inthecube
音楽と物語に関する文章を書いています。
ワイルドじゃなくてもいいからタフになりたい
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Ariana Grande – Focus (Music Video)


Ariana Grande – Focus

Ariana Grandeが新曲「Focus」をリリースしました。絶妙に緩く流れるテンポの中で、ダンサブルな音が凝縮されています。サウンドや歌声は入れ替わりに表情を変え、ひとつの曲の中でさまざまなドラマを体験することができます。パーカッション、シンセサイザー、ベース、キック、ホーン、ハンドクラップ、ボーカル、ラップ。さまざまな音や声の表情を楽しめるという点では、「Problem」* の延長線上にある曲と言えますね。

ビジュアル先行のイメージやゴシップ誌に追われる印象を持つ人が多いのかもしれませんが、音楽に注目してみると、その深さに驚くと思います。「Focus」では、とりわけベースの音がとても魅力的に響き、ベースだけとってみても、異なる表情をいくつも見せてくれます。シンセサイザーと絡んだり、キックと絡んだり、あるいはラップと絡んだり。そしてArianaによる掛け声 "1, 2, 3, Come on, girl." をトリガーにして、バリトンを含むホーンの音が飛び出し、曲は一気に沸点を超えます。

ミュージック・ビデオではパステル調の色で描く世界が広がります。淡い色調の中で、多彩な曲線が表現されています。セットで描く曲線、シルエットで描く曲線、ダンスで描く曲線。光や色の使い方がとても巧みだと思いますし、セットや衣装の変化を際立たせつつも、違和感なくつないでいきます。パステルからモノクロへ、円の中から四角の中へ、マクロから広角へ。焦点は移ろい続けて、観る人を軽やかに操り、心をそこに打ち付けます。

Arianaのチームは、本当に彼女の魅力を最大限に引き出すアプローチを見せますよね。ビジネスとしての戦略があまり目立たず、アーティスティックな魅力を前面に押し出して成立させているのは、やはりそれだけの音楽や映像に関するスキルとセンス、そして資本やその投下のセンスがバランスよく備わっているからなのでしょう。「Problem」のリリック・ビデオを観たときにも思いましたが、とにかくセンスが屹立しています。「Focus」のミュージック・ビデオの演出も素晴らしく、映像系のアワードのトップを獲るんじゃないでしょうか。

* inthecube: Ariana Grande – Problem [feat. Iggy Azalea] (Music/Lyric Video)

2015.10.31
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by mura-bito | 2015-10-31 09:34 | Music | Comments(0)
globe – still growin' up (Music Video)


globe – still growin' up

globeの「still growin' up」は1999年にリリースされましたが、僕は『Remode 1』* で初めて聴きました。このアルバムはglobeの曲を小室さん自身が2015年の音でリミックスしたものです。「still growin' up」は終始トップスピードで疾走するエレクトロになっています。

ふとしたきっかけで、デビューした頃のglobeをApple Musicで聴いていくうちに、「still growin' up」のオリジナルにも出合いました。『Remode 1』でのリミックスの印象がとても強かったため、オリジナルもハウスやテクノの尖った音や隙間のない四つ打ちで構築されていると想像しましたが、そうではなく、むしろシンプルでした。音としては軽くてシンプルなのですが、構成がJ-POP(あるいは歌謡曲)らしくなく、いわゆる洋楽のつくりをしています。Aメロ、Bメロ、サビという区分けではなくて、VerseとChorusで構成されています。

曲はポエトリー・リーディングとラップの境界に位置するような、KEIKOとMarcの掛け合いから始まります。言葉が交差することで、曲のスピードが増しているのがおもしろい。もともとテンポも速めですが、二人の掛け合いが体感速度を高めています。ぐんぐんとスピードを上げて駆け抜ける中、ふっと足元が抜けたかのように宙に浮いて、サビに相当するメインのフレーズが飛び出します。

音のシンプルさがボーカルのアプローチを際立たせています。Marcとの言葉の応酬はKEIKOならではの雰囲気が出て、それがこの曲のオリジナリティになっています。また、♪We are still growin' up♪と繰り返す部分は聴くほどに好きになりますね。かなりの高音なのでシンガロングするのは難しそうですが、♪Ah Ah♪に合わせてハンドクラップで参加したい。(・∀・ノノ☆☆

