inthecube
音楽と物語に関する文章を書いています。
ワイルドじゃなくてもいいからタフになりたい
Note my experiences with impressive music/story.
ブログトップ
[PART4] AVICII – Stories
Stories

Stories

AVICII


[PART3] AVICII – Stories



AVICII – Sunset Jesus (Lyric Video)

リズミカルなスネアと鋭く刻むエレクトリック・ギターの音で始まる「Sunset Jesus」*。それらの音に背中を押されるように軽快なボーカルが飛び出します。ボーカルをとるのはSandro Cavazzaという、ストックホルム出身のシンガー・ソングライターです。AVICIIと同郷ですね。Sandroの声はシーンに合わせて、ちょうどいい密度で音と混ざり合います。音と声のブレンド具合が曲の中で変わり、どこを切り取っても鮮度の高いパフォーマンスに接することができます。

音の主役は次第にシンセサイザーに移ります。太くて厚みのあるベースに乗せて響くシンセサイザーのリフが、音の記憶を呼び起こします。リミックス・アルバム『True: Avicii by Avicii』に収録された「Dear Boy」のテンポをやや落として使い、そこに「Sunset Jesus」のメロディを乗せています。ゆるりとしたテンポで進む曲の中に濃密な音が満ちていて、踊れ踊れもっと踊れと聴き手をアジテートします。永遠に、延々とループしてほしい音の連なり。

* inthecube: AVICII – Sunset Jesus



AVICII – Can't Catch Me (Lyric Video)

「Can't Catch Me」はレゲエ調の曲ですね。脱力感のあるリズムやボーカルに心をほぐされ、さらに間奏で差し込まれるリリカルなピアノがとても美しくて柔らかいソファーに沈み込むように、リラックスの度合いが高まっていきます。レゲエを聴く機会は少ないのが正直なところであり、こうしたピアノの音と組み合わせたパターンはオーソドックスなのでしょうか。僕は初めて聴きましたが、とても良いアレンジだと思います。

ジャンルをまたぐ曲は、音楽という共有財産の有効利用と言うか、新旧を結ぶ伝承の役割を持ちますね。EDMに限らず、ジャズもロックも積極的に他のジャンルを取り込んで変質して、揺り戻しで純化して、そしてまたジャンルをまたいで変化する。変化と純化を繰り返すことでそのジャンルは生き続けるし、その間で聴き手も変わったり増えたりします。



AVICII – Somewhere In Stockholm (Lyric Video)

「Somewhere In Stockholm」からは、街角の風景を切り取ったような雰囲気が漂います。ストックホルムを訪れたことはおろか、写真ですらはっきり見たこともなく、北欧における主要都市、というくらいのイメージしかありません。

音で綴るエッセイ、という感じでしょうか。時に物憂げに、時に包み込むように響くストリングス。静かに鳴る鼓動のようなベース。マーチ系のリズムを刻むスネア。あふれるように言葉を連ねるボーカル。シンセサイザーの音は雲の隙間から差し込む太陽の光を思わせます。ストックホルムを歩いて、建物を見上げ、人々とすれ違い、季節を感じる。ストックホルムとはどのようなところなのでしょう。どのような人々がいて、どのような音がするのでしょうか。



AVICII – Trouble (Lyric Video)

アコースティック・ギターのカッティングを中心に据え、カントリー調に盛り上げます。「Trouble」という曲は、2013年にリリースされてAVICIIの代表曲のひとつとなった「Wake Me Up」** を彷彿とさせますが、より軽快に、より祝祭的に響いて気持ちを高めてくれます。

アコースティック・ギターの音とエレクトロニック・サウンドのブレンドは、オーソドックスな手法のようでいて、バリエーションが無数と言っていいほどにあります。ギタリストのセンスや技術、リズムのパターンやシンセサイザーのフレーズが新たな曲を生み出し、ギターが好きな人とエレクトロが好きな人が出会う交差点となります。互いにないものを感じるためでしょうか、異なる方向からの音が交錯して、オリジナルな魅力が生まれます。

** inthecube: AVICII – Wake Me Up (Music Video)



AVICII – Gonna Love Ya (Lyric Video)

アルバム『Stories』の最後を飾るのは「Gonna Love Ya」という曲です。聴き手の肌から体内にそして細胞に、じわじわと浸みていく音。そんな音に乗せ、「Sunset Jesus」にも参加したSandro Cavazzaが、この曲でも歌を吹き込んでいます。

Sandroのボーカルは「Sunset Jesus」とは異なって抑制された雰囲気を醸し、シンプルな音が強調されます。サウンドの骨格が見え、ひとつひとつをじっくり観察したくなります。シンプルとは言え、音を厳選して並べている、という印象を受けます。ゆっくりと終盤の数ページを繰る感じですね。やがて最後のページをめくって14の物語を読み終え、そして静かに本を閉じる。物語は終わります。それでも物語は記憶に残ります。そして音の記憶も残ります。

2015.10.20
[PR]
by mura-bito | 2015-10-20 21:20 | Music | Comments(0)
<< 小林ユミヲ – にがくてあまい 11 Autumn sea >>

fujiokashinya (mura-bito)
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新の記事
LINKIN PARK – ..
at 2017-09-21 21:48
TM NETWORK – G..
at 2017-09-19 21:53
高野 雀 – あたらしいひふ..
at 2017-09-12 21:37
PANDORA – Be T..
at 2017-09-10 21:32
Gacharic Spin ..
at 2017-09-06 22:49
Dimitri Vegas ..
at 2017-09-03 21:27
山田 怜 – 鳴沢くんはおい..
at 2017-08-29 22:22
以前の記事
記事ランキング
カテゴリ
タグ
ライフログ
TM NETWORK

























TETSUYA KOMURO




quasimode


Linkin Park


Paramore

Immigrant'sBossaBand

Ryu Miho

AVICII


Krewella

Zedd

藍井エイル






Gacharic Spin


梨木香歩

村上春樹



京極夏彦



Book





Comic







Music



ブログジャンル