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音楽と物語に関する文章を書いています。
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[PART3] Zedd – True Colors
True Colors

True Colors

Zedd


[PART2] Zedd – True Colors

PART2ではアルバム『True Colors』の前半、シングル曲のオンパレードから始まって表題曲「True Colors」までの流れにフォーカスしました。レコードの表現を借りるならA面を締めるのが表題曲であり、ひっくり返すとB面は「Straight Into The Fire」から始まります。針を落とすと、A面とは異なる世界が広がります。

Straight Into The Fire
軽やかに駆け出すようなボーカルが、真っ白なキャンバスに鮮やかな色を塗るようなシンセサイザーの音が、ともに鮮烈な印象を残します。明るい音にJulia Michaelsの歌声がぴたりとはまっていて、とても心地好い。真夏ではなくて、初夏や初秋のよく晴れた日をイメージします。すっきりと晴れた空とさわやかに吹く風は人々を笑顔にしますよね。

この曲のポップさはアルバムの中でも群を抜いており、Zeddのポップな感覚が色濃く反映されていると思います。ソフト・シンセの音でポップさをぎゅっと煮詰めると、こうなるわけですね。きらきらと輝く音が、ストレートなEDM的展開で聴き手に届き、気持ちをほぐしてくれます。こうなったらもう、あとは音に任せて踊ればいい。

Papercut [feat. Troye Sivan]
さざなみのように始まり、ハウス系のトラックがゆっくりとグラデーションを描きます。Troye Sivanによるボーカルが淡々と響きます。無表情とも言える雰囲気をまとい、言葉をするすると紡いでいく。夜明け前の閑散とした街角を男性が歩くシーンが思い浮かびました。コーラスを重ねるJulia Michaelsの声は、その男性の記憶の片隅に残る声なのかもしれません。過去を切り捨てた男性の中に残る、わずかな未練。

曲は途中でモードが切り換わります。一度音が消えて戻ってくると、雰囲気が変わっています。ほとんど同じように思えるのですが、気づかぬうちに似たようなパラレル・ワールドに足を踏み入れている。音は少しずつ増えていきます。増えていくひとつひとつの音が気持ちいいし、気付いたときにはいくつもの音に絡め取られて虜になっています。いつ終わるとも知れぬループによって聴き手を魅了する、それはシンセサイザーの音の魔力です。それを知ってしまったら、きっと元の世界には戻れません。

Bumble Bee
ファミコン時代のゲーム・ミュージックを思わせる音から始まり、鋭角的なシンセサイザー・サウンドが押し寄せます。ワブル・ベースをこれでもかと効かせる音は重厚感に満ちています。ボコーダー・サウンドも加わると、一気に曲はメカニカルでメタリックな世界に支配されます。

シンセサイザーというと「ピコピコ」という言葉で表現されたのは、いつのことでしょうか。もはやそうした表現も見かけませんが、ピコピコ感のある音を今の音で作り込むと、新鮮に聴けるから不思議ですね。ボコーダーも含めて、ロボットやアンドロイドのようなイメージは、魅力的であり続けるモチーフなのでしょう。取り入れ方を工夫することで、新たな魅力を放ちます。

Daisy
この曲ではメロディの美しさをじっくり味わいたいと思います。それは歌メロもそうですし、ストリングスが奏でるメロディも、ですね。ボーカルをとるのはJulia Michaelsであり、ストリングスを指揮するのはRon Fairです。いずれのディレクションにもZeddが関わっています。シンセサイザーの音を背景に、歌とストリングスが華麗に舞い、物語を描きます。繰り返される ♪Daisy you got me♪ という言葉からは、ささやかな物語が浮かび上がります。

アルバムではJulia Michaelsは3曲に参加しており、彼女の歌声はとても素敵ですね。特に「Daisy」では、素晴らしい声に加え、その歌い方、言葉の置き方に魅力を感じます。♪When you running, running...♪ と歌うところのメロディの流れが好きです。どのようにメロディに言葉をはめるか、というのは、どのようにメロディから外すか、ということでもあります。それが緩急を生み、メロディが他のメロディを、言葉が次の言葉を引き立てます。

Illusion [feat. Echosmith]
Echosmithのボーカル、Sydney Sierotaが参加した曲です。「Daisy」のアウトロがこの曲のイントロになっていて、ふたつの曲がつながる流れがとてもきれいです。同じようなつながりがある「Done With Love」と「True Colors」では、やや冷たく、シリアスな印象を抱きましたが、「Daisy」から「Illusion」へのシフトでは夜明けのような静謐な空気を感じました。

Sydney Sierotaの歌声は、静謐なシンセサイザーの音と溶け合うように響きます。ポップ・ロックのEchosmithでの歌とは異なる雰囲気を漂わせます。音と同化する声は、さながらサウンド・インスタレーションです。最後には聴き手も引き込まれて、いつの間にか音に同化します。聴き手を溶かしてZeddの音の世界と混ざり合ったところで、アルバム『True Colors』は終幕を迎えます。

2015.05.23
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by mura-bito | 2015-05-23 22:08 | Music | Comments(0)
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