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カテゴリ:Music( 892 )
LINKIN PARK LIVE AROUND THE WORLD
LINKIN PARK“Live Around the World” シリーズは、デビュー・アルバム『Hybrid Theory』から4枚目の『A Thousand Suns』までの曲について、2007~2011年のワールド・ツアーで録音したライブ・テイクを集めたシリーズです。これらの存在を僕が知ったのは最近のことですが、なんと5年前に配信が始まっていました。遅すぎた出会い。それでもこのライブ・テイクは、僕にとって今が旬です。
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Live Around the Worldプレイリストを自作してみたところ、トータル13曲の約50分になりました。順番は日々入れ替えてベストを探っていますが、開幕が「Points Of Authority」という点は変わりません。2007年以降のライブでは冒頭のMike Shinodaのラップが長くなったり、リズムやギターなど音のメリハリが効いていたりと、僕の好きな方に変わっていきました。追加されたラップからオリジナルにもあるラップ “Forfeit the game...” につながっていく流れがとても好きで、その高揚感を味わうためにプレイリストの先頭に据えています。

「Somewhere I Belong」「What I’ve Done」はイントロが長くなっていたり音が加わっていたりして、気分を盛り上げてくれます。特にJoe Hahnのスクラッチは快感を覚えますが、時としてエモーショナルに響くのが好きです。「エモーショナルなスクラッチ」とは奇妙な表現ですが、本当にそうなのです。鋭く空気を切り裂く音というよりは、空気に溶け込んで雰囲気を柔らかくするストリングスに近い役割を担っていると思います。もちろん彼は攻撃的で鋭い、スクラッチらしいスクラッチも「Papercut」などで披露します。

Points Of Authority (Sydney, 2007) in Hybrid Theory
In The End (Melbourne, 2010) in Hybrid Theory
Don’t Stay (Shanghai, 2007) in Meteora
Somewhere I Belong (Köln, 2008) in Meteora
Lying From You (New York, 2008) in Meteora
One Step Closer (Frankfurt, 2008) in Hybrid Theory
Papercut (Paris, 2010) in Hybrid Theory
What I’ve Done (New York, 2008) in Minutes To Midnight
When They Come For Me (Paris, 2010) in A Thousand Suns
Numb (New York, 2008) in Meteora
From The Inside (Sydney, 2010) in Meteora
Breaking The Habit (Hamburg, 2011) in Meteora
The Messenger (Las Vegas, 2011) in A Thousand Suns

「One Step Closer」はライブのオープニングを飾っていた頃に録音されたものと思われ、Brad Delsonが弾くギターの音が徐々に厚みを増していくイントロが格好良い。「When They Come For Me」は、リリース当時から僕はアフリカの民族音楽をイメージしていたのですが、祝祭的なリズムが特徴的でLINKIN PARKの枠を越えている点が好きでした。ライブではChester Benningtonが歌いながらバスドラムを叩いていた記憶があります。

プレイリストの最後に配置したのは「The Messenger」です。アコースティック・ギターの音に乗せて、Chesterが切々と歌います。途中からピアノ、そして穏やかなスネアの音が加わります。LINKIN PARKはバラードやフォークよりもヘビーなサウンドの方が知られているかとは思いますが、「The Messenger」のような「剥き出しになる」曲も素晴らしいものがあります。シンプルな音の中で響くChesterの歌が静かな輝きを放ちます。そして最後はChesterの歌声と、彼の “Sing along with us!” という言葉に導かれた観客の歌声が重なり、幕を下ろします。

2017.12.13

◆追記
「Lying From You」を追加しました。“No no, turning back now” というMikeのラップと一緒に叫びたい。この曲の追加により、2枚目のアルバム『Meteora』の曲が半数を占めるプレイリストとなりました。

