inthecube
音楽と物語に関する文章を書いています。
ワイルドじゃなくてもいいからタフになりたい
OUR WORLD IS EXPRESSED BY IMPRESSIVE WORDS
ABASI ROSBOROUGH
ファッション・ブランド「ABASI ROSBOROUGH」を立ち上げた2人のデザイナーのインタビューが『PERISCOPE』のWeb版に掲載されています。ブランドに込められた精神やデザインの思想を知ることができます。記事を読み進めるほどに彼らの優れたバランス感覚に共鳴し、その服を着てみたくなりました。メイン・ストリームへのカウンターではなく、今あるものを肯定した上で、それを良くし続けていく姿勢。そこから彼らのオリジナリティが育まれ、スーツやシャツのデザインとして結実します。
ABASI ROSBOROUGHのテーマは「21世紀を生きる男性のための、21世紀らしいテイラリング」。スーツは100年以上も同じ形を維持し続けているのですね。スーツには100年ていどの歴史しかないとも言え、不変の存在ではないのですが、変える必要がなかったのか、不都合があってもそれに適応してきてしまったのか。これでは "suit" の主語がスーツなのか、人間なのかわかりませんね。ABASI ROSBOROUGHの2人は、スーツを独自の視点で分析し、デザインしなおそうとしています。機能不全に陥っているスーツを解体し、必要なパーツを選びなおして組み立てる。
最初にこの記事を読んだとき、最も強く印象に残ったのが「僕らがデザインするのは洋服の着こなし方」というアブドゥルの言葉です。「服を着る」ということを掘り下げ、行き着いた思想なのだろうと思います。そういえば、アブドゥルは子供たちに服の着こなし方を教えているところを、『PERISCOPE』編集長の佐久間裕美子さんが撮影し、Instagramでアップしていましたね(こちら)。モデルが着て写真を撮り、メディアに掲載されることよりも、服を着た人間が生活するところに重きをおいている。着飾るよりも、着こなしてほしい。そんなメッセージを発しているのではないでしょうか。
立ち上げ人のひとりであるグレッグは、自分たちのデザインは今あるものの否定ではなく、それらの改善だと語ります。これも『ヒップな生活革命』* に通じるものがあると思います。スーツそのものやその社会的役割を否定せず、それと同時に、彼らが言うところの「拘束衣」からは解放すべきだと主張する。その考えから、ABASI ROSBOROUGHは着心地の良さに心を砕いて服をデザインします。
このインタビューを初めて読んだ後、ABASI ROSBOROUGHの服を着てみたくなり、新宿伊勢丹に向かいました。日本では新宿伊勢丹で買えるとABASI ROSBOROUGHのサイトにあったからですが、伊勢丹のサイトでは多くのブランドが所狭しと並べられたフロアにあると示されていました。ブランドの入れ替わりの関係か、僕が行ったときには在庫はなく、彼らのストーリーを体験することは叶わなかったのが残念です。彼らの服を着てみたら、別の角度で文章を書くことができるかもしれません。諦めずに探し続けましょう。
* inthecube: 佐久間裕美子 – ヒップな生活革命
2014.07.27
The whole idea for us was for it to have a reductive quality. Instead of adding things, we thought about what we could take away.
僕らのアプローチは、マイナスの考え方。なにかを加えるのではなくて、なにを取り除くことができるのかを考えること。
アブドゥル・アバシ(訳:Kana Ariyoshi)
TWENTY-FIRST CENTURY TAILORING – PERISCOPE
僕らのアプローチは、マイナスの考え方。なにかを加えるのではなくて、なにを取り除くことができるのかを考えること。
アブドゥル・アバシ(訳:Kana Ariyoshi)
TWENTY-FIRST CENTURY TAILORING – PERISCOPE
ABASI ROSBOROUGHのテーマは「21世紀を生きる男性のための、21世紀らしいテイラリング」。スーツは100年以上も同じ形を維持し続けているのですね。スーツには100年ていどの歴史しかないとも言え、不変の存在ではないのですが、変える必要がなかったのか、不都合があってもそれに適応してきてしまったのか。これでは "suit" の主語がスーツなのか、人間なのかわかりませんね。ABASI ROSBOROUGHの2人は、スーツを独自の視点で分析し、デザインしなおそうとしています。機能不全に陥っているスーツを解体し、必要なパーツを選びなおして組み立てる。
We’re designing a way of dressing.
