inthecube
音楽と物語に関する文章を書いています。
ワイルドじゃなくてもいいからタフになりたい
Want to become tough, not need to get wild.
ブログトップ
<   2015年 07月 ( 13 )   > この月の画像一覧
TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 (INTRO)
TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA

TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA

TM NETWORK


「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30」は2014年10月の横須賀公演に始まり、2015年1月の福島公演で終了しました。2015年の2月にはアリーナ規模の会場で「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA」が行なわれました。この度、後者の模様を収めたBD/DVDがリリースされましたが、2枚組BD版では、2014年12月9日と10日に行なわれた「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30」の東京国際フォーラム公演のライブ映像を観ることができます。

TM NETWORKが2012年から展開している物語を確認しておきましょう。表現の方法はステージによって変わってきましたが、全体を貫くラインは明確です。すなわち、TM NETWORKの3人は潜伏者であり、彼らの他にも潜伏者はいる。潜伏者は地球のあちこちにいて、人間の営みを調査し、地球の外に浮かぶマザーシップに報告するという任務を遂行している。この時代だけでなく、過去のあらゆる時代にも潜伏していた。旗色鮮明ではなく、人類にとって有益な存在だったこともあれば、そうではなかったこともある。誰かの人生を左右することもあれば、誰からも気に留められることなく任務を終えた潜伏者もいます。

地球のあらゆる物事を記録し、報告した潜伏者を描いた物語。潜伏者の視点から地球を見ると、どのように映るのか。どのように記憶し、どのように記録するのか。記憶に留め、記録に残さないものもあるのかもしれません。例えば、人々が抱く愛情を記録したとしても、期せずして自らが誰かに抱いた恋心は記憶の中だけに留めておいた。TM NETWORKが歌ういくつかのラブソングは、記録に残らない潜伏者の記憶のひとつを表わしたもの。そんなサイドストーリーがあってもおかしくはありません。いくらかは想像の範疇に入りますが、ステージで披露される曲をつなぎ合わせてみると物語の輪郭が浮かび上がります。


「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30」の軸を成しているのは、最新のオリジナル・アルバム『QUIT30』の核でもある、組曲「QUIT30」です。この組曲を中心にしてライブを貫くストーリーが描かれ、ステージ演出が決定されました。巨大なLEDパネルが映し出す映像の数々が物語を綴り、印象的なメッセージを残します。メッセージからは、謎に翻弄されるのではなく、少しだけ想像を巡らせて楽しんでもらいたい、という意図を感じました。

組曲「QUIT30」は8つのトラックで構成されていますが、ライブでは5つに分割されていることが分かります。サウンドに連続性のあるトラックが続けて演奏され、その前後には他の曲が配されます。5つのパートの前または後ろには、映像によるストーリーテリングが行なわれます。それぞれのピースを集めてつなぎ合わせます。ライブでは幾多の風景や台詞を追うだけで精一杯でしたが、記録の分析を丹念に行なうことで、見えなかったものが目に入ってきます。処理が追いつかない、ここ数年の莫大な量の情報のことを、big dataよりも大量のデータという意味で、小室さんは「HUGE DATA」と呼びました。

HUGE DATAに囲まれて何をすべきか分からない人間の群れ。それでも丁寧にデータを扱い、できる限り分析、解読、処理すれば、有益なものが得られる。それは情報に対する強者と弱者を生み出すことにもなりますが、良くも悪くも人間の営みに含まれるのかもしれません。情報を独占する人間もいれば、解放、共有して連携する人間もいる。データが増えれば、データをやりとりする人々も増え、つながりが増え、ネットワークは離合集散を繰り返します。地球上の人々は、前代未聞の情報量に直面したとき、何を考え、どのように振る舞うか。データは増殖を続け、潜伏者は記録を続けます。

TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30
01. QUIT30 PART1: Birth
02. WILD HEAVEN/TIME TO COUNT DOWN
03. QUIT30 PART2: The Beginning Of The End/Mist
04. Alive/君がいてよかった
05. Always be there/STILL LOVE HER
06. QUIT30 PART3: Glow
07. I am/GET WILD
08. QUIT30 PART4: Loop Of The Life/Entrance Of The Earth
09. THE POINT OF LOVERS' NIGHT/SELF CONTROL/LOUD
10. QUIT30 PART5: The Beginning Of The End II/III

