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2017年 05月 31日 ( 1 )
[PART4] Sound & Recording Magazine 2017年6月号 TM NETWORKインタビュー:「I am」にまつわる新しい真実を見せてくれた言葉
「GET WILD」を追いかけたSound & Recording Magazine誌による一連の企画は、「GET WILD」が蓄積した30年という時間をさまざまな角度から切り取りました。場合によっては「GET WILD」から離れ、TM NETWORKへの言及もありました。そこで、最後は「GET WILD」の話から派生した、興味深い言葉にフォーカスしてみます。

目に留まったのは、自らの歌について語ったウツの言葉です。これまで、ウツがTM NETWORKについて語るときは、自分も含めてメンバーそれぞれの役割を客観的に見ている感じでした。今回のインタビューで見せた一瞬の表情は、それとは少し異なる、自分自身を真正面から見据えたものに思えました。読み流すには惜しい、ウツの、そしてTM NETWORKの本質的な部分が見えた気がします。
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2014年4月に、TM NETWORKは30周年記念企画のひとつとして『DRESS2』というアルバムをリリースしました。収録されたのは、デビューした1984年から4年ほどの間にリリースした曲ですが、いずれも2014年の音でアップデートされ、ボーカルやコーラスも新たに録音されました。

代表曲である「GET WILD」もまた、このアルバムに「GET WILD 2014」として収録されています。「GET WILD」の音は2013年のライブで大きく変化しており(大部分をソフト・シンセで構築)、ライブで使った音を基にして小室さんがソロで音源として「GET WILD (2013 SUMMER)」として配信しました。そこにいくつかの音を加えたのが「GET WILD 2014」です。

そのちょっと前くらいから、自分の年齢もあるし、それまでのいきさつもあるだろうし、歌に対するその自分なりの立ち位置が変わっていたんです。だから1987年当時のときの歌とは全く違うと思う。今はより開いているというか、明るい声になっていると思うんです。

宇都宮隆
Sound & Recording Magazine 2017年6月号

リミックスでは歌を録りなおすことはないため、レコーディングでウツが「GET WILD」を歌いなおしたのは、1999年の「GET WILD DECADE RUN」以来、15年ぶりでした。歌もアップデートされたということで、今回のインタビューでは「GET WILD 2014」の歌に関する質問にウツが答えています。1987年の声とは大きく異なり、現在は「開いている」、「明るい」声になっているとウツは自分のボーカルを表現します。

では、ウツの「歌に対する立ち位置」が変化したきっかけとは何だったのでしょうか。転機となったのはTM NETWORKの「I am」だと語ります。「I am」は、2012年4月のライブ「TM NETWORK CONCERT -Incubation Period-」の開催と同時にリリースされ、その後のコンサートでも常に演奏されてきました。

ソロも含め自分の歌を冷静に聴いていく中で、TMの「I am」を歌ったときに、“これが今の僕だ” って思えたんですよ。

宇都宮隆
Sound & Recording Magazine 2017年6月号

「I am」は、再び動き出したTM NETWORKを象徴する曲であり、そこには小室さんの思いがたくさん込められていると思いました。それは真実のひとつです。一方で、今回のインタビューを通して、ウツもまた自らを重ねていたことを知って驚きました。歌い手として、ウツの何かが「I am」とぴたりとはまったのでしょう。インタビューではこれ以上掘り下げられてはいませんが、「I am」にまつわる新しい真実を見た気がします。

2015年2月に、小室さんは「みんなで話しているけど I amという曲は なんか、特別な曲になりました」とツイートしました。TM NETWORKの活動がそろそろ区切りを迎えるころの投稿です。「特別な曲」とはまた素敵な表現ですよね。3年にわたるTM NETWORKの活動を引っ張ってきた曲をメンバーとして大事に思うのと同時に、「パーソナルな距離感での思い入れ」とでも言うべき気持ちが別のレイヤーにあった、ということなのかなと思います。

躍動するメロディに乗って流れる「I am」の歌詞は、具体的なシーンを描いたり、抽象的に大きな世界を投影したりと、ミクロとマクロを行き交います。聴く人が自分を重ねられる曲であり、どの部分に焦点を当ててイメージするかは聴く人次第です。いろいろな人のさまざまな気持ちに重なってそれぞれの物語を描く。それはウツにも共通することなのかもしれません。今、ウツの「“これが今の僕だ” って思えた」という言葉に触れて、改めて「I am」が自分にもたらしてくれたものを思い起こします。僕もまた心を動かされたひとりであり、自然と自分を重ねていたことを覚えています。僕にとっても特別な曲ですね。



TM NETWORK「I am」のミュージック・ビデオ。
三人がそれぞれの場所で「潜伏」している様子、そして、
再び集まりTM NETWORKとなる様子が描かれている。
2017.05.31
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by mura-bito | 2017-05-31 21:53 | Music | Comments(0)

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