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音楽と物語に関する文章を書いています。
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CAROL2015 PART2
TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA

TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA

TM NETWORK


不意に静寂が破られ、音が戻ってきます。ロンドンの人々も何事もなかったかのように動き出します。音が止まる前と同じような、どこか違うような。一度音が消えた地球は、その永遠の一瞬の中で、歯車ひとつほどの違いなのかもしれませんが、何かが変化して、再び回り始めます。

軽快に刻むリズムが悪魔たちのカーニバルを引き寄せます。異世界に紛れ込んだキャロルは、音を盗み、呑み込んで世界を支配しようとする怪物、ジャイガンティカによって囚われます。ライーダと呼ばれる手下の悪魔を使って、ジャイガンティカはこの世界を蹂躙していきます。仲間と引き離され、ジャイガンティカの居城に連れてこられたキャロル。不気味な色の月が光る夜空のもとで音を盗む儀式が始まり、「GIA CORM FILLIPPO DIA」という呪文が響き渡ります。

「GIA CORM FILLIPPO DIA」は物語「CAROL」の一幕を描く曲のタイトルでもあります。キックとハイハットとパーカッションで構築されたリズムに、小室さんがソフト・シンセを、木根さんがアコースティック・ギターを重ねます。オリジナルではパーカッションの音が走る中でシンセサイザーの音が重なり、からりとした、明るい印象を受けます。その一方で歌詞は頽廃的な言葉が並び、悪魔が熱狂するカーニバルを表現します。音や歌詞のモチーフとして、The Rolling Stonesの「Sympathy For The Devil」を意識していたのかもしれません。「CAROL」における悪魔はファンタジーにおける悪役というくらいの存在なので、宗教的なトピックとしての悪魔ではありませんが。

***

スクリーンには1988年から行なわれたツアーの様子が映し出されます。巨大な目と牙を持って音を呑み込むジャイガンティカの前で、無数のライーダが踊り狂います。音を盗み、世界を破滅に導かんとするカーニバル。黒っぽく浮かび上がる体に、鈍く光る二つの眼が不気味な雰囲気を生み出します。ライーダに扮したダンサーたちは槍を使った殺陣の演舞を披露したかと思えば、興が乗ったか調子に乗ったか、ブレイクダンスまで飛び出します。

色とりどりの光が縦横無尽にステージを、そして観客席を駆け巡ります。かつては緑色に限定されていたレーザー照明は、今やどのような色も作り出せます。赤、青、白、黄色。光の乱舞は、否応なしに観客のボルテージを上げます。ポップスのライブでも使われており、ファーストラインと言ってもいいのかもしれません。大きな会場に多彩な色の橋を架ける。その中にいると思うだけで気持ちは盛り上がります。光が人の心を支配する。功罪はありつつも、光はエンタテインメントに欠かせない要素でしょう。

***

小室さんはソフト・シンセにボーカロイドのような声を設定して、ボーカルのメロディを奏でます。細切れに響くボーカロイド音声に加えて、ダブステップ系の音が混ざり、カラフルなレーザー光が乱舞することで「GIA CORM FILLIPPO DIA」はファナティックな色彩を帯びます。それを塗り固めるように、新たな色を重ねるように、アコースティック・ギターの扇情的な音が響きます。小室さんが指し示すと、光が木根さんに集まり、その演奏はさらに熱を帯びます。

木根さんがアコースティック・ギターでロックを感じさせる激しいプレイを披露する姿は「TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30」の「GET WILD」を想起させます。アコースティック・ギターを弾くのはデビュー当時からの役割ですが、サウンドにおけるつなぎとして使われたり、バラード調やフォーク調の曲で爪弾いたりコードを弾いたりするのがメインでした。ギタリストとしての木根さんの役割は、この一年で広がりを見せます。従来のようにサウンドの内部に組み込まれるパーツでありながら、時に外装を構成するパーツにもなる。ギターを高く掲げてかき鳴らし、このエレクトロ・カーニバルを盛り上げます。


SEVEN DAYS WAR/QUIT30: Birth/LOUD
CAROL 2015 I
A DAY IN THE GIRL'S LIFE
CAROL (CAROL'S THEME I)

GIA CORM FILLIPPO DIA
CAROL 2015 II
IN THE FOREST
CAROL (CAROL'S THEME II)
JUST ONE VICTORY
STILL LOVE HER

LOOKING AT YOU/Always be there/WE LOVE THE EARTH
TETSUYA KOMURO SOLO -HUGE DATA-/GET WILD/I am/FOOL ON THE PLANET

2015.09.06
[PR]
by mura-bito | 2015-09-06 15:56 | Music | Comments(0)
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