2015.07.28
[PR]
by mura-bito | 2015-07-28 21:09 | Music | Comments(0)
TM NETWORK – 君がいてよかった (from TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30)


TM NETWORK – 君がいてよかった
(from TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30)

2014年のツアー「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30」の映像が公開されています。ひとつは「THE POINT OF LOVERS' NIGHT」[1] であり、もうひとつは「君がいてよかった」です。このライブでは「君がいてよかった」の途中で演奏を一旦止めます。その後、木根さんの弾き語り、小室さんと木根さんのセッションを挟み、再び音が戻って再び「君がいてよかった」が演奏されます。YouTubeでは、切り上げる直前までの演奏がアップされています。

[1] inthecube: TM NETWORK – THE POINT OF LOVERS' NIGHT (from TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30)

VerseからChorus、そしてVerseのつなぎに空白がなく、どんどん進んでいきます。小室さんがソフト・シンセで弾くピアノの音がVerseを、Chorusを貫きます。Verseで聴けるピアノのリフは小室さんの得意とするパターンですね。たとえば1993年の「WILD HEAVEN -EXTENDED HARD CORE MIX-」や「一途な恋」、「COME ON LET'S DANCE 2014」[2] などで耳にすることができます。もちろん旋律はそれぞれ異なりますが、リフの雰囲気は共通するものがあります。TM NETWORKに限らず、あちこちのエレクトロで聴けるパターンなので、何か名称があるのかもしれませんが。

[2] inthecube: TM NETWORK – COME ON LET'S DANCE 2014

「君がいてよかった」は2012年のシングル「I am」と、2014年のアルバム『QUIT30』に収録されています。シングルと違ってアルバム・ミックス[3] ではギターの音を強調していましたが、その雰囲気をライブでも引き継いでいます。ライブそのものがバンナ(松尾和博)さんのギターをフィーチャーしており、「君がいてよかった」もギター・ロック寄りのアレンジで披露されています。小室さんが弾くピアノとバンナさんが弾くギターが同時に鳴り響くVerseは素晴らしく、特に2nd Verseでは火花が飛ぶような熱いプレイを聴くことができます。

[3] inthecube: New mix for QUIT30: LOUD/君がいてよかった

[PART1] TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30
[PART2] TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30
TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 ホール・ツアー最終公演

2015.07.23
[PR]
by mura-bito | 2015-07-23 21:33 | Music | Comments(0)
TM NETWORK – THE POINT OF LOVERS' NIGHT (from TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30)


TM NETWORK – THE POINT OF LOVERS' NIGHT
(from TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30)

「THE POINT OF LOVERS' NIGHT」のライブ映像が公開されています。2014年後半のツアー「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30」の東京国際フォーラム公演で収録された映像です。10年前には「TM NETWORK DOUBLE-DECADE TOUR FINAL」、20年前には「TMN 4001 DAYS GROOVE」といった節目のコンサートで演奏されました。オリジナルは25年前にリリースされ、TM NETWORKがロック・スタイルに移行する嚆矢となりました。

イントロやサビで鳴り響くフレーズが、過去のライブでは見られなかったアレンジですね。イントロではギターが前に、サビではシンセサイザー(おそらくVirus TI Polar)が前に出て、この印象的なフレーズを奏でます。オリジナルで使ったフレーズの一部を切り取りループしている、という感じです。ループする音で聴き手を高揚させるのは実にダンス・ミュージック的ですよね。泣かせるフレーズのリフレインが観客の心を揺さぶります。

吹き荒れるギターとシンセサイザーとキックの嵐の中で、ウツのボーカルが光ります。歌詞が日本語だけで構成されているので、ひとつひとつの音を丁寧に出すウツの歌い方にぴたりとはまります。メロディの良さがストレートに伝わってきますよね。そして特筆すべきは、全身から放つロック・ボーカリストとしての存在感です。一段と厚みを増す音と光を浴びて、マイクスタンドとともに華麗に回る姿の格好良さよ…!

