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高品質なコミュニケーション
WBSによれば、活版印刷の価値を見直そうという動きがあるみたいです。ブームと言うほど大きな動きにはなっていないのですが、今後大きくなるかもしれないということで取り上げられていました。

プリンタやソフトの進化により、ちゃんとした印刷物が個人でも作れるようになっています。また、印刷会社ではデジタル化による印刷工程の標準化が基本になっていますし、「低コストで標準化された高品質な印刷」というのが世を埋め尽くしているわけです。活版印刷を見直すというのは、言ってしまえば、PCで管理されてできたものは味がないよね、こっちなら味が出るし他との差別化もできるよ、という一種の反動ですね。書物の大量生産を進めたのは他ならぬ活版印刷でして、その活版印刷が「差別化・個別化」をセールス・ポイントにしているところが、なんだか皮肉っぽい事実だなあと思います。

キーワードは「高品質なコミュニケーション」(WBSで誰かが発言していました)。「コミュニケーション」というところがポイントですね。「きれいな印刷物」という点では、PCベースで作るものの方が緻密に、そして線は真っ直ぐというように正確になります。活版印刷では文字を一つ一つ手で組み合わせていくので、そこまで緻密にはできません。それを「だから、悪い」ではなく、「だから、いい」という発想にしているだけなんですよね。味わいと呼ぶか、空気感などと命名するかは自由ですが。

こうして生まれた個別的な印刷物を、他人とコミュニケーションするときに使ってください、というのがゴールですね。名刺が例として取り上げられていましたが、人とは違う名詞を渡すことで自分を印象付ける。実はこれ活版で作ったんですよ、なんて話もできますし、名刺ホルダーの中で異彩を放つかもしれませんし。差別化を図るために、奇抜なデザインを追求するよりも、シンプルさを追求すると言うことですね。ただし安っぽくなく、さりげなくお金かけている感が伝わるようなシンプルさ。ZINOみたいだなあ、これ。

都会の大人が目指すのはまさしく高品質なコミュニケーションなのではないでしょうか。高級感とはまた違い、お金の匂いがあまりしないけれども皆無ではない。さりげなくいいスーツを着こなし、活版で作られた名刺をさりげなく差し出す…。活版印刷はそういうところに価値を見出し、チョイワルから続く「カッコイイ大人」ムーブメントの一端を担っていくのかもしれません。

2007.09.29
by mura-bito | 2007-09-29 19:44 | Life
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