* inthecube: [PART2] globe – Remode 1

2015.10.28
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by mura-bito | 2015-10-28 21:23 | Music | Comments(0)
Stella.J.C – Stronger Every Day [feat. Wouter Hamel, Yusuke Hirado & Shingo Sekiguchi]
Stella.J.Cというアーティストが「Stronger Every Day」という曲を発表しました。鍵盤奏者でありサウンド・プロデュースも手がける方だそうで、quasimodeの平戸祐介さんがパーソナリティを務めるラジオ番組のアシスタントを担当しています。「Stronger Every Day」はApple MusicやiTunes Storeで聴くことができ、また、SoundCloudにもアップロードされています。

https://soundcloud.com/mono-creation/stronger-every-day/s-QWsMG

この季節に溶け込む音、それが「Stronger Every Day」の第一印象です。少しずつ冷たくなっていく秋の空気が漂いますね。丁寧に編まれた音は心地好く、きれいな空気を吸い込むときのような爽やかさを感じます。それでいて、秋独特のメランコリックな雰囲気もあります。Wouter Hamelが歌い、平戸さんがキーボード、関口シンゴさんがギターを弾いており、爽やかな明るさと憂鬱な冷たさを併せ持つサウンドを作り出すのに貢献しています。
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左→右:Wouter Hamel、Stella.J.C、関口シンゴ、平戸祐介

僕がWouter Hamelの歌声を聴くのは、この曲が初めてではありません。quasimodeが2009年にリリースしたアルバム『daybreak』に、彼が参加した「Happy Few」という曲が収録されています。波を乗りこなすサーフィンのように、ノリのいいサウンドに乗せて彼の歌声が駆け巡ります。ピアノが、ホーンが、ストリングスが歌声と絡みます。音と一体化する歌声の持ち主ですね。その特徴は「Stronger Every Day」でも活きています。

2015.10.26
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by mura-bito | 2015-10-26 21:56 | Music | Comments(0)
trf – Overnight Sensation ~時代はあなたに委ねてる~ (Music Video)


trf – Overnight Sensation ~時代はあなたに委ねてる~

とある会話がきっかけで、trfの曲をApple Musicで次々と聴いていきました。「Overnight Sensation」にたどり着いたとき、予想もしなかった震えに見舞われました。音のジャンルはソウルかファンクか、そのブレンドか。軽やかに舞うパーカッションと絡みながらベースとドラムが生み出すリズムは心地好く、選択肢はひとつ、もはや踊るしかないですよね。歌メロも気持ち良くて、明るくコケティッシュに歌うAメロBメロと、色気を感じさせるサビメロのギャップがとても魅力的です。

小室さんのファンと言えど、僕はtrfを聴いていなくて、むしろ避けていた感があります。シングル曲のサビくらいは知っていましたが、CDを聴くことはおろかTVも観なかったので、耳にしていたのはほとんどカラオケでした。そんなわけなので、音の記憶といったら、あのバランスの悪いカラオケサウンドになってしまっていた。20年経って、音源をきちんと聴いたのですが、衝撃を受けましたね。音が緻密に編まれていて、密度が大きくて、身体にダイレクトに響く。

trfは小室さんによるテクノの実験台として始まったプロジェクトかと思いますが、アルバム『dAnce to positive』のあたりになるとジャンルはあまり気にしなくなっていますね。trfは四つ打ちサウンドだというイメージを持っていたので、「Overnight Sensation」のリズムが生のベースとドラムで構成されていることに驚きました。小室さんのルーツにNile RodgersやGiorgio Moroderもあるので驚くほどではないのですが。いやはや、いろいろ聴いているとさまざまな発見があるものですね。

2015.10.25
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by mura-bito | 2015-10-25 08:52 | Music | Comments(0)
小林ユミヲ – にがくてあまい 11
にがくてあまい 11

