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[PART2] キーボード・マガジン No. 389 小室哲哉が語る JD-XAシンセサイザー
Keyboard magazine 2015年7月号 SUMMER

Keyboard magazine 2015年7月号 SUMMER

リットーミュージック


[PART1] キーボード・マガジン No. 389 機材で振り返るTM NETWORK 30周年ライブ

『キーボード・マガジン』のエディトリアル・デザインはとても優れており、特にフォントの使い方が好きです。Linotype社の「DIN 1451 MittelSchrift」というフォントをアルファベットに使っていると思いますが、直線と曲線のバランスがとてもいい。たとえばAccess社のVirus Indigo 2 Redbackのような、アナログ・シンセサイザーの太い音をイメージさせる、格好の良いフォントです。和文のゴシック体とも相性がいいので、紙面全体のバランスがいいのです。

PART1では、2012年から2015年までのTM NETWORKのライブで使われたシンセサイザーについて、あれこれ書いてみました。ソフト・シンセの割合が増加すると、ハード・シンセが積み上がることで生まれるインパクトはなくなりました。けれども、それはむしろ、小室さんが「音を選び取る」シーンをリアルタイムで目撃できたことを意味するのかもしれません。そして今回は、Roland社のシンセサイザー「JD-XA」を使った小室さんが思うところを話しているので、その言葉にフォーカスしてみます。

http://www.rittor-music.co.jp/magazine/km/15122007.html

JD-XAの解説や開発者のインタビューが載っており、「小室哲哉が語る JD-XAシンセサイザー」と題したインタビュー記事を読むことができます。小室さんは2015年3月のライブ「TM NETWORK 30th FINAL」で、いち早くJD-XAを使いました。そもそも、Roland社のシンセサイザーと小室さんの付き合いは長い長い。1990年代に小室さんが世に送り出した曲のピアノは、ほとんどが同社のシンセサイザー「JD-800」のプリセット53番です。そうした経験をふまえつつ、小室さんはJD-XAを「シンセサイザー・プレーヤーに向けた本気の機種」だと評します。EDMのDJに使われるような音を出すわけではなく、そういう意味で現代的ではないけれど、きちんと弾ける鍵盤奏者こそが使いこなせるシンセサイザーだと語ります。

さらに、ブラック・ミュージック、フュージョンやジャズをやっている人たちにフィットするかもしれない、とも言いました。フュージョンやジャズは、小室さんがあまり交わらないジャンルですね。さらに、ジャズのライブでピアノとNord Leadを併用する場面でも、代わりにJD-XAを使えるのでは、との言葉がありました。Nord Leadを弾くジャズ・ピアニストと言えば上原ひろみですよね。ジャズの世界ではNord LeadやNord Electroをよく見かけましたが、Roland社のシンセサイザー・サウンドが浸透したら、ジャズの印象が変わるかもしれません。

***

小室さんがソフト・シンセを制作やライブに導入したのは2013年です。以降、ソフト・シンセでの音づくりや音色の選択について、『キーボード・マガジン』や『サウンド&レコーディング・マガジン』で言及しました。2年ほどが経ち、自身の体験や世界のトレンドをふまえた上で、2015年夏号では「ソフト・シンセの音は、もうクラブでもフェスでも、どこでも聴き飽きているところがある」と語ります。一方で「ああいう音がないとそれっぽく聴こえない」とも言いました。

EDMフェスの筆頭格であるUMF (Ultra Music Festival)の例を紐解くまでもなく、ビッグ・ネームのプレイは観客を沸かせ、20代のDJ/Producerが活躍します。ソフト・シンセの音は飽和状態に陥っていても、確固たる地位を築いています。それは、ホーン・セクションが入ればファンキーな雰囲気がぐっと高まるのに似ているかもしれません。その音が好きだからその曲を聴くのが楽しいし、ライブで盛り上がれる。ワブル・ベースなどのソフト・シンセの音だったからこそ、EDMがジャンルとして根付いたんですよね。その記憶はそう簡単には消えないのでしょう。

***

新たな音楽のジャンルが日本に黒船のごとくやってくる、ということはほとんどありません。ここ10年ほどは特にiTunes StoreやSpotifyのようなプラットフォームの話が注目される一方で、ジャンルとして新しいものは出てこなかったと記憶しています。ロックもダンス・ミュージックも細分化して分かりづらくなったところに、とても分かりやすい特徴を持ったジャンル、EDMが登場しました。やや時間はかかったものの、新たなジャンルとして日本でも認知されるようになりました。2014年にはULTRA JAPANが開かれ、Afrojack、Alesso、Hardwellなどがプレイしました。ULTRA JAPAN 2015ではDavid Guetta、Nicky Romero、Skrillexなどの参加が予定されています。

2014年の終わりから、TVCMでもEDMが流れていたと記憶しています。夏が近づいてきたからでしょうか、最近は和製EDMも流れていますね。また、少し前にはK-POPでもEDM的な音を使っていました。これから夏らしいアッパーな曲がTVCMで流れるので、EDMに傾倒した曲を耳にする機会はさらに増えるのかもしれません。明らかにEDMを意識した曲でなくとも、ソフト・シンセを強調したポップスやロックがもっと聞こえてくるような気もします。まあ、そうなったら廃れるのも早いのですが、ソフト・シンセの音は気持ちいいものが多いので「いいぞもっとやれ」って思うんですけどね。

2015.06.17
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by mura-bito | 2015-06-17 21:34 | Music | Comments(0)
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