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音楽と物語に関する文章を書いています。
ワイルドじゃなくてもいいからタフになりたい
Note my experiences with impressive music/story.
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Slim Wallet with the Colors for Evernote Designed by abrAsus
abrAsusがデザインした「Slim Wallet(小さい財布)」は、おしゃれな名刺入れや財布を売っている店で見かけます。Evernote MarketというECサイトでは、Evernote限定のカラーリングで制作したSlim Walletを販売しています。僕はCrimson/Ivoryという組み合わせを選び、購入しました。

共感したのは、ミニマルな要素を組み合わせるという設計思想です。数枚の紙幣とコイン、必要最小限のクレジット・カード。不要なものを削ぎ落としたのか、必要なものだけをピックアップしたのか。エレクトロニックなスマートさは多機能を意味しますが、フィジカルの場合は要素を絞り込んで小さくすることがスマートです。ミニマルな要素を小さな器に収める、それがデザインの役割ですね。デザインは外観を描くだけでなく、そのプロダクトがどのように使われるか、持たれるか、収納されるか、いくつものシーンを想定してそこに導くことです。どのように愛されるか、と言ってもいいかもしれません。
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外観の良さもさることながら、プロダクトが持つ「ストーリー」に共感すると、それを手に取りたくなります。ストーリーが語るのは開発の目的やデザインの過程、あるいはOne more thingのようなサプライズなど、買い手に向けたメッセージです。ストーリーに共感して購入し、使用・体験することで、その人の「ナラティブ」になっていく。他の人とは違うかもしれないけれど、自分の生活の一部として組み込まれている。自分だけの物語のことをナラティブと言います。自分の生活にプロダクトを組み込み、肯定的な気持ちと結びつくと、そこにナラティブが生まれます。例えば、Suicaをデザインした山中俊治さんは、ジョブズの思想やスタイルに魅せられながらも、自らの美意識でアップル製品を愛しています。ジョブズが書いたストーリーを咀嚼し、山中さんのナラティブが生まれている。

ある特定のプロダクト、食べ物、サービスなどを組み込んだライフスタイル。それはストーリーが起動させ、ナラティブが駆動させます。自分のナラティブを綴ることで、単なる商品と金銭の交換、単なる消費に留まらず、Lushな時間を過ごすことができるのではないでしょうか。

2015.02.28
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by mura-bito | 2015-02-28 17:37 | Design | Comments(0)
小林ユミヲ – にがくてあまい 10
小林ユミヲ – にがくてあまい 10

にがくてあまい 10

小林ユミヲ


「お茶の間コメディ漫画」こと、『にがくてあまい』の第10巻が発行されました。マッグガーデン・オンラインで配信されたものをまとめた単行本です。

inthecube: 小林ユミヲ – にがくてあまい

『にがくてあまい』は野菜や料理をモチーフにして多種多様な人間関係を描く物語です。第10巻では、主人公のひとりである「マキ」が仕事について悩み、もがきます。落ちては戻り、また沈んで思い悩む。彼女は過去に縛られながら、過去から続くループから逃れようとします。過去を否定しているわけではないけれど、現在を無条件に肯定することもできない。自分が立っている場所とどう向き合うべきか、そこが分からなくなっている。

かつて目指した場所にたどり着いたと思っていたのだけど、そこは思い描いていた場所ではないのではないか、そんな疑念にかられて進むべき道が見えなくなってしまう。仕事がうまくいかないのならともかく、順調であることに悩むなんて贅沢だ、と言ってしまえばそれまでかもしれません。けれども、がむしゃらに進んできたからこそぶつかる壁がある。悩みというものは人の数だけ存在するし、悩みの中身に序列はないのでしょうね。

ぐるぐると巡るスパイラルの中でも、丁寧に描かれた風景に気持ちがほぐれます。見開きに広がる風景は、季節の息づかいを感じさせます。夏の会津、秋の茨城。それぞれの空の下で登場人物たちの気持ちが漂い、それぞれの過去と交錯します。前に進んだり振り向いてみたり、人生というものはまことに厄介な奴ですね。そんな記憶の交錯がコメディのあちこちに散りばめられ、軽快に、けれどもしっかりとしたリアルな重みを持って届けられます。