2017.12.17
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by mura-bito | 2017-12-13 21:57 | Music | Comments(0)
[PART3] TM NETWORK「MAJOR TURN-ROUND」:32分21秒の音楽体験、過去と現在と未来の交錯、刷新される音の記憶
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FIRST IMPRESSIONの音がカット・アウトすると、間を置かずにSECOND IMPRESSIONのドアが開き、そこから響いてくるメロトロンの音が聴き手を招き入れます。緩やかなテンポで「MAJOR TURN-ROUND」の中で最も重厚なバンド演奏が繰り広げられます。音の塊はやがて小さくなっていき、荒れた水面から波がすっと引くような、静かな雰囲気の音になります。小室さんが弾くピアノが静謐な響きを紡ぎ、木根さんが爪弾くアコースティック・ギターは過去の記憶を探して彷徨います。そしてバンドの音が戻り、「MAJOR TURN-ROUND」の中で最もスリリングな演奏が始まります。途中まではピアノとベースとドラムのトリオ演奏です。それぞれのスタイルを存分に見せつけながら音が展開していき、やがてギターの音が重なります。

「MAJOR TURN-ROUND」のリズムを構築するのは、Simon PhillipsとCarmine Rojasです。Simon Phillipsのドラムは、CDとは思えないほどの迫力を感じさせます。僕は彼のプレイを上原ひろみのコンサートで聴いたことがありますが、実際に生で体験できる喜びと、期待を遥かに上回る格好良さに震えたのを覚えています。一方、Carmine Rojasは、David Bowieのツアーでバンドを統率したこともあるベーシストです。「MAJOR TURN-ROUND」は多くの音が交錯する曲ですが、ベースの音が全体を包み込んでいるのではないかと思うほど、ずしりと重く、厚い音で存在感を示しています。

ドラムとベースに支えられ、小室さんのピアノが走ります。このソロはKeith Jarrettを意識したと、後に小室さんは語りました。小室さんとプログレを結びつける人物として最初に挙がるのはKeith Emersonでしょうが、実はジャズ・ピアニストのKeith Jarrettをイメージしたという話には驚きました。その後も、自身のソロ作品でもKeith Jarrettについて言及する場面がありました。とはいえ、特にピアノの演奏スタイルについては、むしろRick Wakemanの影響の方が大きいのではないかと思います。Rick Wakemanが参加したYesの大作「Close to the Edge」やソロ・アルバム『The Six Wives of Henry VIII』を聴いていると、そう感じます。
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最後のパートであるTHIRD IMPRESSIONが始まると、音は少し明るめに響き、ポップな色に染まります。THIRD IMPRESSIONの前半で聴ける音は、ハウスというべきか、あるいは小室さんが傾倒していたトランスというべきか、プログレでは使われないであろうダンス・ミュージックのループ・サウンドです。そうした音が呼び込んだのかもしれませんが、歌詞はこれまでのパートより前向きなものになります。FIRST IMPRESSIONを現在、SECOND IMPRESSIONを過去とするなら、THIRD IMPRESSIONは未来に向かっていく音や言葉を発しています。

音は目まぐるしく、ダイナミックに展開します。地を這うようなベースとキックが鳴り終わると、曲はがらりと雰囲気を変えます。葛城哲哉が弾くギターの音は哀愁の色を帯び、音が紡がれるたびにその色は濃くなります。他のパートでも印象的なギターを披露していますが、THIRD IMPRESSIONでは心をぐっとつかむ音を鳴らしています。バンドの演奏を背にして、ウツの歌もエモーショナルに曲を彩ります。

メロトロンが鳴り響き、終着点に向かう曲を導きます。過去に吹き込まれた音が時間を越えて呼び戻され、空気を震わせます。録音されたものを聴く限りでは、他の音とのバランスを取っているのか、メロトロンは後ろの方に位置しています。ライブでは、小室さんが弾くメロトロンはストリングスとコーラスを鳴らし、前に前に出てきて、ベースやドラム、ギターを率いて壮大な雰囲気を醸しながらクライマックスを迎えます。32分という長大な曲の幕が閉じると、記憶のあちこちに音が残っているのが分かります。その欠片を拾い集めようとして最初から「MAJOR TURN-ROUND」を聴くと、音の記憶は刷新されていくのです。
2017.12.07
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by mura-bito | 2017-12-07 21:02 | Music | Comments(0)
[PART2] TM NETWORK「MAJOR TURN-ROUND」:重なる三つの「印象」を通り抜けながら体験する音の世界と記憶の揺らぎ
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「MAJOR TURN-ROUND」の収録時間は32分を超えます。いわゆる組曲の形式ですが、全体は3つのパートに分かれており、それぞれFIRST IMPRESSION、SECOND IMPRESSION、THIRD IMPRESSIONと名付けられています。この構成と命名は、Emerson, Lake & Palmerのアルバム『Brain Salad Surgery』に収録された「Karn Evil 9」の構成(1st Impression~3rd Impression)に沿っている…というより、そのままですね。

