inthecube
音楽と物語に関する文章を書いています。
ワイルドじゃなくてもいいからタフになりたい
Note my experiences with impressive music/story.
ブログトップ
<   2015年 06月 ( 8 )   > この月の画像一覧
TM NETWORK – WE LOVE THE EARTH (from TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA)


TM NETWORK – WE LOVE THE EARTH
(from TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA)

7月にライブ映像作品『TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA』がリリースされます。その中から、いくつかの曲が先行してYouTubeで公開され始めました。この「WE LOVE THE EARTH」は、コンサートの後半で披露されました。ハウス・ミュージックに染まったサウンドと、イントロ、間奏、アウトロでシンガロングできる素敵なコーラス・パートが魅力的な曲です。

ダンス・ミュージックとして最適なテンポ、濃密なリズム。それらの要素は、踊るためにある曲であることを如実に示しています。ベースとキックの音が絡み合い、とてもとても心地好い。そんなリズムに絡んで色気を醸すギターはバンナさんが弾いています。エレクトリック・ギターの音が駆け巡り、曲の密度を、そして解像度を高めています。

ギターとともにソフト・シンセの音が会場に満ちます。縦に横に編まれた、隙間のない音のエリア。小室さんはソフト・シンセをマウスで操作して、いろいろな音を出しています。丸い地球も、地上まで降りてみれば山や森があって凸凹している、という感じでしょうか。よく聴けば、さまざまな音に出合えますね。音が降り注いでくる感じがします。

[PART1] TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA
[PART2] TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA

2015.06.30
[PR]
by mura-bito | 2015-06-30 21:40 | Music | Comments(0)
TM NETWORK 30th FINAL 公式アフターパンフレット
TM NETWORK 30th FINAL 公式アフターパンフレット

TM NETWORK 30th FINAL 公式アフターパンフレット

TM NETWORK


『TM NETWORK 30th FINAL 公式アフターパンフレット』と題した電子書籍がiTunes StoreKindleストアで配信されています。これは、2015年3月21、22日におこなわれたコンサート「TM NETWORK 30th FINAL」の様子を収めた写真集です。また、TM NETWORKの3人に個別に話を聞いたインタビューも収録されています。インタビューでは、2012年から始まった3年間の活動を、それぞれの観点から振り返っています。

収録されている写真はどれもクリアですね。ページを繰ると、コンサートの記憶がよみがえります。会場を駆け巡った光とともに、音まで聞こえてきそうです。TM NETWORKらしいクールな表情や仕草はもちろん、音楽仲間との音の会話を楽しむ姿を見ることができます。ステージの後方、バンドの背後には大きなLEDパネルが設置されていましたが、このLEDにはさまざまな映像が映し出されていました。この写真集でもその様子が収められています。夜に溶けていくロンドンの夕暮れを背に、TM NETWORKの3人がステージに立っている写真は、とりわけて美しい。

***

インタビューでは、「TM NETWORK 30th FINAL」における「音が消える」という演出について言及されています。観客の意表を突くための一瞬のブレイクでもなく、次の曲に入る前のインターバルでもありません。突如として音がカットアウトして、いつ終わるとも知れぬ長い空白の時間が訪れます。ステージ上の演奏者や会場内のスタッフだけでなく、観客も息を殺して、会場全体を包む空白の一部と化します。

TM NETWORKが生み出す「無音の世界」には、不思議な力があります。ジョン・ケージの「4分33秒」は、楽譜のすべてを休符で埋めることで、空白を会場のノイズで満たしますが、TM NETWORKの空白には音楽を感じます。音が消えることで音楽の存在を強く意識すると言うべきでしょうか。この無音は何を意味するのか、いつ終わるのか、次に何が起こるのか、ぐるぐるとイメージを巡らせながら、音のない世界に身をゆだねます。

***

リアルタイムでTM NETWORKの音楽を味わう濃密な3年間は終わり、今はコンサートの記録をもとに記憶を整理する時期です。7月には「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30」と「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA」の模様を収録したBlu-ray/DVDがリリースされます。どちらのコンサートも情報量が多かったので、映像作品を観ながら、欠けていた記憶を埋めることになるのでしょう。

定かではありませんが、30thプロジェクトの最後を飾ったコンサート「TM NETWORK 30th FINAL」も映像化されると思います。「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA」と重なる部分が多いので、どういう構成になるのか、予想ができませんね。まあ、それはそれとして、2012年から始まった記憶の更新をよみがえらせつつ、ひとつひとつの記憶をつないでTM NETWORKの音楽をじっくり楽しもうと思います。