僕が本作の中で最も印象に残ったのが、122ページに描かれたマキの表情です。泣き出しそうにも見えるし、あるいはいきなり破顔しそうにも見える。「ばばっち」から思いがけない言葉をかけられ、「立ち止まって仕切り直すきっかけ」をもらった、その瞬間を切り取った顔です。それがトリガーとなり、最終的には、自ら遠ざけていた場所に戻り、自分がいる場所に向き合うことができます。

2015.02.24
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by mura-bito | 2015-02-24 22:34 | Visualart | Comments(0)
Giorgio Moroder – Right Here, Right Now [feat. Kylie Minogue] (Music Video)


Giorgio Moroder – Right Here, Right Now [feat. Kylie Minogue]

エレクトロの先駆者、Giorgio Moroder。1980年代ユーロビートの象徴、Kylie Minogue。2人のコラボレーション作品である「Right Here, Right Now」のミュージック・ビデオが公開されています。エレクトロニック・サウンドは地を這うように響き、唯一無二の歌声が鮮やかに舞います。声の印象が持つ力は強い。リアルタイムで体験していない僕のような聴き手にも、Kylie Minogueの歌声の独自性は伝わってきます。

Giorgio Moroderの音づくりにしても、EDMシーンを牽引してきた若きDJ/Producerとは、やはり違いますよね。ダンス・ミュージックという雑踏の中でも、自分のステップを忘れずにキープし続ける。最新の音を集め、組み立てる。必要な歌声を選び、重ねる。日進月歩で音がアップデートされるダンス・ミュージックの世界で、プロデューサーの音楽的センスが光ります。流行り廃りや年齢を取っ払ってみると、そこには聴くべき音楽があふれていますね。

2015.02.22
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by mura-bito | 2015-02-22 21:42 | Music | Comments(0)
Taylor Swift – Style (Music Video)


Taylor Swift – Style

Taylor Swiftの「Style」という曲のミュージック・ビデオが公開されています。最新アルバム『1989』に収録されている曲ですね。クールに刻むエレクトリック・ギター、淡々と鳴るリズム・トラックが心地良い。低空飛行で響くベースに乗って、Taylorの歌も低く飛び、ゆっくりと駆け抜けていきます。ハウス系の音にぴたりとはまる歌い方ですね。

ハウス系のエレクトロとポップスが混ざり合います。クールな近寄りがたさ、心地良く響く親しみやすさが同居する曲。矛盾する要素が喧嘩することなく、絡み合い、打ち消すことなく、互いを引き立てる。低く飛んでいた音は、いつの間にか上昇して、大空に舞い上がっている。音に乗って、束の間の遊覧飛行を楽しみましょう。

2015.02.20
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by mura-bito | 2015-02-20 23:39 | Music | Comments(0)
Rihanna, Kanye West and Paul McCartney – FourFiveSeconds (Music Video)


Rihanna, Kanye West and Paul McCartney – FourFiveSeconds

3人のビッグ・ネームが集まった「FourFiveSeconds」という曲は、曲そのものもミニマルでシンプルなつくりでありながら、それぞれの才能を組み合わせ、大きな魅力を生み出しています。「素材の良さ」は改めて論じるまでもないと思いますが、こうした魅力的なコラボレーションを実現できる制作能力には感服しますね。

モノクロームのトライアングル。色のない世界が、曲のシンプルさを際立たせ、3人の音楽的な魅力を伝えます。ぐっと引き込まれ、惹かれますよね。アコースティック・ギターを弾くポール・マッカートニーの姿は、余裕に満ちていて、泰然としています。他の2人の躍動的なパフォーマンスと混ざり合い、新たな価値として成立している。強烈なプレゼンスを感じます。

2015.02.19
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by mura-bito | 2015-02-19 22:49 | Music | Comments(0)
[PART2] TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA
TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA
2015-02-07&08 at SAITAMA SUPER ARENA


SEVEN DAYS WAR/BIRTH/LOUD/A DAY IN THE GIRL'S LIFE/CAROL (CAROL'S THEME I)/GIA CORM FILLIPPO DIA/IN THE FOREST/CAROL (CAROL'S THEME II)/JUST ONE VICTORY/STILL LOVE HER/LOOKING AT YOU/ALWAYS BE THERE/WE LOVE THE EARTH/GET WILD/I am/FOOL ON THE PLANET

