の一員でしたよね。小室さんのプロデュースから離れた後も実績を残しています。僕は「Candy Girl」や「by myself」くらいしから知らなかったのですが、きちんと聴いたのはcuneの「SAMURAI DRIVE」をカバーしたときです。彼女の歌声とロック・サウンドが思いのほかマッチしていて、それまで僕が抱いていたイメージを破壊してくれました。

さて、「Anytime smokin' cigarette」のカバーについて。YouTubeにアップされているのは音源の一部ですが、彼女がアプローチする方向や、彼女の歌声の魅力が伝わってきますね。ポップスにおけるボーカルの役割を過不足なく果たしている、という感じがします。

KEIKOの歌い方は波形が急激に尖るように振れ幅の大きなものですが、hitomiは丁寧に言葉をつないでいる印象があります。先述のインタビューでは、オリジナルの歌い方について「静けさから始まり、けだるいパートからいきなりハイトーンになる持ち込み方がすごい」と語っていました。そこを真似るのではなく、彼女らしい歌い方でこの曲を表現しているのだと思います。hitomiの歌は、メロディの良さやアレンジの方向性がストレートに伝わってくるんですよね。この曲を初めて聴く人にはむしろhitomiのバージョンの方がいいのではないかとさえ思います。

* inthecube: globe – Anytime smokin' cigarette (Remode)
** inthecube: [PART1] globe – FACES PLACES

2015.12.26
[PR]
by mura-bito | 2015-12-26 17:34 | Music | Comments(0)
にがくてあまい レシピ71 カリフラワーと干し椎茸のじゃーじゃーうどん
『にがくてあまい』の71話「カリフラワーと干し椎茸のじゃーじゃーうどん」が公開されています。今回はシリアスな展開が強めですね。ひとつ大きな山が来るのか、それとも物語を畳むのか。「マキ」と「渚」の関係が大きく変わるのか、あるいはやはり穏やかな日常が続くのか。いずれにしても今後しばらくはダイナミックな展開が予想されます。これまでも、さまざまなイベントが起きて、作者の小林ユミヲさんはすごいストーリーテラーだと思いましたが、今回もインパクトのある展開を用意しているに違いありません。

http://comic.mag-garden.co.jp/eden/58.html

そもそも『にがくてあまい』という物語は父「豊」と娘「マキ」の対立から始まりました。野菜がきっかけで仲が悪くなり、絶縁状態のようになった父娘関係。その溝を埋めたのもまた野菜でした。苦くて食べられない、食べたくないものであっても、調理したり、少しずつ慣れることで飲み込めるようになる。同居人「渚」や母「操」の助けを借りたり、少しずつ素直に向き合うことで、人と人の関係も良いものになっていく。

勘当同然に娘を拒絶していた父も、言葉ほどに突き放すことはできず、むしろ惜しみない愛情を注いでいました。仲直りしてからは、娘に避けられるくらいに、その愛情を表現します。その後、物語が進む(娘と共有する時間が積み上がる)につれ、娘の行く先と自分が残せるものについてばかり考えるようになる。その気持ちを感じていながらも、ついに(酔った勢いの間違い電話とは言え)はっきりと聞かされた娘。次回以降、さまざまな想いが交錯するストーリーが展開していくことでしょう。

***

家族とは。時代が変わろうが変わるまいが、ふたつとして同じものはありません。「家族とはかくあるべし」というような、あるべき姿が存在すると思い込むこと自体が、もはや家族のひとりひとりではなく、家族というシステムを見ていることを示しています。そうではなくて、僕らはもっと、ひとりひとりにフォーカスした方がいいのではないか。システムの中で埋没しがちな個々の奮闘(struggle、もがき)をすくい上げた方がいいのではないか。

そう考えたとき、漫画であれドラマであれ、あるいはノンフィクションであっても、さまざまな人間の姿、家族の姿を見ることはとても重要で、とても貴重な体験なのではないか、と思います。ただの空想として切り捨てるのは、世の中を良くするための可能性を潰している気がします。フィクションだからこそ描けるものがあります。フィクションを接点として「こういう家族があってもいいよね」と思える…そうやって社会における許容範囲が拡大して、余裕という名の余白が広がるといいなと思います。