[PART1] TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30
[PART2] TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30
TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 ホール・ツアー最終公演

2015.07.21
[PR]
by mura-bito | 2015-07-21 20:02 | Music | Comments(0)
Ariana Grande – Baby I (Music Video)


Ariana Grande – Baby I

Ariana Grandeの「Baby I」はデビュー・アルバム『Yours Truly』に収録された曲です。僕は2枚目のアルバム『My Everything』で彼女の音楽を知り、リミックス・アルバム『The Remix』[1][2] で過去の曲にも興味を持ちました。そのうちの一曲が「Baby I」です。ミュージック・ビデオも制作されており、オリジナル・ミックスの雰囲気を知ることができます。

『Yours Truly』に収録されているオリジナル・ミックスのアレンジはR&Bですね。身体を揺らすのに適したテンポで組み上げたトラック、可憐さとシャープさが絡み合うボーカル。彼女のキャラクターにぴたりとはまるアレンジです。その可愛さに惹かれる人もいれば、美しい歌声に魅力される人もいる。見た目だけじゃない魅力を持ったシンガーです。

『The Remix』には、"Cosmic Dawn Radio Edit"、"A Director's Cut Radio Edit" という2つのリミックスが収録されています。オリジナルよりもテンポを上げ、四つ打ちにしてトランスに寄ったサウンドは共通していますが、異なる印象を受けます。使っている音や音の配置にそれぞれのオリジナリティが出ており、僕はとりわけキックの音の違いに惹かれます。

"Cosmic Dawn Radio Edit" は重くて厚いキックが聴けて、色気がありますね。"A Director's Cut Radio Edit" は軽めのキックに他の音が絡み、軽快に駆け抜ける爽やかな音に仕上がっている。どちらのミックスも原曲にあった甘い部分をカットすることで、彼女のクールな部分が強調されています。オリジナルを聴いて気に入ったのなら、このリミックスもきっと楽しめますよ。

[1] inthecube: Ariana Grande – The Remix
[2] note: Ariana Grande – The Remix

2015.07.16
[PR]
by mura-bito | 2015-07-16 22:06 | Music | Comments(0)
AVICII – Waiting For Love (Remixes)
Waiting For Love (Remixes)
Carnage & Headhunterz Remix/Sam Feldt Remix/Tundran Remix
Prinston & Astrid S Acoustic Version/Autograf Remix/Marshmello Remix

◢ ◤

AVICIIの「Waiting For Love」* は2015年5月にリリースされた新曲です。360度を映した映像で構成されたビデオに衝撃を受けました。次の企画はリミックスです。「Waiting For Love」のリミックスを集めたシングルがリリースされました。収録されたトラックは6つ。同じ素材を使っていてもこれだけ印象が変わることに驚けるのがリミックス企画のいいところですね。

◢ ◤

"Carnage & Headhunterz Remix" はソフト・シンセらしい音を強調して、原曲から大胆にEDMに振れています。"Sam Feldt Remix" ではピアノのリフや粘り気のあるキックが印象に残ります。"Tundran Remix" を聴いて真っ先に思い浮かべたのはJamiroquaiです。いわゆるアシッド・ジャズですね。"Autograf Remix" は、フュージョンのようなスウィング感が心地好い。"Marshmello Remix" はドラムンベースとトランスの間を行き来するアレンジです。

◢ ◤

さらに、"Prinston & Astrid S Acoustic Version"はエレクトロから離れており、パーカッションやアコースティック・ギターなどをきかせたバンド・サウンドを聴くことができます。原曲は男性だったボーカルは、女性の声で吹き込まれており、意表を突かれると同時に、とても素敵な歌声だと思いました。あたたかみのある、心地好い歌声です。

* inthecube: AVICII – Waiting For Love

2015.07.14
[PR]
by mura-bito | 2015-07-14 22:12 | Music | Comments(0)
Alesso – Cool [feat. Roy English] (Music Video)


Alesso – Cool [feat. Roy English]

彼は意外と愉快な人なのかもしれません。クールに決めて、格好つけているEDMアーティスト…Alessoに抱いていたイメージは、「Cool」という曲のミュージック・ビデオによって崩れました。冴えない格好をしてステップを踏む姿は滑稽といえるくらいなのですが、本人が演じていることに驚きます。そういう役はパフォーマーを立てて演じてもらうものではないでしょうか。Coolじゃない姿を演じているところがむしろCool、ということか。