物語をナビゲートするのは、ひとりの女性。その美しい顔には、過ぎ去った年月がチャーミングな皺として刻まれています。まさか、と思いました。かつての「CAROL」という物語は千夜一夜物語のように別の物語に含まれ、キャロルは一体何者だったのか、謎めいた存在になっていました。スクリーンの中で語る女性は、紛れもなくパニーラ。かつてアルバム『CAROL -A DAY IN A GIRL'S LIFE 1991-』を軸にしたステージでキャロルを演じたその人です。彼女はキャロルとして言葉を発し、パニーラとしてメッセージを送る。TM NETWORKの30年を語る上で、そしてCAROLをフィーチャーするならば、パニーラの存在は欠かせません。

「STILL LOVE HER」が残した優しい雰囲気を継ぐように、木根さんがステージの真ん中に立ち、アコースティック・ギターを弾きながら歌います。曲は「LOOKING AT YOU」です。木根さんがTM NETWORKの作品の中で初めてリードボーカルを務めたバラードです。ツアーでは弾き語りでワンコーラスを歌いましたが、ここではギターとドラム&パーカッションのサポートを入れながら、フルコーラスを披露します。ウツと小室さんが戻り、「ALWAYS BE THERE」が演奏されます。心の中で響く曲であり、聴くたびに、その響きは大きくなっていきます。語りかけるような言葉は「ELECTRIC PROPHET」にも似ているかもしれません。

ずしりと響いてフロアを揺らす、腰の据わった四つ打ちのリズム。ダンス・ミュージックとして最適な、ゆったりとしたテンポ。会場の雰囲気が変わり、温度が上昇します。スクリーンには地球が映り、奏でる曲は「WE LOVE THE EARTH」です。TM NETWORKは地球のことを調査している宇宙人。そのコンセプトを明確に伝える、地球を俯瞰した曲です。ここから物語の終焉は始まります。

ステージでは小室さんがシンセサイザーに囲まれ、音を組み立て始めます。設置されたシンセサイザーの数はかなり少なく、6台が見えます。そのうちの3台は縦にならび、他の3台(RolandのFantom)にはそれぞれモニターが設置されています。Fantomはソフト・シンセをコントロールするために使われており、ソフトにはいろいろな音が登録されていたはずです。見た目には6台ですが、実際にはそれ以上の音を扱い、小室さんは思うままにサウンドを織り上げます。

小室さんが最もDUBSTEPに寄せた音を披露した瞬間に立ち会ったかもしれません。2013年からワブル・ベースを曲の端々に入れていましたが、ボーカルのことも考え、アクセントとしての役割に留めていた印象があります。このソロ・プレイでは、思いっきり音を歪ませ、DUBSTEPの世界を演出していました。2日目はソロの時間を長くして、DUBSTEP系の音の後にハウスやトランスといった音を続けて出していました。そして鳴り響く爆音。立ち上がる煙。「GET WILD」のサンプリング・フレーズに呼応して、特効が会場を沸かせます。
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「GET WILD」はTM NETWORKのライブに欠かすことのできない曲です。そうしたシンボリックな曲をライブの度に改造するのがTM NETWORKです。最もよく知られているサビの部分は確かに変わっていない。「GET WILD DECADE RUN」のように分解すると、楽しみ方は変わるのでしょう。ライブの中で盛り上がるポイントは変えずに、他の部分を大胆に取り外したり新たなパーツを組み込んだりすることで、TM NETWORKらしい変化、すなわち進化を遂げた「GET WILD」が姿を現わす。ライブの度に変わる、変わり続けるこの曲はTM NETWORKの心臓なのかもしれませんね。身体の隅々まで血を送り続ける。

小室さんはTwitterでこう書きました。「『I am』という曲は、なんか、特別な曲になりました」と。2012年に生まれ、シングルとして届けられた曲。あふれんばかりの言葉の奔流、そしてTM NETWORKの3人が構築するコーラスワークは、ライブの中でも重要な役割を果たします。観客にマイクを預けるウツ。僕らは力一杯コーラス・パートを歌います。特別な時間です。ただひたすらステージとつながっている時間ですね。歌詞の端々からさまざまな思いを読み取り、歌詞の間にいろいろなイメージを挟み込みます。ただ、ライブの中で「I am」を聴いているときは同じ時間を共有する人間どうしなんですよね。そしてウツは最後にマイク・スタンドの前に立ち、"We are human" という言葉を残します。