2015.12.14
[PR]
by mura-bito | 2015-12-14 20:53 | Visualart | Comments(0)
TM NETWORK 30th FINAL (INTRO)
TM NETWORK 30th FINAL

TM NETWORK 30th FINAL

TM NETWORK


2012年4月から三年という期間を区切った上で、TM NETWORKは新たな曲や物語を発表してきました。三年をかけて綴ってきた物語の最終ページをめくるライブが、2015年3月に横浜アリーナで開催されました。タイトルは「TM NETWORK 30th FINAL」。さらに視野を広げると、TM NETWORKは1984年のデビューから三十年を積み上げており、このライブはTM NETWORKの活動そのものを大きく区切るという意味も持ちます。三十年という節目に彼らが残したものを紐解いていきましょう。

このライブは、2015年2月のライブ「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA」のセット・リストの三割ほどを新たな曲に差し替えて再構成したものです。物語は「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA」で終幕を迎えましたが、それは本編の終了だったと捉えます。本編が終わった後にページをめくるとエピローグが始まる。本編の余韻を感じさせながら、本当の終わりに向かってゆるやかに語られる最後のエピソードが「TM NETWORK 30th FINAL」なのです。

ただ、それはボーナス・トラック的な添え物であることを意味しません。「TM NETWORK 30th FINAL」には大きな役割がひとつあり、そのためだけに存在したライブとも言えます。物語を畳むためのピリオド。人間と同様に、物語も終わり方が重要なのかもしれません。美しく終わる、笑って終わる、涙を流して終わる。さて、このライブの終わり、物語の終わりはどのように描かれたのでしょうか。



TM NETWORK 30th FINAL Trailer PART1

「TM NETWORK 30th FINAL」では、新たにセット・リストに加わった曲も、ここ数年でよく演奏された曲も、音の面でアップデートされていました。小室さんの徹底した音の追求、最新の音へのアクセスは止まりません。それを如実に表わすのが、小室さんのソロから「GET WILD 2015」へつながる20分以上に渡る音の連鎖、音の奔流です。イメージに近いキーワードはAVICIIか、Afrojackか、Zeddか。EDMのスターたちに引けを取らないサウンド、とりわけソフト・シンセらしいエッジのきいた音が会場に響き渡ります。

また、セット・リストに加わった曲はエレクトロやロックの香りを強めており、その変貌ぶりは、小室さんの徹底した、最新の音への追求姿勢を露わにします。特筆すべきは「JUST LIKE PARADISE 2015」、「RHYTHM RED BEAT BLACK」、「CHILDREN OF THE NEW CENTURY 2015」というようにつながる序盤の三曲でしょう。現在進行形でアップデートされていく音の、その最高の瞬間が刻まれています。いずれもオリジナルは二十五年近く前に発表されましたが、どこにも古めかしさは感じられません。2015年の巷にあふれる新曲よりも新曲らしい輝きを放ちます。

このライブで初めて世に出たのがRoland社のシンセサイザー、JD-XAです。このシンセサイザーで小室さんが作り込んだ音は、Access社のアナログ・シンセサイザーに近い、太くて分厚い音です。この音でソロを弾くと、ギタリストのソロのように、シンセサイザーの存在感が際立ちます。小室さんは魅せる鍵盤奏者の第一人者であり、バンドにおける鍵盤奏者の恰好良さを打ち立てました。キャリア三十年を超えてもなお、魅せ続ける鍵盤奏者です。



TM NETWORK 30th FINAL Trailer PART2

2012年のライブ「TM NETWORK CONCERT -Incubation Period-」から始まった物語とは何か。物語を紐解くキーワードは「潜伏者」です。謎の生命体が宇宙のどこかから地球に送り込まれ、人々の社会に潜伏しながら「人間の営みを調査して報告する」というミッションを遂行します。この生命体のことを「潜伏者」と呼びます。

それらは人間と同じ姿をしており、一見しただけでは見分けがつきません。敏感な人であれば「なんかおかしいな」と思うかもしれませんが、帰国子女と意見がかみ合わないくらいの感じでしょうか。まさか宇宙から来たとは思わない。僕らにとってはあまりにも遠い昔から、潜伏者は地球のあちこちに降り立っていました。人間として社会に溶け込んでいたり、時としてエキセントリックな存在として人間たちの思考や行動に影響を与えたりしました。歴史上の偉人は潜伏者だった可能性もあるのです。

