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30th FINAL 17: TETSUYA KOMURO SOLO -30th FINAL-
TM NETWORK 30th FINAL

TM NETWORK 30th FINAL

TM NETWORK


シンセサイザーの音と、会場を駆け巡る光、ステージ奥のスクリーンに表示される映像。それらの中心に小室さんが立ち、音を操りながら、リアルタイムで新しい音楽的空間を作り出していきます。シンセサイザーを使った、予測不能なサウンド・メイキング。リズムを鳴らしながら、ソフト・シンセに登録していたフレーズを呼び出して重ね、あるいは入れ替える。その姿はAVICIIやZeddのようなEDMのDJともまた異なる、シンセサイザーを操るオリジナルのDJスタイルです。

***

「SELF CONTROL」や「DIVE INTO YOUR BODY」のリフやフレーズを織り込みながら、EDMらしさを醸すメロディアスなキラー・フレーズやダブステップ系統の音を盛り込み、そして観客を煽ることも忘れずに、どんどん音を変化させていきます。ライブ・ペインティングで絵を描く芸術家のように、シンセサイザーという絵筆を巧みに動かして、壮大な絵画を描きます。

TM NETWORKが再び活動を始めた2012年から、このライブが行なわれた2015年の間に、EDMというジャンルがピークを迎えました。「ピーク」と言うとあとは落ちるだけのような表現になりますが、別の側面から見ると、EDMとポピュラー音楽の同化が始まり、拡散し始めた時期とも言えます。例えばAVICIIはマドンナの曲をリミックスしたりステージでも共演しましたし、ZeddはAriana Grandeに曲を提供しました。いわゆるクラブ・シーンに馴染みのない(僕のような)リスナーにもEDMの音が届くようになったんですよね。2015年あたりにはEDMの音がコマーシャルや音楽番組からも流れてくるようになりました。保守的な日本の業界(音楽にせよ広告にせよ)が意識したかどうかはともかく、EDMが一番「今っぽい」とされる音だということだと思います。

小室さんのパフォーマンスを目の前で観て、そして聴いていると、2004年を思い出しました。トランスの要素を強く反映したサウンドでツアーを行ない、その千秋楽を日本武道館で迎えました。小室さんはハードディスクに入れていたトランス系の音を中心にして、パフォーマンスを披露しました。そこで僕が目の当たりにしたのは、周囲の観客が次々と座る光景です。トランスという音楽が、少なくともTM NETWORKにはそぐわないことを思い知らされた瞬間でした。とても寂しかった。

10年が経ち、小室さんのパフォーマンスは変化しました。未来を求めるあまり過去を否定していた小室さんがスタイルを変え、人々の記憶に残る過去を肯定的に捉えて自らのパフォーマンスに取り込む。そこでEDMという新しい潮流に出会い、貪欲に取り込むことで、過去も現在も未来にもつながる音を紡ぐことができるようになった。会場にいると、周囲から湧き上がる期待を肌で感じることができました。かつて感じた寂しさはなく、目の前で繰り広げられているパフォーマンスへの期待だけがありました。

単調で冗長だったとも言えるトランスと異なり、TK EDMはどんどん変化し、起伏もダイナミックに表現されます。もっとリフレインしてほしいと思わせるフレーズもあっという間に、新たなフレーズに呑み込まれ、それもまた次のフレーズの呼び水となります。この多彩な音、流動的なフレーズこそ、小室さんのシンセサイザー・パフォーマンスのカギです。音を浴びながら、果たして次にどのような音がフレーズが来るのか、僕らはただひたすら期待する。

***

音の奔流が続く中で、赤い光に照らされながら、小室さんは赤く光るJD-XAの鍵盤を叩きます。ほとばしるサンプリング・サウンド。鍵盤は何度も叩かれます。TM NETWORKを象徴するキラー・フレーズが、繰り返し響き渡ります。最後には鍵盤に指を置いたままにして、マシンガンのように音が放たれます。そして鍵盤から指を離し、天を指差してから再び鍵盤に叩きつけます。一際大きい音で、サンプリングされたフレーズが鳴ります。それが合図でした。

INTRO
JUST LIKE PARADISE 2015/RHYTHM RED BEAT BLACK/CHILDREN OF THE NEW CENTURY 2015
HERE, THERE & EVERYWHERE/SCREEN OF LIFE/Birth
CAROL 2015 I
A DAY IN THE GIRL'S LIFE/CAROL (CAROL'S THEME I)/GIA CORM FILLIPPO DIA
CAROL 2015 II/IN THE FOREST/CAROL (CAROL'S THEME II)/JUST ONE VICTORY
INTERMISSION
月はピアノに誘われて/あの夏を忘れない/TETSUYA KOMURO SOLO -30th FINAL-/GET WILD 2015
WE LOVE THE EARTH/BE TOGETHER/I am/FOOL ON THE PLANET/ELECTRIC PROPHET
OUTRO

2016.10.16
[PR]
by mura-bito | 2016-10-16 21:30 | Music | Comments(0)
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