ライブは最後の曲である「FOOL ON THE PLANET」を迎えます。地球を俯瞰したり、地上で空を見上げたり、過去に思いを馳せたり、未来を夢見たりしている。柔らかく包み込むようなメロディと、身体に突き刺さる強烈なスネアが大きな落差を生み、魅力的な曲に仕上げています。「FOOL ON THE PLANET」の音の破片がループする中、TM NETWORKの姿は霞み、やがて見えなくなります。

記憶はどんどん巻き戻され、2012年に辿り着きます。最後に演奏された「FOOL ON THE PLANET」は「TM NETWORK CONCERT -Incubation Period-」の冒頭で演奏された曲です。2012年のライブは3年先からやってきた3人、という設定。赤、青、紫という色をそれぞれまとった3人がここを旅立ち、2012年に向かう。

「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA」はアルバム『QUIT30』に関連したライブというよりも、もう少し大きな視点、俯瞰で見るべきなのかもしれません。QUIT30とは2012年から始まったプロジェクトのメイン・テーマとして提示されていたのではないか。2012年のライブ「TM NETWORK CONCERT -Incubation Period-」から始まり、いくつものステージや作品によって縦に横に編まれた物語が、「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA」によって終焉を迎えたと捉えることができます。

それでは、3月に開催される予定のライブ「TM NETWORK 30th FINAL CONCERT」は、いったいどのような内容なのでしょうか。どのようなポジションにあって、何を語るのか。2012年から始まったTM NETWORKストーリーの幕は「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA」によって降ろされたのか、それとも降ろされてはいないのか。3月のライブはエピローグのようなものを綴るのか、カーテンコールのようなものなのか。あるいは、どこか遠くの未来に向けたプロローグなのか。

[PART1] TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA

2015.02.18
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by mura-bito | 2015-02-18 19:34 | Music | Comments(0)
[PART1] TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA
TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA
2015-02-07&08 at SAITAMA SUPER ARENA


SEVEN DAYS WAR/BIRTH/LOUD/A DAY IN THE GIRL'S LIFE/CAROL (CAROL'S THEME I)/GIA CORM FILLIPPO DIA/IN THE FOREST/CAROL (CAROL'S THEME II)/JUST ONE VICTORY/STILL LOVE HER/LOOKING AT YOU/ALWAYS BE THERE/WE LOVE THE EARTH/GET WILD/I am/FOOL ON THE PLANET

全国ツアー「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30」が終了してから1ヶ月後に、規模を大きくしたライブ「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA」が行なわれました。その内容は、ツアーを踏襲しているというより、ツアーを包み込むような位置付けにあると表現すべきでしょうか。オリジナル・アルバム『QUIT30』、小説『CAROLの意味』、ツアー「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30」といった要素が物語を綴り、そして「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA」がクライマックスへと導きます。

ライブはツアー「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30」の流れを汲みながら、新たなテーマを設定し、演奏曲目を大きく変えていました。ソフト・シンセの分厚い音でアレンジされた「SEVEN DAYS WAR」は、途中からバンドの演奏に変わります。映像を写す大きなLEDパネルの前にはTM NETWORKの3人が並びます。

アルバムおよびツアーの核だった組曲「QUIT30」は、このライブではなんと最初のパート「BIRTH」のみが演奏されました。ツアーと同様に組曲を軸にすると思わせ、実は異なる軸を用意しているのではないか。「BIRTH」は、「QUIT30」から離れ、別の物語に関わる「誕生」を歌っているのではないか。ライブの後にそんなことを思ったものです。

音の数が減り、アコースティック・サウンドの雰囲気が強まる中で、ウツが「LOUD」を歌います。思わぬアレンジに驚きを隠せません。しかし、サビの部分で分厚くて力強い音が放出されます。予想もしなかった展開、そして音の厚みのダイナミックな変化により、会場が熱気に包まれます。体温も気持ちも一気に上昇します。この音楽的トリックは、どれだけライブに足を運ぼうとも引っかかるし、楽しめるんですよね。
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世界が変わります。光の筋がうごめき、音は厳かに響く。アルバム『QUIT30』で「CAROL2014」としてリメイクされた「A DAY IN THE GIRL'S LIFE」です。1988年に発表されたCAROL組曲を2014年のサウンドで録音したものです。「QUIT30」を外し、「CAROL」を入れる。このライブの軸は「QUIT30」でもあり、「CAROL」でもある。