にがくてあまい 11

小林ユミヲ


『にがくてあまい』の新刊である11巻が発売されました。マッグガーデン・オンラインで2015年3月から8月にかけて配信された内容が収録されています。基本はコメディなのですが、ひとつの話のボリュームが大きいため、シリアスなエピソードが充分な紙幅を持って語られます。そのため、物語が放つ熱もかなり高くなっています。一冊にまとまると、ずっしりとした重みを感じさせてくれますし、読み応えも充分ありますね。

http://comic.mag-garden.co.jp/eden/58.html

今作では脇役のひとり「ばばっち」にスポットライトが当たります。彼は小さいころからハンドボールに打ち込み、インターハイでチームを優勝に導くほど優秀な選手でした。しかし、卒業直前に起きた事件で心に傷を負い、そのためかボールが投げられなくなり、ハンドボールから遠ざかっていきます。6巻には彼の生い立ちから事件に至るまでの顛末、そしてその呪縛から一歩踏み出すまでが描かれました。11巻では、かつてのチームメイトとの再会を軸にして、残りのピースがはめこまれていきます。

レシピ64「油揚げのピザ」で登場する「ラムネの玉」という比喩が印象に残りました。11巻はそれを巡り、さまざまな角度から描かれる物語と言えます。ボールに触れることすら避けていた頃に比べれば大きく前進したものの、「ばばっち」の中にはそれでもまだ吹っ切れないものが残る。それを瓶の中でコロコロと転がり、音を立てるビー玉に重ねます。ラムネの瓶を割らない限りビー玉は外に出てきませんが、さて、彼の中に残り続け、彼を縛り続けるものは吐き出されるのでしょうか。

***

本作でキーとなる要素はやはりハンドボールです。あとがきで小林ユミヲさんはハンドボールのことを「大きくてしなやかなネコ科の動物が飛びはねながらボールを追いかけているような、そんな美しくも激しいスポーツ」と表現します。生で観戦したことはありませんが、映像を観る限り、目にも留まらぬ速さでボールが行き交い、一瞬で戦況が変わるんですね。一瞬のプレイのスピード感はバスケットボールに似ていて、パスや展開の速さはフットサルに似ています。

ハンドボールは展開がスピーディーであり、オフェンスとディフェンスの接触も激しい、とてもダイナミックな競技です。試合の映像を観ながら、小林さんの比喩を思い出して膝を打ちます。ネコ科の動物として僕が知っているのはネコくらいですが、ネコのような小さい動物でも激しくボールに食らいつくことはあって、そんなときには嬉々としたというよりはそれこそ鬼気迫る雰囲気を感じたものです。ボールをパスして走り、跳躍してシュートする選手たちの姿を見て、なるほど、確かにネコ科っぽいな、と。

***

単行本を手に取ってページをめくっていると、リアルタイムで読んだときの感動や笑いが思い出されます。ひと月おきに配信される話をWebやアプリで読んでいましたが、改めて連続して物語を追いかけてみると、「ばばっち」の気持ちが着実に前進していることに気づきます。さまざまな人と話し、それぞれの事情を知ることで、自分の事情を客観視して、相対化している。手枷足枷が段階的に取れていく様子が、数話をかけ、ページを割いてじっくりと描かれます。

「ばばっち」の手足を縛っていたものがひとつずつ外れていきます。足は地面を蹴り、その手はボールを力強くつかむ。物語はクライマックスを迎え、とても印象的な場面が見開きで描かれます。ページをまたいで描かれたそのシーンに、画力はもちろんのこと、ストーリーテリングの巧みさによって生まれた魅力を見ます。それが表現しているものはきっと、物語の中だけでなく、読者にもストレートに届くと思います。

• inthecube: にがくてあまい レシピ63 大和芋のとろろ鍋
• inthecube: にがくてあまい レシピ64 油揚げのピザ
• inthecube: にがくてあまい レシピ65 レモンプリン
• inthecube: にがくてあまい レシピ66 トマトのライスコロッケ
• inthecube: にがくてあまい レシピ67 アスパラの春巻きとアスパラと新ごぼうの和風パスタ
• inthecube: にがくてあまい レシピ68 ドライカレーと豆苗とザーサイの胡麻サラダ

2015.10.22
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by mura-bito | 2015-10-22 21:30 | Visualart | Comments(0)
[PART4] AVICII – Stories
Stories

Stories

AVICII


[PART3] AVICII – Stories



AVICII – Sunset Jesus (Lyric Video)