2015.06.28
[PR]
by mura-bito | 2015-06-28 21:23 | Music | Comments(0)
にがくてあまい レシピ66 トマトのライスコロッケ
『にがくてあまい』の第66話「トマトのライスコロッケ」が公開されました。今回の舞台は会津です。会津の穏やかな風景が描かれ、鶴ヶ城も登場します。今回の主役は「ばばっち」と「純」。二人の故郷が再び登場し、二人に関係のある人々と再会します。それぞれの記憶が交錯します。

http://comic.mag-garden.co.jp/eden/58.html

変わらなきゃいけないと思っているけれど何をどうすればいいのか分からず、ただ避けるだけになっている。第66話では、弟から過去の話を聞き、それまで知らなかったことを知ります。ひとりで抱え込んでいた記憶に、弟を介して、周りの人々の記憶が重なります。少しずつ記憶が更新されることで、変化が生まれます。誰かに記憶を委ねるのではなく、記憶が交錯することで、変化に向き合う。少しずつ、心を縛る記憶が解きほぐされていきます。

***

今回のレシピはトマトのライスコロッケ。たまねぎと玄米を炒め、トマトピューレと麦味噌を混ぜたものを丸くして、地粉をつけてパン粉をつけて揚げる。からっと揚げればトマトのライスコロッケの出来上がり。シンプルなレシピなので、気軽に作れそうですね。トマトと味噌の相性の良さを、僕は『にがくてあまい』から学びました。思いもよらない組み合わせを知り、その良さを味わえる。笑えて、泣けて、そしておいしい物語がここにありますよ。

2015.06.25
[PR]
by mura-bito | 2015-06-25 20:58 | Visualart | Comments(0)
Fort Minor – Welcome


Fort Minor – Welcome -360 Version-

Mike Shinodaが10年ぶりにFort Minorとして新曲を公開しました。タイトルは「Welcome」です。YouTubeには「360 Version」と題した映像が公開されています。これは、AVICIIが「Waiting For Love」* のビデオで試みたものと同じく、360度の映像が観られるミュージック・ビデオです。タブレットやスマートフォンのYouTubeアプリで再生してみてください。

Mikeはアートワークにも造詣が深く、自身のバンドLINKIN PARKのアルバムでは、さまざまなグラフィックを製作しています。Fort Minorでは、HIP-HOPのプロジェクトだからでしょうか、グラフィティ・アートのようなイラストやロゴをつくります。「Welcome」のビデオには壁に絵を描くMikeの姿が収められており、絵のタッチはアメコミというよりは日本の漫画に近いと思います。

http://fortminor.com/

Fort Minorのサイトでは、「Welcome」のmp3形式、wav形式のファイルをダウンロードすることができます。フォルダにはMike直筆のメッセージの画像も入っています。メッセージは "If you hear a voice within" で始まるゴッホの言葉から始まります。「Welcome」はFort Minorを動かそうとして書いたのではなく、思いがけずできたそうです。演奏、作詞、ボーカル、プロデュース、ミックス、アートワークのすべてをMikeが手がけました。Mike Shinodaという人間が詰まった曲と言えますね。

「Welcome」の音は、からりと晴れた日の空気のようです。暑くても暑苦しくはない。シンプルと言うほどにあっさりはしていませんが、肩の力が抜けた感じがあります。10年前に発表したアルバムには、キックの音が分厚くて、その風圧で身体が吹き飛びそうなくらいにヘビーな曲が多く収録されました。薄く重ねられたサウンドに10年前の音との落差を感じます。また、Mikeのラップも年齢を重ねることで変化していますが、衰えたという印象はありません。もともと彼のラップは感情をぶつけるようなものではないのでとても聴きやすいし、リスナーが熱を注ぎ込む余地がある。それがいい。

***

初期のLINKIN PARKは「ラップ・ロック」と言われることもあり、HIP-HOPの色が濃いバンドでした。デビューして2枚のアルバムを出した後、3枚目が出るまでに長めのインターバルがありました。このアルバムの制作過程で路線の見直しがあったのか、3枚目のアルバムではラップの割合がぐっと下がり、HIP-HOPの色は薄まりました。このインターバルにリリースされたのが、Fort Minorの『The Rising Tied』というアルバムです。