組曲は続き、「CAROL (CAROL'S THEME I)」の後、ウツが手を挙げると、音が消えます。「CAROL」は音が消える物語ですが、ウツのこのパフォーマンスは、それを指しているのでしょうか。静寂の中、ウツはステージを去ります。代わって、エレクトロ・ミュージックとカラフルなレーザー光がステージを飛び出し、客席を会場を染め上げます。曲は「GIA CORM FILLIPPO DIA」。「CAROL」の一部であり、サブタイトルは「DEVIL'S CARNIVAL」です。この瞬間は完全にEDMフェスや、ZeddのようなDJのライブの雰囲気を感じましたね。LEDには1988年のツアーの様子が映し出されます。魔物に扮したダンサーが踊り狂うステージ。時空を越えて、ついでに次元も越えたカーニバルが続く。ものすごく楽しかった。

ライブは加速します。物語も続きます。「IN THE FOREST」でも、1988年当時のウツがスクリーンの中で歌います。その前では今のウツが歌います。このシンクロが思いの外、心を揺さぶります。当時のTM NETWORKをリアルタイムで体験したわけじゃないのに、記憶があるわけでもないのに、でもなぜか気持ちが昂ぶる。その気持ちが組曲の最後を飾る「CAROL (CAROL'S THEME II)」にも入っていきます。「CAROL」という物語がいかに素晴らしいものか、スクリーンに映るキャロルの笑顔、目の前で演奏するTM NETWORKの姿を通して、強く感じます。

オリジナル・アルバム『CAROL -A DAY IN A GIRL'S LIFE -1991』の流れに沿って、「JUST ONE VICTORY」、「STILL LOVE HER」が演奏されます。「QUIT30」を通してCAROLのアナザー・ストーリーを綴り、「QUIT30 HUGE DATA」ではCAROLそのものをステージに呼び戻した。温故知新というべきか、30年間の蓄積を、いろいろな人がそれぞれの思いとともに楽しめるステージ。そういったものを提示したのかもしれません。

[PART2] TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA

2015.02.17
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by mura-bito | 2015-02-17 20:53 | Music | Comments(0)
57th Grammy Awards
2015年のグラミー賞が発表されました。ここ何年かで欧米の音楽をリアルタイムに聴くようになり、自然とグラミー賞にも興味が生まれます。2014年はZeddの受賞やDaft Punkの栄冠が印象的でした。今年もいろいろと気になるニュースが飛び込んできます。

inthecube: Paramore – Ain't It Fun (Music Video)

Best Rock Songに輝いたのはParamoreの「Ain't It Fun」であり、Best Dance RecordingにはClean Banditの「Rather Be」が選ばれました。「Ain't It Fun」はParamoreのアルバム『Paramore』の中でも一番好きな曲ですね。ファンクの雰囲気を感じさせるロック。楽しくて、熱くなれる。それにしてもBest Dance/Electronica Albumに選出されたAphex Twinには驚きましたが。



Pharrell Williams – Happy (57th GRAMMYs)

Best Music Videoは、やはりと言うべきか、Pharrell Williamsの「Happy」です。このミュージック・ビデオをコピーした映像ががどれだけYouTubeにアップされたのでしょうか。軽快なリズム、美しいコーラス。多くの人々が踊ってHappyを表現した映像が世界中に花開きます。人々は思い思いにステップを踏みます。誰も何もコントロールしないし、踊る人の数だけHappyがある。そして、映像を観て楽しむ人も、少なくともその瞬間は、Happyを共有する。

inthecube: HAPPY (Fukushima, Japan) -Music by Pharrell Williams-

授賞式で彼が見せたパフォーマンスは、政治的あるいは社会的な色彩を帯びました。思い出すのは、2014年のiTunes Festival。彼のパフォーマンスをリアルタイムで観たのですが、ステージを彩るダンサーたちの人種が多彩だったことがとても印象的です。そこに、彼の意思が明確に表われていました。軽快なポップ・ソングを媒介にして、境界線を越えてみせる。グラミー賞のステージでも、彼は音楽を介してメッセージを発します。音楽が放つソフトなエネルギーは、ナイフのような強い言葉には敵わないのかもしれませんが……それでもなお。好戦的な言葉に踊らされず、自分のステップをキープし続けることが、僕らにできることなのだと思います。

2015.02.16
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by mura-bito | 2015-02-16 22:06 | Music | Comments(0)

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