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Kiss Destination – GRAVITY
GRAVITY

GRAVITY

Kiss Destination


ピンポン球が跳ねる音から始まるアルバム、『GRAVITY』。Kiss Destinationというグループが1999年にリリースしたアルバムです。この頃、小室さんは制作の拠点をニューヨークに置き、The Hit Factoryなどのスタジオで録音を行なっていました。ニューヨークでR&Bのエッセンスを取り込み、自分の表現に組み込もうとしたのでしょう。『GRAVITY』は、小室さんがR&Bへのアプローチを見せた作品です。

本作のサウンドは、重ねられた紗のようです。バックトラックを構築するシンセサイザーは薄く重ねられ、ベースの音は厚みがあり、密度が高いサウンドを聞かせてくれます。小室さんはキックの音を重視する傾向にありますが、KDではスネアの使い方に特徴がありますね。スネアの音を心地良いポイントで配置して、四つ打ちによる表現とは異なる領域にトライしていました。KDの魅力は行間のような、音と音が生み出す「間」ですね。音の間にある空気や雰囲気を感じ、イメージしてみましょう。

「HOW DO YOU THINK?」はイントロからコンガとスネアの音が絡み合うように鳴り続けます。リズム・セクションと並走するように鳴るシンセサイザーは薄く、シンプルな印象を受けますが、それが全体に乾いた空気を漂わせています。身体に響いてくるダンス・ミュージックでありながら、パーティー・ソングのような陽気さはなく、内省的とすら言える。リズムに身を任せている一方で、頭では別のことを考えている。

内省を通り越して孤独の中にいるイメージが浮かぶ「CAN YOU DIG IT?」。暗くて静かな道を重い足取りで歩くようなサウンドが、コーラス・チームが織り成す美しい歌声を際立たせます。少ない音が細い糸でつながっている。バックトラックをぎりぎりまで薄くし、音の重ね方をわずかに変えることで、曲の雰囲気がすっと変わります。雲の隙間から月が顔を出す瞬間があり、やがて雲に覆われて闇が戻ってくる。そんな夜のイメージ。

アルバムには印象的なカバー作品が収録されています。ひとつはThe Three Degreesの曲をカバーした「PRECIOUS MOMENTS」です。原曲のタイトルは「WHEN WILL I SEE YOU AGAIN」ですね。そしてもうひとつはTOTOの代表曲のひとつである「AFRICA」。どちらの曲もコーラスが曲を美しく彩り、魅力を増幅させています。美しいメロディを主軸に据え、シンセサイザーの音で支える。15年経った今でも色褪せないアレンジです。

2014.08.02
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by mura-bito | 2014-08-02 07:17 | Music | Comments(0)
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