Fort Minorでは、HIP-HOPアーティストとしてのMikeが前面に出ています。LINKIN PARKの路線変更によって行き場のなくなったHIP-HOPの要素を煮詰めて、一枚にまとめたのが『The Rising Tied』なのでしょう。その後、LINKIN PARKでは(初期ほどではないにせよ)Mikeのラップを多く聴けるようになり、Fort Minorが表に出ることはなくなりました。LINKIN PARKは新たな要素を加えてコンスタントにアルバムを制作して、ワールド・ツアーを敢行しています。

* inthecube: AVICII – Waiting For Love

2015.06.23
[PR]
by mura-bito | 2015-06-23 22:19 | Music | Comments(0)
[PART2] キーボード・マガジン No. 389 小室哲哉が語る JD-XAシンセサイザー
Keyboard magazine 2015年7月号 SUMMER

Keyboard magazine 2015年7月号 SUMMER

リットーミュージック


[PART1] キーボード・マガジン No. 389 機材で振り返るTM NETWORK 30周年ライブ

『キーボード・マガジン』のエディトリアル・デザインはとても優れており、特にフォントの使い方が好きです。Linotype社の「DIN 1451 MittelSchrift」というフォントをアルファベットに使っていると思いますが、直線と曲線のバランスがとてもいい。たとえばAccess社のVirus Indigo 2 Redbackのような、アナログ・シンセサイザーの太い音をイメージさせる、格好の良いフォントです。和文のゴシック体とも相性がいいので、紙面全体のバランスがいいのです。

PART1では、2012年から2015年までのTM NETWORKのライブで使われたシンセサイザーについて、あれこれ書いてみました。ソフト・シンセの割合が増加すると、ハード・シンセが積み上がることで生まれるインパクトはなくなりました。けれども、それはむしろ、小室さんが「音を選び取る」シーンをリアルタイムで目撃できたことを意味するのかもしれません。そして今回は、Roland社のシンセサイザー「JD-XA」を使った小室さんが思うところを話しているので、その言葉にフォーカスしてみます。

http://www.rittor-music.co.jp/magazine/km/15122007.html

JD-XAの解説や開発者のインタビューが載っており、「小室哲哉が語る JD-XAシンセサイザー」と題したインタビュー記事を読むことができます。小室さんは2015年3月のライブ「TM NETWORK 30th FINAL」で、いち早くJD-XAを使いました。そもそも、Roland社のシンセサイザーと小室さんの付き合いは長い長い。1990年代に小室さんが世に送り出した曲のピアノは、ほとんどが同社のシンセサイザー「JD-800」のプリセット53番です。そうした経験をふまえつつ、小室さんはJD-XAを「シンセサイザー・プレーヤーに向けた本気の機種」だと評します。EDMのDJに使われるような音を出すわけではなく、そういう意味で現代的ではないけれど、きちんと弾ける鍵盤奏者こそが使いこなせるシンセサイザーだと語ります。

さらに、ブラック・ミュージック、フュージョンやジャズをやっている人たちにフィットするかもしれない、とも言いました。フュージョンやジャズは、小室さんがあまり交わらないジャンルですね。さらに、ジャズのライブでピアノとNord Leadを併用する場面でも、代わりにJD-XAを使えるのでは、との言葉がありました。Nord Leadを弾くジャズ・ピアニストと言えば上原ひろみですよね。ジャズの世界ではNord LeadやNord Electroをよく見かけましたが、Roland社のシンセサイザー・サウンドが浸透したら、ジャズの印象が変わるかもしれません。

***

小室さんがソフト・シンセを制作やライブに導入したのは2013年です。以降、ソフト・シンセでの音づくりや音色の選択について、『キーボード・マガジン』や『サウンド&レコーディング・マガジン』で言及しました。2年ほどが経ち、自身の体験や世界のトレンドをふまえた上で、2015年夏号では「ソフト・シンセの音は、もうクラブでもフェスでも、どこでも聴き飽きているところがある」と語ります。一方で「ああいう音がないとそれっぽく聴こえない」とも言いました。

