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05. Always be there/STILL LOVE HER
TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA

TM NETWORK 30th 1984~ QUIT30 HUGE DATA

TM NETWORK


三人の声が重なる「Always be there」。もともと国連のプロジェクトのために書かれた曲であり、アルバム『QUIT30』にも収録されました。アルバムの中でも、そしてライブでも、リズムのシンプルさは際立ちます。コンガとボンゴの音は、ゆったりとしたテンポの中でメロディの優しさを引き立てます。

曲の途中まではパーカッションの音が響き、終盤になるとドラムの音に切り替わります。パーカッションの音で響くサビのメロディや歌詞は、ドラムの力強い音に支えられると、異なる印象に変わります。同じメロディや歌詞であっても、ボトムを支える音の違いによって印象は変わります。

「Always be there」の歌詞は地球を俯瞰していますが、ぐっとズームインして地上に降り立ってみると、たったひとりに向けた言葉と捉えることもできます。メタファーを介してマクロやミクロの視点で人間を形而上学的に描くのは組曲「QUIT30」が担うとすれば、この曲では等身大の関係性を歌っていると考えられます。

同じ時間を過ごすことが当たり前になればなるほど、重みを感じなくなるものですが、ふとした瞬間に、それがいかに大事かを思う。二人でいると明日がまた来ると思えることが嬉しい、と語る歌詞から想像のリーチを伸ばしてみましょう。ともに過ごした時間は、錨のようなものなのかもしれません。

何事もなければ船は進み続ければいい。けれども、どこに向かえばいいか、どうすればいいか分からなくなったとき、錨を下ろす。錨が行き先を決めてくれるわけではないけれど、一度その場に停まり、考える時間を与えてくれる。明日が来ると思えるだけで嬉しくなる、というのは、いろいろなものに惑わされ、大事なものを見失いつつあるときに、自分を取り戻すための錨なのだろう、と。

続いて披露された「STILL LOVE HER」からも、リアルな二人の関係が浮かび上がります。「失われた風景」というサブタイトルが示すように、この曲は大事なものから離れた人間の姿を描きます。もともとは、ロンドンで制作されたオリジナル・アルバム『CAROL -A DAY IN A GIRL'S LIFE 1991-』のラストを飾り、彼の地の風景を綴った曲です。

特定のストーリーを含む曲ではありませんが、歌詞に出てくる具体的なものやそれらが強調する切ない気持ちは、文脈を与えることで、血肉を備えた人間の姿をイメージさせます。気持ちを告げられなかった男性の独白。片思いではなく、ずっと一緒にいようと言えなかったことを引きずっている。彼はなぜロンドンに来たのでしょうか。目の前に広がる古都の街並みに、数々の記憶がよみがえり、同時に、諦めにも似た後悔が渦巻く。

今回のライブでは、木根さんが十二弦アコースティック・ギターを弾きます。サビとそれ以外で弾くネックを分けていました。また、多くの場面でコーラスも重ね、さらに間奏ではハーモニカを吹いてソロを披露します。マルチプレイヤーとして輝く木根さんを観ることができます。時期によって木根さんが担う役割は変わりますが、いつの時も、TM NETWORKの機能を充分に発揮させるための不可欠なパーツとして組み込まれています。

小室さんはキーボードに囲まれた定位置から外に出て、ショルダーキーボードを演奏しながら、コーラス・パートを歌います。木根さんがハーモニカを吹く場面では小室さんとウツが集まり、その様子が背後のスクリーンに映し出されます。三人が同じ場所に立っているのは、登場や退場のシーンを除けば、けっこう珍しいことです。二人ずつというケースはもちろんありますが、三人が固まるところはほとんどない。その点で、凝縮された三人の密な関係が色濃く表われた曲と言えます。

01. QUIT30 PART1: Birth
02. WILD HEAVEN/TIME TO COUNT DOWN
03. QUIT30 PART2: The Beginning Of The End/Mist
04. Alive/君がいてよかった
05. Always be there/STILL LOVE HER
06. QUIT30 PART3: Glow
07. I am/GET WILD
08. QUIT30 PART4: Loop Of The Life/Entrance Of The Earth
09. THE POINT OF LOVERS' NIGHT/SELF CONTROL/LOUD
10. QUIT30 PART5: The Beginning Of The End II/III

2015.08.09
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by mura-bito | 2015-08-09 08:10 | Music | Comments(0)
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