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キーボード・マガジン No.386 特集 TM NETWORKの音楽
Keyboard magazine 2014年10月号 AUTUMN

Keyboard magazine 2014年10月号 AUTUMN

リットーミュージック


『キーボード・マガジン』の2014年秋号が発売されました。表紙を飾るのはTM NETWORKの3人です。「特集 TM NETWORKの音楽」と題した企画では、3人それぞれのインタビューが掲載されています。加えて、フォロワーである後輩ミュージシャン同士の対談や、曲を解析しつつTM NETWORKの歴史を紐解く企画も載っています。ここでは、小室さんのインタビューからいくつかの言葉を引用して、そこから浮かんだ自分の言葉を書き留めてみましょう。

TMのライブは、モーター・ショーとかNAMMショーとか、ああいった展示会みたいな部分もあると思ってます。最新鋭のものをいろいろ組み合わせて、こういうものを作りましたって提示する1つの場でもあるんで。

小室哲哉
特集 TM NETWORKの音楽 – Keyboard magazine No. 386

小室さんを語るときに欠かせないキーワードである「ソフト・シンセ」は、今やTM NETWORKにとっても同じ意味を持ちます。ライブでも音源でもソフト・シンセが大きな割合を占めており、そのことは冨田勲さんとの対談* でも力説していました。今回のインタビューではTM NETWORKの黎明期から話が始まり、また、具体的なライブや作品にフォーカスしていないため、ソフト・シンセの話は少なめでしたね。音楽を俯瞰して語るインタビュー記事、といったところです。TM NETWORKの立ち位置、音や言葉を選ぶセンスについて、今の小室さんの視点、考えを知ることができます。

シンセサイザー、キーボードの可能性っていうことを考えれば、何も知らない人が “へぇ、こういう音が出るんだ!” って知るだけでもいいんです。驚いて誰かに伝えれば拡散するわけで、それですでに展示会の役割を果たしていると思うし。

小室哲哉
特集 TM NETWORKの音楽 – Keyboard magazine No. 386

EDMというジャンルを知ってから、少しずつシンセサイザーに対する自分の態度が変わりました。ヨーロッパやアメリカで売れているEDMアーティストの曲を聴くと、ソフト・シンセでつくられた音がとても気持ちいいんですよね。AVICII、Zedd、Afrojack、deadmau5、Krewellaの曲をよく聴きますが、ソフト・シンセの醍醐味を知ると、他のバンドで後付けのように足しているシンセサイザーを聴けなくなってしまう。ソフト・シンセ以外を認めないわけではなくて、驚くことが少ない、あるいはまったくない。素晴らしいプレイに感動することと楽器の種類には因果関係はありません。けれども、印象的なフレーズを気持ちいい音で聴きたいのもまた本音なのです。「この音いいよね!」と「このフレーズいいよね!」がクロスする瞬間がとても好きだし、ずっと記憶に残ります。

全世界大ヒットのディズニー映画みたいにみんなが知っているのではなく、単館上映の映画なんだけど、“とにかく1回観てみてよ” って友達に言いたくなっちゃうようなものを目指したいんですね。

小室哲哉
特集 TM NETWORKの音楽 – Keyboard magazine No. 386

僕がソフト・シンセの音っていいなぁと思うのは、それがシンセサイザーらしさを肯定しているからです。既存の楽器の代替ではなく、シンセサイザーだ、ということを主張しているんですよね。もちろん、Indigo REDBACK、Sledge、TIといったハード・シンセも自己主張の強い音を出すので好きです。ここ数年でシンセサイザーの音って気持ちいいよね、と素直に言えるようになったかな、と思います。かつてはメロトロンやミニ・モーグのようなオールド・シンセの音がいいんだよと言っていましたが、やはり背伸びしていた感が否めません。いろいろ聴いたところにソフト・シンセの魅力を知ったことで、地に足をつけて「シンセサイザーの音が好き」と言える。TM NETWORKを聴き始めて20年、少しはシンセサイザーのことを語る資格が得られたでしょうか。

コンピューターとネットが、今は近いですね。オフラインだとPCは空と同じなんですよね。なので、ネットワークっていうのはすごく必要なもので。その世界にシンセサイザーも近付いてきてるかもしれないですよね。

小室哲哉
特集 TM NETWORKの音楽 – Keyboard magazine No. 386

ずっと前に楽曲はデータとして行き来するようになり、スタンドアロンではなく、ネットワークの中に組み込まれました。そこに楽器も加わるのは自然な流れと言えるでしょうか。ソフト・シンセを使うときは音をダウンロードして、複数のメーカーの音を混ぜている、とのこと。音をダウンロードする、という言葉が2010年代でしかあり得ないですよね。脳内の画布に描いている音を具現化するために、いくつもの音を試し、ふるいにかけ、選び取る。それはそんなに難しいことではない、と小室さんは言います。イメージさえできていれば、音は見つけられる、と。

言葉がこれだけ世の中に氾濫している中、何を選びたいかっていうのも決まっていればそれを選び取れるし、何かないかなって探して見つけ出せる人が、少し飛び抜けている人なので。

小室哲哉
特集 TM NETWORKの音楽 – Keyboard magazine No. 386

話は言葉にも及びます。音を選び取るセンスは、言葉を選び取るセンスにも通じるものがある。あふれるほどに言葉が流れていく時代になって、だからこそ、選び取れる人の価値が高まる、と僕は解釈しました。選び、組み合わせ、新たなものを提示する。音楽や映像ほどに派手ではないかもしれませんが、言葉というジャンルでも新たな価値を生み出す人は必要ですよね。文章って誰でも書けるけど、それは鍵盤を指で押して音を出すなら誰でもできるのと同じです。言葉の奔流の中でも屹立する言葉は、ある。僕はそういう言葉で文章を書こうとしているし、一方で読みたいんですよね。

* inthecube: キーボード・マガジン No.385 シンセサイザー特別対談 冨田勲×小室哲哉

2014.09.24
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by mura-bito | 2014-09-24 21:23 | Music | Comments(0)
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