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すてきな音楽は、心躍る。心が踊る。
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カテゴリ:Visualart
  • 静嘉堂文庫美術館 - 平治物語絵巻 信西巻 / 雨中桜花紅楓図
    [ 2012-05-23 19:55 ]
  • 「百椿図 椿をめぐる文雅の世界」展
    [ 2012-01-27 21:57 ]
  • 音楽座ミュージカル/Rカンパニー「アイ・ラブ・坊っちゃん2011」
    [ 2011-11-06 22:25 ]
  • 大東京トイボックス 7
    [ 2011-08-25 19:07 ]
  • 香りを観る、香りを想う
    [ 2011-05-19 22:31 ]
  • 池上喫水社
    [ 2011-05-15 16:50 ]
  • Flying Bach -Eurovision Song Contest 2011-
    [ 2011-05-15 10:36 ]
  • Chaconne - Die Stadt im Klavier IV
    [ 2011-03-07 22:54 ]
  • Aki Takase x Yui Kawaguchi / Die Stadt im Klavier
    [ 2011-01-13 23:01 ]
  • 恐ろしいほど能動的な鑑賞者と渡り合うことで、作者も鍛えられた。
    [ 2010-12-13 23:01 ]
静嘉堂文庫美術館 - 平治物語絵巻 信西巻 / 雨中桜花紅楓図
大河ドラマ『平清盛』を楽しく観ています。回を重ねるごとにおもしろさの質は変わり、なかなか飽きません。この度、清盛の時代に関わる展示があると知って、静嘉堂文庫美術館に足を運びました。二子玉川の駅からバスに揺られること数分、静かな住宅地の一画に美術館はありました。とはいえ、すぐに美術館が見えたわけではなく、そこまでしばらく緑の中を歩きました。別世界へ誘われるような、静謐な緑の道。ちょうどいい季節に来たものです。緑に降り注ぐ光がまことに美しく、気持ちがいい。とりあえず美術館のことは措いて、緑に彩られた道をゆっくり歩き、静謐な空気を目一杯吸い込みました。
静嘉堂文庫美術館が所蔵している日本絵画がゆったりと展示されています。最初に目に入ったのは『平治物語絵巻』です。平安末期の平治の乱を題材にした絵巻ですね。藤原信頼と源義朝が起こしたクーデターを描いています。ドラマではまだ放送されておらず、盛夏?のころにはこのシーンが画面に登場します。静嘉堂文庫美術館にあるのは「信西巻」と呼ばれるものでして、信西の最期を淡々と描いています。静謐な緑の道を歩いてきてガラス越しに対面したのは獄門に晒された信西の生首…。まったくグロテスクではないのですが、文章で表現するのとはまた異なるインパクトがありました。この時代に漂う空気は果たして如何なるものだったのか。想像すら及ばぬ内容ですが、幾重にも塗り固められた時間を飛び越えて、ほんのちょっとだけ垣間見てみたい。垣間見るだけでも耐えられないだろうな。
他にも仏画や水墨画があって、知らないなりに眺めて自分の感性を刺激してみました。中でも江戸絵画の華と称された琳派の絵に惹かれましたね。鈴木其一の『雨中桜花紅楓図』の前で、歩く足がぴたりと止まりました。目が離せません。右側に、春の雨が濡らす桜の花と葉。左側に、秋の強い雨が打ち付けている楓の葉。桜の花はまさしく僕らの知るくすんだ白、葉の色は明るい茶色、対して楓はビビッドな朱色。どちらも単色ではなく、色の強弱がつけられています。ビビッドに艶っぽく色を見せる楓に目を奪われたかと思えば、紗がかかったような春を思わせる桜の色に気持ちが捕らわれる。速水御舟の『夜梅』の前に立ったときと同じ体験です。絵の種類は違えど、その場から離れられず、じっと見つめ、そしてその絵を時分の中に取り込もうとする。言葉を探す。この絵を自分だったらどのように表現しようか。この気持ちをどうやって言葉にしようか。暴力的とも言える引力を感じる作品に出合えたならば、そこに行った意味はある、と思います。そうした稀有な一瞬を求めているから、美術、音楽、物語…いろいろな表現に触れてみようと思うのです。
2012.05.23
by mura-bito | 2012-05-23 19:55 | Visualart | Trackback | Comments(0)
「百椿図 椿をめぐる文雅の世界」展
南青山にある根津美術館で「百椿図 椿をめぐる文雅の世界」という展示を観てきました。英語での表記は "One Hundred Camellias: Blossoms Heralded in Literature" です。主題となっている「百椿図」は大きな絵画かと思いきや、さまざまな椿が描かれ、それぞれに和歌、俳句、漢詩が添えられた巻物でした。よく見ると、本、鼓、扇子、筆立て、水差し、団扇、紙などを花器に見立てて椿が生けられており、言うならば、巻物に延々と描かれたシュールなインスタレーション。この時代にこんな感性があったのかと驚きましたが、いやむしろそれが後世にまで残っていることの方が重要かもしれません。