「Karn Evil 9」での意味合いは分かりませんが、「MAJOR TURN-ROUND」で各パートの名称にIMPRESSIONという言葉を採用したのは、この曲がテーマとして持っている要素のひとつが「記憶」だからだと思います(あるいはIMPRESSIONから「記憶」というテーマが生まれたのかもしれませんが)。impressionという語は印象・感銘という意味ですが、これは「心に残る痕跡」とでもいうべき現象です。心に刻み込まれて残り続けるもの、それは記憶と呼ぶこともできるのではないでしょうか。例えば、FIRST IMPRESSIONは「第一印象」というより、無数に存在して眠っている記憶の中で最初にアクセスする記憶のことなのではないか。

音を変えて多くの言葉を散りばめることで、「MAJOR TURN-ROUND」は「記憶とは何か?」というテーマにアプローチします。小室さんがこの曲について「最後の方になると、最初の部分がどのようなものだったのか記憶は曖昧になる」と語ったように、人間の記憶はそこまで強固なものではなく、時間とともに薄れていくものです。メディアに記録された音は揺るがないものですが、それを聴く人間の記憶はファジーであり、揺るがないはずの音は記憶の中で揺らぎます。記憶の揺らぎをひとつの曲の中で体験することで、誰もが知っている「記憶は揺らぐもの」という事実が身体的に刻み込まれます。
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「MAJOR TURN-ROUND」の開幕を告げるのは、壊れた換気扇が鳴らす乾いた音です。水面に落ちた墨がじわりと広がっていくようにベースとドラムが音の世界の輪郭をゆっくりと描き、シンセサイザーの音が聴き手をFIRST IMPRESSIONの中に取り込んでいきます。僕らの意識は音もなく音の中に沈んでいきます。さまざまな音が重なり、交錯します。チューブラー・ベルズの乾いた金属音が響き、ギターがテーマ・メロディを運んできます。音の世界は、ウツの歌声によって立体的に立ち上がり、小室みつ子さんの書いた歌詞によって陰影が生まれます。

曲は表情を次々と変えます。FIRST IMPRESSIONの中でもパート分けができるくらいに、浮き沈みの激しいダイナミックな展開を見せます。展開が徐々に切り替わるのではなく、急上昇や急転直下で音がいきなり変わるのが特徴です。途中で「オペラ座の怪人」を彷彿とさせるメロディが顔を覗かせ、不穏な雰囲気を醸しますが、その前の演奏が力強いために闇は一層濃く目に映ります。音の変わりようから、太陽が月に呑み込まれる日蝕のイメージが浮かびました。メロトロンに記録されたストリングスの音がメランコリックに空気を震わせます。

FIRST IMPRESSIONの終盤になると、それまで溜め込んだエネルギーを発散しながら、音が音を巻き込み、曲は勢いを増していきます。アスファルトにタイヤを切りつけながら走る車のように、ぐいぐいとスピードを上げて駆け抜けていく。スネアやハイハットの音が鋭く大きく力強く響き、他の楽器を煽ります。また、ライブで顕著だったのですが、この部分ではハモンドの音が強烈な存在感を示しており、荒々しいロック・オルガンが曲を強靭なものにしています。音が交差して主張し合う中で、ウツのボーカルはノイズと混ざり合いながら、異なる空間からのメッセージのように響きます。
2017.12.06
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by mura-bito | 2017-12-06 21:31 | Music | Comments(0)
[PART1] TM NETWORK「MAJOR TURN-ROUND」:プログレに新しい生命を吹き込み、21世紀の扉を開いたキーボード・サウンド
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TM NETWORKのオリジナル・アルバム『Major Turn-Round』がリリースされたのは、世紀が変わる直前の2000年12月です。アルバムはプログレッシヴ・ロック(プログレ)という音楽ジャンルで制作されており、その特徴を決定づけているのが表題曲の「MAJOR TURN-ROUND」です。アルバムに収録された「WORLDPROOF」、「IGNITION, SEQUENCE, START」、「PALE SHELTER」、「CUBE」などの曲も異なる角度からプログレらしさを見せますが、やはりアルバム収録時間のほぼ半分を占める「MAJOR TURN-ROUND」が中心となっています。