EDMフェスの筆頭格であるUMF (Ultra Music Festival)の例を紐解くまでもなく、ビッグ・ネームのプレイは観客を沸かせ、20代のDJ/Producerが活躍します。ソフト・シンセの音は飽和状態に陥っていても、確固たる地位を築いています。それは、ホーン・セクションが入ればファンキーな雰囲気がぐっと高まるのに似ているかもしれません。その音が好きだからその曲を聴くのが楽しいし、ライブで盛り上がれる。ワブル・ベースなどのソフト・シンセの音だったからこそ、EDMがジャンルとして根付いたんですよね。その記憶はそう簡単には消えないのでしょう。

***

新たな音楽のジャンルが日本に黒船のごとくやってくる、ということはほとんどありません。ここ10年ほどは特にiTunes StoreやSpotifyのようなプラットフォームの話が注目される一方で、ジャンルとして新しいものは出てこなかったと記憶しています。ロックもダンス・ミュージックも細分化して分かりづらくなったところに、とても分かりやすい特徴を持ったジャンル、EDMが登場しました。やや時間はかかったものの、新たなジャンルとして日本でも認知されるようになりました。2014年にはULTRA JAPANが開かれ、Afrojack、Alesso、Hardwellなどがプレイしました。ULTRA JAPAN 2015ではDavid Guetta、Nicky Romero、Skrillexなどの参加が予定されています。

2014年の終わりから、TVCMでもEDMが流れていたと記憶しています。夏が近づいてきたからでしょうか、最近は和製EDMも流れていますね。また、少し前にはK-POPでもEDM的な音を使っていました。これから夏らしいアッパーな曲がTVCMで流れるので、EDMに傾倒した曲を耳にする機会はさらに増えるのかもしれません。明らかにEDMを意識した曲でなくとも、ソフト・シンセを強調したポップスやロックがもっと聞こえてくるような気もします。まあ、そうなったら廃れるのも早いのですが、ソフト・シンセの音は気持ちいいものが多いので「いいぞもっとやれ」って思うんですけどね。

2015.06.17
[PR]
by mura-bito | 2015-06-17 21:34 | Music | Comments(0)
[PART1] キーボード・マガジン No. 389 機材で振り返るTM NETWORK 30周年ライブ
Keyboard magazine 2015年7月号 SUMMER

Keyboard magazine 2015年7月号 SUMMER

リットーミュージック


『キーボード・マガジン』の2015年夏号が発売されました。鍵盤楽器にフォーカスした雑誌なので、機材に関する記事はやはり読み応えがありますね。TM NETWORKは若手の時代から登場しており、特に1987年の終わりから記事のボリュームに厚みが出てきます。2012年の活動再開からは、ライブに関連した話を中心に記事がまとめられていました。

2015年夏号には「機材で振り返るTM NETWORK 30周年ライブ」という企画、Roland社のシンセサイザー「JD-XA」の解説や開発者のインタビューが載っています。また、TM NETWORKの「LOUD」の楽譜も掲載されています。2014年4月にシングルとしてリリースされた曲であり、10月に出たオリジナル・アルバム『QUIT30』にも収録されています。

http://www.rittor-music.co.jp/magazine/km/15122007.html

「機材で振り返るTM NETWORK 30周年ライブ」では、2012年の「TM NETWORK CONCERT -Incubation Period-」から2015年3月の「TM NETWORK 30th FINAL」までのライブで小室さんが使ったシンセサイザーをまとめて紹介しています。この3年間で、機材がどのように変化したのかを眺めることで、音の変化を思い出すことができます。30周年企画の最後の方、「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30」から「TM NETWORK 30th FINAL」までは映像作品になっていないので、音の種類や混ざり具合をじっくり確かめるのはこれからですね。

これまで使われたシンセサイザーに触れつつ、プログラミングや録音に携わる岩佐俊秀さんがそれぞれのライブを振り返って話をしています。2012年はハード・シンセだけで構成された最後のライブでしたが、中でもAccess社のVirus Indigo 2 Redbackの音が印象に残っています。2013年からはソフト・シンセを使い、以降はライブのたびにハード・シンセとの割合が変化しました。僕は2014年の前半に行なわれた「TM NETWORK 30th 1984~ the beginning of the end」のセットが好きですね。Studiologic社のSledge、Access社のVirus TIというハード・シンセがいい音を出していました。

***

2014年の10月から始まった「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30」ではハード・シンセの割合がぐっと下がり、すっきりしたセットになったと観客席から見て思っていました。それは、ソフトウェアの画面を映すディスプレイがMacではなく、透明なプレートに変わったことも影響していたのかもしれません。ライブでは「ディスプレイがない? でも小室さんは画面を見ているっぽい?」と、どうなっているのかさっぱりわからなかった。実際は床に置いたプロジェクターを使い、プレートの裏からソフトウェアの画面を投影していました。

