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COME ON LET'S DANCE/KISS YOU -- the beginning of the end
TM NETWORK 30th 1984~ the beginning of the end

TM NETWORK 30th 1984~ the beginning of the end

TM NETWORK


ソフト・シンセを筆頭に、いくつもの音が次々と重なり、溶け合っていく。音のレイヤーは緩やかに、けれども確実に厚みを増していきます。シンセサイザーとドラムスの音が交差し、やがてギターのリフが絡んでくる。一曲のインストゥルメンタルが成立するとまで思えるような、とても長くて起伏に富んだイントロが続きます。音はどんどん集まり、撚られ、太くなっていく。音に合わせて光が動きを速め、形も色も変えて、やがて、「COME ON LET'S DANCE」の特徴的なフレーズが飛び出します。

1986年にリリースされた「COME ON LET'S DANCE」は、2014年になって新たなアレンジを施されました。新たなバージョンは「COME ON LET'S DANCE 2014」と題し、アルバム『DRESS2』の一曲目に収録され、2014年型TM NETWORKのイメージを決定づけたと言えるでしょう。時間を巻き戻して、TM NETWORKの軌跡をたどると、いくつもの種類のダンス・ミュージックを取り込んできたことがわかります。その先鞭をつけたのは紛れもなく、1986年の「COME ON LET'S DANCE」です。リリース当時からこの曲にはオリジナル・ミックスの他に2種類のリミックスが制作され、TM NETWORK流のダンス・ミュージックを模索していた様子が伺えます。

TM NETWORKというフィルターを通して、ダンス・ミュージックをTM NETWORKらしい姿に変え、表現する。30年が経ってもその姿勢は健在であることを、『DRESS2』とそのリーディング・ヒッターである「COME ON LET'S DANCE 2014」は示しています。EDMというスタイルをTM NETWORKで実現すると、こうなるという一例を提示している。小室さんはTM NETWORKを「モーター・ショーやNAMMのような、新たな試みの展示会」と位置づけています。TM NETWORKというブースの入り口で来場者を迎え、強烈なインパクトを与えるのが「COME ON LET'S DANCE 2014」の役割ですね。アルバムにはもっと多くの、多彩なサウンドが詰まっており、それらへの期待を高めています。

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アルバム『DRESS2』はただのリメイク集ではありません。ライブ・ツアー「TM NETWORK 30th 1984~ the beginning of the end」のアレンジを先行して公開するという企画です。過去にも、類似した手法がとられたことがあります。1988年には、リリースが予定されていたアルバムの内容を示唆するライブを東京ドームで行ない、1990年にはライブ・ツアーのゲネプロを公開しました。TM NETWORKのライブは、多くの場合、音源とは異なる形にアレンジされたり新たな音が追加されたりします。既存の曲がいかに変わるかを楽しみにし、ライブ会場で驚くのがTM NETWORKのライブの醍醐味であるため、それを先に開示するのは大胆なことだと言えます。

けれども、『DRESS2』を聴いてライブを観たところ、やはり驚かされました。ライブではアルバムには入っていない音が多く重ねられており、事前に公開されていたのはアレンジの基礎部分だったのです。アレンジを知らなくても充分楽しめますが、知っていれば、その進化を楽しむことができる。ツアーの初日と千秋楽でも異なっていたように、小室さんは音をどんどんアップグレードしていきます。「COME ON LET'S DANCE」にも音が足され、アルバムに収録された音から乖離していきます。中でも小室さんが弾くハード・シンセ、Access社のVirus TIが鮮烈な印象を残します。ここまで変わっていくと、アルバムとライブでのアレンジは独立した存在だと思えます。もちろん、アレンジの土台は同じなのですが、その中のいくつかの要素をピックアップして強めて、新たなパーツを組み込んだ、という感じでしょうか。ライブで楽しんだ後も、アルバムを聴いて物足りなくなることはなく、何度でも聴けます。

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ファンクの色を一気に強めるカッティング。ギターの音が鳴り響くのと同時に、スポットライトがギタリストに当たります。このライブ・ツアーとアルバム『DRESS2』でサポートを務めたのは、「バンナ」と呼ばれる松尾和博さんです。バンナさんのファンキーなギターに導かれて「KISS YOU」が始まります。イントロでは、小室さんはシンセサイザーで作り込んだギター音を重ねます。シンセサイザーで構築された音は、ギターと同様のファンキーさを生み出します。音の密度について、生楽器とシンセサイザーには大きな違いはないと思います。あとはもう好みであり、アレンジのセンス次第なのではないか、と。

「KISS YOU」は1987年にリリースされました。オリジナル・ミックスではホーン・セクションも参加しており、ファンキーなギター・サウンドとの絡みがとても魅力的です。1989年にはCHICのバーナード・エドワーズによってリミックスされ、シンセサイザーとスネアの音が目立ち、煌びやかでありながら同時に冷たい空気の漂う不思議な音をまといました。多くのライブで演奏された曲ですが、2012年のライブ「TM NETWORK CONCERT -Incubation Period-」でも披露されています。シンセサイザーの比重が最も大きかったのが2012年ですね。

ソフト・シンセの音をメインに据えた2014年のサウンドの中で、ギターが屹立します。バンナさんは間奏でギター・ソロを披露しており、色気のある音色が曲を彩ります。また、アウトロでは木根さんがソロでカッティングを披露しています。これもまたファンキーです。TM NETWORKのライブには傑出したギタリストが参加することが多いので、木根さんはバック・ボーカルやパフォーマンスに注力することが多い。とは言え、その間を縫ったり支えたりする木根さんの音も聴けると嬉しいですよね。このライブでは、「KISS YOU」を始めとして、随所で木根さんのギターを聴くことができます。

RETRACE/LOUD/Scene1/COME ON LET'S DANCE/KISS YOU
Scene2/永遠のパスポート/ACCIDENT/金曜日のライオン
Scene3/RAINBOW RAINBOW/BE TOGETHER/CUBE
Scene4/I am/JUST ONE VICTORY/KEYBOARD SOLO/GET WILD
Scene5/SELF CONTROL/Scene6/BEYOND THE TIME/Scene7


2014.09.30
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by mura-bito | 2014-09-30 21:10 | Music | Comments(0)
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