「言葉のデザイン2010」というトーク・イベントが昨年5月から開催されてきました。昨日6/1に第8回目が行なわれましたが、これが最終回とのことなので、足を運んでみました。サブタイトルは「オンスクリーンのタイポグラフィを考える」。オーガナイザーである原研哉さんと永原康史さんがTwitterで会話したことから始まったイベントです。原さんがWeb上での文字組みについて疑問を投げかけ、永原さんが(やや好戦的に)答え、そこから文字に関する様々な領域のエキスパートをゲストに招いて話をする、というイベントに発展しました。
最終回のゲストは書体開発で有名なモリサワの方でした。仕事柄、書体とは切っても切れない縁なので、興味深く話を聴くことができました。中でも、日本語、アルファベット、簡体字、ハングルに共通の書体を開発しているという話はおもしろかった。新ゴシックをベースにして、4種類の文字を同じテイストにするとのことで、電子デバイスを国際展開するにあたって国ごとに文字のデザインがまちまちだからどうにかならないか、という相談を受けたことがきっかけとか。モリサワの新ゴシックは、駅の駅名表示板なんかに使われていますね。そんな経緯もあるのでしょうか、多言語併記をしている公共のサインにも使える、とのことです。
統一というか、「つなぐ」という感じですよね。文字は違っても届けたい情報は同じだし、届けたい人たちに根本的に違いがあるわけではない。文字をつなぐことで、受け入れる側の姿勢を示すと言いますか。もちろん文字だけにそのようなパワーがあるわけではなく、全体のデザイン思想みたいなものを体現するひとつとして機能する、ということですね(例えば、高知県は
馬路村のデザインがいい例かと)。多言語併記はますます重要になるでしょうし、コストもかかるものではあるんですが、それを利用して、企業や地方自治体などが自分の考えや姿勢を表現するために利用してもいいのかなと思います。
2011.06.02