ソフト・シンセにはハード・シンセより多くの音が入っているので、必然的にセットの雰囲気はすっきりしたものになります。しかしながら、ぐるりとハード・シンセに囲まれて演奏する姿は、小室さんの代名詞でもあります。キース・エマーソンやリック・ウェイクマンに影響を受けて始めたスタイルですが、すでに小室さんのものとして定着していますよね。ソフト・シンセがメインになってハードが減ると、音として問題がなくても、少し物足りない。ライブのビジュアルとしてランドマーク的な存在は必要かなと思います。…と言いながらも、別の角度から見てみましょう。

***

「TM NETWORK 30th FINAL」のセット、すなわちコンピュータ3台ぶんのソフト・シンセと4台のハード・シンセが、ちょうどいいボリュームということになったようです。ソフト・シンセはこの3年で最も多くなり、外から見える以上の音をコントロールしていたことになります。複数のハード・シンセを弾くよりも、ソフト・シンセの音を使い分ける方がハードルが高い気がします。

過去の言葉を思い出します。『キーボード・マガジン』の2014年秋号* で、言葉が氾濫する今だからこそ選び取るセンスが重要になると小室さんは語りました。それは音についても同じであり、出したい音がイメージできているなら、選び取ることは難しくないと言いました。小室さんがすごいのは、それをライブというスリリングな場面でやっているんですよね。こうして3年間の集大成とも言えるライブで、実は一番すごいことをやっていたのかもしれません。

* inthecube: キーボード・マガジン No. 386 特集 TM NETWORKの音楽

[PART2] キーボード・マガジン No. 389 小室哲哉が語る JD-XAシンセサイザー

2015.06.16
[PR]
by mura-bito | 2015-06-16 22:08 | Music | Comments(0)
UVERworld – 僕の言葉ではない これは僕達の言葉 (Music Video)


UVERworld – 僕の言葉ではない これは僕達の言葉

UVERworldの「僕の言葉ではない これは僕達の言葉」という曲のミュージック・ビデオが公開されています。アニメ『アルスラーン戦記』のオープニング・テーマに使われていますが、そこではサビをメインに短く編集されています。(物語に合わせて)鷹が風を切り裂いて飛んでいくように、スピード感あふれる編集です。一方で、YouTubeにアップロードされているミュージック・ビデオでは、曲を最初から最後まで聴くことができます。フルで聴いてみるとダイナミックに上下する起伏を感じられ、さらに、短いバージョンでは聴けなかったところに魅力的な音やフレーズがいくつもあります。

言葉をはっきりと伝えるボーカルが胸に響きます。このボーカルがUVERworldのストロング・ポイントなのでしょう。音符からあふれるほどに乗せた言葉が曲にスピード感を与え、そして聴き手の背中をぐいと押します。サウンドはギター・ロックの力強さを軸にしていますが、ワブル・ベース的な音を含むソフト・シンセの音を小刻みに貼り付けることで、随所で陰影が生まれています。そして、間奏やアウトロではリリカルなピアノのフレーズを聴くことができます。これがとても良くて、心をつかまれましたね。ジャズを思わせるピアノの音は、ギターやベースの音が吹き荒れる中でもインテリジェンスを醸します。

2015.06.13
[PR]
by mura-bito | 2015-06-13 22:03 | Music | Comments(0)
高野雀 – あたらしいひふ
「かっこいい服を着たい」と思うようになったのは、いつだったっけな…と、記憶を巻き戻して20年ほど遡ります。中学生の頃だったか、あるいは高校生になっていたか。もちろん欲しい服をたくさん買えるわけでもなく、そもそも、着たい服があってもどう組み合わせていいかもわからず、ただ気に入ったものを買うだけでした。頼れるのは自分のインスピレーションのみ。まあ、個性を逸脱して奇抜な方に向かってしまうこともありましたが…(くろれきし)。

http://www.shodensha.co.jp/chirayomi/atarashiihifu/

懐かしい記憶を巻き戻したのは、高野雀さんが描いた『あたらしいひふ』という漫画を読んだからです。高野さんは『低反発リビドー』という作品を「WEBコミック ぜにょん」というサイトで連載していました。僕は高野さんの画風が好きなのですが、『あたらしいひふ』を読み、その絶妙なストーリーテリングにも惹かれました。服をテーマにした四人の女性の物語。ひとつの話が次につながり、そしてまた次につながっていく。