Alessoの「Cool」はアルバム『Forever』に収録されています。気持ちいい音ですよね。彼はきれいな音を使ってサウンドを組み立てます。爽やかな感じと言うこともできますし、きらきらと輝く感じでもあります。EDMらしい音を使いながら、親しみやすいポップスに仕上げるのが彼の持ち味かなと思います。アルバムには尖った曲も収録されていますが、全体的な印象としては、重厚さよりは爽やかさが表に出ていますね。

「Cool」に参加しているのはRoy Englishというシンガーです。初めて聴いても「いい声だな」と思います。まあ、世界的に流通する曲で歌っているという時点で悪いわけはない。歌もののメロディやサウンドというのは、ボーカルとのマッチングが重要です。うまくマッチすることでメロディやサウンドが魅力的に響く。「いいメロディだよね」と思ったときは、それはすなわちボーカルとの相性がいい証拠かな、と。優劣に関しては専門家の判断にゆだねるとして、僕らは声と音とメロディの調和を楽しむとしましょう。

2015.07.13
[PR]
by mura-bito | 2015-07-13 21:12 | Music | Comments(0)
Ariana Grande – The Remix
The Remix

The Remix

Ariana Grande


Ariana Grandeの『The Remix』は、日本だけでリリースされたリミックス・アルバムです。彼女のシングル曲やコラボ曲のリミックスを聴くことができます。ジャケットも日本を意識しており、シンプルながらもポップなイラストが飾っています。彼女はSUMMER SONIC 2015にも出演しますし、彼女のチームは日本を悪くない市場だと捉えているのかもしれません。もちろんAriana自身が日本に好意的だとも考えられますが、それだけで作品が(コンピレーションとはいえ)制作されることはないはずですよね。

***

今や、ソフト・シンセの音は流行を通り越して、音楽制作におけるメジャーな選択肢になっていると言えます。『The Remix』に収録された曲もソフト・シンセの音をきかせたエレクトロに仕上がっています。テナーの音やIggy Azaleaのラップをフィーチャーした「Problem」[1] は、アプローチの異なる3つのバージョンが収録されています。ソフト・シンセの音に気持ちよく酔うことができます。"Dave Aude Twerk Edit" と "Dawin Remix" は、ともにキックとスネアとベースの使い方が格好いい。

「Break Free」[2] はZeddが曲を提供してミュージック・ビデオにも出演しましたが、ここでは彼によるextended mixを聴くことができます。オリジナルの印象を残しつつ、音を加えることで変化をつけています。オリジナルよりも引き締まった印象を受けました。「One Last Time」[3] のリミックスも、エレクトロの良さがメロディを引き立てていますね。哀愁が漂う、いわゆる「泣き」のメロディと、乾いた感じのエレクトロニック・サウンドがうまく混ざります。それらを支える四つ打ちのリズムもまた心地好い。

***

他にも、Jessie JやNicki Minajとコラボした「Bang Bang」や、葉加瀬太郎のバイオリンを重ねたバージョンもある「Baby I」などのリミックスが収録されています。『The Remix』で初めてArianaの音楽に触れるのもいいのではないでしょうか。リミックスをきっかけにオリジナルを聴いて他の曲も聴くことで、そのアーティストを好きになる、というケースはあります。シンセサイザーの音が好きな人であれば、琴線に触れる曲を『The Remix』で発見できるかもしれません。

[1] inthecube: Ariana Grande – Problem [feat. Iggy Azalea] (Music/Lyric Video)
[2] inthecube: Ariana Grande – Break Free [feat. Zedd] (Music Video)
[3] inthecube: Ariana Grande – One Last Time (Music Video)

2015.07.10
[PR]
by mura-bito | 2015-07-10 21:24 | Music | Comments(0)
Zedd – Clarity
Clarity

Clarity

Zedd


Apple Musicを使い始めたので、Zeddのデビュー・アルバム『Clarity』を聴いています。これまでアルバム全体を聴いてはいなかったものの、Foxesをフィーチャーした「Clarity」[1] 、それに「Stache」[2] というインストゥルメンタルはダウンロードして聴いていました。また、ParamoreのボーカルであるHayley Williamsをフィーチャーした「Stay The Night」[3] は、『Clarity』のデラックス版に収録されています。