リズミカルなスネアと鋭く刻むエレクトリック・ギターの音で始まる「Sunset Jesus」*。それらの音に背中を押されるように軽快なボーカルが飛び出します。ボーカルをとるのはSandro Cavazzaという、ストックホルム出身のシンガー・ソングライターです。AVICIIと同郷ですね。Sandroの声はシーンに合わせて、ちょうどいい密度で音と混ざり合います。音と声のブレンド具合が曲の中で変わり、どこを切り取っても鮮度の高いパフォーマンスに接することができます。

音の主役は次第にシンセサイザーに移ります。太くて厚みのあるベースに乗せて響くシンセサイザーのリフが、音の記憶を呼び起こします。リミックス・アルバム『True: Avicii by Avicii』に収録された「Dear Boy」のテンポをやや落として使い、そこに「Sunset Jesus」のメロディを乗せています。ゆるりとしたテンポで進む曲の中に濃密な音が満ちていて、踊れ踊れもっと踊れと聴き手をアジテートします。永遠に、延々とループしてほしい音の連なり。

* inthecube: AVICII – Sunset Jesus



AVICII – Can't Catch Me (Lyric Video)

「Can't Catch Me」はレゲエ調の曲ですね。脱力感のあるリズムやボーカルに心をほぐされ、さらに間奏で差し込まれるリリカルなピアノがとても美しくて柔らかいソファーに沈み込むように、リラックスの度合いが高まっていきます。レゲエを聴く機会は少ないのが正直なところであり、こうしたピアノの音と組み合わせたパターンはオーソドックスなのでしょうか。僕は初めて聴きましたが、とても良いアレンジだと思います。

ジャンルをまたぐ曲は、音楽という共有財産の有効利用と言うか、新旧を結ぶ伝承の役割を持ちますね。EDMに限らず、ジャズもロックも積極的に他のジャンルを取り込んで変質して、揺り戻しで純化して、そしてまたジャンルをまたいで変化する。変化と純化を繰り返すことでそのジャンルは生き続けるし、その間で聴き手も変わったり増えたりします。



AVICII – Somewhere In Stockholm (Lyric Video)

「Somewhere In Stockholm」からは、街角の風景を切り取ったような雰囲気が漂います。ストックホルムを訪れたことはおろか、写真ですらはっきり見たこともなく、北欧における主要都市、というくらいのイメージしかありません。

音で綴るエッセイ、という感じでしょうか。時に物憂げに、時に包み込むように響くストリングス。静かに鳴る鼓動のようなベース。マーチ系のリズムを刻むスネア。あふれるように言葉を連ねるボーカル。シンセサイザーの音は雲の隙間から差し込む太陽の光を思わせます。ストックホルムを歩いて、建物を見上げ、人々とすれ違い、季節を感じる。ストックホルムとはどのようなところなのでしょう。どのような人々がいて、どのような音がするのでしょうか。



AVICII – Trouble (Lyric Video)

アコースティック・ギターのカッティングを中心に据え、カントリー調に盛り上げます。「Trouble」という曲は、2013年にリリースされてAVICIIの代表曲のひとつとなった「Wake Me Up」** を彷彿とさせますが、より軽快に、より祝祭的に響いて気持ちを高めてくれます。

アコースティック・ギターの音とエレクトロニック・サウンドのブレンドは、オーソドックスな手法のようでいて、バリエーションが無数と言っていいほどにあります。ギタリストのセンスや技術、リズムのパターンやシンセサイザーのフレーズが新たな曲を生み出し、ギターが好きな人とエレクトロが好きな人が出会う交差点となります。互いにないものを感じるためでしょうか、異なる方向からの音が交錯して、オリジナルな魅力が生まれます。

** inthecube: AVICII – Wake Me Up (Music Video)



AVICII – Gonna Love Ya (Lyric Video)

アルバム『Stories』の最後を飾るのは「Gonna Love Ya」という曲です。聴き手の肌から体内にそして細胞に、じわじわと浸みていく音。そんな音に乗せ、「Sunset Jesus」にも参加したSandro Cavazzaが、この曲でも歌を吹き込んでいます。