「隣の芝生は青い」とは、よく言います。他人が持っているものはいいものに見えやすいし、いつだって理想と現実にはギャップがある。ただ、そうしたずれをいくつも集めてパズルのように組み合わせてみると、ちょっと不思議な世界が浮かび上がります。『あたらしいひふ』に描かれているのは、そんな世界です。自分にないものを持つ人を羨みつつ、そんな自分も誰かに羨まれている。自分にとっては不本意だったり、身を守るためにやっていることが、外側から見れば魅力的で賞賛すべきものと受け止められる。自分で感じるコンプレックスが他人から見るとそうでもない、というのはよくあることです。

変わりたいと思う気持ちは皆あれど、どのように変わりたいか、ということは千差万別ですよね。自分の置かれた環境で、それを受け入れたり、あるいは争ったりしつつ、一方では自分にはないものを求めてもいる。言葉に出さなくても、例えば誰かの服装を、思わず目で追ってしまう。そこに自分にはないものを見つけ、少し羨む。『あたらしいひふ』では、四人の過去の出来事から現在の姿、そして自分の少し前を歩くものを描きます。四つの世界は巧みなストーリーテリングによって少しずつ重なり合い、心地好い読後感が残ります。

***

本筋とは異なりますが、途中で出合う言葉が印象的だったので、ピックアップしてみます。例えば、作中に「どうしてみんなそんなかっこわるくて平気なの」という台詞が登場しますが、不意を突かれたように、はっとしました。それは普段、よれよれのスーツを着て通勤する人々の後ろ姿を見ながら、僕が思うことだからです。本作では、セーラー服を規則どおりに着ることに何の意味も見出せない高校生が苛立ち、むしろ受け入れる同級生に対して胸の奥で毒づきます。教師からは注意されるし、同級生とは分かち合えない。

そんな彼女がショー・ウィンドウ越しに、見たことのない服と出合います。その服を試着した瞬間に登場する「世界は一瞬で変わる」という言葉や、世界が変わった瞬間に浮かぶ表情が鮮烈な印象を残します。自分にとって普通ではない服を選び、着ることが彼女の行動原理になっていきます。世界が変わるくらいに自分を揺さぶる服に出合いたいのかな、というのは僕の推測ですが、なんとなく自分と重なるものがあります。

学生の時期を過ぎて働くようになってからも、彼女は他人と異なる服を着ています。ある時、世間受けするような服装をした女性に出会い、ふと考え込みます。目の前の女性は、自分が格好悪いと思って避けてきた系統の服をさらりと着こなしている。相手から「無難な服しか持っていない」と聞いて、一層困惑します。無難だとわかっていながら何故着られるのか、何故似合うのか。学生時代とは異なる次元で、似たような問いを突きつけられます。

***

服に興味がある人も、それほどない人も、おもしろく読める漫画だと思います。何かしら重なるところがあるはずだし、そこから物語の中に潜り込むことができる。そこかしこに散りばめられたコミカルなタッチの表情に、思わず気持ちが和みます。じっくり考えたい人も、軽快なテンポを楽しみたい人も、流れるように進む物語に身を任せて、リズムに乗ってページをめくっていきましょう。最後のページまで余すところなく楽しめますよ。

2015.06.09
[PR]
by mura-bito | 2015-06-09 22:28 | Visualart | Comments(0)

fujiokashinya (mura-bito)
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
最新の記事
Sarah Àlainn –..
at 2017-10-19 21:12
コアラモード. – 雨のち晴..
at 2017-10-17 21:53
[PART2] TM NET..
at 2017-10-11 21:45
[PART1] TM NET..
at 2017-10-10 21:40
GET WILD Takky..
at 2017-10-03 21:21
Carly Rae Jeps..
at 2017-09-25 21:21
LINKIN PARK – ..
at 2017-09-21 21:48
以前の記事
記事ランキング
カテゴリ
タグ
ライフログ
TM NETWORK

























TETSUYA KOMURO




quasimode


Linkin Park


Paramore

Immigrant'sBossaBand

Ryu Miho

AVICII


Krewella

Zedd

藍井エイル






Gacharic Spin


梨木香歩

村上春樹



京極夏彦



Book





Comic







Music



ブログジャンル