プログレが隆盛を誇った1970年代前半、中高生だったTM NETWORKの3人はその音楽をリアルタイムに体験しています。特に小室さんはプログレのバンドを組んでいたこともあり、少なからず影響を受けたと思われます。プログレは1984年のデビュー以降は活動の中心にはならなかったものの、「VAMPIRE HUNTER D」や「THINK OF EARTH」といった小室さんのソロの要素が強い曲、ライブでのキーボード・ソロではプログレが意識されていました。プログレの作品と言えそうなのはアルバム『CAROL -A DAY IN A GIRL'S LIFE-』でしょうか。当初は30~40分の曲をメインに据えるプログレのアルバムを構想していたものの、最終的には複数の曲に分割され、そして物語を軸にした音楽とライブは演劇やロック・ミュージカルに近かったと言う方が適しています。

こうしたプログレへのアプローチが散見される中で、徹底的にプログレに取り組んだのが『Major Turn-Round』です。メジャー・レーベルから撤退して、自らのインディー・レーベル「ROJAM Entertainment」からリリースされました。アルバムの中でも特に「MAJOR TURN-ROUND」のテーマやサウンドには、YesやEmerson, Lake & Palmer、Pink Floydなどの影響が色濃く見えます。後に小室さんが語った言葉を借りれば「遊びの極致」。アマチュア時代を思い出すことでそういう言葉が出てきたのでしょうが、実にミュージシャン的で良いと思います。なお、2014年にはソフト・シンセの音を多用した「QUIT30」というプログレの曲を作り、先端的な4Kの映像とともにライブで披露しました。
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「MAJOR TURN-ROUND」の特徴は、かつて隆盛を誇ったプログレ・サウンドに再び生命を吹き込むキーボードの音です。オールド・シンセサイザーの名器であるミニ・モーグ・シンセサイザーやメロトロン、オーバーハイムに加え、ロック・オルガンの代名詞であるハモンド、ジャズやフュージョンで使われるローズ・ピアノなど、プログレらしいキーボードの共演が実現しました。絡み合うキーボードの音は、僕にとってすべてを聞き分けることは難しいのですが、それでも「音の重なりや交差」や「ひとつの楽器の音が屹立する瞬間」を楽しむことができます。

特筆すべきはメロトロンです。メロトロンはいうなればテープレコーダーであり、音が記録されたテープが内蔵されていて、鍵盤ひとつひとつに連動しています。各テープにはコーラスやストリングス、フルート、ブラスなどが録音されています。和音の種類や音の消滅(音の出る時間が約8秒と、テープの長さに依存している)の組み合わせで、ある程度バリエーションのある表現が可能な楽器です。サンプラーやソフト・シンセが発達した今では化石にも等しい存在ですが、当時の音を知っているミュージシャンにとって本物を弾けるのは特別な体験のようです。

1996年にtk-trapというプロジェクトのライブで小室さんが「CAROL」組曲を披露したとき、キーボードの配置はYesのキーボード・プレーヤーであるRick Wakemanを参考にしたといいます。このときに、できればメロトロンも使いたいと語ったそうですが、実現しませんでした。ほとんど生産されておらず、中古でもなかなか手に入らない代物だったそうで。しかし、2000年に「MAJOR TURN-ROUND」を録音したときは中古のメロトロンを手に入れ、ライブではさらに新品を加えて2台のメロトロンを弾きました。「遊びの極致」とは言いながらも、「MAJOR TURN-ROUND」の制作は「ミュージシャンとしての本領発揮」といえることは間違いないでしょう。
2017.12.05
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by mura-bito | 2017-12-05 21:51 | Music | Comments(0)
ORESAMA「Waiting for...」:歌声とギターが光るORESAMAスタイルのEDM
ORESAMAの音楽は、新旧のエレクトロニック・サウンドやダンス・ミュージックをバランスよく組み合わせた、いうなれば「おいしいところを抽出した」サウンドを届けています。そうした中で、「Waiting for...」のアレンジは、バランスを傾けてエレクトロの要素を強めています。シングル「流星ダンスフロア」に収録されており、CDの他に、iTunes Storeなどでダウンロードして聴くことができます。

