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TM NETWORK『GET WILD SONG MAFIA』:EDMを追求した2010年代モデル・チェンジの軌跡
TM NETWORKの「GET WILD」は名実ともにTM NETWORKの代表曲と言えます。オリジナルは30年前にリリースされました。アニメ『シティハンター』のエンディング・テーマに起用されたこともあり、最も高い知名度を誇っています。そのためか、リリース以降のほとんど(すべて?)のライブで演奏されました。TM NETWORKは、いくつもの曲をライブの度に新しいアレンジにして披露してきましたが、中でも「GET WILD」の変わりようには驚くばかりです。世界の音楽的傾向を読み、その要素を移植するということを繰り返してきたのが「GET WILD」です。

バンドではなく曲の30周年という珍しい切り口から、コンピレーション・アルバム『GET WILD SONG MAFIA』が企画され、4月5日にリリースされました。オリジナルはもちろんのこと、リミックスやライブ・テイク、カバー、計36曲を集めた4枚組のアルバムです。「GET WILDだけでTM NETWORKの変化の歴史を追う」というのは過言でしょうか。答えは「ノー」です。もちろんTM NETWORKの魅力を知るためには不足していますが、「TM NETWORKの音楽的スタイルの変遷」を振り返るのに「GET WILD」ほど相応しい曲はない、と断言できます。
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さまざまなスタイルに変化した「GET WILD」ですが、大きくはロックとエレクトロに分類されます。ライブではどうしてもバンド・スタイルになるため自然とロックに寄るものですが、特にロック成分が高めのパフォーマンスを披露しているのが1990年の「TMN RHYTHM RED TOUR」、2004年の「DOUBLE-DECADE TOUR FINAL "NETWORK"」でしょう。前者でのサポートは葛城哲哉、阿部薫、浅倉大介であり、後者はFENCE OF DEFENSE(西村麻聡、北島健二、山田わたる)です。

一方、エレクトロという括りで見ると、もともとオリジナルのアレンジは、ヨーロッパ発の世界的ダンス・ミュージックであるユーロビートを意識していました。とは言え、ダンス・ミュージックに大きく寄せることはできず、本来の構想が形になったのは2年後のリミックス「GET WILD ’89」です。『GET WILD SONG MAFIA』に掲載されたインタビューでは、小室さんは「『GET WILD』に人格があるとするなら正しい身なりになった。髪型から何からカチャってハマったのは『GET WILD ’89』だったんですよ」と語っています。ダンス・ミュージックとしての「GET WILD」が血肉を備えたのは1989年なのです。


GET WILD 2012-2015

00:00~ TM NETWORK CONCERT -Incubation Period- (2012)
05:19~ TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation- (2013)
11:45~ TM NETWORK 30th 1984~ the beginning of the end (2014)
19:18~ TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA (2015)
26:44~ TM NETWORK 30th FINAL (2015)

その後は、2001年の「TM NETWORK LIVE TOUR "Major Turn-Round"」や2004年の「TM NETWORK DOUBLE-DECADE "NETWORK"」で、トランスの要素を移植する試みが行なわれました。そして再びダンス・ミュージックに大きく舵を切ったのが2010年代。EDMが世界の音楽シーンのメイン・ストリームに躍り出ると、再指導したTM NETWORKの活動で、小室さんは積極的に「GET WILD」をエレクトロに染めていきました。2013年の「TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-」でEDMスタイルにモデル・チェンジすると、2015年の「TM NETWORK 30th FINAL」まで改造を繰り返しました。

2013~2015年のモデル・チェンジの要素は、2015年の「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA」のライブ・テイクと「GET WILD 2015 -HUGE DATA-」に凝縮されており、どちらも『GET WILD SONG MAFIA』にも収録されています。「GET WILD 2015 -HUGE DATA-」は2014年から加わった新たなイントロ、歌を含むオリジナルの要素を残した部分、2015年に追加された新たなアウトロで構成されており、「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA」ではその前に小室さんのパフォーマンスが繰り広げられています。

小室さんはハードディスクの音を鳴らしながら、ソフト・シンセを中心に自分をぐるりと取り囲むシンセサイザーを駆使して音を重ねたりミュートしたりしながら、予測不能のサウンド・インスタレーションを織り上げます。パフォーマンスではワブル・ベースなどダブステップ系の音も加えて、新しいイントロやアウトロではEDMらしいキラー・フレーズのリフレインで攻めます。このときの音の組み合わせこそが最もEDM的であり、2013年から始まったモデル・チェンジの集大成だったと思います。
2017.04.16

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by mura-bito | 2017-04-16 17:08 | Music | Comments(0)
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