Sandroのボーカルは「Sunset Jesus」とは異なって抑制された雰囲気を醸し、シンプルな音が強調されます。サウンドの骨格が見え、ひとつひとつをじっくり観察したくなります。シンプルとは言え、音を厳選して並べている、という印象を受けます。ゆっくりと終盤の数ページを繰る感じですね。やがて最後のページをめくって14の物語を読み終え、そして静かに本を閉じる。物語は終わります。それでも物語は記憶に残ります。そして音の記憶も残ります。

2015.10.20
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by mura-bito | 2015-10-20 21:20 | Music | Comments(0)
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2015.10.18
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by mura-bito | 2015-10-18 21:01 | Photograph | Comments(0)
[PART3] AVICII – Stories
Stories

Stories

AVICII


[PART2] AVICII – Stories



AVICII – Broken Arrows (Lyric Video)

最初はシンプルな音の中で歌が曲を引っ張り、それと入れ替わるようにシンセサイザーのリフが飛び出します。身体の中で反響するダンサブルなフレーズ。「Broken Arrows」の魅力をひとつに絞るとすれば間奏のシンセサイザーのリフですね。もちろんひとつに絞る必要はないので、ボーカルが生み出すタフな雰囲気も加えましょう。ボーカル、シンセサイザー、ボーカル、シンセサイザーの順にバトンが渡され、最後に両者はミックスされます。

シンセサイザーで奏でるフレーズがボーカルやギターに匹敵する存在感を放つようになったのは、ここ5年ですよね。ソフト・シンセの音がエレクトロの世界を席捲し、それはポップスやロックにも浸透しています。濃厚な音、クリアな音、ダウナーな音、ノイジーな音。いろいろありますが、シンセサイザーの音が曲のメインになることで、EDMという新たなジャンルが勃興しただけでなく、他のジャンルにまで影響を与えたという点で、音楽の世界は広がったと思います。



AVICII – True Believer (Lyric Video)

ハウス・ミュージックの中毒性をみなぎらせた「True Believer」。ループするシンセサイザーの音は危険な薬物のように身体の隅々を支配します。この曲にはColdplayのChris Martinが参加しており、ボーカルとピアノを担当しています。高音のボーカルがAVICIIのエレクトロニック・サウンドにぴたりとはまり、相性の良いコラボレーションであることを示しています。

Chris Martinの声は1970年代的なファンクを感じさせますね。何故だろうと思って記憶をたどってみると、Earth, Wind & Fireの「September」が思い浮かびました。とりわけアウトロでChris Martinが弾くピアノのメロディが「September」を感じさせるんですよね。鍵盤から舞い上がる記憶の断片。音楽を聴けば聴くほど、多くのパーツを手に入れ、それらは思いもよらぬリンクによって結びつきます。



AVICII – City Lights (Lyric Video)

「City Lights」で聴ける音の展開がとても恰好良いし、気持ちよくなります。蓄積して、放出する。音が放出される瞬間に聴き手をエキサイトさせる爆発力は『Stories』の中でも随一でしょう。強烈なシンセサイザーのリフで盛り上げるのはEDMの特徴であり、世に浸透する要因となりました。そのエッセンスが「City Lights」にも詰まっています。

ボーカルは男女の声が交錯しますが、その一翼を担うのがNoonie Baoです。AVICIIとNicky Romeroの共作「I Could Be the One」でもボーカルを務めたシンガーです。彼女の歌声には、いたずらっぽい笑みのような雰囲気がありますね。天真爛漫の破顔とも違うし、落ち着いた微笑というわけでもない。愉快なことを思いついたときの、わくわく、うずうずしている顔。



AVICII – Pure Grinding (Music Video)

埃っぽい空気の中で皮肉っぽく唇を歪める誰か。「Pure Grinding」を聴いていると、一筋縄ではいかないタフな人間の姿が思い浮かびます。イメージに合いそうな人物を具体的に挙げるとすれば、レイモンド・チャンドラーが書くフィリップ・マーロウのような一匹狼ですかね。あるいは村上春樹の『1Q84』に出てくる青豆か。