「Waiting for...」のシンセサイザーの音を前面に押し出すサウンドは、エレクトロが好きな人の琴線に触れるアプローチです。Zeddのような音の厚みと輝きが魅力的な曲です。シンセサイザーの音が重なり、それぞれに光を放っているイメージが浮かびます。1980年代のシンセサイザーがイルミネーションのような装飾的な光とすれば、2010年代のエレクトロからは自動車やスマートフォンのようなプロダクト・デザインにおけるメタリックな輝きがイメージされ、「Waiting for...」は後者に属します。また、随所で聴けるワブル・ベースが印象に残ります。ワブル・ベースはEDMシーンを象徴した音ですが、こうして部分的に組み込むことでEDMのいいところをうまく移植しているという感じがします。
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エレクトロニック・サウンドの中で、歌声とギターがそれぞれの角度から存在感を放ちます。ぽんの歌声は、ソフトウェアで加工されたりサンプリングされたりすることで、楽器のひとつであるかのようにサウンドに組み込まれ、溶け込みます。一方で、小島英也のギターはファンキーに刻むとともに、テクニカルに魅せるソロも披露します。僕は、エレクトロとファンクの相性がとても良いことを、ここ数年でDaft PunkやAVICII、TM NETWORKの曲を通して知りました。

エレクトロに寄せたダンス・ミュージックもORESAMAで聴いてみたかったので、「Waiting for...」のリリースは嬉しいですね。こうしたアプローチは、あくまでもサイドメニューのような位置づけだとは思いますが、定期的に聴いてみたい。ライブではORESAMAの曲をかける「DJモニ子タイム」があるため、エレクトロも映えます。「Waiting for...」も、先日のライブでDJモニ子がかけて盛り上がりました。ORESAMAはエレクトロとの親和性が高いグループだと思いますし、エレクトロ系の音が増えることをこっそり期待しています。
2017.11.22
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by mura-bito | 2017-11-22 22:39 | Music | Comments(0)
Rick Wakeman – The Six Wives of Henry VIII
『The Six Wives of Henry VIII(ヘンリー八世の六人の妻)』は、1973年にリリースされたRick Wakemanのソロ・アルバムです。Rick Wakemanは言わずと知れたYesのキーボード・プレーヤーですが、バンドの黄金期を築いたこの時期にバンドの活動と並行して本作を録音しました。

ヘンリー8世は16世紀前半にイングランドを治めた王です。父親のヘンリー7世は、15世紀末に薔薇戦争というイングランドの内乱を終結させてテューダー朝を開きました。ヘンリー8世は生涯で合計6回の結婚に及びましたが、アルバムのタイトルや曲名はその逸話をモチーフにしています。アルバムは6曲から構成され、曲名には結婚相手の女性の名前を冠しています。

『The Six Wives of Henry VIII』の録音には、Yesのメンバーを含む多くのミュージシャンが参加しています。そしてもちろん、印象に残るのはやはりシンセサイザーの音ですね。ミニ・モーグ・シンセサイザー、メロトロン、ハモンドなどのキーボードを中心に据え、周囲をテクニカルな演奏のロック・サウンドで固めたインストゥルメンタル作品であり、1970年代初期に活躍していたシンセサイザーの音を、これでもかというくらい存分に楽しめます。
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Yesのアルバム『Close to the Edge』を匂わせるサウンドやフレーズが随所に見られますが、やはりRick Wakemanだからということでしょう。とはいえ、曲によってはクラシックやジャズの雰囲気も感じますし、ファンクといってもいい曲もあるかなと思います。