昔の美術というと教科書に載っているようなものを想像していましたが、特に歌川国芳の作品を知ってから、近世日本の表現ってとてもユニークだし、市井から生まれる芸術のおもしろさを感じています。「百椿図」も江戸時代につくられたそうですが、その時代のアヴァンギャルドな精神の表れでしょうか。それとも自然に生み出された芸術表現なのでしょうか。いずれにしてもおもしろいですよね。現代アートのお株を奪うような型破り。あるいは太古の昔から繰り返されてきたリバイバルの一部なのか。いつの時代にも保守本流があって、そこからドロップアウトした支流が独自の流れをつくっていくんですね。

日本に蓄積されたさまざまな遺産に触れるとき、僕はいつも原研哉さんの言葉を思い出します。

原さんは現代日本の進むべき道の原点を足利義政の時代に見出します。応仁の乱で焼けてそれまでの蓄積が失われた京都で静かに生まれた美意識こそが、経済的にも精神的にも頼るべきロールモデルを見出せない今の日本に必要である、と。著書である『白』や『日本のデザイン』の中で、茶室や「松林図」を引き合いにしながら、原さんは日本の美意識について言葉を丁寧に重ねます。10年20年よりも大きな単位で日本を振り返り、もちろんそこにただ戻るわけではなく、そのころのメンタリティから日本らしさを抽出し、現代の生活に馴染ませるようにアレンジしようということですね。

「松林図」を前に言葉を失って立ち尽くした体験は強烈でしたが、時代も作風も違えど、「百椿図」や国芳の武者画や美人画が琴線に触れるときの感覚もインパクトがありました。遠い過去につくられたものも、つい今しがた生まれたものも等しく新鮮に響きます。それに巡り合った瞬間こそが、現在進行形と言うべき状態ですよね。過去の時間と現在の時間がぎゅっと結びつき、自分の心を震わせる。おそらく美術品をコレクションすることはありませんが、どのようなかたちであっても、袖が擦り合うように巡り合えたら、きっとそれはすてきな体験なんじゃないかなぁと思うのです。

2012.01.27
by mura-bito | 2012-01-27 21:57 | Visualart | Trackback | Comments(0)
音楽座ミュージカル/Rカンパニー「アイ・ラブ・坊っちゃん2011」
縁とは不思議なものです。何がどうつながるか、決してそれは劇的なものばかりではないけれど、予測も想像もつきません。期せずして音楽座ミュージカル/Rカンパニーの公演「アイ・ラブ・坊っちゃん2011」を観る機会に恵まれましたが、会場である青山劇場に着くまで何を観るのかまったく知りませんでした。大学の後輩から連絡があり、会社の人が芝居をやっているから観ませんか?と誘われたのですが、会社員がやる趣味としての舞台かと思っていただけに、まさかのプロの舞台に驚きを隠せず。

驚いたのはそれだけではありません。音楽座は初めてではなく、3年前の「マドモアゼル・モーツァルト」を観たことがあります。小室さんが書いたメロディが散りばめられたこのミュージカル、とてつもなく複雑な心境で劇場に向かい、次第に音と光に包まれた舞台に引き込まれ、カーテンコールでは素直な気持ちで拍手を送っていました。あれからもう3年も経ったんだなぁと思ったり、先日は楽器フェアで4年前のTM NETWORKのライブを思い出したり、ごくごく個人的なタイミングですが、立て続けに記憶を巻き戻す体験をしました。

inthecube: マドモアゼル・モーツァルト @東京芸術劇場

「アイ・ラブ・坊っちゃん2011」、楽しかったです。夏目漱石そのものの物語と『坊っちゃん』の世界がパラレルに進み、次第に混ざり合っていく様子がすごくおもしろかったし、坊っちゃんと清の会話に自分自身の記憶が刺激されて思わず涙が出そうになりました。何度も笑ったし、あちこちで出てくる猫がいい味を出していました(そういえば、『坊っちゃん』を書く頃にはあのネコには名前がついたんだっけ?)。「アイ・ラブ・坊っちゃん」というタイトルも、おそらくはダブルミーニングが込められているのでしょう。そういう想像を巡らせる楽しみも与えてくれたし、素敵な歌とダンス、言葉を目の当たりにすることもできました。なんともまぁ、実に嬉しいサプライズでした!

