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LOUD/Scene1 -- the beginning of the end
TM NETWORK 30th 1984~ the beginning of the end

TM NETWORK 30th 1984~ the beginning of the end

TM NETWORK


幕が上がると、目に飛び込んできたのは真っ白な部屋です。メイン・ブレインの一室。壁や床は静謐ささえ漂う落ち着いた白さを湛え、滲むように光を反射し、鮮烈な印象を残します。シンセサイザーとベースとスネアとハイハットの音が高らかに鳴り響く中、ステージには楽器がセットされます。そしてステージ前面の中央にマイク・スタンドが置かれます。小室さんと木根さんがステージに姿を現わします。ステージを照らす光は明滅し始める。ステージ奥の壁が左右に開き、ウツが姿を見せます。中央のスロープを歩いてマイク・スタンドの前に立ち、歌い始めます。

曲は「LOUD」。2014年4月22日にリリースされた、TM NETWORKの最新シングルです。小室さんが紡ぐメロディは淀みなく流れ、心地よいと思わせてくれるポイントをつないでいきます。ウツの歌はインターフェースとして、メロディのいろいろな表情、たとえば鋭さ、柔らかさ、温かさを媒介して、僕らのもとへ届けてくれます。ひとつのテーマ・メロディが少しずつ姿を変えて展開しており、曲を貫く流れを生み出しています。Verse、Bridge、Chorusのつなぎ目は滑らかであり、不自然さを感じないどころか、どんどん引き込まれていきます。

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「LOUD」は曲の後半で、一度その流れを断ち切るように、しかし裏ではつながっているのですが、雰囲気を変えるBridgeを挟みます。音が拡がっていき、一方でエネルギーはぎゅっと凝縮されていきます。そしてChorusが繰り返されるのですが、それまでのものより壮大な、雄大な雰囲気をはらみます。音が上がり、Bridgeで蓄積されたエネルギーが放出されているのです。ウツの歌声は、よりエモーショナルに響く。曲の最後を締める♪僕らはもっともっとエモーショナルでいいのさ♪という歌詞を体現するかのようなボーカルです。

シングルで聴ける音に、ライブではさらに音を足していました。ソフト・シンセの音がぐっと前に出てきて、太いベースの音と混ざってタフなサウンドになる。シンセサイザーがサウンドの核になっていることがはっきりとわかります。TM NETWORKの曲はジャンルを決めるのが難しく、ジャンルを跨いでいる曲もあれば、何とも定義できない曲もあります。それはジャンルを極め切れないという見方もできるのですが、そもそもジャンルの作法に則ろうとしていないんですね。「LOUD」をどこかのジャンルに当て嵌めようとしても、どうも据わりが悪い。ロックか、ポップスか、はたまたプログレッシヴ・ロックと称すべきか。ソフト・シンセの音が縦横無尽に駆け巡るサウンドを、既存のカテゴリーで語ろうと思っても無理がある。とりあえず、EDMとポップスのミクスチャー、と僕は結論づけています。

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ドアが開くと、そこには大きくて透明なカプセルが置かれており、中には得体の知れない物体が見えます。それは無機物の塊にも見えますが、有機物を培養しているようにも見えます。潜伏者のうち、二人がそれぞれ入力端末を操作しています。時として何かを話し合い、時としてカプセルに近づいて中の様子を伺います。二人は何を考え、何を話し、何を操作しているのでしょうか。二人の表情からは、具体的な情報を読み取ることはできません。やがて、それぞれのタスクを終えると、二人はその場を去ります。

音は物語の背景の一部と化します。ダブステップの要素を含む音を流しながら、小室さんはリアルタイムにソフト・シンセを重ねて厚みを出します。何が起きているか、これまでのライブを観ている観客にすらわからない状況の中、EDMスタイルを貫くインストゥルメンタルが鳴り響く。キックの音が強まり、ワブル・ベースを散りばめた音が会場を揺らします。物語を理解せんとする観客のヒントとなるのか、それとも謎を深めて謎の中に引き込もうとしているのか。目の前で起きていることは一体何なのか。物語は何を語ろうとしているのか。ドアが閉まり、それを合図にしたかのように、音の奔流が少しずつ収まっていきます。

RETRACE/LOUD/Scene1/COME ON LET'S DANCE/KISS YOU
Scene2/永遠のパスポート/ACCIDENT/金曜日のライオン
Scene3/RAINBOW RAINBOW/BE TOGETHER/CUBE
Scene4/I am/JUST ONE VICTORY/KEYBOARD SOLO/GET WILD
Scene5/SELF CONTROL/Scene6/BEYOND THE TIME/Scene7


2014.09.28
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by mura-bito | 2014-09-28 08:16 | Music | Comments(0)
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