おどけて人を食ったような声のラップと、しゃがれた声が吐き出すシャウトが印象に残ります。シンセサイザーはNord Leadのように軽くて粘り気のある音を鳴らし、妙にポップな音がコミカルに響きます。声は途中でソフトウェアで加工されたり、やけに泥臭い雰囲気をダイレクトに出したりと、クールとは対極に位置するアレンジで聴き手を翻弄します。それがある意味では新鮮な響きをもたらします。「農場ヒップホップ」とも言うべきか、奇妙な造形をした曲です。

[PART4] AVICII – Stories

2015.10.16
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by mura-bito | 2015-10-16 21:23 | Music | Comments(0)
Selena Gomez – Me & the Rhythm


Selena Gomez – Me & the Rhythm

Selena Gomezが新たなアルバム『Revival』をリリースしました。新作に収められた「Me & the Rhythm」の音源がYouTubeにアップロードされています。『Revival』をひと通り聴いてみて、最も強く印象に残ったのがこの「Me & the Rhythm」ですね。R&Bのリズムに切なげなメロディが重なります。

初めて聴いたSelena Gomezの曲は「Slow Down」* です。ワブル・ベースの音が随所で使われた、EDM系統のサウンドでした。しばらく間が空いて、Zeddのシングル曲「I Want You To Know」** を聴いたときは、彼女の声が持つ空気の違いに驚きましたね。Zeddがつくるエレクトロニック・サウンドと真正面から戦うような、並立する存在感を放つボーカルだと思いました。

彼女の歌を初めて聴いたときは、無理に大人びた雰囲気を出そうとしてむしろ幼さが強調されていると思いましたが、Zeddとのコラボレーションではそうしたぎこちなさはなく、シンガーとしての芯が見えました。そして、『Revival』を通して彼女の新たなオリジナル曲を聴くと、着々と自分の世界を構築しているのが分かります。

「Me & the Rhythm」は、心地好いテンポの中で心地好い音と歌が軽やかに絡み合います。Chorus部分で響く♪I know I know I know♪や♪I want I want I want♪のリフレインが、耳に記憶に印象に残ります。彼女の声質が活かされたフレーズですね。出演しているiPhone 6SのCMのように、多くのカメラに囲まれてフラッシュを浴びるようなトップ・アーティストですが、その歌声は時として少女っぽい表情を見せることがあります。雰囲気の変化が彼女の歌の持ち味なのかもしれません。

* inthecube: Selena Gomez – Slow Down (Music Video)
** inthecube: Zedd – I Want You To Know [feat. Selena Gomez]

2015.10.14
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by mura-bito | 2015-10-14 21:40 | Music | Comments(0)
にがくてあまい 番外編 柿とさつまいもの豆乳マヨサラダ
今月の『にがくてあまい』は本編を離れた番外編です。主役の「マキ」と「渚」がとりとめもなく会話を重ねており、長屋で同居するふたりの日常のひとコマを切り取っています。話のテーマは兄弟姉妹。この漫画には何組かの兄弟が登場し、実の兄弟でなくとも、兄弟姉妹のような関係を見せるふたりもいます。そして「少し大きめの妹」も?

http://comic.mag-garden.co.jp/eden/58.html

『にがくてあまい』は登場人物たちが互いに影響を与える物語です。あるときは片方が相手を諭したり助けたりするし、時が経ってシチュエーションが変わると立場が入れ替わり、助けた側が助けられる。そういう「影響を与え合う関係」の連鎖が物語に横たわっています。

「影響を与え合う関係」を支える要素のひとつが、兄弟姉妹の、あるいは兄弟姉妹的なつながりです。たとえば兄だから兄としての気持ちや考えが分かるし、誰かが自らの兄について悩んでいるときに、さらりとアドバイスすることができる。その反対も然り。兄弟姉妹に加えて親子や夫婦という関係も絡んで、物語はさまざまなトピックを語り、さまざまな展開を見せてくれます。

1巻から読んでみると、いろいろな話が描かれているのが分かります。それらが地層のように堆積して今に至っています。今回の番外編は、登場人物のちょっとしたおさらいみたいな役割を持った回です。もうすぐ11巻が発売され、そして実写で映画化されることも決定していますが、この機会に最初の方を読んでみるのもいいかと思います。

2015.10.13
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by mura-bito | 2015-10-13 18:14 | Visualart | Comments(0)

fujiokashinya (mura-bito)
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