2011.11.06
by mura-bito | 2011-11-06 22:25 | Visualart | Trackback | Comments(0)
大東京トイボックス 7
大東京トイボックス 7

大東京トイボックス 7

うめ(小沢高広・妹尾朝子)


オリラジあっちゃんの「現在最も魂を殴られる漫画」という言葉は強烈でした。ゲーム開発の現場を舞台にした漫画ですが、前身の『東京トイボックス』をブクログのパブーで読み始めてから、それはもう魂殴られっぱなしです。漫画を発売日に買いに本屋まで足を運んだのなんて、20年ぶりです。

人生を賭けて断言しよう 現在最も魂を殴られる漫画はこれだ 読め!

オリエンタルラジオ中田敦彦

『大東京トイボックス 6』帯コメントより


『東京トイボックス』から読み始め、いろいろな伏線を横目に見つつ、この『大東京トイボックス』を6巻まで読んで、すっかり虜になりました。次はどうなるんだろう…という期待というかむしろ飢餓感を覚えていたところに、上手い具合に7巻の刊行です。そんなこんなで読んで思ったのは、6~7巻で一旦いくつかの伏線が明らかになってスピード感を増したし、新しいキャラクターも出てきてリフレッシュしたのではないかと。いい感じのテンションで終わって、ますます次の巻が楽しみになりましたね。読むべし!

ちなみに…ちょっと引っかかったことを補足的に蛇足。
5巻にTwitterを使っている様子が出てくるんですが、ソーシャル・メディアが出てきた物語の中で一番しっくりきました。ちゃんと本筋に絡んでいるし、雰囲気もぴったり合っている。かの「ツイッタードラマ」然り、何故テレビだとネットは滑稽に、時として悪意を込めて描かれるのでしょうか。感情が連鎖していくのがソーシャル・メディアの特徴ですし、もちろん正も負もどちらもあり得ます。そのあたりの機微を描いた物語はないなぁと思っていたけれどもここにあった、というわけです。

2011.08.25
by mura-bito | 2011-08-25 19:07 | Visualart | Trackback | Comments(0)
香りを観る、香りを想う
「香り かぐわしき名宝」展が東京藝術大学大学美術館で開催されています。香木、あるいは香りに関する工芸品や絵画が展示されており、香りが文化として成立するプロセスを知り、楽しむことができます。香りについて知識がなくても、わかりやすく解説してくれていますし、香りというテーマで集められた作品を眺めるだけでもおもしろいですよ。


香りにちなんだ絵画の展示では、速水御舟の「夜梅」がとても印象的でした。その存在を知ったのは、Eテレ(NHK教育)で放送されている日曜美術館のアートシーンです。空に浮かぶ月と梅の木。それが画面に映った瞬間、時間が止まったように画面をじっと見つめていました。ふと気づいて「夜梅」という言葉をメモし、後ほど御舟の名前を知りました。

速水御舟「夜梅」、梅の花と月からはどんな香りが漂うのだろう。

http://twitter.com/fujiokashinya/status/59420154605473792

実物をこの目で見てみたい!と思い、初夏の空気と青空が気持ちいい日曜日、上野の東京藝術大学に向かいました。会場にはけっこう人がいて、正直なところを言うと、意外でした。近くで開催されている写楽展やレンブラント展に集中するのかなと思っていたのですが。上野という土地柄でしょうか、年齢層が高めでしたね。


絵の前に立つと、やはり引き込まれる。月と、梅と、空。その隅々まで視界に、記憶に収めようとする。衝撃を受けると、いつもそんな風に見ます。そしてその後、力を抜いて、ぼんやりと眺める。傍目には放心しているように見えたかもしれない。長谷川等伯の「松林図」の前に立ったときと同じです。しばらくそこから離れられないし、離れたくない。できることなら誰もいない部屋で向き合いたかった。