「Anne of Cleves」で疾走するベースやパーカッションは、とても気持ち良いです。「Anne Boleyn ‘The Day Thou Gavest Lord Hath Ended’」ではシンセサイザーやピアノの音が少しずつ絡み合って、時に静謐に、時に妖しげに響きますが、特に3:30あたりから始まるミニ・モーグとピアノの競演は絶品だと思います。そして、最後の「Catherine Parr」に響き渡るメロトロンのコーラスに心が奪われます。

アルバム全体を通して、美しさと強靭さを兼ね備えたスリリングな演奏を堪能できます。あまり重くなく、むしろ明るさを感じる演奏なので、プログレのようなハードルの高さはないです。できればスピーカーを鳴らして、交錯する音の乱舞を楽しんでみてほしいと思います。

2017.11.14
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by mura-bito | 2017-11-14 22:15 | Music | Comments(0)
quasimode – Hi-Tech Jazz
quasimodeがカバーした「Hi-Tech Jazz」が、Flower Recordsというレーベルのコンピレーション・アルバム『Past and Future ~Flower Records 20th Anniversary~』に収録されています。配信(ダウンロードならびにサブスクリプション)でも聴くことができます。
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quasimodeが演奏する「Hi-Tech Jazz」は2種類あります。ひとつは、matzzさんが選曲した『SPUNKY! - mixed by Takahiro “matzz” Matsuoka (quasimode)』に収録されたバージョン。もうひとつが、quasimodeの名義でリリースしたアナログ盤に収録された新録バージョンです。本作に収録されているのは後者の方です。

新録の「Hi-Tech Jazz」は、ライブのオープニングを思わせるドラムとパーカッションの演奏から始まります。ループする心地好いリズムを全身に浴びながら記憶を巻き戻します。照明がメンバーを捉え、「どの曲が始まるんだろう?」と想像を巡らせるときの、あのわくわくした気持ちを思い出します。キックとハイハットとスネアとコンガが疾走し、それらがカット・アウトした直後にベースとピアノが飛び出す展開に心が震えます。今にもmatzzさんの「Yes! quasimode!」という煽りが聞こえてきそうです。
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ピアノ、パーカッション、アコースティック・ベース、ドラムスのカルテットに、ホーン・セクションが加わるという、quasimodeの基本スタイルを味わえる編成です。エレクトリック・ピアノやエレクトリック・ベースの場合もあり、ボーカルやラップが加わることも多いのですが、僕は最初にこのスタイルに魅力を感じて、それから他のパターンをどんどん聴いていきました。僕にとってのquasimodeに関する記憶の出発点が浮かぶ、そういうサウンドです。

アナログ盤の「Hi-Tech Jazz」は2011年のクリスマス頃に購入して聴いていたので、もう5年以上が経っているわけですね。配信はおろかCDにすらなっていない曲は、聴く機会が著しく減少します。こうしてサブスクリプションで聴ける状態になったことは、聴き手としては素直に嬉しい。音楽に出会いなおして新たな気持ちで聴くというのも、そこそこ長く音楽ファンをやっていると訪れる楽しい時間です。

2017.11.06
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by mura-bito | 2017-11-06 21:42 | Music | Comments(0)
ORESAMA ワンダーランドへようこそ ~in Shibuya O-WEST~
ORESAMA ワンダーランドへようこそ ~in Shibuya O-WEST~
2017-10-21 at TSUTAYA O-WEST
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ORESAMAのライブ「ワンダーランドへようこそ ~in Shibuya O-WEST~」が開催されました。ORESAMA(ボーカルぽん、ギター小島英也)とサポートメンバー(DJモニ子、ベース三浦光義)の4人に導かれ、音楽が生み出すワンダーランドに飛び込んだ1時間半。「楽しい!」と思える瞬間が何度も訪れる音楽体験でした。

僕がORESAMAの音楽を聴き始めたのは今年、それも半年ほど前のことですが、ライブでは初めて聴く曲でもすぐにリズムに乗れて、歌も音も存分に楽しむことができました。ライブは演奏とMCでシンプルに構成され、視覚的な演出はステージ後方のスクリーンに大きく映し出されたアニメーションと、レーザーを盛り込んだライティングでした。シンプルでありながら、目にも耳にもボリューム感のあるライブだったと思います。



