inthecube
音楽と物語に関する文章を書いています。
ワイルドじゃなくてもいいからタフになりたい
Note my experiences with impressive music/story.
ブログトップ
Scene6/BEYOND THE TIME -- the beginning of the end
TM NETWORK 30th 1984~ the beginning of the end

TM NETWORK 30th 1984~ the beginning of the end

TM NETWORK


潜伏者のひとりが、白い台の上に乗せられたカプセルに近づきます。これまで見てきたカプセルを小さくして、横に倒したような形をしている。プラスチックなのか、ガラスなのか、あるいは僕らが知らない素材なのか。透明なプレートで覆われたカプセルの中を一瞥すると、蓋を開け、持ち上げます。それは、カプセルの中で眠っています。それは、生まれてから幾ばくかの時間が経過した乳児、のように見える。

▼▼▼

「LOUD」のミュージック・ビデオを再生して、記憶を巻き戻してみましょう。メイン・ブレインの中で歌うTM NETWORK。駆け回り、歌う少女と少年たち。部屋のドアが次々と開き、部屋から部屋へと移動すると、最後の部屋には潜伏者のひとりが立っていました。その腕には、無邪気に眠る乳児が抱かれている。白い部屋、白い格好をした潜伏者、白い布に包まれた小さな生命。それを生命と呼ぶべきか否か、判断するための情報は開示されていません。許されているのは、いくつかの情報と過去の記憶をつないで、イメージすることです。

記憶とイメージが錯綜する中、潜伏者のひとりがバトンを手にします。それを別の潜伏者が受け取り、カプセルの近くにいた潜伏者に歩み寄り、手渡します。バトンを手にした潜伏者は、カプセルを見下ろすように近づき、中で眠るそれの側にバトンをそっと置きます。ゆっくりとカプセルの蓋を閉じる。カプセルはドアの向こうに消えます。

潜伏者たちはモニター越しにメイン・ブレインの外を見つめる。やがて、光の塊がメイン・ブレインから発射され、一直線に進んでいきます。モニターには青い星が映し出され、カプセルを包む光の塊はそこに向かって飛んでいく。モニターはカプセルの着地点を示しており、青い星に存在するある都市にフォーカスします。カプセルが向かうのは、1974年のロンドン。「CAROL」という物語が始まる17年前、その舞台であるロンドンに、カプセルは降り立つはずです。

▼▼▼

木根さんがアコースティック・ギターを鳴らし、ライブを締める曲「BEYOND THE TIME」が始まります。別の物語のために書かれた曲が、時間と空間を飛び越えて、今のTM NETWORKの物語に組み込まれています。2013年のライブでは地上から宇宙を見上げるように歌った曲を、今度は宇宙から地球を見つめる位置で歌う。メイン・ブレインから旅立ったカプセルの行方を見守るかのように「BEYOND THE TIME」の音は鳴り響きます。

小室さんはソフト・シンセの他にKronos X、Virus TI、Virus Indigo 2 REDBACKを弾きます。Kronos Xからはピアノの音が出ます。Virus TIはソロ・プレイに使います。やはりVirus Indigo 2 REDBACKの音に強く惹かれます。太くて力強く、輪郭がはっきりした音を出す。ソフト・シンセや新たなハード・シンセを導入したことで、前面に出る機会は減りましたが、こうして重要な場面でそのプレゼンスを感じさせますね。宇宙を舞台にした物語にフィットし、その悲喜交々に陰影をつける。音が立体的になると、イメージも平面を飛び出しますね。

「BEYOND THE TIME」は2012年、2013年に続いて披露されましたが、演奏される順番は変わっています。2012年のライブでは、中盤から後半に移行するところで、小室さんの静謐なキーボード・ソロからの流れを受けて披露されました。揺らめく音のレイヤーに触発され、宇宙を漂うイメージが浮かびました。2013年には、TM NETWORKの三人が揃う曲、という役割を持っていました。今度は宇宙から地球に降り立つところを思い浮かべました。音の雰囲気も微妙に変化したこともあり、ライブの度に異なるイメージを抱くことができます。「TM NETWORK 30th 1984~ the beginning of the end」では、宇宙から地球を見据えるまなざしを感じます。それは俯瞰ではなく、コミットする視線。

▼▼▼

どこかに吸い込まれるように、すべての音が収束します。メイン・ブレインが宇宙に浮かんでいる。その中にいたはずなのに、いつの間にかそれを外から見ている。そこで起きたことが幻のようにも思えますが、記憶は確かに白い部屋の出来事を記録しています。やがてメイン・ブレインは暗闇の中に消えます。先ほどまで目にしていた光景が、音とともに記憶の中で鳴り響きます。

RETRACE/LOUD/Scene1/COME ON LET'S DANCE/KISS YOU
Scene2/永遠のパスポート/ACCIDENT/金曜日のライオン
Scene3/RAINBOW RAINBOW/BE TOGETHER/CUBE
Scene4/I am/JUST ONE VICTORY/KEYBOARD SOLO/GET WILD
Scene5/SELF CONTROL/Scene6/BEYOND THE TIME/Scene7


2014.10.10
[PR]
by mura-bito | 2014-10-10 21:54 | Music | Comments(0)
<< Scene7 -- the b... Scene5/SELF CON... >>

fujiokashinya (mura-bito)
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
最新の記事
Sarah Àlainn –..
at 2017-10-19 21:12
コアラモード. – 雨のち晴..
at 2017-10-17 21:53
[PART2] TM NET..
at 2017-10-11 21:45
[PART1] TM NET..
at 2017-10-10 21:40
GET WILD Takky..
at 2017-10-03 21:21
Carly Rae Jeps..
at 2017-09-25 21:21
LINKIN PARK – ..
at 2017-09-21 21:48
以前の記事
記事ランキング
カテゴリ
タグ
ライフログ
TM NETWORK

























TETSUYA KOMURO




quasimode


Linkin Park


Paramore

Immigrant'sBossaBand

Ryu Miho

AVICII


Krewella

Zedd

藍井エイル






Gacharic Spin


梨木香歩

村上春樹



京極夏彦



Book





Comic







Music



ブログジャンル