「香り かぐわしき名宝」展を観た。速水御舟の「夜梅」(よるのうめ)をこの目で見てみたくて向かったのだけれど、やっぱり良かった。「暗香疎影」(月光にゆれる木々の陰の合間からほのかに漂う花の香り)というすてきな言葉を知ることもできた。

http://twitter.com/fujiokashinya/status/69693445027020800

絵の下の解説に書かれていた「暗香疎影」という言葉にはっとさせられました。月明かりの中、そっと漂う花の香り。夜の隙間にふわりと感じる梅の香りは、どのようなものなのだろう。イメージは膨らみます。そして、どのような物語が生まれるのだろう。目に、記憶に焼き付けた夜の梅を巻き戻して、ぼんやりと空想に沈んでみるとします。

2011.05.19
by mura-bito | 2011-05-19 22:31 | Visualart | Trackback | Comments(2)
池上喫水社
信州の五月は工芸の五月。松本を中心に、安曇野市、朝日村、大町市、長野市のギャラリーや美術館でいろいろな企画展が開かれています。観光にも田植えにもちょうどいい天気となったGW、松本で工芸の五月を楽しんできました。

松本市美術館では「マイセン磁器の300年」展が開かれており、普段は目にすることのないマイセン磁器をじっくり見ることができました。と言っても知識も何もあったものではないので、なんかすごそうだなというくらいの感想しかないのですが…。うつわとか壷だけなんだろうなと思っていたら、磁器の人形なんかもあり、これがまたポップで、意外と楽しめました。当時の貴族社会を風刺していた作品も多く、こういうのは日常づかいのうつわにはない要素なので、そういう意味でもおもしろかった。日常に溶け込むものの魅力、日常から乖離しているものが発するメッセージ。いろんなものを見て、触れて、感じて、考えて、少しずつ自分の中身がかき回されていく感覚は、実に刺激的です。

場所を移して向かった先は「池上喫水社」というところ。池上さんという方が自身の蔵を5月だけ貸し出し、そこで工芸の五月に関連したイベントが開催されているようです。このGWには、「LPACK」という二人組のアーティストが、水出しコーヒーを使ったインスタレーションを行なっていました。天井に吊るされた水とコーヒー豆からコーヒーが抽出され、ガラスの管を通って、床に置かれたガラスの入れ物に溜まります。入り口とふたつの窓から差し込む光がガラスとコーヒーを照らします。コーヒー豆に落ちる水は、天井からぶら下がる入れ物に入っていて、時々音を立てて水が落ちます。こうしたものが6~7組ほど設置されており、その中では実際にコーヒーを飲むことができました。二種類のアイスコーヒーを味わいましたが、それぞれ異なる水脈の水を使っているとのこと。その日は、松本の味噌屋と豆腐屋で使われている水を使っていました。味噌屋の水は少しピリッとしていて、豆腐屋の方は柔らかい口当たりでした。同じ豆を使っていても、水でこんなにも変わるのか、と驚きました。

「池上喫水社」にて、コーヒーを観ながら、コーヒーをいただきました。視覚聴覚味覚を静かに刺激される体験。

http://twitter.com/fujiokashinya/status/66409484997754880

静かな蔵の中で、コーヒーが落ちて流れていく様子を眺め、ぽたりぽたりと立てる音を聴きながら、コーヒーをじっくりと味わう。とてもおもしろく、素晴らしい体験でした。LPACKは横浜の日ノ出町に拠点を構えているみたいなので(黄金町バザールなどで何回かニアミスしていました)、今度ちゃんと行ってみようかなと思います。

2011.05.15
by mura-bito | 2011-05-15 16:50 | Visualart | Trackback | Comments(0)
Flying Bach -Eurovision Song Contest 2011-


Flying Steps and Yui Kawaguchi / Flying Bach
"Eurovision Song Contest 2011" on May 12, 2011

Eurovision Song Contestというイベントの幕間に披露された、Flying Stepsと川口ゆいさんによるパフォーマンスです。35000人の観客を前にし、そしてその模様はヨーロッパ19ヶ国に生中継されていたそうで、かなりの大舞台ですよね。多彩なアレンジを施されたバッハに乗せ、直線と曲線が交差するパフォーマンスは、圧巻です。

2011.05.15
by mura-bito | 2011-05-15 10:36 | Visualart | Trackback | Comments(0)
Chaconne - Die Stadt im Klavier IV