素晴らしい、実に素晴らしい。Apple MusicでEDMを開拓してみようと思い、その流れに乗ってこのアルバムにもアクセスしてみました。詮無きことながら「なぜもっと早く聴かなかったのか」という後悔はありますが、これも巡り合わせなのでしょう。Zeddを知った2年前にアルバムを聴いて、今と同じだけの感動を得られたかどうかはわかりません。音楽というものは、聴いたそのときが自分にとっての旬なのかもしれません。

***

『Clarity』を聴いていて思うのは、曲の並べ方が巧みだということです。曲と曲のつなげ方を、アレンジの段階から考えていたのだろうと思います。それがわかるポイントが3つほどあります。「Hourglass」の終盤の音は、続く「Shave It Up」の一部を使っています。前者の音から後者を発想したのかもしれませんが、いずれにしても、ふたつの曲が共通の音でつながることで勢いが増します。

また、「Codec」と「Stache」というふたつのインストゥルメンタルの組み合わせも素晴らしい。それぞれを聴くだけでも素晴らしいのだけど、両者の音が関連しているので、つなげて聴くと新たな魅力に気づくことができます。そして、「Fall Into the Sky」から「Follow You Down」、そして「Epos」に至る流れがアルバムの最後を飾り、気持ちよく聴き終えることができます。

***

音の太さは『Clarity』の特筆すべき点です。たとえばDavid Guettaやdeadmau5はとんでもない厚さのキックを鳴らしますが、Zeddも大概ですよね。EDMの先達に負けず劣らず、重くてタフな音です。いやはや、「Shave It Up」や「Codec」で吹き荒れるキックの嵐は、もう狂気の沙汰としか言いようがない。キックの連打に身を任せれば高揚すること必至なり。

ボーカルものもそれぞれに異なる魅力を放っています。「Hourglass」ではLiZ、「Spectrum」ではMatthew Koma、そして「Fall Into the Sky」ではEllie Gouldingといったシンガーたちが参加しています。Zeddはボーカルを活かすのに長けていますが、それは彼に限らず、EDMアーティストの必須条件ということもできますね。素敵な歌声を素晴らしい音で聴けるのはEDMというジャンルの優れた点でしょう。新たな声、新たな魅力に出合えるチャンスが、この『Clarity』というアルバムにも詰まっています。

[1] inthecube: Zedd – Clarity [feat. Foxes] (Music Video)
[2] inthecube: Zedd – Stache (Music Video)
[3] inthecube: Zedd – Stay The Night [feat. Hayley Williams of Paramore] (Music Video)

2015.07.09
[PR]
by mura-bito | 2015-07-09 19:40 | Music | Comments(0)
にがくてあまい レシピ67 アスパラの春巻きとアスパラ新ごぼうの和風パスタ
今月も『にがくてあまい』が更新されました。第67話「アスパラの春巻きとアスパラ新ごぼうの和風パスタ」を読むことができます。作者の小林ユミヲさんは「インチキラブコメ」と言っていましたが、それがついに「お茶の間ずっこけ漫画」になりました。もともとラブコメ成分はあまりなく、ときどき急激に高まるという、なんともマイペースな物語です。「ラブ」にもいろいろあるよね、なんてことは言うだけなら容易いのかもしれませんが、シンプルとは言えない関係をコミカルに描きます。

http://comic.mag-garden.co.jp/eden/58.html

『にがくてあまい』は10巻まで刊行されています。現在は、本年中に出るであろう11巻の内容がリアルタイムに展開しています。どうやらこの巻は「ばばっち」の話が軸になります。いくつかの出来事を経て、複雑に絡まっていた彼の問題が少しずつ解きほぐされる、そのプロセスを描きます。交錯するのは、兄弟、親子、夫婦、親友などの関係。そこに見え隠れするのは、人と人をつなぐ人の存在ですね。人はひとりでは生きられないのだけど、そんなに簡単につながれるものでもない。つながりを取り戻したくても、それを拒む自分もいる。そんな中でも、手を差し伸べる人がいたり、自然とつながりをつくる人がいたりします。そうしたことに気づいていくプロセスでもあるのかもしれません。

