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音楽と物語に関する文章を書いています。
ワイルドじゃなくてもいいからタフになりたい
Want to become tough, not need to get wild.
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[PART4] TM NETWORK 30th FINAL
TM NETWORK 30th FINAL
2015-03-21&22 at Yokohama Arena


JUST LIKE PARADISE/RHYTHM RED BEAT BLACK/CHILDREN OF THE NEW CENTURY/HERE, THERE & EVERYWHERE/SCREEN OF LIFE/BIRTH/A DAY IN THE GIRL'S LIFE/CAROL (CAROL'S THEME I)/GIA CORM FILLIPPO DIA/IN THE FOREST/CAROL (CAROL'S THEME II)/JUST ONE VICTORY
INTERMISSION/月はピアノに誘われて/あの夏を忘れない/TETSUYA KOMURO SYNTHESIZER PERFORMANCE/GET WILD/WE LOVE THE EARTH/BE TOGETHER/I am/FOOL ON THE PLANET/ELECTRIC PROPHET

[PART3] TM NETWORK 30th FINAL

「GET WILD」を挟んで繰り広げられた、小室さんのシンセサイザー・パフォーマンスは爆音と火柱に包まれて終わりました。余韻が残る中、音の祭典は続きます。鳴り響くのは「WE LOVE THE EARTH」のイントロ。キックの連打によってグルーヴが生まれます。遅くもなく速くもなく、絶妙なテンポで刻むリズムが心と身体を心地好く揺らします。

ポップスとしてとても聴きやすく、歌やコーラスのリフレインを楽しめる曲であるのと同時に、ダンス・ミュージックとしての魅力も持ち合わせています。こうしたハイブリッドなアレンジはTM NETWORKの真骨頂ですね。三十年の活動の中でTM NETWORKの音楽は、さまざまなダンス・ミュージックとの融合にトライしてきました。ファンク、ハウス、テクノ、トランス、そしてEDM。ハウスと融合することで、その魅力を存分に引き出したのが「WE LOVE THE EARTH」です。

♪君の姿映す 春の蜃気楼♪と綴る詞は、この上なく叙情的です。肌触りまで伝わってくるし、脆くて儚い感じが漂います。季節が巡る中で春の訪れは特別なものがありますよね。嬉しさもあれば寂しさもある。一日、また一日と暖かさが増す中で、時折訪れる寒の戻りに身体が震える。そうした春の始まりに「WE LOVE THE EARTH」はよく合います。春の暖かさも、春の夜空も描かれている。

ウツが叫ぶ「Welcome to the FANKS!」という言葉を合図に、大量の金色と銀色のテープが宙に放たれます。テープは光を反射してきらきらと輝き、ひらひらと舞う。輝きの中、演奏される曲は「BE TOGETHER」です。細かく刻むスネアがぐいぐいとバンドを引っ張ります。もはや何度目のことかわかりませんが、またも会場がヒートアップします。

「BE TOGETHER」は「GET WILD」とともに、この三年間のプロジェクトを彩り、エネルギーを注入してきた曲と言って差し支えないでしょう。コンサートの後半に演奏されることが多く、加速して終盤へつなぐ役割を果たしてきました。2013年のコンサートでは、「ただいまです!」というごく短い、けれども充分過ぎるメッセージをウツが発した直後に演奏に突入しました。あのときの盛り上がりは、いつもと違う雰囲気でしたね。

密度が大きく濃度の高い四つ打ちとシンセサイザーが鳴って、エネルギーを溜め込みます。スネアの音をきっかけにして始まるのは「I am」です。2012年の再始動とともにシングルとして発表され、すべてのコンサートで演奏されました。僕らファンにとって思い出深い曲となりましたが、本人たちにとっても特別な曲になったと、小室さんは書き残しました。

音は声を届けるためにあるし、声は言葉を伝えるためにある。「I am」は三人の声が記録された曲です。それはコンサートで演奏されるときも同様です。ウツはもちろんリードボーカルをとり、木根さんはアコースティック・ギターを弾きながらコーラスを重ね、ショルダーキーボードを下げた小室さんもツインボーカルのように声を重ねる。木根さんが前に出ると、空いたマイクの前に小室さんが立って歌います。戻ってきた木根さんも隣に立ってコーラスに加わる。この光景は初めて目にしたと思います。少なくとも、そう起こることではない。この三年、三人の声がさまざまな三角形を描くのを目の当たりにしましたが、最後に新たな三角形を見ることができましたね。

"We are human." という言葉とともに「I am」が収束します。コンサートは終幕に向けて、最後の階段を登ります。柔らかな旋律が観客を包み込み、「FOOL ON THE PLANET」が始まります。シンセサイザーと絡むスネアの音は力強く、優しく紡がれるメロディとともに、鮮やかなコントラストを見せます。「TM NETWORK CONCERT -Incubation Period-」と題した2012年のコンサートの幕を上げたのが、この曲です。「FOOL ON THE PLANET」によって、TM NETWORKの三人は、潜伏期間として設定された三十年の最後の三年間をスタートさせました。

TM NETWORKは潜伏者として三十年を過ごしてきました。潜伏者は彼らだけではなく、他の場所にもいるし、他の時代にもいた、とされます。人類の発展に寄与した人間は実は潜伏者だったのかもしれません。歴史の表舞台に出ずとも、小さな世界で何かしらの影響を与えることもあった。人々の争いを止めようとして、力及ばなかった潜伏者もいる。

この三年、宇宙からの視点、地上での視点を織り交ぜ、さまざまな潜伏者の行動や思いにフォーカスしてきました。大きな出来事も、取るに足らない小さな出来事も、潜伏者にとっては記録して報告すべき対象です。いつもと同じ街角の景色であっても、潜伏者がいると考えるだけで違って見える。あるいは、潜伏者の視点で描かれることで、意味は変わり、物語が始まります。僕らの役割は、他の潜伏者の調査を俯瞰すること、そして他の潜伏者の間をリレーするバトンの行方を見守ることでした。

「ELECTRIC PROPHET」のメロディが流れる中、TM NETWORKは光の中に消えていきます。暗闇の中、一筋の光が地面を照らすと、そこにはバトンが置かれています。そして司令が伝えられます。TM NETWORKが持っていたバトンを、今度は君たちに預ける、と。示されたコードにアクセスすると、司令は「潜伏せよ」と告げます。僕らはバトンを受け取りました。それと同時に、僕らの潜伏期間が始まったのです。

2015.03.28
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by mura-bito | 2015-03-28 22:40 | Music | Comments(0)
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