Aki Takase x Yui Kawaguchi / Chaconne - Die Stadt im Klavier IV

光の滝の中で動く身体と鍵盤。高瀬アキと川口ゆいによる、パフォーミング・アーツ「Die Stadt im Klavier」の新作がベルリンで行なわれ、その模様がYouTubeにアップされています。音と動きの境目が見えなくなるような感覚、ピアノと身体が溶け合ってひとつになって、次第に離れていくと、ピアノのような肉体のような塊がふたつ生まれる。ダイジェスト映像でしか観られないのか残念です。おそらくDVDのようなものでフルで観たとしても、その世界に没入することは難しいでしょう。できれば、同じ時間、同じ空間を共有したい。その世界にコミットして、意識を舞台の上と溶け合わせたとき、どのようなイメージが浮かぶのか。どのような文章が僕の中で生まれるのか。いつか体験してみたい。

最後に流れ落ちるいくつもの光の滝が、観た人を穏やかにこちらの世界に帰してくれます。いやむしろ観た人の中にあった一部は向こう側に残ったまま永久に戻ってこないのかもしれない。それらは舞台の上で、仲良く、ときにはぶつかりながら、ピアノの音に合わせて踊っているのでしょうか。

2011.03.07
by mura-bito | 2011-03-07 22:54 | Visualart | Trackback | Comments(0)
Aki Takase x Yui Kawaguchi / Die Stadt im Klavier
2009年にベルリンで披露された、ピアノとダンスによるパフォーミング・アートです。二人のパフォーマンスは、どうやら横浜でも観ることができたようなのですが、残念なことにその存在を知るのが遅かった。ダイジェストながらも、こうしてYouTubeでパフォーマンスを観ることができたのは嬉しいですね。華麗に舞ってクラシック・バレエを彷彿させたり、激しくパーカッシブに足を踏み鳴らして踊ったり、プログレッシブ・ロックのように陰鬱に立ち止まって静かに動いたりする。緊張感が漂う舞台だったと想像しますが、時折見せる笑顔や、張り巡らされた糸に植物を掛けていく様子は、ほっとして、落ち着きすら覚えます。



Aki Takase x Yui Kawaguchi / Die Stadt im Klavier

観客は、いつまでも醒めない夢の中にいたのでしょうか。現実離れした世界を目の前にして、それはまるで自分の中の自分がいくつもいて、入れ替わりに顔を出しているかのようで、でもそれは意外とものすごく現実的なことを示唆しているのかもしれません。自分の外というマクロな世界を見ているようで、実は自分の中というミクロな世界を凝視している。この人たちはまるで狂っているかのようだ、でも狂っているのは自分ではないのか。ピアノの中には街がある。街の中には、自分がいる。

2011.01.13
by mura-bito | 2011-01-13 23:01 | Visualart | Trackback | Comments(0)
恐ろしいほど能動的な鑑賞者と渡り合うことで、作者も鍛えられた。
橋本麻里さんの「日本美術はずっと、作ることとみることに同じだけのクリエイティビティを認めてきた。恐ろしいほど能動的な鑑賞者と渡り合うことで、作者も鍛えられた。」という言葉が印象に残りました。

クリエーターが送り出すものをわりと「そういうものだから」と思ってストレートに受け取ることが多いけれども、それだけではどちらも成長しないのですね。圧倒的な資本の前には善意も敵意も批評も飲み込まれて、なかったことになってしまうのだけれど、パーソナライズが進んだ今なら、まっとうな付き合い方ができるかもしれない。音楽にせよ、アートにせよ。

日本美術はずっと、作ることとみることに同じだけのクリエイティビティを認めてきた。恐ろしいほど能動的な鑑賞者と渡り合うことで、作者も鍛えられた。だから私も見るし、買うし(預かる、という感覚だが)、時には道具として使う。美術とは、そういうつきあい方が楽しい。少なくとも自分は。

橋本麻里さん(hashimoto_tokyo)のツイートより引用
http://twitter.com/hashimoto_tokyo/status/14315431678451712

本気で作品と向き合い、時には作り手と顔を合わせて、そして本気で感想を伝える。何と言おうか、アイドルに熱を上げるのも、美術鑑賞に夢中になるのも、同じことなのかもしれない。クリエイトされたものへの敬意というのは、そういうことなのかなと。

2010.12.13
by mura-bito | 2010-12-13 23:01 | Visualart | Trackback | Comments(0)

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