僕らがデザインするのは洋服の着こなし方。
アブドゥル・アバシ(訳:Kana Ariyoshi)
TWENTY-FIRST CENTURY TAILORING – PERISCOPE
僕らがデザインするのは洋服の着こなし方。
アブドゥル・アバシ(訳:Kana Ariyoshi)
TWENTY-FIRST CENTURY TAILORING – PERISCOPE
最初にこの記事を読んだとき、最も強く印象に残ったのが「僕らがデザインするのは洋服の着こなし方」というアブドゥルの言葉です。「服を着る」ということを掘り下げ、行き着いた思想なのだろうと思います。そういえば、アブドゥルは子供たちに服の着こなし方を教えているところを、『PERISCOPE』編集長の佐久間裕美子さんが撮影し、Instagramでアップしていましたね(こちら)。モデルが着て写真を撮り、メディアに掲載されることよりも、服を着た人間が生活するところに重きをおいている。着飾るよりも、着こなしてほしい。そんなメッセージを発しているのではないでしょうか。
That’s how we want to design: Take what exists and just make it better.
僕らがめざすデザインの方法は、すでに存在しているものをベースに、改善する。
グレッグ・ローズボロー(訳:Kana Ariyoshi)
TWENTY-FIRST CENTURY TAILORING – PERISCOPE
僕らがめざすデザインの方法は、すでに存在しているものをベースに、改善する。
グレッグ・ローズボロー(訳:Kana Ariyoshi)
TWENTY-FIRST CENTURY TAILORING – PERISCOPE
立ち上げ人のひとりであるグレッグは、自分たちのデザインは今あるものの否定ではなく、それらの改善だと語ります。これも『ヒップな生活革命』* に通じるものがあると思います。スーツそのものやその社会的役割を否定せず、それと同時に、彼らが言うところの「拘束衣」からは解放すべきだと主張する。その考えから、ABASI ROSBOROUGHは着心地の良さに心を砕いて服をデザインします。
It’s not so much that it’s a fashion statement, it’s that we humans gravitate toward comfort—whether it’s food, shelter, or whatever. This is saying, "You can feel comfortable and still look sharp."
ファッションで自己表現をするというよりも、僕ら人間は心地よさのほうにシフトしていっていると思う。それは食べ物にも、住まいにも言えることだと思う。「着ていて心地よいうえに、かっこよく見える」っていうのがポイント。
グレッグ・ローズボロー(訳:Kana Ariyoshi)
TWENTY-FIRST CENTURY TAILORING – PERISCOPE
ファッションで自己表現をするというよりも、僕ら人間は心地よさのほうにシフトしていっていると思う。それは食べ物にも、住まいにも言えることだと思う。「着ていて心地よいうえに、かっこよく見える」っていうのがポイント。
グレッグ・ローズボロー(訳:Kana Ariyoshi)
TWENTY-FIRST CENTURY TAILORING – PERISCOPE
このインタビューを初めて読んだ後、ABASI ROSBOROUGHの服を着てみたくなり、新宿伊勢丹に向かいました。日本では新宿伊勢丹で買えるとABASI ROSBOROUGHのサイトにあったからですが、伊勢丹のサイトでは多くのブランドが所狭しと並べられたフロアにあると示されていました。ブランドの入れ替わりの関係か、僕が行ったときには在庫はなく、彼らのストーリーを体験することは叶わなかったのが残念です。彼らの服を着てみたら、別の角度で文章を書くことができるかもしれません。諦めずに探し続けましょう。
* inthecube: 佐久間裕美子 – ヒップな生活革命
2014.07.27
by mura-bito
| 2014-07-27 08:46
| Design
fujiokashinya (mura-bito)
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