どんな人も、つなげられる存在であると同時に、つなげる役割も持っているのでしょう。そういう意味で「人はひとりじゃない」と思います。特に今回の話では、それぞれが立体的に結びついて関係はつくられている、ということが見えます。自分の視点からだと、見えるのは平面的なつながりだけ。けれども話をして別の事実を知ることで、立体的な関係に気づく。三角形だと思っていたら、実は点がもうひとつあって、三角錐だった、というような。そして頂点はもっと増えていくわけです。

彼にとって、祖母の家は守り育ててくれた場所でもあり、つらい記憶の原点でもある。その家は良くも悪くも彼を縛っていたもののひとつですが、庭に生えていた最後のアスパラガスを母親から託され、長屋に住むメンバーで食べます。アスパラガスを春巻きの皮で巻いてオリーブオイルで揚げたものは手軽につくれそうですね。一方、アスパラガスと新ごぼうでつくるパスタは、動物性タンパク質がなくても充分においしそう。最後に、「渚」は長屋の庭にアスパラガスを植えようと提案します。作者はアスパラガスを「ばばっち」に重ねて描きます(いろんな意味で)。採ってもまた新たに生えてくる生命力。祖母の家に行くことはもうできないのだけど、アスパラガスは新たな場所でまた育ち、姿を見せます。

2015.07.08
[PR]
by mura-bito | 2015-07-08 22:14 | Visualart | Comments(0)
AVICII – The Nights -Avicii By Avicii-
AVICIIが自身の曲をリミックスする企画は「Avicii By Avicii」と呼ばれています。2014年3月には、デビュー・アルバムをリミックスした『True: Avicii by Avicii』* をリリースしました。2015年に入り、Avicii By Aviciiの一環として、「The Nights」** をリミックスしたものが配信されています。オリジナル・ミックスはYouTubeやApple Musicで聴けます。まずはシンセサイザーのリフの気持ちよさをオリジナルで味わってみましょう。リミックスでは印象がかなり異なっているので、どちらも聴けば違いを楽しむことができます。

◢ ◤

『True: Avicii by Avicii』を聴いたとき、オリジナルと比べて、Avicii By Aviciiではダンス・ミュージックに寄る傾向にある、と思いました。2013年のアルバム『True』はハウス・ミュージックとポップスをブレンドしており、カントリー・ミュージックのような、あるいはブルージーに響くアコースティック・ギターが随所に顔を出します。『True: Avicii by Avicii』はポップスの要素を減らして、EDMシーンで好まれる音を前に出している、という感じでしょうか。

◢ ◤

さて、「The Nights -Avicii By Avicii-」で印象に残るのはDUBSTEPさながらのワブル・ベースです。オリジナルではシンセサイザーのクリアな音でぐいぐいと引っ張っていた箇所が、重くてノイジーなワブル・ベースの音で埋め尽くされます。「The Nights」のオリジナルが開放的な野外ステージに似合う曲だとしましょう。そうすると、Avicii By Aviciiのバージョンは、音が凝縮されて濃密になるクラブのフロアを沸かせるのに向いている、と言えそうです。

* inthecube: AVICII – True: Avicii by Avicii
** inthecube: AVICII – The Nights (Lyric Video)

2015.07.07
[PR]
by mura-bito | 2015-07-07 21:31 | Music | Comments(0)

fujiokashinya (mura-bito)
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新の記事
[PART2] LINKIN..
at 2017-07-30 08:25
[PART1] LINKIN..
at 2017-07-29 09:39
ORESAMA「Trip T..
at 2017-07-26 22:10
Zedd & Liam Pa..
at 2017-07-20 21:58
藍井エイル「シリウス」:一等..
at 2017-06-04 21:19
[PART4] Sound ..
at 2017-05-31 21:53
[PART3] Sound ..
at 2017-05-29 22:13
以前の記事
記事ランキング
カテゴリ
タグ
ライフログ
TM NETWORK

























TETSUYA KOMURO




quasimode


Linkin Park


Paramore

Immigrant'sBossaBand

Ryu Miho

AVICII


Krewella

Zedd

藍井エイル






Gacharic Spin


梨木香歩

村上春樹



京極夏彦



Book





Comic






Music


ブログジャンル