TM NETWORKも潜伏者の一員として地球に降り立ち、人間社会の中に溶け込みます。ある潜伏者はミュージシャンとして、ある潜伏者はごく普通のサラリーマンとして、ある潜伏者は何を生業としているか分からない者として。指令を受けたTM NETWORKは、最後のミッションを遂行するために集結します。それは終結のためのトライアングルです。ひとつのメッセージを伝えるのが、TM NETWORKに課せられた最後のミッションです。目撃者は何を見たのか、何を受け取ったのか。残された一本のバトンを拾い上げたとき、物語は終わるのではなく始まることを知るのです。

2015.12.10
[PR]
by mura-bito | 2015-12-10 21:58 | Music | Comments(0)
TK feat. TK (Tetsuya Komuro/tofubeats/Sayaka Kanda) – #RUN


TK feat. TK (Tetsuya Komuro/tofubeats/Sayaka Kanda) – #RUN

JRA(Japan Racing Association:日本中央競馬会)が展開する企画「Umabi」の一環として小室さんが参加した曲「#RUN(ハッシュラン)」がYouTubeにアップロードされています。ミュージック・ビデオでは、さまざまなRUNが映し出されます。

とても好きなリズム・パターンです。上に乗せたシンセサイザーの音は厚みを見せつつも、軽快に響きます。時に軽やかに走る馬、時にたくましい馬の姿が目に浮かびます。軽やかに駆けるRUN、ワイルドに駆けるRUN、美しく駆けるRUN。

***

11/29には東京競馬場のパドックで、この曲を含むミニライブが行なわれました。実際に現場に行ってライブを観たのですが、当日はジャパンカップ。ごったがえす人、人、人。レース後に競技場に向かったため、駅に向かう人の波に逆らって歩くのが大変でした。そんな中でも、気づいたことがあります。

競馬に対するイメージはどうしても昔ながらのもので、年配の男性が中心だと思っていましたが、意外とそうでもないかな、というのが率直な感想です。建物もきれいでしたし、(まあ、レース後に紙屑が散乱しているのはイメージどおりでしたが)近寄りがたい雰囲気というわけではなかった。

そもそもUmabiは競馬の魅力をSNSで広げていくサイトであり、Web上でさまざまな情報を発信して、ライトな層を取り込もうとしています。「うまじょ」なんて言葉も作って女性ファンを増やそうとしていることもあり、現地を見るとさまざまな試みが行なわれていることが分かりました。

***

ライブは小室さんがソフト・シンセを弾いて「#RUN」をプレイして始まります。続いて、松尾 "バンナ" 和博さんがアコースティック・ギターでサポートし、坂本美雨さんがボーカルをとって「departures」、「I'm Proud」、「My Revolution」、「Get Wild」を歌いました。とりわけ、彼女の歌声は「My Revolution」のメロディにフィットしていたと思います。

30分ぴったりのライブは特にハプニングもなく終了…したと思いきや。一旦は引き上げた小室さんが、アンコールの声に呼ばれて、パドックを走ってカーテンコールのように声援に応えます。パドックをRUNする小室さん。実に貴重な姿を拝見できました。

2015.12.01
[PR]
by mura-bito | 2015-12-01 21:58 | Music | Comments(0)

fujiokashinya (mura-bito)
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
最新の記事
[PART2] LINKIN..
at 2017-07-30 08:25
[PART1] LINKIN..
at 2017-07-29 09:39
ORESAMA「Trip T..
at 2017-07-26 22:10
Zedd & Liam Pa..
at 2017-07-20 21:58
藍井エイル「シリウス」:一等..
at 2017-06-04 21:19
[PART4] Sound ..
at 2017-05-31 21:53
[PART3] Sound ..
at 2017-05-29 22:13
以前の記事
記事ランキング
カテゴリ
タグ
ライフログ
TM NETWORK

























TETSUYA KOMURO




quasimode


Linkin Park


Paramore

Immigrant'sBossaBand

Ryu Miho

AVICII


Krewella

Zedd

藍井エイル






Gacharic Spin


梨木香歩

村上春樹



京極夏彦



Book





Comic






Music


ブログジャンル