Music video by ORESAMA performing ワンダードライブ

サウンドは、キック・ハイハット・スネアの音を爆音で鳴らしつつ、録音したシンセサイザーやストリングスなどの音を重ね、そこにベースとギターの生演奏を重ねる、というスタイルでした。キックの音はとても分厚くて力強く、全身で感じることができました。歌声は柔らかく、ギターはファンク系の要素が強いため、全体として「EDMにポップスやファンクを絡ませたダンス・ミュージック」という印象を受けました。

シングル曲「ワンダードライブ」や「Trip Trip Trip」はもちろんのこと、数日後にリリースを控えていた「流星ダンスフロア」も聴けました。シングルに収録された「『ねぇ、神様?』」、「耳もとでつかまえて」、「ヨソユキノマチ」などが披露されます。また、以前リリースした「乙女シック」、「オオカミハート」、「銀河」といった曲も、切ないメロディとともに会場を盛り上げます。



Music video by ORESAMA and ELEVENPLAY performing Trip Trip Trip

中盤の折り返し地点では、ステージにDJモニ子が残り、「Waiting for...」などのORESAMAの曲をかけて会場を盛り上げます。キックの音を強めに出して、その熱気はまさしくEDMのライブでした。そして、聞き覚えのあるメロディが飛び出したと思ったらONE III NOTESの「Shadow and Truth」がかかりました。ORESAMAを知るきっかけになったこの曲を大音量で聴けたのが嬉しい。

メンバーがステージに戻ってきます。DJタイムの熱気と音の余韻が残る中でスタートしたのが「流星ダンスフロア」です。YouTubeで聴いていたときにもこれは盛り上がるだろうと思っていましたが、予想どおりの……否、予想を超えた盛り上がりを見せました。まさしくディスコ・タイム・マジック。さらに間奏でベースとギターがソロを披露して観客を煽ります。



Music video by ORESAMA, DJモニ子 and ELEVENPLAY performing 流星ダンスフロア

スクリーンにORESAMAではお馴染みのアニメーションが映し出されます。CDのジャケットやミュージック・ビデオに使われているイラストやアニメーションは、イラストレーター「うとまる」が描いています。ポップでカラフルなキャラクターとなったORESAMAの2人がスクリーンの中で躍動し、ダンサブルな音を盛り上げます。音とともにORESAMAの空間、ORESAMAの世界を作り上げていました。

ORESAMAの2人がMCで話していたように次のライブも決まっており、そして会場のサイズは着実に大きくなっていきます。迅速な展開に2人も驚き、興奮しているようでしたが、聴き手からすれば広い場所で演奏している姿は容易にイメージできます(そのうちパフォーマーが入るかもしれないし、そうなればELEVENPLAYとの共演も実現するかも…観たい…)。どれだけ大きなキャパシティであっても、きっとそこをダンスフロアに変えてみせることでしょう。今後の展開がとても楽しみですね。
2017.11.01
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by mura-bito | 2017-11-01 22:02 | Music | Comments(0)
T.UTU with The BAND – GET WILD PANDEMIC
「GET WILD」がリリースされてから30年目の2017年、TM NETWORKによるリミックスやライブ・テイクを中心とし、他のアーティストのカバーやリミックスを含むコンピレーション・アルバムがリリースされました。その中には、小室さんが新たに制作したリミックスも収録されていました。そうしたGet Wild Anniversaryの流れを意識したのかどうか、ウツが自分のサウンドで録音した「GET WILD」を発表しました。タイトルは「GET WILD PANDEMIC」。演奏しているのは、ウツの活動のひとつ「T.UTU with The BAND」です。T.UTUは「ティー・ウツ」と読みます(木根さん「チュチュかと思った」)。

BANDを構成するメンバーは土橋安騎夫(Key)、山田亘(Dr)、葛城哲哉(G)、是永巧一(G)、種子田健(Ba)です。いずれも歴戦のロック・ミュージシャンということもあり、「GET WILD PANDEMIC」は徹頭徹尾、紛うことなきロックです。それも、ブルージーな匂いを漂わせる、ロックの源流を感じるサウンドですね。ツイン・ギターのアンサンブルを存分に楽しむことができます。
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ウツの声はTM NETWORKとソロで異なる響きを見せます。ずっと感じていたことなのですが、これまでは「曲が違うから印象が違うのも当然」と思っていました。こうして同じ曲、「GET WILD」で比べてみるとその違いが際立つし、何かしらの意図があるのかもしれないと思えます。TM NETWORKにおけるウツの歌い方はドライな雰囲気があり、ソロの場合は甘さを感じます。その違いは、どこにあるのでしょうか。

Bメロの最後の ♪何も怖くはない♪ や ♪きっと強くなれる♪ というフレーズを見てみましょう。特に「怖く」と「強く」の部分が、例えば「GET WILD 2015 -HUGE DATA-」では「こわーく」「つよーく」なのに対して、「GET WILD PANDEMIC」では「こわぁく」「つよぉく」と聞こえます。後者は、それほど強めではありませんが、鼻にかかるような音に聞こえます。テンポが遅いことも関係しているとは思いますが、意図的に歌い方を変えている可能性が高い。
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山田亘/葛城哲哉/土橋安騎夫/是永巧一/宇都宮隆

T.UTUはウツが1992年にソロとして初めて活動したときの名義であり、1992~1994年のライブでは「T.UTU with The Band」という名義を使っていました。T.UTU with The Bandの最初の全国ツアーでは、3人の女性がコーラスとベースで参加していました(Suzi Quatroをイメージしていたらしい)。次のツアーではベースが交代し、コーラスがいなくなります。そして20年以上のブランクを経て、2016年から「T.UTU with The BAND」の名義が(少し変わって)復活し、ベースとして種子田健が加わります。このメンバーで、今年もツアーを行なっています。

特にここ数年はシンセサイザーの音を重ねて構築した「GET WILD」をよく聴いていたため、ギターを前面に押し出したアレンジは新鮮に響きますね。また、ダンス・ミュージックのビートに慣れていた耳には、生ドラムの響きも熱を帯びて届きます。バンドにはバンドの良さがある、などとわざわざ言葉にする必要もないのですが、それでも言いたくなる心地好さなのです。定点観測のように「GET WILD」を聴いていると、アプローチの違いやそれぞれの良さを改めて感じることができます。

2017.10.31
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by mura-bito | 2017-10-31 22:00 | Music | Comments(0)
コアラモード. – 大旋風
コアラモード.あんにゅ/小幡康裕) の新曲「大旋風」は、これまでの2人のイメージ(個人的には「穏やか・爽やか・軽やか」という感じ)を覆すアレンジが印象的です。「雨のち晴れのちスマイリー」や「Dive!」といった曲で聴けるバンド・サウンドは丁寧に構築されて厚みがあり、心地好いと思っていましたが、「大旋風」ではそうした演奏の密度はそのままに、鋭さや猛々しさが加わったといえます。歌・演奏・ビジュアルをロックに寄せて、クールでパワフルな音楽を聴かせます。
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曲はベースの音から始まります。ノイジーに吠えるギターや壮大に響くストリングスが印象に残ります。その裏で、縦横無尽に駆け巡るベースが、曲を支えながら多層的・立体的に仕立てます。鍵盤の音は随所で響きますが、かなり控えめという感じがします。ボーカルは、低体温のように淡々と吐き出す声からエモーショナルに絞り出す高い声まで、上昇と下降を気流のように繰り返します。エモ系のロックと呼ぶこともできるかもしれません。彼女の歌声は、時にソフトに、時にコミカルに言葉を送り届ける感じがしていたものですが、「大旋風」を聴くと、言葉をぶつける歌い方にもフィットすると思いました。



コアラモード. – 大旋風

ミュージック・ビデオの一部をYouTubeで観ることができます。一部といっても、曲の雰囲気をつかむには充分な長さがあります。また、サビから始まる曲なので、その勢いや力強さを存分に感じることができます。編集の仕方もいいですね。曲が持つ勢いがダイレクトに伝わってきます。暗く染まる部屋の中で、エネルギーが蓄積されていく。それはやがて、勢いよく飛び出し、強烈な風となって吹き付ける。そんなイメージを抱きました。

2017.10.26
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by mura-bito | 2017-10-26 22:25 | Music | Comments(0)

fujiokashinya (mura-bito)
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